関ジャム、プロが選ぶ「2022年の年間マイベスト10曲」発表 IVE・Stray KidsらK-POPも続々<トップ10一覧>
2023.01.30 16:04
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テレビ朝日系音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』(毎週日曜よる11時~)では22日・29日と2週に渡って、2022年のミュージックシーンを独自目線で振り返る「プロが選ぶ年間マイベスト10曲」の最新版を放送。29日の放送で4位から1位までが発表された。
関ジャム、プロが選ぶ「2022年の年間マイベスト10曲」発表
毎年恒例のこの企画だが、今回はおなじみの音楽プロデューサー・蔦谷好位置、作詞家/歌詞プロデューサー・いしわたり淳治に加え、きのこ帝国のボーカル/ギターで作詞作曲を担当、現在はシンガーソングライターとして活躍する佐藤千亜妃が選者として登場した。22日放送の前編では、それぞれが独自の目線で2022年の音楽シーンを振り返り、蔦谷と佐藤がともに、水曜日のカンパネラの「エジソン」を選出。また、サカナクションの「ショック!」や米津玄師の「KICK BACK」といったヒット曲とともに、imaseの「Have a nice day」やMori Calliopeの「MERA MERA」、現役大学生シンガーソングライター・和ぬかの1stアルバム「青二才」など、SNSで話題となった曲がランキングに大きく影響した。
この日放送された後編では、水曜日のカンパネラの「エジソン」がいしわたりの1位にランクイン。SNSで話題となったasmiの「PAKU」も、いしわたりと蔦谷がランクインさせた。ゲストの上白石萌歌は「立ち止まってじっくり聴きたくなるような歌ばっかりで、音楽って本がなくても頭の中で読める言葉がいっぱいあるから、『この言葉は私に対してなのかも』とかそういう歌がいっぱいあったような気がしますね」とコメントしていた。
いしわたり淳治のトップ10
10位:なとり「Overdose」秋に初めてこの曲がリリースされたばかりでまだ謎の多いアーティストですが、メロディーと言葉に勘の良さを感じます。シティポップリバイバル以降の日本のポップ音楽の『新しい王道』を颯爽と駆け抜けるような、抜けの良さが素敵です。こういった音楽をさらりと鳴らす若者が増えていくことで日本の音楽はもっと面白くなっていく気がします。
9位:idom「i.d.m」
作詞家という職業柄、耳にする音楽はいつも無意識で歌詞を聴いてしまうのですが、歌詞のないイントロ『La la la la』を聴いた瞬間『これ誰?』と胸が騒ぎました。この『La la la la』はサビの歌メロなのだけれど、イントロだけは歌詞をなくす引き算によって、曲のインパクトと人懐っこさが出てスッと耳に入って来るメロディーセンスが素晴らしい。
8位:サカナクション「ショック!」
日常生活の中でショックを受ける瞬間は誰しもあります。何かショックを受けた時にこの歌を口ずさめば、ちょっとくらいの悲しみなら中和してくれそうな力がこのコミカルなサビにはあって素敵です。
7位:imase「Have a nice day」
いち音楽リスナーだった若者が2020年に楽器を始め、2021年に作曲を始めてその年末にはメジャーレーベルと契約。そしてメジャーデビューから数か月でポカリスエットのCM曲を担当しTikTokではオリジナル曲の総再生数が12億回を超えた。これが2022年に実際に起きた嘘みたいな本当の出来事です。
6位:今市隆二「辛」
今はLINEなど短いメッセージが主流なので、突然留守電もなく着信履歴だけが残っているのは若い世代には緊急事態を感じさせる。それをモチーフにして着信に気付かなかったことを悔やむ歌というのは、とても今っぽい新しい視点だと思いました。サビの切迫感のある言葉とは対照的にメロディーは甘い雰囲気で、そのミスマッチが良い違和感を生んでいます。
5位:YONA YONA WEEKENDERS「考え中」
一般的に歌詞というのは『本当の自分はこうだ』というような、自分の中のある種の結論のようなものが歌われがち。だが、実際の私たちの暮らしはハッキリと答えを出せないことで溢れています。鼓舞するような『自分はこうだ』の歌を聴いた後も聴き手はまだまだ、当たり前に迷ったり、悩んだり、考えたりしている。それならば『今私は考え中』と前向きに言い切る歌があった方が、何倍も機能的なのかもしれない。
4位:asmi「PAKU」
私たちの生活の中にも「パクッとしたい」瞬間はあります。歌詞というのは心の奥のまだ言葉になっていない感情を歌にすることが長らく正解とされてきた気がしますが、TikTokのようなSNSが流行して以降、まだ歌になっていない「動作」を歌にすることも新しいキャッチーを生み出す上でひとつの要素に。
3位:Lucky Kilimanjaro「ファジーサマー」
文学的な佇まいの言葉がものすごく心地良い。歌詞を深読みしてみても、ただ音として口ずさんでみても、純粋に格好良い日本語だなと感じます。歌の中でも日本文学のような豊潤な日本語を使える人が居てそっち側の匂いを感じるというか憧れます。
2位:wacci「恋だろ」
「性別や年齢や年収など、何もかも関係ないのが恋だ」と歌うこの歌は恋に興味がない若者が増えていると言われる昨今の「恋をしない理由」に真っ向から挑むとても勇敢な歌に聴こえます。
1位:水曜日のカンパネラ「エジソン」
昨今、身の回りには音楽以外にも、アニメ、ゲーム、SNS…身近なコンテンツはたくさん増えていて、個人の時間の奪い合いです。音楽は何かをしながらカジュアルに聴く所謂「ながら聴き」の機会が増えた気がします。その意味で普段の何でもない時間を、何でもなく彩るような、カジュアルで軽やかな音楽のニーズが高まっているような気がしていて、2022年、1番軽やかに鳴り響いたのは、この歌だったのでは…と思います。今の時代の風を1番浴びている人たちなんではないかと思います。
佐藤千亜妃のトップ10
10位:childspot「BYE BYE」ポップさの中に隠したほんの少しのヒリつきがたまらない。大人のフリした子供のような、子供のフリした子供のような、底の知れないポップネス。今、1番気になるバンド。
9位:a子「太陽」
たまたまTwitterでライブ映像が流れてきてどんどんハマっていったアーティスト。懐かしくなるサウンドと耳元で囁かれているようなウィスパーボイスが心地良い。
8位:NAYEON「POP!」
突き抜けたポップネスでひたすらワクワクさせてくれる楽曲。『こう来るか!!』とニヤニヤしてしまった。確かな歌唱力を、ポップな方向に落とし込むことで気軽に再生ボタンを押したくなる親しみやすい魅力に繋がっている。
7位:UA「お茶」
ダンスビートにたゆたう歌が大人の余裕を感じさせる楽曲。逆再生のサンプリングから始まるかっこいいイントロ。サウンドは抜け目ないのにタイトルが「お茶」ズルいです。
6位:Kep1er「WA DA DA」
切り取り部分を変えて聴いたら、全く別の曲に聴こえそうなバリエーションに富んだ展開。数曲分のアイディアをわがままに全て詰め込んだかのような大胆不敵さ。
5位:水曜日のカンパネラ「エジソン」
前任のコムアイさんと比べることすら忘れさせてしまうくらい、自立したボーカリゼーション。繊細さと逞しさのハイブリッド。新生水カンは、楽曲の中毒性はそのままにこれからも面白い世界を見せてくれそうで期待が高まります。
4位:Stray Kids「VENOM」
J.Y.Parkが統括プロデューサーの8人組ボーイズグループ。2022年にリリースした2枚のミニアルバムが、米ビルボードのアルバムチャートでともに1位を獲得、韓国でトリプルミリオンを達成するなど一躍K-POPを代表する存在に。耳から離れなくなるトラックの1曲。
3位:ちゃんみな「美人」
ルッキズム的な批判を経験したちゃんみなさんだからこそ書ける曲。この悲痛な感じは、誰からも好かれる聴き心地の良い曲ではないリスクを知りながらさらけ出し、表現として勇気を出して書いたのでは…と思うと胸が熱くなりました。誰かにちゃんと届いて守ってくれる盾になったり、戦える武器になったり、こういう曲も音楽業界は大事にしていきたいよねと感じた曲です。
2位:Official髭男dism「ミックスナッツ」
遊びのあるリズムと、こんなに速い疾走感の中でも、歌い上げながら駆け抜ける藤原(聡)さんの圧巻の歌唱力。髭男のオシャレなイメージと違い「こんなことも出来ちゃうんだ」と新たなすごさが見えた曲です。歌詞がものすごく良くて歌詞がアニメのストーリーのメタファーとして使われている。
1位:IVE「ELEVEN」
エスニックなテイストも魅力的で、飽きさせない楽曲構成とメロディーに感服。中でも衝撃的だったのが、サビ前2小節の大胆なテンポチェンジ。サビ前にだんだん遅くしていて「その後どうなるんだろう?」と思ったらサビから急にテンポが戻る。サビの起爆力に繋がっているという意味で、ただ奇をてらっているのではなく、機能としてもめちゃくちゃ理にかなっているアレンジ。
蔦谷好位置のトップ10
10位:和久井沙良「Escape(feat.mimiko)」知性とパッションを兼ね備えながら非常に歌心がある楽曲とピアノ。ソロの中にもキャッチーさが見えてくるのは、彼女がポップスのフィールドとも密接に関わっていることも少なからずあるでしょう。新たな世代のジャンルを超える存在として、今後の活躍が期待されます。
9位:水曜日のカンパネラ「エジソン」
日本でボーカリストが変わって成功する例はごく稀ですが、その至難の業を水曜日のカンパネラは成し遂げました。Dir.Fの慧眼、ボーカリスト詩羽の度胸と覚悟、そしてケンモチヒデフミの才能が爆発しています。中毒性サウンドの発明家と言っても過言ではないケンモチヒデフミの自伝的な内容とも取れる歌詞が非常にエモいです。
8位:yonawo「tokyo feat.鈴木真海子,Skaai」
削ぎ落した音数で隙間とグルーヴを感じさせられるループを作り、さらに美しいメロディーと耳に残る言葉選びと遊び。それをバンドでやっているのが最高です。
7位:Mori Calliope「MERA MERA」
エミネム顔負けの高速フロウを聴かせたと思いきや、J-POPらしいキュートな声で歌唱するなど、凄まじくハイレベルな表現技術を惜しみなく披露しています。プロデューサーのGigaによるトラックが最高でMori Calliopeの音楽性と可能性を最大限に引き出していると思います。
6位:米津玄師「KICK BACK」
米津玄師と常田大希という、とんでもないコラボによる王者の風格さえ漂う強力な曲です。一聴して絶対に覚えられない目まぐるしい転調の展開と『全部滅茶苦茶にしたい』という歌詞が象徴するような咆哮に近い強烈な米津の歌唱。しかし所々に、初期から通ずるような米津節のメロディーがあり、2022年最新アップデート版米津玄師といった印象。
5位:和ぬか「青二才」
SNSでのヒットの要素には歌詞や中毒性のあるサウンドなど様々ありますが、その中でもペンタトニックスケールで構成されたメロディーも常に大きなポイントの1つです。アルバムを通してペンタトニックが駆使され、プロデューサ100回嘔吐によるサウンドと共に強烈な個性として楽曲の統一感を出しています。
4位:SEKAI NO OWARI「Habit」
一聴して耳に残るギターリフ、歌詞、メロディーとその歌唱、そしてMV…これらは音ネタ的要素が強いSNSでのバズを視野に入れたかは不明ですが、その時代を切ち取り、さらに自分たちの視点で新たな提示が出来るのが、セカオワというスーパープロデューサー集団です。
3位:asmi「PAKU」
2022年最も中毒性の高い曲だったと思います。作曲のmeiyoの2021年作品「なにやってもうまくいかない」での成功の延長にある曲調ですが、循環コードの中、メロディーだけ転調したような瞬間を作るなど、違和感と心地良さの絶妙なラインを往来する作曲技術が非常に高いです。このような転調は聞いたことがなく、非常に映像的ですばらしいです。
2位:Bialystocks「灯台」
映画監督でもあるVo.甫木元(空)の抽象的で映像的な歌詞と、ジャズのバックボーンがある菊池(剛)の見事な作曲編曲能力が結実した傑作です。灯台の光、あるいは寄せては返す波のように永劫に続いていくかの如く、メロディーが高揚していくラストは圧巻です。
1位:PEOPLE1「紫陽花」
どの曲を選ぶか迷うほど素晴らしい作品だらけのPEOPLE1の2022年でしたが、その中でも1番多く聴いたこの曲を選びました。少なくとも200回は聴いたと思います。美しいメロディー、限られた音数、歌詞で説明しきらない奥行き、圧巻の歌唱…全てに感嘆した1曲です。
(modelpress編集部)
情報:テレビ朝日
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