モデルプレスのインタビューに応じた黒川想矢(C)モデルプレス

【黒川想矢インタビュー】「国宝」撮影中から続く越山敬達とのルーティン 苦労の歌舞伎稽古期間も振り返る「先生が怒って帰っちゃったり…」

2025.11.22 12:00

ロングランヒットを続けている映画『国宝』にて、吉沢亮演じる立花喜久雄の幼少期を演じ、脚光を浴びている俳優の黒川想矢(くろかわ・そうや/15)。モデルプレスでは、出演したファッション&音楽イベント「Rakuten GirlsAward 2025 AUTUMN/WINTER」(以下、ガルアワ/10月18日@千葉・幕張メッセ)の舞台裏でインタビューを実施し、素顔に迫った。

黒川想矢、初ランウェイ挑戦の裏に舘ひろしの後押し

黒川想矢(C)モデルプレス
人生初となるランウェイでは、ハンチングを使いこなし、堂々とウォーキング。初舞台に挑む前に、所属する舘プロの大先輩・舘ひろしからはアドバイスをもらったという。

「今回が人生初のランウェイで、メイク室だったりフィッティングだったり、何もかもが初めてで、そういうのを含めてすごく面白かったし良い経験になったし幸せでした。今回お話をいただいたとき、、まず舘さんに『僕、右足と右手が一緒に出ちゃうけど大丈夫ですかね』と相談したんです。そしたら舘さんが『僕もやったことあるし、すごく良い経験になると思うから、なんでも1回はチャレンジしてみた方がいいよ』と後押ししてくれて、やろうと決めました。毎回会うたびにランウェイの話をしてくれて『想矢は俳優なんだから自分らしくでいい。普段のコーデとかもシンプルでいいんだよ』と色々アドバイスをくださいます」

黒川想矢「ガルアワ」舞台裏でも続く越山敬達とのルーティン

黒川想矢(C)モデルプレス
同じステージでは、『国宝』で横浜流星演じる大垣俊介の幼少期を演じた越山敬達と共演。舞台裏でのエピソードを明かしてくれた。

「越山くんのランウェイ、めっちゃかっこ良かったです!やっぱり会うたびに『肌白いな』とか『かっこいいな』と思います。今日越山くんと同じステージで、一緒にいれてすごく心強かったです。始まる前にデコピンをしてから入ったんですけど、越山くんがいたからこそ楽しく歩けたなと思います!」

黒川想矢(C)モデルプレス
黒川の取材前に越山もデコピンについて「嬉しかった」と話していたことを伝えると「『えっ、何やっているの?』と思われているかなと思っていたので良かったです(笑)」と安堵した笑顔の黒川。2人にとっても作中での喜久雄と俊介のデコピンが、撮影中のルーティンになっていたという。

「舞台に立つ前に緊張しているときにデコピンをするんですけど、実は僕たちも現場でやっていました。例えば『次、自由に演じていいシーンです』と言われて『やべぇ、腹いてぇ』と思ったときにデコピンをして緊張を和らげたり(笑)デコピンは『国宝』のシーンの1つでもあり、実話でもあって、現場中は喜久雄と俊介の関係性にすごく近かったような気がします」

黒川想矢、吉沢亮と同役演じた『国宝』監督からの言葉

黒川想矢(C)モデルプレス
黒川想矢(C)モデルプレス
6月6日に公開された同作の反響は、未だに続いている。

「僕は幼少期役なので『すごいね』と言われても『いやいや、僕ちょっとしか出てないから』と言います(笑)でも、同級生が歌舞伎に興味を持ってくれたり、『第30回釜山国際映画祭』に参加したり海外の方にもすごく注目していただけている作品だと思うので、歌舞伎についていろいろな方に知っていただけることは、作った人みんなが嬉しいと思いますし、僕もすごく嬉しいです!」

同役を演じた吉沢を意識することはなかったのか聞くと、「全く意識してなかったです」という回答が。

「最初に李相日監督と話したとき『黒川くんと吉沢くんは全く似てない。でも自分が演技で目指すものが吉沢くんと重なっていけば、どうやっても似ていくと思うから大丈夫だよ』と言われました。だから、吉沢さんを意識するというよりは、役がどういう役なのかを意識していました」

黒川想矢、苦労の稽古期間を乗り越えられた理由

黒川想矢(C)モデルプレス
歌舞伎に向き合った撮影は当然、苦労の日々だったことが想像できるが、今だからこそ笑顔で振り返れるであろう、まさに喜久雄と重ね合わせてしまうようなターニングポイントとなった出来事を明かしてくれた。

「やっているときはすごく苦しかったと思うんですけど、今となっては楽しい思い出しかないです。稽古中に先生が怒って帰っちゃったりしたこともあったんですけど、越山くんがいたから乗り越えられたなと思います。李監督と本読みをしてから1時間ぐらい話して、今自分がどんな風に思っているのか、歌舞伎が楽しいのか、喜久雄はどんな人なのかを話し合って、それからはもうずっと楽しいんです!今も日舞を続けてて、無心になれるというか、演技に近い感覚があって、良い出会いになりました」

黒川想矢、理想の俳優像

無垢な笑顔は年相応だが、紡ぐ言葉には芯の強さが宿っている。理想の俳優像を最後に聞いた。

「『国宝』では『良い役者になるためには、良い人間を捨てなくちゃいけないし、良い人間になるんだったら、良い役者を捨てなきゃいけない』という、悪魔の契約みたいな描写があるんですけど、僕は良い役者にもなりたいし、良い人間にもなりたいと『国宝』を観て思いました。演技をしていると、周りが見えなくなってしまうことが多くて、『国宝』のオーディションのときも胸ぐらを掴むシーンで殴りかかってしまったことがあったんです。そのときに『それはダメだよ』と言われたことを胸に刻んでいて、今までは0か100かということが多かったんですけど、今後は95ぐらいで入りつつ、残り5は客観視できるような俳優さんになりたいと思って、最近意識しています」

(modelpress編集部)

INTERVIEW PHOTO:加藤千雅

おどけたポーズを見せる黒川想矢(C)モデルプレス

黒川想矢(くろかわ・そうや)プロフィール

黒川想矢(C)モデルプレス
黒川想矢(C)モデルプレス
2009年12月5日生まれ、埼玉県出身。5歳から芸能活動をスタートし、映画『怪物』(2023)で第66回ブルーリボン賞新人賞、第47回 日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。主な出演作は、ドラマ「からかい上手の高木さん」、映画『【推しの子】 The Final Act-』(2024)、『アフター・ザ・クエイク』(2025)など。映画『国宝』、『この夏の星を見る』で第17回TAMA映画賞最優秀新進男優賞を受賞した。

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