細田佳央太「どうする家康」父親役・松本潤からの支えになった言葉 芝居への強い原動力とは<モデルプレスインタビュー>
2023.06.11 08:00
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俳優の細田佳央太(ほそだ・かなた/21)にモデルプレスがインタビュー。新たな“芝居”に挑戦し続ける彼の素顔に迫った。
細田佳央太、出演作絶えず
細田にとって有観客では初となる舞台・せたがやこどもプロジェクト2023「メルセデス・アイス MERCEDES ICE」(東京・世田谷パブリックシアター/8月より上演スタート)は、街の中心にそびえ立つ巨大なタワー(Shadow Point)を軸に、その街に暮らす3世代にわたる人物たちが、愛や憎しみ、喜びや悲しみとともに生きる様子を描く。細田は主人公のメルセデス・アイスを演じる。また、現在放送中の嵐・松本潤が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合テレビ、毎週日曜午後8時~/BSプレミアム・BS4K、毎週日曜午後6時~/BS4K、毎週日曜午後0時15分~)は希代のストーリーテラー・古沢良太氏が新たな視点で徳川家康の生涯を描いた波乱万丈のエンターテインメント作品。大河ドラマ初出演の細田は、松本演じる家康と有村架純演じる瀬名のパーフェクトな息子・徳川信康役として出演中。
そして映画版公開から14年の時を経てWOWOW連続ドラマW-30にて放送・配信スタートする「ドロップ」(毎週金曜よる11時~/6月2日スタート)では、不良漫画に強く憧れ、本物の不良になるべく名門私立中から公立の狛江北中に転校した主人公・信濃川ヒロシ役を務める。
細田佳央太、初舞台は「座長だけど座長じゃない感覚」
― 「メルセデス・アイス MERCEDES ICE」では座長となりますが、何か意識していることはありますか?細田:まだ稽古は始まっていないのですが、初の有観客での舞台で初めてのジャンルということもあって、自分のできることを探しても上手く行かず難しいのではないかと感じています。座長だけど座長じゃない感覚と言いますか、あまりそこは意識せず、とにかく皆さんから沢山勉強させていただこうという気持ちで臨んでいます。
― 引っ張るというより皆さんで一緒に作るという感覚?
細田:はい。本当に座長らしいことは何一つできないと思いますし、多分演技や他のことでいっぱいいっぱいになってしまう気がするので、あまり重く受け取らず皆さんに教えていただきながら一緒に頑張っていきたいです。
細田佳央太「どうする家康」初大河ドラマ出演に抱えた不安
― 「初」と言えば、大河ドラマの初出演もおめでとうございます!大河ドラマの出演は一つの目標ともおっしゃっていましたが、改めて決まった時の率直な感想を教えてください。細田:嬉しかったですが少し未知の怖さはありました。槍や剣を使ったアクションは初めてでしたし、作法的なところも自分の全く知らない世界がありました。また演じる役は実在した人物なので、ちゃんと演じきれるかどうかの不安もありました。
― そういった不安はどのように解消されましたか?
細田:ありがたいことに、父上(松本)・母上(有村)をはじめとするキャスト・スタッフの皆さんに恵まれたことが何より大きかったです。監督方もすごく寄り添ってくださり、皆さんに支えていただいたからこそ乗り越えられました。
松本潤&有村架純の印象・支えになった言葉
― 両親役となる松本潤さん、有村架純さんとの共演はいかがでしたか?細田:喋り始めたらキリがないぐらい沢山のものを見させていただきましたし勉強させていただきました。松本さんは誰とでもコミュニケーションを取って、スタッフさん・キャストさん関係なく食事に連れてくださって、きっとこれが座長の姿なんだと実感しました。また自分が疑問に思ったことは、作品内はもちろんのこと、プロモーションなどに関しても第一線でプロデューサーさんとお話しています。松本さんご自身が裏方としても経験が豊富であるということから、作品の中でも外でも引っ張ってくださる印象です。
有村さんは、お芝居面も含めベースの考え方がとても近く、お話を聞いていて「分かります!」と共感する部分がすごく多かったです。お芝居のことも沢山教えていただきました。例えば、俳優部というのはあくまでドラマをつくる上での一つの部署に過ぎないので過剰に気遣ってほしいとは全く思わないのですが、とはいえお芝居をやる時には他の部署と最低限のコミュニケーションが必要だと考えている中で、気にかけていただけたら嬉しいと思うポイントなどが全く同じだったんです。感覚が近いと言いますか、自分もそういう風に考えていたので「間違ってなかったんだ」という安心感がありました。
― 特に印象に残っている言葉やお話はありますか?
細田:松本さんは基本どっしり構えているので「いくらでも来な!」というスタンスでいてくださりました。実際に「構えてるからいくらでも前に来い!」という風に言ってくださったこともあって、その言葉は自分の中ですごく大きく支えになりました。だからこそ、お芝居面も含めて少しでも自分ができることがないかと考えながら撮影していました。
― 信康は徳川家のために強く生きようと決意する勇敢な青年ですが、細田さんご自身は仕事に対してそういった原動力はありますか?
細田:あります!なんならもうそれでしかないぐらいかも(笑)。作品は監督のものだと考えているのですが、だからと言って、俳優部がお芝居をしたことに対してそれが全部監督の責任なのかというと、僕はそうでありたくないと思いますし、自分が演じたことに対しては自分に責任があると思っているので、“監督のためにお芝居をする”という思いのもと精一杯演じます。ご一緒して「この人じゃない方が良かった」と思われたくないので、そこに対して後悔だけは感じないように、感じてもらわないようにお芝居をするという思いはずっとあります。
細田佳央太「全部の感情に正直でありたい」
― 「ドロップ」では初のヤンキーアクション挑戦ということで、これまでの役柄や細田さん自身の温厚な印象からイメージとかけ離れているように思いますが、どのようにご自身の中に落とし込まれていきましたか?細田:僕が演じるヒロシは、不良漫画に憧れてヤンキーになる男の子だったので根っからのヤンキーではなかったということもあり、そこに対する距離感はありませんでした。ただそれ以上に、ヒロシは基本皆の会話にツッコミを入れる立ち位置なので、ツッコミの仕方などは監督に丁寧に教えていただきました。演じる上ではこっちの方が難しかったかもしれないです。でもあまり考えすぎずにやっている感覚です。現場には、常に役のモチーフとなった監督がいてくださるので、深いところまで考えすぎなくても最終的には「監督っぽいね」と言っていただけることが多く安心しました。
― ヤンキーたちの喧嘩から友情と登場人物たちのめまぐるしく動く感情も一つの見どころだと思います。細田さんご自身は喜怒哀楽がはっきりしているタイプですか?
細田:(マネージャーさんに聞きながら)距離が近い相手に対しては、顔に全部出ているらしいです。自覚はしています(笑)。それこそ朝は自分が不機嫌なオーラを出していて気を遣わせてしまっているなと思いながらも直すことはなくモロ出しています。撮影で上手くいかなかったことがあった日も、母が察して気を遣ってくれていると感じながらも、そこで「今日の撮影全然大丈夫だったよ」と言えるほど大人ではないのでちゃんと出します。というより出すようにしています。
それは全部の感情に正直でありたいということもありますが、その方がお芝居をする時にスイッチが入りやすい気がするんです。例えば、僕は涙が出そうになった時、まず心臓が痛くなって鼻が痛くなって涙が出始めたら鼻水も止まらなくなるのですが、そういう感情の流れを堪えてプライベートでも蓋をしてしまうとお芝居をやる時に感情の出し方が分からなくなるので、なるべく表に出すようにしています。泣きたい時も怒りたい時もありますし、そこの感情には従順でいようと思いつつ周りには気を遣わせています(笑)。
細田佳央太の悲しみを乗り越えた方法
― モデルプレスの読者の中にも同じように不安や悲しみを抱えている人が多くいます。そういった読者に向けて、細田さんの悲しみを乗り越えたエピソードを教えてください。細田:絶対当てにならないと思いますが、寝て美味しいご飯を食べれば大抵のことは大丈夫なはず!でも感情はしっかり出すということが前提です。人の脳と心はリンクしていると思うので、泣いたり溜まった愚痴を人に話したりして楽になるように、ネガティブな感情はしっかり出してあげてほしいです。中には引きずってしまう方もいると思いますし、実際僕もどちらかというと引きずる側なのですが、それはもう時間が解決するほかないと思うので、まずは出し切ることがベストだと思います。
― そう思うようになったのは何かきっかけがあるんですか?
細田:そもそも溜め込むことを知らないぐらい幼少期からずっと感情を出すタイプだったかもしれないです。今でも全然友達に直接言います。どんなに仲が良くても報連相(ほうれんそう)は大事にしてほしいので、それがない時は「言っといてよ~」と相手に言うことはよくあります。
細田佳央太の夢を叶える秘訣
― モデルプレス読者の中には今、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、細田さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。2021年のインタビューでは「人への感謝を忘れないこと」とお話されていましたが、新たに加わった秘訣や価値観の変化はありますか?細田:ベースは変わっていないです。「人への感謝を忘れない」は絶対条件だと思います。ただ、それこそ「大河に出演したい」「ポケモンが好き」と口にしていたり、バスケのことをTwitterで投稿したらそれが仕事に繋がったので、やっぱり“言う”って馬鹿にならないんだということを本当に現在進行系で強く実感しています。でもそれが今実体験としてあるので、声にすることは本当に大事なんだと思います。
― もし今何か叶えたい夢を挙げるとしたら?
細田:なんだろう…小さいことならいくらでもあるんですよ。(悩みながら)ポケカ(ポケモンカード)で一番レア度の高いものをワンボックスで引きたいです(笑)!というのも、この間ポケカ仲間との“ポケカの会”があって、ある方が居酒屋でボックスを開けたら高価なカードが出たんです。それが一番レアと言われていて、しかもそのボックス自体も抽選で当たったものだったんです。あまりにもすごくて思わず動画も撮りました(笑)。それだけワクワクしましたし目の前で人が喜んでいる姿に惹かれたので、僕もそういったワクワクを届ける仕事ができたら嬉しいという思いと同時に、いつか絶対当てたいという夢ができました。これは完全に“運”ですが、運ですら言霊でなんとかなるということを証明していきたいと思います。
― 素敵なお話をありがとうございました。
インタビューこぼれ話
カメラのシャッターを切る度に多彩な表情やポーズを繰り広げていた細田。スタジオでは、細田が好きなアーティストとして公言しているMrs. GREEN APPLEの曲が流れており、「あ、ミセスだ!」とすぐ反応し鼻歌を歌ったり、ポケモンカードの話では目をキラキラと輝かせて熱弁したりと、何事も楽しみながら場をぱっと明るくする姿が印象的だった。(modelpress編集部)細田佳央太(ほそだ・かなた)プロフィール
2001年12月12日、東京都出身。4歳から活動を始め、以降ドラマや映画で活躍。2019年には、1000人超えの応募者の中から抜擢され、映画「町田くんの世界」にて主演。2021年以降もドラマ「ドラゴン桜」(TBS系)「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)「もしも、イケメンだけの高校があったら」(テレビ朝日系)「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)、映画「花束みたいな恋をした」「女子高生に殺されたい」「線は、僕を描く」など話題作に続々と出演した。6月2日から連続ドラマW-30 WOWOW「ドロップ」が放送開始する他、NHK大河ドラマ「どうする家康」にも出演中。8月には舞台「メルセデス・アイス」も控えている。<WOWOW連続ドラマW-30「ドロップ」>
WOWOWにて6月2日スタート(全10話)
毎週金曜午後11:00 放送・配信(第1話無料放送)
<せたがやこどもプロジェクト2023<ステージ編>「メルセデス・アイス MERCEDES ICE」>
原作:フィリップ・リドリー
翻訳:小宮山智津子
演出:白井晃
出演:細田佳央太、豊原江理佳、東野絢香、篠原悠伸、名村辰、大場みなみ、斉藤悠、今泉舞、松尾諭
日程:2023年8月11日~20日
会場:世田谷パブリックシアター
<18歳以下限定 無料招待>
※各回150名限定、先着順、要予約/発券手数料、当日要証明書提示
チケット一般発売:2023年6月4日/10:00~
問合せ:世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515(10:00~19:00)
主催:公益財団法人せたがや文化財団
企画制作:世田谷パブリックシアター
後援:世田谷区
公演公式HP:https://setagaya pt.jp/stage/1892/
【Not Sponsored 記事】
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