<女子アナの“素”っぴん/竹俣紅アナ>1年目でぶつかった“乗り越えられない悲しみ”と新たな気付き 心に残る言葉とは【フジテレビアナウンサー×モデルプレス連載】
2022.04.16 17:00
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2017年12月から2021年2月まで、約3年半にわたった「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』が、この度特別復活を果たした。今回は2021年入社の竹俣紅(たけまた・べに/23)アナウンサーにインタビュー。
「女子アナの“素”っぴん」特別復活
「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。ここではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。
竹俣アナは早稲田大学を卒業後、2021年に入社。現在は「Live News イット!」「めざまし8」(木・金曜日)などを担当している。
竹俣紅アナ、椿原慶子アナとの出会いがアナウンサー目指すきっかけに
― まずはアナウンサーになりたいと思ったきっかけから教えてください。竹俣:学生時代にフジテレビの「Mr.サンデー」にコメンテーターとして出演させていただいた時に、椿原(慶子)アナウンサーが原稿の尺や内容が急に変わったり、宮根(誠司)さんから突然情報を求められたりしても冷静に対応されているのを見て、「こういうプロフェッショナルな世界もあるんだ、すごいな」と思ったのがきっかけです。そこからアナウンサーになりたいと思いました。
― 面接ではどのようなことをアピールされていましたか?
竹俣:私はそれまで女流棋士として活動していましたが、将棋は「秒読み」というルールがありカウントダウンをされながら次の手を考えなければならないので、時間が決まっている中で原稿を読むことに生かせるかなと思っていました。時間が迫る中でも動じないというのを強みにしていました。
それから、最後まで諦めないところでしょうか。目標に向かって小さな努力を積み重ねて頑張ったり、日々研究して作戦を立てて、負けてしまったら改善したり…というのは将棋でずっとやってきたことなので、そういった部分もアピールしました。
― 実際にアナウンサー職を受けようと決めてから新たに始めたことや準備したことはありますか?
竹俣:アナウンススクールに通いました。実は学生時代にテレビに出演するにあたってもともと通っていた期間があったんですが、その時はバラエティーなどでしっかり話すために主に発声を学んでいました。その時はまさか自分がアナウンサーを目指すとは思っていなくて。再度通い始めた時は原稿読みなどの実践的な技術を磨くようになりました。それから毎朝、新聞を音読していましたね。
― それはニュースも学びながら原稿読みの練習にもなりそうですね。
竹俣:はい。フジテレビの就職説明会の時に永島(優美)アナウンサーが実践していると話していたので、「それすごくいいな」と思ってその日から始めました。音読することでより情報も入ってきますし、新聞の堅い文章に慣れることも必要で。原稿はそのような堅い文章に近く、「~だ」という語尾を「~です」と直したり、「米」を「アメリカ」と読み変えたりと臨機応変さも求められるので、その練習にもなりました。
就活生にもオススメなので、まずは一面だけでもやってみるといいと思います。自分が知らなかった出来事を知るきっかけになりますし、「あ、こういうことだったんだ」と気付くことも多いです。きっと皆さんも発見があると思います。
竹俣紅アナ、アナウンサー目指す学生へアドバイス
― 逆に、振り返って「これをやっておけばよかった」と思ったことはありますか?竹俣:もうちょっと色々な体験をしておくべきだったなと思いました。それこそ友達と旅行に行ったりなどは全然してこなかったですし、就活が終わってもコロナで行けなくなってしまって。将棋を15年間やってきたという強みがあっても、逆にそれ以外のものがなかったんです。なので、周りの皆が色々なエピソードを話しているのを聞くと「いいな」「この経験は自分にはないものだな」と思ったり…。実際にアナウンススクールで「一つのものを突き詰めているとエピソードとして話しやすい」とも聞いていたのですが、それはそれでデメリットもあると気付きました。
― では、今アナウンサーを目指している学生へアドバイスをお願いします。
竹俣:まずは自分が初対面の人にどのように見られるのかを把握することが大切だと思います。私は将棋をやっていたため真面目そうだと思われることもあったのですが、実際はそうではない部分も持っているので、イメージと逆の部分を自己紹介で見せた方が、面接官の方からしても驚きがあると思います。個人的な意見ですが、初対面のイメージと喋った時の印象がそのまま同じではない方が意外性があって面白いのかなと思いました。
もちろん印象が見た目と同じであることが強みになる人も思うのですが、どちらの場合でもまず自分の見え方を把握してから、自己PRを考えていくと方向性がわかってくると思います。
― 自分が周りからどう見られているのかというのは、実際に誰かに聞いていたんですか?
竹俣:はい、周りの人に聞いたり、アナウンススクールで先生に講評していただくこともありました。また友達に、同じクラスになって初めて私を見た時にどう思ったか聞いたところ「話しかけにくそう」というイメージを持たれていたことがわかったので、「そうなんだ、じゃあもう少しフレンドリーな感じを出した方がいいのかな」と考えて、それを意識していました。
竹俣紅アナ、先輩アナウンサーからの言葉でポジティブに
― 4月から実際にアナウンサーとしての仕事を始めて「フジテレビに入ってよかった」と感じたことはありますか?竹俣:先輩たちが本当に心にゆとりがあって温かい人ばかりで「いい職場だな」と感じています。皆さん忙しいのに、後輩の番組などもよく見てくれていて、「よかったよ」と声をかけてくれたり、アドバイスをしてくれます。私は結構自分で自分を律しすぎてしまうというか、99点をとってもあとの1点が気になってしまう完璧主義に近いタイプなので、ちょっと落ち込んでいる自分に「こういうところがよかった」「すごく落ち着いてできていたよ」と言ってくれると「いい仕事ができたんだな」と前向きに思うことができます。
― 普段から先輩に仕事の相談をすることも多いですか?
竹俣:「今度こういう仕事があって、どうしたらいいですか?」などと話すことはあります。話しやすい環境なので、日常的に色々な話をしています。
竹俣紅アナ、1年目でぶつかった壁「乗り越えられない悲しみ」
― 1年目を振り返って辛いと感じたことはありましたか?竹俣:報道番組での被害者や遺族の方への取材が1番辛かったです。学生時代、私はジャーナリズムのゼミに入っていて、マスコミの姿勢について授業で学んだり討論したりしていたんです。マスコミが被害者宅に取材に行く理由などについても議論していたので、入社して自分がそのマスコミの立場になった時は悩みました。
― そこからどのように気持ちを切り替えて、今取材に行くことができているのでしょうか?
竹俣:そればかりは乗り越えられない悲しみがあります。私が担当した事件の中には、自分の立場だったらと考えると耐えられないような悲しさと悔しさがこみあげてきたものもあります。ですが、私がその中で救いだなと感じたのは、現場に行くスタッフや取材クルーも同じことを思っているということです。取材班は心を痛めながらも報道人としての自覚を持って仕事をしているのだと思います。
また火災現場の取材の時に、近隣住民の方に聞き込みをしたことがあったのですが、たまたま声をかけた方が火災が起きたお宅の方だったことがあったんです。その方はご両親を火災で亡くされてしまって、お話を聞くのは難しいかなと思っていたのですが、当時の状況を詳しくお話してくださいました。最後に「大変な時に本当に申し訳ありません」と伝えたら、「いや、いいんだよ。おふくろのこと伝えたかったんだ」と言ってくださって。そのお母様はまだ逃げられていないお父様を助けようとして戻られて亡くなられてしまったのですが、「おふくろはいつも人のことを考えて行動する人だったんだ。それを誰かに伝えたかった。だから話を聞いてくれてよかった」とおっしゃっていて、それもすごく救いになりました。それまでは被害者の方への取材の意義はどこにあるのか悩んでいたのですが、そういう風に思ってくださる方もいらっしゃることと、報道機関はそういった思いや経験を伝える場所であることに気付き学びました。
竹俣紅アナに響いた小籔千豊の言葉
― 大学生の頃にジャーナリズムを学ばれていたからこそ、より責任感を持って報道に携わることができているんですね。そのような様々な経験を経て、今悩んでいることはありますか?竹俣:私はミスを振り返って悩んでしまうことが多いのでできるだけ悩まないように心がけているのですが、やはり女流棋士をしていたという経歴があるので、アナウンサーを1年間やってきても「将棋の人」と思われることも多かったんです。「どうしたらアナウンサーだと思ってもらえるんだろう」と悩んでいました。
そんな中、去年の秋くらいに小籔千豊さんと街の人のお悩みを聞くという企画のロケに行かせていただいて、最後に私も小藪さんに悩みを相談する時間があったんです。そこで私がその悩みを話したら、小藪さんから「人からの見え方っていうのは残念ながら操作することはできない。だけど今やるべきこと・1番大事なことは、身の回りの人にどう思ってもらうかなんだよ。アナウンサーとしての仕事をしっかりやっていくことで、周りの人に『あ、紅さんってきちんとアナウンサーの仕事ができる人なんだな』と思ってもらうことが1番だよ」とアドバイスをいただきました。その言葉にはとても納得しましたね。
― すごく響く言葉ですね。4月から2年目となり後輩も入ってきますが、「ここだけは負けたくない」という自分だけの個性はありますか?
竹俣:3月にCSの「いいすぽ!」でリアルタイムバトル将棋というゲームの実況を担当しました。それは私の個性がすごく出た仕事かなと思っています。将棋とはルールが違うのですが、女性で実況すること自体すごく珍しいことですし、もしかしたらこれからやっていく仕事の中で、その実況のように新しい可能性を生み出すようなものも増えてくるかもしれないと思いました。
― 最後に4月から新たに担当となった「めざまし8」に実際に出演してみて感じたこと、今後の意気込みを教えてください。
竹俣:出番の直前に原稿が来ることがほとんどなので、冷静さと臨機応変さが大切だと感じました。生放送中は慌ただしいですが、先輩が細かくアドバイスしてくれて、とても温かい現場です。
今後も、ニュースを正確にわかりやすくお伝えしていきたいと思っています。あと、「めざまし8」内で、何か自らのコーナーを持つことができたら嬉しいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
竹俣紅アナのとあるスケジュール
3:00 起床早朝出社後、制作打ち合わせ、MC打ち合わせ、全体打ち合わせをリモートで行う。
7:50頃 原稿チェック
8:00~10:00 「めざまし8」生放送
12:00~18:00頃 「めざまし8」取材
竹俣紅(たけまた・べに)プロフィール
生年月日:1998年6月27日/出身地:東京都/出身大学:早稲田大学/血液型:A型/入社年:2021年
【Not Sponsored 記事】
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