彼女から届いた「お母さんに会いたい」の主語を、3分かけて読み違えた話
晩酌中に届いた一文
土曜の夜、僕は1人暮らしのアパートで晩酌していました。テレビでは野球中継が流れていて、グラスにはハイボール。週末のいつもの過ごし方です。彼女とはこの春で付き合って2年。来週末に会う約束をしている、ごく普通の関係です。
スマホが震えて、彼女から1通のメッセージが届きました。
「お母さんに会いたいって言われた」
読んだ瞬間、グラスをテーブルに置いて、画面の文字を見つめ続けました。お母さん。それは誰の、お母さんなんだろう。
頭の中を駆け巡ったもの
主語がない、と気づくまでに数秒かかりました。「お母さん」と書かれていれば、普通は彼女の母だと思うはずです。でも、彼女の家族のことは普段あまり話題に出ません。むしろ僕の母とは年末に1度顔を合わせています。だから僕の頭の中では、僕の母を意味しているのではないか、という解釈が真っ先に立ち上がりました。
僕の母が、彼女に「会いたい」と言ったとしたら。それはつまり、結婚の話だ。次に頭を駆け巡ったのは、結婚式の費用、引っ越し、両家の挨拶、指輪をどう選ぶか。返信を打とうとしては、消しました。何を返しても重くなる気がして、画面を閉じることもできませんでした。
「そっちか」と打ったあとの違和感
3分ほど経ったころ、追加のメッセージが届きました。
「あ、ごめん。私の母がね、一度会いたいって」
読んだ瞬間、テーブルに置いていたグラスをようやく口に運びました。あぁ、君のお母さんね。それなら全然違う話だ、と。僕は「びっくりした、そっちか」とだけ返しました。
短く、軽く済ませたかったのです。でもメッセージを送ったあと、自分の安堵がどこから来ているのか、考え込みました。結婚じゃないとわかってホッとした、その「ホッ」が、僕のほんとうの気持ちだったのではないか、と。
そして...
その夜、晩酌は途中でやめました。テレビの音を消して、ベッドに座って、あの時間で考えたことを順番に思い返しました。結婚式、引っ越し、指輪。あれだけ瞬時に「逃げる準備」をした自分を、なかったことにはできません。
彼女のことは好きです。けれど結婚という言葉に、僕はまだ覚悟が追いついていない。それを認めることは、彼女に対して誠実ではないかもしれません。でも誤解したまま「そっちか」で済ませるのも違う気がしました。次に会ったとき、3分間の話を、自分の口から伝えるつもりです。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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