藤原竜也「賛否両論あるのは当然」 抱き続ける孤独と「るろ剣」秘話を語る モデルプレスインタビュー

8月1日公開の映画「るろうに剣心 京都大火編」に出演する俳優の藤原竜也(32)。モデルプレスでは、今作の鍵を握る“史上最狂の悪役”志々雄真実(ししおまこと)役に挑む彼にインタビューを行った。
モデルプレスのインタビューに応じた藤原竜也
モデルプレスのインタビューに応じた藤原竜也

待望の続編 藤原竜也は“史上最狂の悪役”に



漫画家・和月伸宏による「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚」を初めて実写映画化し、興行収入30.1億円の大ヒットを記録した前作。大友監督が引き続きメガホンを執り、主演の佐藤をはじめ、神谷薫役の武井咲、蒼井優、青木崇高、江口洋介らも続投。前作は東京が舞台となったが、今作は日本制圧を目論む新たな敵が待ち受ける京都で、前作を大きく上回る壮大なアクションが繰り広げられる。

藤原演じる“史上最狂の悪役”志々雄は、その容姿ゆえに実写化へは困難が強いられたという。インタビューでは、それを実現させるまでの道のりと過酷な撮影を振り返ってもらうとともに、作品への思いやそこから見える素顔、そして役者論に迫った。

「たまったもんじゃない」過酷な撮影を振り返る



― 大ヒット作の続編に原作人気の高いキャラクターで出演することに対しての率直な心境を教えて下さい。

藤原:最初に感じたのは、ビジュアル的にどこまでのものを作り上げることができるのか、自分もいけるのかいけないのか分からないなってことでした。完成された座組に入っていくっていうのは転校生みたいなものなので、妙な緊張と不安を感じてましたね。でも、そこは(佐藤)健くんも大友(啓史)さんも志々雄を温かく迎え入れてくれたのでありがたかった。

― ビジュアルもすごく作り上げられていましたよね。

藤原:正直、志々雄に関してはできるのかできないのかっていう思いはみんな持ってたと思う。そんな中で、何度も衣装合わせを重ねたり話しあったり。衣装が間に合わずに、ロケ地に行っても、何もせずに帰ってくることもあって。「志々雄の準備はどうなってんだ!」って声が出るけど完成はいつか分からない。だから、スタートも切れない。でも、現場は数ヶ月前からクランクインしてる…みたいな。ある種、賭けのように突っ走ってた現場なんですよ。

― 映画の中の藤原さんは志々雄そのものでした。

藤原:本当にスタッフ、キャスト、みんなで作り上げてくれたキャラクターなんです。でも、志々雄の衣装は二度と着るかって思った(笑)。朝着た瞬間、耳聞こえない、ごはん食べれない、トイレに行けない、誰ともしゃべりたくない、視界が悪い…最悪の状況なんです。それを早朝から深夜までやるわけだから、たまったもんじゃない(笑)。でも、ほかの俳優さんに比べたらプラスαじゃないけど、ここまでビジュアルを作り上げてもらってるので、僕はただ現場に行けばいい。仮面付けたらほかの自分になれるみたいな感覚ですよね。そこは救われた。でも本当ね、これは作った人が「倒れてもおかしくないスーツなのでダメになったら言ってくださいね」って言うくらい大変なんですよ。

「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(C)和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(C)和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(C)和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(C)和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会

現場で見せた思わぬ一面



― そんな裏話が…(笑)。映画ではアクションが見どころのひとつでもありましたよね。

藤原:そうですね。ここまでのアクションはやったことなかったので、何十人にも付き合ってもらって練習しました。この映画はアクション部の人たちなしでは語れないですよ。志々雄の大きさを出すにはどうしよっかって立ち回りから何まで作り上げてくださって。一流のスタッフたちの仕事ぶりはすごかった。(アクション監督の)谷垣健治さんと初めて組んだけど、寸止めするんじゃなくて実際に当ててリアクション撮るって手法なんですよね。だから、バンバン当たっている。その分リアリティもすごくて。多分谷垣さんの手法が今後の映画を圧巻していくんじゃないのかなって感じました。谷垣さんのチームなくしてるろ剣は語れない。

― やはりこの映画を語る上でアクションは欠かせないものなんですね。藤原さんの立ち回りや迫力はすごかったです。

藤原:僕の演技は、アクション部のみなさんが諦めずに丁寧に教えてくれたことに対する敬意の表れなんです。とは言いつつ、現場があれだけ回ってるとブワーって(アクション)やって、「これで大丈夫だろう」って思ってたところに、「もう一回やらせてください」って要望が来たときには、「誰々?俺のアクションが悪いの?」って詰め寄ったり(笑)。あんなに良くしてくださった谷垣チームに文句言ったことも(笑)。「志々雄じゃなくて、こちらの問題で…」って言わせて気を使わせることもあって。あとで、冷静になったときに謝りました。「すみません、テンパってて」って(笑)。裏を返せばそれくらい必死な現場だったってことですよね。

― やはり過酷な現場だったんですね。そんな撮影を乗り切るための体力作りは?

藤原:そうですね、何かするっていうより、やるしかないから乗り越えたって感覚です。僕も散々大変だったって文句言いましたけど(笑)、全スタッフが志々雄に対する気遣いだったり、思い入れがすごい強かったから、本当に救われたんです。志々雄の衣装って着るのに30分かかるんだけど、15分空きがあったりしたら、気持ちだけでも脱ぎますかって言ってくれる。そういう部分に触れて、改めて自分一人でものは作れないなって考えさせられました。

役者論を展開「若いうちにやっておきたいなって気持ちもある」



― 素敵なチームワークだったんですね。

藤原:贅沢な環境でやらせてもらったなって。作品を作る上では、健くんと特に話をしましたね。志々雄の最後は剣心にも納得して欲しかったし、剣心が納得する志々雄の最後がいいなってずっと思っていたので。でも、あれだけ目まぐるしく現場が回ってると、そこまでの話をする時間がなかなかとれなくて大変でした。あと、四乃森蒼紫役の伊勢谷友介くんが僕、個人的に好きなんですよ。だから居てくれてよかったって思いますね。気持ち的に楽になれました。

― 伊勢谷さんファンは以前から公表されていますよね?

藤原:そう、ずっと言ってる。伊勢谷くんは日本を飛び出て、世界にいける俳優さんだと思う。絶対真似できないスタイルで、僕とは真逆の俳優さんで、自由に良い意味で浮遊して突き進んでいくイメージ。伊勢谷くんはもっと飛び出ていってほしい。僕がいうのはおこがましいけど、もっともっといってほしいなって今回共演して改めて思いましたね。

― 藤原さん自身は海外進出の野望は?

藤原:僕もすっごい行きたい。面白い作品っていっぱいあるし、若いうちにやっておきたいなって気持ちもある。だけれども、僕らの仕事っていうのはそういうことだけじゃないと思うんです。

「叩かれる自分がいることは分かってる」弱さや孤独…内に抱く本音を語る



― 近年は、悪役やクズの役などクセのある役柄を演じることが多くなっていますよね?

藤原:最近公開になった役は、そういう役が多いかもしれない。でも、それって客観的に見たときにそう思うかもしれないけど、自分から見たら大した変化だと思ってないな。人から言われて気付くって感じです。

― そうなんですね。クセのある役を演じるというのは役者として楽しいことですか?

藤原:楽しいです。志々雄も面白かったし、いいものですよ。剣心には剣心の楽しさがあるだろうけど、自分の演じたキャラクターっていうのはやっぱり面白いです。

― 志々雄もそうですが、映画「デスノート」や映画「カイジ 人生逆転ゲーム」など、原作の人気が高いキャラクターを演じることが多いですよね。

藤原:確かにそうだね。でも、志々雄までいったらもういいでしょ(笑)。次の世代にバトンタッチでしょ!

― 原作があるキャラクターを演じるというのは違うものですか?

藤原:違うと思います。原作のファンの方たちも大勢いると思うから、賛否両論あるのは当然だと思う。でも、ある瞬間からそういう思いを関係ないって切らないと、切り替えできない。製作サイドが僕を指名してくれたのだからそれを信用しますし。こっちはこっちでシャットダウンしないと集中できない。と言っても、ずっと不安があるし、他の人には言えないすごい孤独とか感じてる。ネット社会だから叩かれる自分がいることは分かってるけど、それを口にすることができない。他の人には言えない。そういう弱さを抱えているんだって思うんだけど、結局演じるのはこっちだから、それを切り離して役に入らなきゃいけない。僕はネットやらないし見たりしないけど、言われても当然だし、言うことも簡単。だからこそ、そこら辺は気にせずやることが大事だと思う。

― なるほど。数々の作品に出演してきた藤原さんだからこその深い言葉だと思います。では、最後になりますが、そんな藤原さんが考える夢を叶える“秘訣”を教えて下さい。

藤原:夢か…深いね。僕の夢が50代か60代でハワイに喫茶店を出すことなんだけど、夢なんて叶わないものです(笑)。長年俳優させていただいてますが、大変なことばかりで俳優としてのゴールが見えたことなんてないです。ゴールが見えないのが俳優なのかもしれないですね。

― ありがとうございます。

数多くの作品に出演し、その演技力で高い評価を受け続ける藤原。今作では、“史上最狂の悪役”として新たな顔を見せているが、その強烈な演技と存在感はさすがの一言。原作のキャラクターそのものが持つ魅力に新たな息吹を吹き込む才能は圧倒的で、俳優としての底力を見せつけている。その一方、インタビューで見せる姿はいたってナチュラル。飾り立てない素直な本音と内に秘めた役者業への熱い思いが彼の魅力を際立たせていた。(モデルプレス)

「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(C)和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(C)和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(C)和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(C)和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
■映画「るろうに剣心 京都大火編(8月1日公開)/伝説の最期編(9月13日公開)」
原作:和月伸宏「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」(集英社ジャンプ・コミックス刊)
監督:大友啓史
製作配給:ワーナー・ブラザース映画
出演:佐藤健、武井咲、伊勢谷友介、青木崇高、蒼井優、神木隆之介、土屋太鳳、田中泯、宮沢和史、小澤征悦、滝藤賢一、三浦涼介、丸山智己、高橋メアリージュン、江口洋介、藤原竜也

【物語】
動乱の幕末が終わり明治という新たな時代を迎えた東京が舞台。前作に続き、原作ファンの間で最も人気の高い「京都編」をベースに、日本制圧を目論む最狂の敵・志々雄真実との戦いを、前作を上回るスケールで描く。

“人斬り抜刀斎”として新時代の為に戦い「もう二度と誰も斬らない」と誓った剣心は、自身が“人斬り抜刀斎”としての過去を捨てたことで後継者となった志々雄真実の暗躍を阻止すべく、再び人斬りになる覚悟を持って因縁の地・京都へと向かう。

藤原竜也プロフィール
生年月日:1982年5月15日
出生地:埼玉県
身長:178cm
血液型:A型

1997年 蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」主役オーディションでグランプリを獲得しデビュー。2000年映画「バトル・ロワイアル」の主演に抜擢。その後は、NHK大河ドラマ「新選組!」(2004年)や映画「デスノート」(2006年)、「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009年)、「藁の楯 わらのたて」(2013年)など数々の話題作に出演し、高い評価を受けている。日本テレビ系連続ドラマ「ST 赤と白の捜査ファイル」に現在出演中。

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