二宮和也、嵐の活動休止後初の主演映画が「TANG タング」だった理由と夢を叶える秘訣
2022.08.08 05:00
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8月11日公開の映画『TANG タング』で主演を務める嵐の二宮和也(39)にモデルプレスがインタビュー。俳優としても高い評価を受けている二宮が、嵐の活動休止以降、初の主演映画が本作だった理由とは?出演経緯やロボットとの撮影現場の様子、さらに“夢を叶える秘訣”についても語った。
二宮和也主演「TANG タング」
本作は、記憶をなくしたロボットとポンコツな大人が、人生の宝物を探す”感動”ファンタジー。二宮は、妻に捨てられ、人生に迷うダメ男・春日井健を演じる。二宮の今回の共演相手は、記憶をなくした迷子のへっぽこロボット・タング。原作はイギリスのハートウォーミング小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」で、日本国内でもシリーズ累計発行部数38万部を超えるベストセラーだ。健の妻でバリバリ働く弁護士の絵美を満島ひかりが演じるほか、市川実日子、小手伸也、奈緒、京本大我(SixTONES)、山内健司・濱家隆一(かまいたち)、武田鉄矢らも出演する。
二宮和也「TANG タング」出演経緯と役作りを語る
― 約2年ぶりの主演映画になりますが、どのような経緯で出演を決めましたか?二宮:2020年にこのお話をいただいたのですが、僕自身2020年の1年間は映画「浅田家!」の公開があったにせよ、全部(活動休止する)嵐のためにと思ったので、個人で働くお仕事は全てお断りしていました。でも、先日最終回を迎えたドラマ「マイファミリー」(TBS系)と映画「ラーゲリより愛を込めて」(12月9日公開)、そしてこの「TANG タング」は、「待ちます」と言ってくださったんです。さすがに恐れ多いので「いや、大丈夫です」とお伝えしたのですが、「こっちが勝手に待っているので、気にせず走りきってください」とお話してくださったので、本来であれば多分ここに座っている人は違う人だったかもしれない(笑)。そういったありがたい経緯があったので、決め手はなにもないというか、感謝だなと思って、参加させてもらいました。
― ダメ男を演じる上でどのような役作りをしたのでしょうか?
二宮:僕は合理的なので、健みたいにダラダラしている人を見ると信じられないぐらいイライラするんですけど(笑)、「健って本当にだらしない」「なんか、ウジウジしているな」って共感できる人は、大体当てはまるところが自分にも必ずあると思うんです。自分では言いづらい一般的な嫌な部分を可視化して見てくださる方の共感を掴まなければならないので、みんなが嫌なことや、単純に僕もイライラすることを選択し続ければ健は成り立つと思いました。
― 健と二宮さんは完全に真逆のキャラクターだったんですね。
二宮:真逆でしたね。でも、自分の性格やキャラクターに近い方がやりづらいんです。お金のない人がお金持ちの役をやる方が、なんとなく民意を得られるというか。お金持ちにお金持ちの役をやらせると引いちゃうところがあると思うんです。みんなが想像しているところに辿り着けるので、逆の方がやりやすいと思います。
二宮和也、撮影現場の様子は?「今日は人間がいる日だ」
― タングとのシーンは実際にはタングがいない中での撮影もあったと思いますが、いかがでしたか?二宮:僕が作業するわけではないので、僕は本当に自由にやらせていただきました。多分動物と撮影する方が大変なんだろうなと思いました(笑)
― では、特段大変と感じることはなく?
二宮:後付になりますが、僕が右を向けば右に(タングが)いる。犬はそうもいかないと思うので(笑)。僕は(作品の中で)素材なので、多分編集で「こいつなんでここにいるんだ」ってイラつかれた可能性はあったかも(笑)。僕自身はこのタイミングでぶつかるとか、このタイミングで(ものを)運んでくるとかという動きをしていました。
― スムーズに撮影が進んだんですね!
二宮:やっぱり日本もそれだけ(撮影方法の)レベルが上がってきたってことなんだと思いました。もっとレベルが上がってくると多分こういったロボット系の物語ができるかもしれませんが、結局人間が1番怖いというオチになるのと同じように、やっぱり人間とやる方が大変ということに気付き始めるんじゃないのかなと思います。ロボットっていなければいないで自由に動かせるので。どちらかと言うと、ゲームをやっているのに近いというか、右ボタンを押せば右に動くし、左ボタンを押せば左に動く。人だとそうはいかないというか、向こうにも感情があって、こっちにも感情がある。お稽古をするときに、どれだけぶつけていいのか、どれだけ受け止めていいのか、常に考えなくちゃいけないことがやっぱり大変だなと思います。
今回、僕一人で撮影しているときは、こういう動き方をしますとか、スタッフさんと共有しながらやっていましたけど、やっぱりオフィスビルに行って京本くんと会ったり、中国に行って奈緒ちゃんと会ったりしているシーンがあると、やっぱり人間と話すのは楽しいなと思いました(笑)。あ~、今日は人間がいる日だって(笑)
二宮和也、人生の迷子になった経験は「なかったと思う」
― 二宮さん自身が健のように人生の迷子になった経験はありますか?二宮:僕はありがたいことに、本当にいろんな方々にいろんなところに連れていってもらったので、悩むとか迷うことはなかったと思います。一人では生きていけないってことは重々わかっているし、自分一人ってことはなかったし、僕は20年のグループが休みに入るまではそういった総意で動いていたので、仮に誰かが悩んでて迷っていても、グループで結論を出して進んでいました。そういう仕事をさせてくれる環境を作ってくださったことに感謝しかなくて。本当に迷うことはありませんでした。
― もし二宮さんがタングのようなロボットを見つけたら、どうしますか?
二宮:どうしよう…売ります(笑)。バラすかどうかはお任せして売ります(笑)。自分の仕事が特殊なので言い難いですけど、自分たちに限らず今ってプライバシーを守るレベルが上がってきているじゃないですか。(ロボットが)近くにいて、バラされるかわからない情報をずっと持たれているのは怖いなって。だから、たぶんみなさんも売ると思います(笑)。例えば、道端で携帯電話を拾ったとき「やった!」というより、ちょっと怖いから触るのをやめておこうかなって思うと思うんです。リアリティを持って考えたとき、正直絶対売るんだろうなと思いました(笑)
― 役立つロボットだったら?
二宮:役立つ系はいいですよね。ロボットって人体の形をしたものだけがロボットとは限らないので、スマホもロボットの一つだと思っています。「ロボットが二足歩行で歩きました」というニュースを見たりするけど、すでにリアルの世界でもお世話になっている。スマホが1番自分にフィットしたロボットなんじゃないのかなと思っています。
― この夏にやってみたい冒険があれば教えてください。
二宮:仕事になりますけど、「24時間テレビ」(日本テレビ系)です。大冒険していいのか、しちゃいけないのかというところの戦いを毎回やっています(笑)。僕は冒険したいなと思っているので、今までやってこなかったことを提案しているんですけど、今まさにみんなで頭の中で大冒険している最中ですね。過小も過大も気にせず、ありのままで我々が思ったことを伝えていけたらなと思っています。
二宮和也、YouTubeチャンネル「ジャにのちゃんねる」への想い
― 「ジャにのちゃんねる」が常に話題になるなど、YouTubeチャンネルでの活躍も目立ちますが、現在の仕事のモチベーションはどんなところにあるのでしょうか?二宮:僕自身は一人でも多くの人に見てもらいたいというより、見てくれた人全員が満足してもらえるように動いたり、作ったりしている人間なので、ブレずにできていることが1番大きなモチベーションになっていると思います。一般職の方と明らかに違うのは、作り上げたものを見てくれた人が満足したときに感想をどこかで言ってくれること。僕はYouTubeのコメント欄に寄せてくれるコメントがやっぱりいいモチベーションになっています。うちのチャンネルに悪いことはほとんど書いてないです。ある程度平和に過ごせているので、そういうのを感じられる職業だったので助かっています。
「24時間テレビ」が決まったときも、書き込んでくれたコメントを見て「頑張ろう」って湧き出てくるというか、そこがモチベーションに繋がっていると思います。
― YouTubeのコメント欄だけでなく、今回のような作品の反響も自分からチェックしたりするのでしょうか?
二宮:自分が作ったものはそうしているので、YouTubeのコメント欄はほとんど見ています。それこそ、YouTubeで「占いしたい」と言ったときも、King & Princeの岸(優太)くんがタロット占いできるという情報がコメント欄にたくさん来ていたので、岸に聞いたら「できます」と言ってくれたので、「じゃあ、やろうぜ」という話になりました。その占いで、「このチャンネルで夏の終わりにすごいことが待っていますよ」って言われて、「バカだな、こいつ(笑)」と思っていたんですけど、本当に「24時間テレビ」が決まって、その回の動画(再生回数)がまた伸びたりしました。
でも、映画などの作品に関しては、僕は駒の一つだと思っています。例えばですが、大工さんみたいな気持ちなので、出来上がったら外観を見るだけで満足というか、大工さんって住んでいる人に僕が作ったから中を見ていいですかって言わないと思うで、そういう感覚があります。楽しんでくれる人がいたらいいなとは思いますけど、そこまで(反響を)気にしてはいなかったです。
― 出来上がったら、一度手が離れたものとして捉えているのでしょうか?
二宮:そうですね。街を移動しているときに、「TANG タング」の看板や、映画館の前でポスターを見たりすると、ちょっと誇らしくなります。
二宮和也、夢を叶える秘訣を語る
― 無職でダラダラ過ごす健とは真逆の性格という二宮さんが考える夢を叶える秘訣を教えてください。二宮:夢を言い続けることだと思います。それこそスポーツ選手もそうですけど「オリンピックで金メダルを取る」って宣言していると、その人に金メダルを取らせてあげたいと思って、例えばトレーニング場とか、器具とかを提供する人が現れたりすることもゼロじゃないと思います。まずは自分が働きかけなくちゃいけないというのは重要だと思うし、有能な人にはいろんな人がついてきてくれると思います。自分がもし誰かのために夢を叶えてあげようと思う立場だったら、声高に叫んでいる人たちの夢を一緒に叶えてあげたいなと思う。言い続けるのは恥ずかしく見えるかもしれないけど、最終的には一緒に叶えてくれる人が見つかるんじゃないのかなと思います。
― 二宮さんも言い続けたから叶った夢が多いのでしょうか?
二宮:僕はそこまで夢を大きく語ったことはないですけど、叶う夢もあれば叶わない夢もあったかなと思います。シンプルなところで言うと、僕は嵐の活動を続けたかったタイプの方なので。でも総合的に見て、めちゃくちゃいい人生だなとは思います。嬉しいとか悲しいとか含め、めちゃくちゃいい人生だなと、ありがたいなとは思っています。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「TANG タング」ストーリー
ゲーム三昧で妻に捨てられた、ダメ男・春日井健(かすがいけん)。わけあって無職で人生に迷子中。ある日、健の家の庭に突然現れたのは、記憶をなくした迷子のロボット・タング。初めは時代遅れの旧式タングを捨てようとする健だったが、タングが失った記憶には、世界を変える秘密が隠されていた。その秘密を巡って、謎の追っ手が迫る中、健とタング、ふたりの迷子が大冒険の先に見つけた“人生の宝物”とは?二宮和也(にのみやかずなり)プロフィール
1983年6月17日生まれ。東京都出身。A型。1996年、ジャニーズ事務所に入所。1999年、嵐としてCDデビュー。俳優としても高い評価を受けており、2005年に映画『硫黄島からの手紙』でハリウッドデビュー。2016年には映画『母と暮せば』で、初めて「日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞を受賞。近年の主な主演作は、ドラマ「潜水艦カッペリーニ号の冒険」(2022年、フジテレビ系)、「マイファミリー」(2022年、TBS系)、映画『浅田家!』(2020年)、『ラーゲリより愛を込めて』(12月9日公開予定)など。
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