<女子アナの“素”っぴん/井上清華アナ>「誇れるものが何もなかった」就活秘話 3年目の今が新たなターニングポイントに【「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載】
2021.01.16 17:00
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「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』―――― Vol.69~70は2018年入社の井上清華(いのうえ・せいか・25)アナウンサー。
「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。本連載ではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。
前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。
――――渡邊渚アナの後を引き継ぎ、35人目に登場するのは井上アナ。※後編(Vol.70)は2月1日に配信予定。
井上:これといった明確なきっかけはなく、学生時代の様々な経験が影響しています。
大学生の頃にお天気キャスターを務める機会があり、「伝えるってこんなに難しいんだ」ということに気づいたと同時にやりがいや楽しさを感じたんです。地震など災害が起きた時、キャスターの皆さんが即座に伝えている姿を間近で見たことも大きかったと思います。
それがちょうど大学3年のインタ―ンを探し始める時期だったのですが、それでもやはり自分がアナウンサーになるとは想像もつかず、インターンを受けるのも怖いと思っていました。
でも、アナウンサーになった仲の良い大学の先輩から「ほかの就活でも役に立つだろうから、とりあえず受けてみたら?」とアドバイスをもらい、インターンに行ってみることに。いざ行ってみると、どんどん楽しくなり、やっぱりアナウンサーを目指そうと決意しました。
― その先輩が背中を押してくれていなかったら、この道には進んでいなかったかもしれないんですね。
井上:そうですね。大学時代にお天気キャスターなどメディアの仕事に携わり、いろんな挑戦をしたのもその先輩のアドバイスだったので、本当に感謝しています。
― では実際入社されてから、挫折や失敗などご自身に大きく影響している経験を教えて下さい。
井上:失敗は本当に山ほどあります。でもそれは自分の努力不足や経験不足が原因だと思っているので、挫折とは違うかもしれません。
― 失敗して気持ちが落ち込んでしまったら、どう気持ちを切り替えていますか?
井上:なかなか切り替えられず、時間が解決してくれると思うタイプなのですが、「今は落ち込んでいるけど、何年後かに振り返った時、この道を選んで良かったんだと思えるように人生はできている」と考えるようにしています。
「今考えるとそんなに大したことじゃなかったな」「あれがあったからこんなこともできたから良かった」というように、徐々に良い方向に考えを切り替えています。
― アナウンサーとしてのやりがいはどんなところにありますか?
井上:今はコロナ禍でなかなか難しいのですが、アナウンサーという仕事をしていると、普通に生活をしていたらできないような経験ができ、歴史が変わる瞬間に立ち会えることはやりがいのひとつだと思います。スタッフの方から「あの時助かったよ」と言ってもらえることも日々の励みになります。
また、視聴者の方から届く声も、私も誰かの役に立てているのだと実感できる瞬間です。
井上:入社1年目の12月に、佐野瑞樹アナと一緒に特番を担当したのですが、それまでは先輩が仕事の準備をしている様子を、近くで見る機会があまりなく、自分で考え、実践しながら学んでいくという感じで、全てにおいて試行錯誤の日々だったんです。
そんな時の特番で、隣の佐野さんのノートを覗いたら、びっしりメモを書いて準備しているのを見つけて。私が生まれる前からアナウンサーをしているベテランの人でもひとつの番組にこんなに時間をかけて準備をしているんだ、と驚きました。それまでも私なりに精一杯準備していたつもりでしたが、全く足りていなかったと反省しましたし、これからは自分のできる限り全ての準備をして臨もう、もっとできることがあるはず、と考えるようになりました。
― 元々、事前準備やコツコツ目標に向けて努力するのは得意な方ですか?
井上:いえ、全く…。学生時代はテストで山を張るのが得意なタイプでした。どうやったら効率よく広く勉強できるのかを重視してきたので、恥ずかしながらひとつのことに集中して入念に準備するという経験をあまりしてこなかったんです。なので、先輩がそうしているのを見て、目からうろこというか。今は学生時代よりも勉強も準備もしっかりやっていると思います。
― 準備の仕方をはじめ、先輩から刺激を受けていることも多いですか?
井上:はい。最近はスポ―ツの取材に行くことが多いのですが、選手のことも競技のことも知っておかなければいけないので、勉強の毎日です。先日、宮司愛海アナと一緒に取材に行く機会があったのですが、宮司さんは「私たちがこの取材ですべきことは選手の心を伝えること」とおっしゃっていて、スポーツに限らずどんな取材にも通じることだと思うので、大切にしなければと改めて感じました。
― では、これまでのお仕事でファインプレ―だと思ったことは?
井上:先輩たちの“素”っぴん連載を読んで、私だったら何があるかとずっと考えてきたのですが、思いつかなかったです。「これがよかったよ」「この時助かったよ」と言っていただくことはありますが、ファインプレ―と自分で言えるほど満足できていないですし、胸を張ってそう言えるのはいつになることやら…。
― 自分に厳しいんですね。
井上:仕事に関してはそうかもしれません。自分で振り返ると、「あれなら前の方が良かったかも」とマイナスに考えてしまうのですが、最近「助かったよ」と言ってもらえることもほんの少し増えてきたので、ちょっとずつファインプレ―に近づいているかも!(笑)
― 井上アナとしては、どんなことができたらファインプレーですか?
井上:スタッフや共演者の方が困っているときに、さっと助け船を出せたり、自らの言葉で場を持たせたり、何か困った時に頼れる存在になれたらファインプレ―だなと思います。
― そういう先輩方の姿を目の当たりにすることもありますか?
井上:「めざましテレビ」は生放送で時間がきっちり決まっているのですが、急にニュースが飛び込んでくることや、トラブルもあります。瞬時に判断してトークで繋いでいる場面などを見ると、先輩方はすごいなと改めて思います。
井上:スポ―ツ取材の際に、選手達の声をどのように捉え、何を一番に伝えるべきなのか、いつも考えています。
いろんな話を聞いた中で、VTRにも入っていないことで一番伝えるべきことは何なのか、視聴者の方は何を一番見たいのか、取材をした選手は何を一番伝えてほしいのだろう、と。これを自分の言葉でまとめて限られた20秒で伝えるというのがすごく難しくて、まだまだ勉強中です。
どこを一番のポイントとして捉えたらいいのかもまだわかっていないですし、その判断も自分では難しいので、ディレクタ―とよく相談するようにしていますが、選手が伝えたかったことを明確に伝えられているのか。本当に難しいと日々悩んでいます。
― スポ―ツは今までやることも見ることもあまりなかったんですか?
井上:習い事や部活ではしていましたが、その中でもすごい選手はたくさんいるじゃないですか?私は大きな大会に出られるようなレベルでもない本当に普通の学生だったので、プロとしてのスポーツの厳しさや選手の気持ちを想像することはできるのですが、胸の奥にある本音の部分まで想像がいたっていない気がして。今、本当に新しい世界を見ている気がしています。
― 新しい世界はやりがいも大きそうですか?
井上:はい。3年目の今がまたひとつのタ―ニングポイントだと感じています。
― 今後はどんな個性を出していきたいですか?
井上:それも難しい質問ですね(笑)。
私は今、バラエティ、情報、スポ―ツ取材など幅広く関わる機会があるので、いずれは何かひとつこれだ!と言えるものを作りたいとも思うのですが…。
― オ―ルラウンダ―向きな方もいらっしゃいますよね。
井上:自分で“オールラウンダー”というのもちょっと恥ずかしいのですが、どんな仕事でも「井上に任せたら大丈夫だよね」と言われるようなアナウンサーが目標です。
井上:私は結構ギリギリのタイミングで決断したので、インタ―ンに行き、アナウンススク―ルなどに通ってしっかり準備してきた学生たちを見て、すごくびっくりしたんです。その場は何とか乗り切ってその後短期のアナウンス講座には通いましたが、インターンで学んだことをしっかり持ち帰って自主練したことが大事だったと思います。
例えばスーパーで見つけたピ―マンを見て40秒のフリートークができるか、授業中もペンを見ながらこれで話をするならどんなことを話すか、とか頭の中で繰り返し考えていました。電車に乗っている時でも、周りを見渡してちょっと面白い人いないかなとか、日常の中で自分の感情が動いた時の出来事も言葉にしてひとつのエピソ―ドとして話せるようにしていました。
― 実際にアナウンサーを目指している方にアドバイスをお願いしたいです。
井上:当時の私は特技もなく、誇れるものが何もなかったので、ちょっと自信がないままアナウンス試験を受けていたんです。
でも、今考えると目を引くような肩書きより、日常のちょっとしたことを楽しく話せたりする力の方が大切だったのかなと思います。ボーッとしていたら一日はあっという間に終わってしまうので、意識していろんなことを見渡して、何かを見つける努力をするときっと役に立つと思います。
― 井上アナはどんなことをアピ―ルしていたのですか?
井上:本当にアピールできることがなくて、困りましたよ。周りは「〇〇で一位でした」「帰国子女で英語が話せます」などの自己PRができるすごい人が多くて悩みました。先ほどもお話した大学の先輩に相談したら、生まれてからどんな習い事をして、どんな環境で育ってきたのか、いわゆる自己分析を一緒に書き出してくれたんです。
結果、「福岡出身で根性あります!」という内容になったので、「こんなので大丈夫ですか?」と先輩に聞いたのですが、「十分だよ。みんな特技がないというけど、絶対何かひとつはアピ―ルポイントがあるから」と。
就活中は何もアピールできることがないと思いこんで、無理に今から何か始めようとしがちですよね。私も趣味を見つけて極めているフリをしようか、この半年で無理やり特技を作ろうか、と思っていました。
でも、それは必要ありません。自分の人生を見つめ直して、あの時好きだったこと、得意だったこと、自分の家族のこと、今の日常のこと、年表のように振り返って考えてみてください。必ず皆さんにもあります。私にもあったんですから。
― 素敵なアドバイスですね。そして今、フジテレビに入って良かったと思うのはどんなところですか?
井上:これまでの皆さんと重複しているかもしれませんが、本当に素敵な人が多くて楽しいです。環境が変わる時はいつも上手くなじめるか不安なまま春を迎えていたのですが、そんなこと全くなく、入社から今まで、落ち込むことがあれど、本当に楽しくて、会社に行きたくないという日がないんです。自分にぴったりの会社だったとまだ3年目ですが実感しています。
― 私もこの連載でフジテレビの皆さんとたくさんお会いしてきましたが、皆さん持っている雰囲気が似ていらっしゃるなと思います。以前、西山喜久恵アナが「人柄採用をしている」とお話していた意味がわかるというか。
井上:そうなんですね。私は同期アナウンサーが4人いるのですが、最終面接の時に「私はこの人たちと一緒に働きたいな」と頭で思い浮かべた人たちが今の同期なんです。そう考えると、もちろん、ほかの方の人柄が悪かったということではなく、フジテレビの社風に合う人が集まっているんだろうなと思います。
井上:口に出せば叶うと言いますが、恥ずかしくて私は口に出せず、アナウンサー試験を受けていることもあまり人には言っていませんでした。でも、たとえ口に出さなかったとしても、ちゃんと心の中に軸としてブレないものを持っていれば、私が大学時代の先輩に出会ったように、その道に乗っていくと思うんです。
夢や目標に向かって進んでいけるように、ちゃんと心の中で思っていれば、ご縁が広がってチャンスが転がってくると思うので、だからこそそれをしっかり掴めるように、最低限の努力とアンテナを張っておくことは大事だなと思います。
― 夢までの道のりで困難に直面し、挫折しそうになった時はどうしますか?
井上:最初にお話したことに繋がりますが、私は自分が死ぬ時、この人生で良かったと思って死にたいと思っているんです。その時になったらあの挫折も全部経験してよかったんだなと思えるようになっているはずなので、今進んでいる難しい道も正しい道と思い込み、自分を奮い立たせるようにしています。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
4時~めざましテレビ準備~OA
ディレクターさんと打ち合わせをしたり、先輩に相談しながら、準備をします。
8時半~ BSニュース
この日は、BSニュースも担当。
15時~『ドッキリGP』ロケ
仕掛け人として準備中!
撮影は、同局の魅力をたっぷり届けるべく、社屋やその周辺などオールフジテレビで敢行。日頃から慣れ親しんでいる仕事場が舞台となり、アナウンサーたちのリラックスした自然な表情が詰まったカレンダーとなっている。
また、三上真奈アナが統括、杉原千尋アナが衣装担当として初めてプロデュースに挑戦。コンセプトや撮影場所、そしてスタイリングやメイクに至るまで、普段テレビには映らない女性アナウンサーの魅力を最大限表現すべく愛情たっぷり、意欲的に制作に携わった。
販売価格:2300円(税別)
発売日:10月6日より全国書店にて発売中
フジテレビショップでは10月5日より先行販売予定
フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe !ショップ」では予約受付中
販売場所:フジテレビショップ、フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe!ショップ」、全国書店他
前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。
――――渡邊渚アナの後を引き継ぎ、35人目に登場するのは井上アナ。※後編(Vol.70)は2月1日に配信予定。
「めざましテレビ」などを担当
井上アナは青山学院大学を卒業後、2018年に入社。現在は「めざましテレビ」をはじめバラエティーまで幅広く担当している。アナウンサーを目指したきっかけ、先輩の一言で決心
― まずはアナウンサーになろうと思ったきっかけから教えてください。井上:これといった明確なきっかけはなく、学生時代の様々な経験が影響しています。
大学生の頃にお天気キャスターを務める機会があり、「伝えるってこんなに難しいんだ」ということに気づいたと同時にやりがいや楽しさを感じたんです。地震など災害が起きた時、キャスターの皆さんが即座に伝えている姿を間近で見たことも大きかったと思います。
それがちょうど大学3年のインタ―ンを探し始める時期だったのですが、それでもやはり自分がアナウンサーになるとは想像もつかず、インターンを受けるのも怖いと思っていました。
でも、アナウンサーになった仲の良い大学の先輩から「ほかの就活でも役に立つだろうから、とりあえず受けてみたら?」とアドバイスをもらい、インターンに行ってみることに。いざ行ってみると、どんどん楽しくなり、やっぱりアナウンサーを目指そうと決意しました。
― その先輩が背中を押してくれていなかったら、この道には進んでいなかったかもしれないんですね。
井上:そうですね。大学時代にお天気キャスターなどメディアの仕事に携わり、いろんな挑戦をしたのもその先輩のアドバイスだったので、本当に感謝しています。
― では実際入社されてから、挫折や失敗などご自身に大きく影響している経験を教えて下さい。
井上:失敗は本当に山ほどあります。でもそれは自分の努力不足や経験不足が原因だと思っているので、挫折とは違うかもしれません。
― 失敗して気持ちが落ち込んでしまったら、どう気持ちを切り替えていますか?
井上:なかなか切り替えられず、時間が解決してくれると思うタイプなのですが、「今は落ち込んでいるけど、何年後かに振り返った時、この道を選んで良かったんだと思えるように人生はできている」と考えるようにしています。
「今考えるとそんなに大したことじゃなかったな」「あれがあったからこんなこともできたから良かった」というように、徐々に良い方向に考えを切り替えています。
― アナウンサーとしてのやりがいはどんなところにありますか?
井上:今はコロナ禍でなかなか難しいのですが、アナウンサーという仕事をしていると、普通に生活をしていたらできないような経験ができ、歴史が変わる瞬間に立ち会えることはやりがいのひとつだと思います。スタッフの方から「あの時助かったよ」と言ってもらえることも日々の励みになります。
また、視聴者の方から届く声も、私も誰かの役に立てているのだと実感できる瞬間です。
入社1年目に受けた衝撃「もっとできることがあるはず」
― では、これまでのお仕事や出会いの中でタ―ニングポイントになった言葉やエピソードを挙げるとしたら?井上:入社1年目の12月に、佐野瑞樹アナと一緒に特番を担当したのですが、それまでは先輩が仕事の準備をしている様子を、近くで見る機会があまりなく、自分で考え、実践しながら学んでいくという感じで、全てにおいて試行錯誤の日々だったんです。
そんな時の特番で、隣の佐野さんのノートを覗いたら、びっしりメモを書いて準備しているのを見つけて。私が生まれる前からアナウンサーをしているベテランの人でもひとつの番組にこんなに時間をかけて準備をしているんだ、と驚きました。それまでも私なりに精一杯準備していたつもりでしたが、全く足りていなかったと反省しましたし、これからは自分のできる限り全ての準備をして臨もう、もっとできることがあるはず、と考えるようになりました。
― 元々、事前準備やコツコツ目標に向けて努力するのは得意な方ですか?
井上:いえ、全く…。学生時代はテストで山を張るのが得意なタイプでした。どうやったら効率よく広く勉強できるのかを重視してきたので、恥ずかしながらひとつのことに集中して入念に準備するという経験をあまりしてこなかったんです。なので、先輩がそうしているのを見て、目からうろこというか。今は学生時代よりも勉強も準備もしっかりやっていると思います。
― 準備の仕方をはじめ、先輩から刺激を受けていることも多いですか?
井上:はい。最近はスポ―ツの取材に行くことが多いのですが、選手のことも競技のことも知っておかなければいけないので、勉強の毎日です。先日、宮司愛海アナと一緒に取材に行く機会があったのですが、宮司さんは「私たちがこの取材ですべきことは選手の心を伝えること」とおっしゃっていて、スポーツに限らずどんな取材にも通じることだと思うので、大切にしなければと改めて感じました。
― では、これまでのお仕事でファインプレ―だと思ったことは?
井上:先輩たちの“素”っぴん連載を読んで、私だったら何があるかとずっと考えてきたのですが、思いつかなかったです。「これがよかったよ」「この時助かったよ」と言っていただくことはありますが、ファインプレ―と自分で言えるほど満足できていないですし、胸を張ってそう言えるのはいつになることやら…。
― 自分に厳しいんですね。
井上:仕事に関してはそうかもしれません。自分で振り返ると、「あれなら前の方が良かったかも」とマイナスに考えてしまうのですが、最近「助かったよ」と言ってもらえることもほんの少し増えてきたので、ちょっとずつファインプレ―に近づいているかも!(笑)
― 井上アナとしては、どんなことができたらファインプレーですか?
井上:スタッフや共演者の方が困っているときに、さっと助け船を出せたり、自らの言葉で場を持たせたり、何か困った時に頼れる存在になれたらファインプレ―だなと思います。
― そういう先輩方の姿を目の当たりにすることもありますか?
井上:「めざましテレビ」は生放送で時間がきっちり決まっているのですが、急にニュースが飛び込んでくることや、トラブルもあります。瞬時に判断してトークで繋いでいる場面などを見ると、先輩方はすごいなと改めて思います。
自分の言葉で伝える難しさ、3年目の今が新たなターニングポイントに
― では、今の悩みは?井上:スポ―ツ取材の際に、選手達の声をどのように捉え、何を一番に伝えるべきなのか、いつも考えています。
いろんな話を聞いた中で、VTRにも入っていないことで一番伝えるべきことは何なのか、視聴者の方は何を一番見たいのか、取材をした選手は何を一番伝えてほしいのだろう、と。これを自分の言葉でまとめて限られた20秒で伝えるというのがすごく難しくて、まだまだ勉強中です。
どこを一番のポイントとして捉えたらいいのかもまだわかっていないですし、その判断も自分では難しいので、ディレクタ―とよく相談するようにしていますが、選手が伝えたかったことを明確に伝えられているのか。本当に難しいと日々悩んでいます。
― スポ―ツは今までやることも見ることもあまりなかったんですか?
井上:習い事や部活ではしていましたが、その中でもすごい選手はたくさんいるじゃないですか?私は大きな大会に出られるようなレベルでもない本当に普通の学生だったので、プロとしてのスポーツの厳しさや選手の気持ちを想像することはできるのですが、胸の奥にある本音の部分まで想像がいたっていない気がして。今、本当に新しい世界を見ている気がしています。
― 新しい世界はやりがいも大きそうですか?
井上:はい。3年目の今がまたひとつのタ―ニングポイントだと感じています。
― 今後はどんな個性を出していきたいですか?
井上:それも難しい質問ですね(笑)。
私は今、バラエティ、情報、スポ―ツ取材など幅広く関わる機会があるので、いずれは何かひとつこれだ!と言えるものを作りたいとも思うのですが…。
― オ―ルラウンダ―向きな方もいらっしゃいますよね。
井上:自分で“オールラウンダー”というのもちょっと恥ずかしいのですが、どんな仕事でも「井上に任せたら大丈夫だよね」と言われるようなアナウンサーが目標です。
「誇れるものが何もなかった」アナウンサーを目指す学生にメッセージ
― 改めて就職活動についてもお伺いしたいと思います。アナウンサーを目指すことを決めてから、具体的に努力していたことがあれば教えて下さい。井上:私は結構ギリギリのタイミングで決断したので、インタ―ンに行き、アナウンススク―ルなどに通ってしっかり準備してきた学生たちを見て、すごくびっくりしたんです。その場は何とか乗り切ってその後短期のアナウンス講座には通いましたが、インターンで学んだことをしっかり持ち帰って自主練したことが大事だったと思います。
例えばスーパーで見つけたピ―マンを見て40秒のフリートークができるか、授業中もペンを見ながらこれで話をするならどんなことを話すか、とか頭の中で繰り返し考えていました。電車に乗っている時でも、周りを見渡してちょっと面白い人いないかなとか、日常の中で自分の感情が動いた時の出来事も言葉にしてひとつのエピソ―ドとして話せるようにしていました。
― 実際にアナウンサーを目指している方にアドバイスをお願いしたいです。
井上:当時の私は特技もなく、誇れるものが何もなかったので、ちょっと自信がないままアナウンス試験を受けていたんです。
でも、今考えると目を引くような肩書きより、日常のちょっとしたことを楽しく話せたりする力の方が大切だったのかなと思います。ボーッとしていたら一日はあっという間に終わってしまうので、意識していろんなことを見渡して、何かを見つける努力をするときっと役に立つと思います。
― 井上アナはどんなことをアピ―ルしていたのですか?
井上:本当にアピールできることがなくて、困りましたよ。周りは「〇〇で一位でした」「帰国子女で英語が話せます」などの自己PRができるすごい人が多くて悩みました。先ほどもお話した大学の先輩に相談したら、生まれてからどんな習い事をして、どんな環境で育ってきたのか、いわゆる自己分析を一緒に書き出してくれたんです。
結果、「福岡出身で根性あります!」という内容になったので、「こんなので大丈夫ですか?」と先輩に聞いたのですが、「十分だよ。みんな特技がないというけど、絶対何かひとつはアピ―ルポイントがあるから」と。
就活中は何もアピールできることがないと思いこんで、無理に今から何か始めようとしがちですよね。私も趣味を見つけて極めているフリをしようか、この半年で無理やり特技を作ろうか、と思っていました。
でも、それは必要ありません。自分の人生を見つめ直して、あの時好きだったこと、得意だったこと、自分の家族のこと、今の日常のこと、年表のように振り返って考えてみてください。必ず皆さんにもあります。私にもあったんですから。
― 素敵なアドバイスですね。そして今、フジテレビに入って良かったと思うのはどんなところですか?
井上:これまでの皆さんと重複しているかもしれませんが、本当に素敵な人が多くて楽しいです。環境が変わる時はいつも上手くなじめるか不安なまま春を迎えていたのですが、そんなこと全くなく、入社から今まで、落ち込むことがあれど、本当に楽しくて、会社に行きたくないという日がないんです。自分にぴったりの会社だったとまだ3年目ですが実感しています。
― 私もこの連載でフジテレビの皆さんとたくさんお会いしてきましたが、皆さん持っている雰囲気が似ていらっしゃるなと思います。以前、西山喜久恵アナが「人柄採用をしている」とお話していた意味がわかるというか。
井上:そうなんですね。私は同期アナウンサーが4人いるのですが、最終面接の時に「私はこの人たちと一緒に働きたいな」と頭で思い浮かべた人たちが今の同期なんです。そう考えると、もちろん、ほかの方の人柄が悪かったということではなく、フジテレビの社風に合う人が集まっているんだろうなと思います。
井上アナの夢を叶える秘訣
― では最後に、ご自身の経験を踏まえて「夢を叶える秘訣」を教えて下さい。井上:口に出せば叶うと言いますが、恥ずかしくて私は口に出せず、アナウンサー試験を受けていることもあまり人には言っていませんでした。でも、たとえ口に出さなかったとしても、ちゃんと心の中に軸としてブレないものを持っていれば、私が大学時代の先輩に出会ったように、その道に乗っていくと思うんです。
夢や目標に向かって進んでいけるように、ちゃんと心の中で思っていれば、ご縁が広がってチャンスが転がってくると思うので、だからこそそれをしっかり掴めるように、最低限の努力とアンテナを張っておくことは大事だなと思います。
― 夢までの道のりで困難に直面し、挫折しそうになった時はどうしますか?
井上:最初にお話したことに繋がりますが、私は自分が死ぬ時、この人生で良かったと思って死にたいと思っているんです。その時になったらあの挫折も全部経験してよかったんだなと思えるようになっているはずなので、今進んでいる難しい道も正しい道と思い込み、自分を奮い立たせるようにしています。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
井上清華アナのとあるスケジュール
出社~メイク4時~めざましテレビ準備~OA
ディレクターさんと打ち合わせをしたり、先輩に相談しながら、準備をします。
8時半~ BSニュース
この日は、BSニュースも担当。
15時~『ドッキリGP』ロケ
仕掛け人として準備中!
\フジ女子アナの素顔に迫る連載「女子アナの素っぴん」✨/
— モデルプレス (@modelpress) 2021年1月16日
今回は #井上清華 アナの素顔に迫りました🎤
🔻インタビュー&写真はこちらhttps://t.co/c6oI1wp9yQ pic.twitter.com/ge29xOMRdo
井上清華(いのうえ・せいか)プロフィール
生年月日:1995年4月23日/出身地:福岡県/出身大学:青山学院大学/血液型:B型/入社年:2018年「フジテレビ女性アナウンサーカレンダー2021~Welcome to Fujitelevision~」
今年のテーマは「フジテレビへようこそ!」。入社9年目の宮澤智アナウンサーを筆頭に、永島優美アナ、宮司愛海アナら後輩アナ全員が参加し、総勢17人の女性アナウンサーが華やかに登場する。撮影は、同局の魅力をたっぷり届けるべく、社屋やその周辺などオールフジテレビで敢行。日頃から慣れ親しんでいる仕事場が舞台となり、アナウンサーたちのリラックスした自然な表情が詰まったカレンダーとなっている。
また、三上真奈アナが統括、杉原千尋アナが衣装担当として初めてプロデュースに挑戦。コンセプトや撮影場所、そしてスタイリングやメイクに至るまで、普段テレビには映らない女性アナウンサーの魅力を最大限表現すべく愛情たっぷり、意欲的に制作に携わった。
販売価格:2300円(税別)
発売日:10月6日より全国書店にて発売中
フジテレビショップでは10月5日より先行販売予定
フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe !ショップ」では予約受付中
販売場所:フジテレビショップ、フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe!ショップ」、全国書店他
【Not Sponsored 記事】
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