モデルプレスのインタビューに応じた生駒里奈 (C)モデルプレス

生駒里奈、乃木坂46バスラ出演経て語る“1期生メンバー”への尊敬 ドラマ初主演での心境の変化とは<「OTHELLO」インタビュー>

2022.07.13 06:00

元乃木坂46の生駒里奈(いこま・りな/26)が7月よりスタートするドラマ+「OTHELLO」(ABCテレビ:7月24日スタート、毎週日曜深夜0時25分~※初回は深夜0時50分~※関西/テレビ神奈川:7月26日スタート、毎週火曜よる11時00分~※関東/TVer・GYAO!で見逃し配信あり)でドラマ初主演を飾る。ホラー作品は苦手だという彼女が語る演技へのこだわりや、共演者とのエピソードを語ってもらったほか、5月に出演した「乃木坂46 10th YEAR BIRTHDAY LIVE」についても振り返ってもらった。<モデルプレスインタビュー>

生駒里奈主演ドラマ「OTHELLO」

生駒里奈/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
生駒里奈/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
同作は、「リング」「貞子」シリーズで「ジャパニーズホラー」というジャンルを確立し、日本のみならず全世界に一大ムーブメントを巻き起こしたジャパニーズホラーの巨匠・鈴木光司氏が手掛ける完全オリジナル作品。怪奇現象をキッカケに複雑に絡み合う人間模様を描く。

生駒は、呪われた小劇団の看板女優・山口麻依と、志半ばで無念の死を遂げた姉を一人二役で演じる。

生駒里奈、初主演ドラマは「自覚がなくて」

― まず、脚本を読まれたときの感想を教えてください。

生駒:今回はホラーがメインではなく、どちらかと言うと劇団員同士の友情やちょっとした恋心、家族…、私には姉がいる設定なので姉妹の思いなど、恐怖よりも皆が経験するであろう日常生活の中での人に対する恐怖や嫉妬などを濃く描かれているという印象でした。

生駒里奈 (C)モデルプレス
生駒里奈 (C)モデルプレス
― 初めての主演ドラマですが、現在の心境はいかがでしょうか?

生駒:実は主演という自覚がなくて(笑)、個人的な話をすると、去年から映像のお仕事を続けてやらせていただく機会がある中でのこの作品なんです。ですが、お芝居の技術の面ではまだまだ勉強している最中なので、家に帰って深夜ドラマが付いていたら「どういうふうに喋っているんだろう?」とか「どういう画を作っているんだろう」とか、意識するところは変わってきましたし、現場に入って先輩のアプローチの仕方を学ぶこともあって、主演だということが自分にパワーをくれることもあります。他のポジションだったら「まだまだ苦手分野だな」と、それで終わってしまうところを、挑戦というか勉強しながら参加させていだけているので、そこは責任感を持たせていただけてありがたいです。

生駒里奈、共演者から刺激「救われたな」

― 生駒さんの思う映像作品ならではの魅力を教えてください。

生駒:映像作品は日常生活を切り取ることが多いと思っていて。舞台でも、自分じゃない人を演じるのでこの人はどういうふうに歩くのかなど考えるんですが、映像は生ではなくカメラを通して見せる画になるので、そこは逆に誤魔化しようがある部分でもあると思います。現場では須賀健太さんが監督のように「ここからこうやって撮って、こうやってこの画だな」というようなシミュレーションをやっていて面白いと思っていたんですが、確かにどこから撮るとどういう画になっているのかを想像するだけで自分の中で自然に計算できるようになるので、前までは必死すぎてそこまで至らなかったのが、今はそういう勉強ができるようになったので楽しいです。

(左から)織田梨沙、須賀健太、窪塚愛流、村西紗英、生駒里奈/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
(左から)織田梨沙、須賀健太、窪塚愛流、村西紗英、生駒里奈/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
須賀健太/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
須賀健太/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
― 共演者の方々の印象を教えてください。

生駒:劇団員は年齢も近い人たちが多いので、須賀さんたちと和気あいあいとやっています。窪塚愛流くんが最年少の18歳で、今年初めての新成人。18歳の年齢で初めての新成人の年齢ということで、そこで時代を感じました(笑)。橋本じゅんさんなど、大ベテランの方から若手まで皆さん人当たりの良い方たちで、初日から劇団で練習をするシーンで大変だったんですが、橋本さんも沢山アドバイスをくださって、それに対して聞き入れて皆でシーンを作っていけるような雰囲気で、「救われたな」と思うことも多々あるくらい恵まれた環境です。良い方たちの集まりで良かったです。

生駒里奈、ホラーは「観ないです」悲鳴演技でのこだわり

― ホラー作品に出演されるうえで心がけていることはありますか?

生駒:ホラーだと、例えばお化けが出てきて「キャー」となるようなところも、実際にそういうシチュエーションに遭った場合はどういうふうになるのかを想像して「この場合はナチュラルではなく作り込んだ方が怖いかな」と考えることもあります。悲鳴の出し方についてもどのシチュエーションにどういう悲鳴が合うのか考えるようになりました。本当に怖いと思って出る悲鳴もありますし、演出的に綺麗に悲鳴をあげた方が良いと思うときもあるので、喉の位置を確認して悲鳴を出しています。

生駒里奈/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
生駒里奈/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
― ショッキングなシーンの撮影も行われていると思いますが、現場ではどのように撮影されていたのでしょうか?

駒:普通ですね…(笑)。例えば、生首が落ちてきたりお化けがいたりしても、物だし人なので、私は「1.2.3で振り向いて4で落ちてきて『キャー』」のような作業になってしまっていて。作業の中に感情を入れてお芝居するので全くもって怖くはないです。自分で言っていいのかわからないですけど、今までグロ系なども撮影したことがあるので、お化けが出てくるのはタイミングなどのいろいろ含めた作業(笑)。ただ視聴者の方が観たときに怖いと感じてもらえるようになればと思って撮影しています。

― 元々ホラー作品は観られるのでしょうか?

生駒:自分が出演したものは思い出があるので観ますが、基本的に他の作品は観ないです。怖いドラマのCMは観た瞬間にテレビを消します(笑)。撮影になるとどれだけグロいものを見ても平気なんですけど、家に1人でいると怖いんです。昔からお化け屋敷も苦手なので、プライベートは一切怖いのNGですね(笑)。

生駒里奈 (C)モデルプレス
生駒里奈 (C)モデルプレス
― ご自身では観られないということですが、そんなホラー作品に生駒さんが感じる魅力はありますか?

生駒:世の中にはお化けが見える人もいますけど、多分見える人はあそこまで悲鳴をあげていないと思うんです。でも、「キャー」と言うと多分楽しさを感じて、例えば「心霊スポットに行って怖い思いをしたけどこの仲間と一緒に行ったのが楽しかった」というように変換できるので、そういうふうに日常の中のホラーは楽しいものにもなると考えています。その中にホラー作品というものが加わって、「怖かったけど観ていてドキドキした」とか、一緒に観ている人と怖さを共有して感想を言い合って楽しむことなど、そういった点がホラーの魅力だと思います。

生駒里奈、撮影現場で恐怖を感じた出来事

生駒里奈、織田梨沙、村西紗英、窪塚愛流、須賀健太/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
生駒里奈、織田梨沙、村西紗英、窪塚愛流、須賀健太/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
― 最近生駒さんが日常生活で恐怖を感じた出来事はありますか?

生駒:撮影が毎日朝から晩まで続いているんですが、元気という自分の体調がホラーかもしれないです。「なんで疲れないんだ」と思って(笑)。ただある意味一番怖いと思うのが、作品を撮っているときは演者よりスタッフさんの方が朝早いし夜遅いし大変なんです。私たちは撮っていないシーンもあるので休めるタイミングがありますがスタッフさんはずーっと動かれているので、その体力が良い意味でホラーです(笑)。

生駒里奈が怒り・悲しみ・不安を乗り越えたエピソード

― 生駒さんから見て、演じる麻依はどのような人物でしょうか?

生駒:読み解いていくと、姉の死に対してコンプレックスを抱きつつ、そのお姉さんの夢を追いかけて、それをやり遂げようという責任感もあります。純粋にお芝居がしたい思いで夢を持って、一生懸命真っ直ぐがむしゃらに頑張っているような子だという印象です。

(左から)村西紗英、生駒里奈、西村優、橋本じゅん、須賀健太/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
(左から)村西紗英、生駒里奈、西村優、橋本じゅん、須賀健太/「OTHELLO」第1話より(C)ABCテレビ
― 自分と重ねて共感する部分はありますか?

生駒:私自身は最近悩むことがなくなってきて。悩んだとしても自己解決するんですが、麻依ちゃんは悩んでしまってクヨクヨして、行動に移さないこともあるので、「そういうことをしていないで、どんどんどんどん前に行きなよ」と振り立ててあげたいと思うような子です。ちょっと自分とは違う印象がありますね。

― では、生駒さん自身が怒りや悲しみや不安とかネガティブなことを乗り越えたエピソードとか方法はありますか?

生駒:時間はかかるんですが良い方法があります。そういう感情をまず捨てるというトレーニングです。私もすぐ心の容量がいっぱいになっちゃうタイプで、小さいころはずっと泣き虫だったんですが、泣くことにも疲れてどうしたら良いのかと思ったとき…、乃木坂46からの卒業がきっかけだったんですが、当時持っていた服を全部捨てたんです。物には執着心があると言われることもありますが、現役のときに着ていた服に、自分のネガティブな思いを乗せてゴミ箱に捨てるだけで本当にスッキリしたんです。クローゼットが今の自分の気持ちだとしたら、全てがスッキリとして空っぽになったから、そこにポジティブな物を増やしていこうという思いがきっかけでした。ネガティブになると余計にイライラして悲しくなるけど、その感情を捨てれば何も考えずに済むのでおすすめです。

― 最初のきっかけだとお話されていた乃木坂46からの卒業のタイミングというのは、どういった気持ちから抜けたかったのでしょうか?

生駒:あまり言ってはないんですが、そのときにいろんな思いがあって…。心機一転自分を鼓舞しないとと思って、お母さんが断捨離することが好きというのもあって、私のネガティブな思いはいらない、と思いを込めて全部捨ててスッキリしました。

生駒里奈、バスラ出演振り返る 1期生メンバー4人への想い

― 5月には「乃木坂46 10th YEAR BIRTHDAY LIVE」にも出演されていました。振り返ってみていかがでしたか?

生駒:久しぶりにセーラー服を着たら丈が思った以上に短くて、「こんな短いの履いていたっけ!?」というところに驚きを隠せず…(笑)。衣装さんに当時の方もいるので、「無理ー!」と言いながら着ていました。卒業後の今は衣装部屋も私1人だし、舞台に立ってもせいぜい20人とかなので、メンバー全員分の衣装が何曲分も並んでいる衣装掛けの部屋や、クーラーボックスに靴が沢山入れてあるのを見るのも久しぶりで、ライブのスタッフさんも全然変わらずに「久しぶりー」と笑顔で迎えてくださって超楽しかったです。

生駒里奈 (C)モデルプレス
生駒里奈 (C)モデルプレス
― 在籍当初からグループに変化もあったと思いますが、実際にライブを観てどう感じましたか?

生駒:私は3期生までは知っていますが、4期、5期は活動時期的が重なっていないので正直よくは知らないのですが、一緒に過ごしてきた3期生がしっかりしていて、新しい乃木坂として十分に良いスタートを切っているし、映像やパフォーマンスを観ていてもすごく楽しかったです。よく「(後輩を)心配していますか?」とファンの人には思われているんですが、全くそんなこともなく、あんな2日間もスタジアムを盛り上げて感動的に終わらせられていたので、本当に誇りに思いながら観ていました。

― OGメンバーも沢山集まられていましたが、当時の思い出話をする機会はありましたか?

生駒:このご時世で楽屋が一緒じゃなかったのであんまり喋れなくて…。私が残りの1期生の4人(秋元真夏、齋藤飛鳥、樋口日奈、和田まあや)を勝手に四皇(漫画「ワンピース」に登場する4人の大海賊を指す)と呼んでいるんですが、あの人たちはやっぱりすごい。10年も同じところで乃木坂を守り続けていて、そんなメンバーと踊れたこともすごく幸せで、本当に楽しかったです。

生駒里奈の夢を叶える秘訣

生駒里奈 (C)モデルプレス
生駒里奈 (C)モデルプレス
― では、夢を叶えている最中のモデルプレス読者に向けて、生駒さんの思う夢を叶える秘訣を教えてください。

生駒:ズルをしないこと。夢を叶えるのは時間がとてもかかるもので、簡単に叶った夢には「それって夢なのかな?」と思ってしまうタイプなんです。叶えたいんだったら苦しいような努力をして、ズルをしないことが秘訣だと思います。無駄なことはしないですが、ズルはしたくないと思っています。

― 最後に、作品の見どころとともに視聴者の方へメッセージをお願いします。

生駒:夏なので、ホラー部分が冷えっとしていて良いと思いますし、キャストの仲の良さが画面に滲み出ていて、劇団員のワイワイ加減もすごく楽しいと思います。仲間といろいろなことをやり遂げることが徐々に再開されてきた時期でもあるので、ドラマの私たちに自分自身を投影しながら観ていただけたら嬉しいです。

(modelpress編集部)

「OTHELLO」第1話あらすじ

舞台は大阪。

通天閣近くの薄汚れた雑居ビルに稽古場を置く小劇団「ENGINE」(エンジン)。

看板女優の山口麻依(生駒里奈)をはじめ若い劇団員たちは、東京公演を間近に控え、寝る間も惜しんで稽古に励んでいた。

今回挑んでいる作品は、劇団の代表作「DICE」(ダイス)。

10年前に初演を行い、今作で初の東京進出を果たした劇団にとって想い出深い作品。それゆえ座長・重森(橋本じゅん)の気合いは普段以上で、劇団員たちの芝居の出来に納得がいかず不満を募らせていた。

そんな時…麻依は劇団事務所の資料庫で「DICE」と書かれた1本のVHSビデオテープを発見する。

そこには10年前の初演時の稽古風景が収められていたのだが…。

その映像を見た途端、麻依達の周囲では不可解な怪奇現象が起こりはじめる…。

生駒里奈プロフィール

生駒里奈 (C)モデルプレス
生駒里奈 (C)モデルプレス
生年月日:1995年12月29日/出身地:秋田県/血液型:AB型/星座:やぎ座/身長:153cm

2018年5月に乃木坂46を卒業。乃木坂46ではデビューシングル「ぐるぐるカーテン」から5枚目シングル「君の名は希望」まで連続でセンターを務めるなど、グループの顔として活躍した。卒業後もドラマ、映画、舞台と出演作が絶えず、近年ではドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系/2021)、主演映画「ROOOM」(2021)、映画「光を追いかけて」(2021)など。「ストレッチマン・ゴールド」(NHK Eテレ)にレギュラー出演するほか、9月より舞台「夏の夜の夢」への出演を控えている。

衣装クレジット

トップス、パンツ/Y's(ワイズ)
スタイリスト:Shingo Tsuno(impiger)
【Not Sponsored 記事】

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