「silent」読者が選ぶ心に刺さった“名セリフ”10選「表現力に脱帽」「ハッとさせられた」<後半:第5話~第9話>
2022.12.15 18:00
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女優の川口春奈とSnow Manの目黒蓮が共演するフジテレビ系木曜劇場「silent」(毎週木曜よる10時~)。モデルプレスでは、「あなたが思う名セリフは?」というテーマで読者アンケートを実施。読者が選んだ“名セリフ”(第5話~第9話)をピックアップして紹介する。
川口春奈&目黒蓮共演「silent」
オリジナル作品となる本作は、川口演じる主人公の青羽紬がかつて本気で愛した恋人である想と、音のない世界で“出会い直す”という、切なくも温かいラブストーリー。川口と目黒のほか、鈴鹿央士、桜田ひより、板垣李光人、夏帆、風間俊介、篠原涼子らが出演する。
紬(川口春奈)編
「声も好きだったけど声以外も好きだから」…第7話
第7話では、紬がずっと気になっていた“声で喋らない理由”をふと想に尋ねる。「声を聞きたい」(紬)「声で喋りたくない」(想)というそれぞれの率直な想いが交差するとともに、聴者と難聴者の間に生まれた小さなすれ違いが描かれていた。後日、想が高校時代に書いた作文を読むため、2人で紬の家へ。想は紬を想い、勇気を振り絞って声を出そうとするが「大丈夫。喋んなくていいよ」とすかさず遮った紬。続けて紬は「声も好きだったけど声以外も好きだから」と声で伝えると、手話を使っていないながらも気持ちが通じたのか想の目には涙が。互いを思いやる姿と2人の想いが通じ合った瞬間でもある同セリフには感涙の声が多数寄せられた。
<読者コメント>
・「絶対想の声を聞きたい気持ちもあるのに、そこに至る想の辛さを精一杯慮っての愛の溢れた『いいよ、喋んなくていいよ』の後に続く言葉。『愛してる』よりも愛を感じました」
・「聞こえてないかもしれないけど、ちゃんと想いが伝わった瞬間だったから」
・「紬もやはり昔からずっと好きだったんだなと痛感したシーンでした。心が繋がってると感じた」
「少ないっているってことだもんね」…第7話
想が声で喋らないことが気になっていた紬は、真子(藤間爽子)との電話に出ていた湊斗(鈴鹿)にその疑問をぶつける。湊斗は1度だけ名前を呼ばれた時のことを回顧しながらも「喋りたくないなら無理に喋ることない」とし「嫌なことの理由ってわざわざ言いたくないこともあると思う」と持論を展開。その言葉にハッとした紬は元々聞こえていた人だと普通は声で話すことが多いという事実から、多いってだけでそれが普通なんだと思い込んでしまっていたことを反省し「少ないっているってことだもんね」とそっとこぼした。このテーマに限らず、多数派の意見が尊重されることや一般論として展開されやすい日本社会にさり気なく切り込んだ会話に「ハッとさせられた」「自分もそうだったから刺さった」などの声が多数寄せられ、視聴者にとっても自身が持っていた固定概念を改めて考えさせられる機会になったのではないだろうか。
<読者コメント>
・「多数派の意見が普通ってなりがちな世の中に向けての言葉だと思った。ちゃんと存在しているものに目を向けなきゃと思った」
・「日頃生活する中で『~な人が多い』って当たり前に使う言葉だったけど、確かに『多い』だけで少なくとも反対の人はいるわけで…紬の一言にハッとさせられました。多いが当たり前じゃないってことを改めて考えました」
・「一般論として、『普通は~』とか『~の方が多い』など言ってしまいますが、角度を変えれば少数派がある。そこに目線を向けることの大切さに気付かされました」
想(目黒蓮)編
「顔見て話したいから会いに来た」…第5話
湊斗に突如別れを告げられた紬。そんな2人のことを知り、想は2人の関係が崩れたのは自分のせいではないかと懸念し、高校の担任・古賀(山崎樹範)に相談していた。その後日、想は紬の働くタワーレコードを訪れ、「顔見て話したいから会いに来た」と一言。しかし湊斗との破局から気持ちの整理がついていなかった紬は「メールでいいよ」と思わず避けてしまう。そんな紬に怯むことなく想は「顔を見て話したい」と強い眼差しで訴えた。再会直後は「顔見たくない」と自ら会うことを避けていた想の「顔を見て話したい」という言葉には重みが感じられ、紬への想いが確かなものになったことがわかる。
<読者コメント>
・「これまで『会いたくない』『話したくない』って言っていた想くんの変わった姿が見えたし、想くんの紬に対する気持ちがわかる場面で好きです」
・「ストレートに伝えてくれてる感じがいい。見つめる目の演技からも気持ちが伝わってきました」
・「想が紬と会いたい気持ちが強くなってるのがわかったから」
「青羽が俺のこと見てくれるならちゃんと言葉にしたい」…第5話
湊斗との破局後、紬は想から「話したい」と告げられカフェで会うことに。するとおもむろにノートを取り出した想は、「2人が別れたの俺のせいだと思って」と直筆のメッセージで想いを伝える。続けて1枚ずつページを捲りながら「再会しなければ良かったと思った」「ごめん」とこぼすも、紬や湊斗との再会を喜ぶ。そして最後には、少し躊躇した様子を見せながらもゆっくりとページを捲り「青羽が俺のこと見てくれるならちゃんと言葉にしたい」と伝えた。
これまで自身の抱えている想いを多くは語ってこなかった想がこぼした本音の数々。同時に前を向こうという新たな姿勢が見え、8年前に止まっていた紬との時間が動き始めたように感じられた。また、想が紡いだ直筆や丁寧にページを捲る仕草がセリフの深みを倍増させ、彼の温かさや覚悟が伝わるシーンとなっていた。
<読者コメント>
・「紬と再会した時の『お前、うるさい』以後自分の本心を言葉にすることがなかった想が初めて紬への想いを伝えたから。セリフと共にノート1ページずつ書いた言葉と自分の間合いで捲るこのシーンは想の想いと決意がひしひしと感じられて何度も観直しました」
・「止まっていた想と紬の時間が動き出したように感じたから」
・「想くんと紬ちゃんの距離がよりグッと近づいた回で、想くんの想いが誰よりも伝わったシーンでした。ノートに書いた想くんの字から、その気持ちと温かさが感じられました。好きな言葉をくれました」
「こっちが壊れたかな」…第9話
紬との破局後、少しずつ耳が聞こえにくくなっていることを実感し始め、自然と家族との間にも距離ができていた想。そんなある日、CDラックに並べられた大量のCDを自室に散らかし、大音量で音楽を流し始めると、母・律子(篠原)に「壊れたみたいで。イヤホン」という言葉に続け、「こっちが壊れたかな」と自身の耳を指し、涙を流す。そして「さっきからずっと喋ってるつもりなんだけど声出てない」と必死で訴え続けていた叫びも自身の耳には届かず、その様子に家族も声を掛けられずにいた。短い一言ながらも想の苦しみや悲痛がグッと伝わると同時に、耳が聞こえないことを自分で認めたくないという葛藤もうかがえる。
<読者コメント>
・「想くんの心の叫びや葛藤など色んな感情にこっちまで苦しくなったから」
・「『聞こえない』ではなく『壊れた』と伝えたところがどこか自分でも認めたくないって気持ちがあったから出た言葉なんだなと感じた。普通だと『聞こえなくなった』って言ってしまうところを『壊れた』と表現したところがグッときたからです」
・「耳が聞こえづらくなって、音楽が聞こえなくなるという衝撃で理解したくなかったところがすごく刺さりました」
奈々(夏帆)編
「悲しいこともあったけど嬉しいこともいっぱいある。それは聴者もろう者も同じ あなたも同じ」…第6話
大学時代、ろう者・難聴者対象の就活セミナーで奈々(夏帆)と出会った想は、聴力を失い始めてからの葛藤やこれまで打ち明けられなかった不安を吐露。思い悩む想に奈々は、自分が生まれつき耳が聞こえないろう者であることを打ち明けた。そして「私は生まれてからずっと悲しいわけじゃない」と耳が聞こえない“音のない世界”を肯定し「悲しいこともあったけど嬉しいこともいっぱいある。それは聴者もろう者も同じ あなたも同じ」と誰もが同じであると伝え、想に「同じ」という意味を持つ手話を教える。
孤独だった想を救った希望のような言葉であると同時に、誰もが“同じ”で“平等”であるというメッセージも込められており、読者の胸に強く刺さったようだ。
<読者コメント>
・「この言葉で想くんがどれだけ救われたか。奈々ちゃんがいてくれたから、今の想くんがあるのだと思います」
・「ドラマの内容とこのセリフが合ってると思った。生まれつき耳が聞こえない奈々がこのセリフを言うことによって説得力がある」
・「聴者とろう者を別で捉えてはいけないんだなってことが『silent』を観て強く感じた。今後の私生活を見直していかないといけないと思いました」
「プレゼント使い回された気持ち」…第6話
想と紬が待ち合わせているところを見かけ、想への恋の終わりを悟っていた奈々。それでも諦めきれない奈々は、紬が通う手話教室を訪れカフェで話すことに。想から手話を教えてもらうこともあると笑顔で話す紬に奈々は「プレゼント使い回された気持ち」と教えた手話を奪われた気持ちだと表現。そして「憧れるけど恋が実ってもその夢は叶わない」と好きな人と手を繋ぐことや電話で待ち合わせをするなど自身が夢見る世界は叶うことがないと涙ながらに訴えるのだった。まるで2人だけの秘密かのように、想との手話を大切にしていたこと、そして想への恋心や紬への嫉妬など奈々の複雑な感情がたった一言で詰め込まれた同セリフ。その表現力に驚嘆する声とともに、これまで謎に包まれていた奈々の本音が明かされ、放送後にも大きな反響を呼んだ。
<読者コメント>
・「手話をプレゼントって表現してさらにそれを包み直して使い回されたっていうこの言葉だけでどれだけ嫌なことなのか誰でもすぐにわかるってすごすぎる。表現力に脱帽」
・「感情を言語化したものとして今までにない表現でありながら、なんとなく『その気持ち分かる』と同意してしまう、絶妙なバランスで構成された美しい短文だと感じたから」
・「無念、怒り、嫉妬。複雑な気持ちをぶちまけるのではなく、理路整然と静かにこの一言で表現した破壊力」
「『ありがとう』って使い回していいの?」…第8話
大学時代、パソコンテイクのボランティアをきっかけに奈々と出会った春尾(風間)。ふと奈々のノートを見ると、毎回ボランティアに向けてノートにお礼の言葉を書いていることに気付き、春尾は「同じものを見せればいい」と助言。しかし、奈々は「『ありがとう』って使い回していいの?」という一言をぶつけ、春尾を一蹴した。簡単かつ多用するからこそ、何気なく言ってしまうシンプルな言葉は多く存在する。そんな言葉一つひとつを丁寧に紡ぐことの大切さが同セリフを通じて説明不要で伝わる。また、この“使い回し”というフレーズは上述した「プレゼント使い回された気持ち」に繋がり、再び登場した言い回しとしても話題を集めた。
<読者コメント>
・「ろう者の奈々にとって“言葉”は手話を通してでしか伝わらないものですが、だからこそ一つひとつの言葉を大切にしたいという奈々の気持ちが伝わりました。聴者である自分にとっても考えさせられる一言でした」
・「一言一言を大切にしていきたいと改めて思わせてくれたセリフです」
・「純粋な目でこれを言えるって、本当に心が綺麗で優しくて温かい気持ちをちゃんと知っている人じゃないとできないと思ったから。当時、奈々ちゃんが優しい世界で生きているあったかい人だということを感じられたセリフでした」
春尾(風間俊介)編
「『ありがとう』をそのまま受け取れるようになりたかった」…第8話
「就活のため」とボランティアに対しての心意気を全く持たず、なんとなくで過ごしていた春尾は、奈々と出会い、その太陽のような笑顔に心惹かれる。そして「『ありがとう』って使い回していいの?」という奈々からの一言にハッとさせられるとともに、春尾は「顔を見て話したかった」「『ありがとう』をそのまま受け取れるようになりたかった」とモノローグで伝える。ここから春尾の奈々に対する淡い恋心が確かなものとなり、指導のもと手話を特訓。好きな人と一緒にいたいという一心で手話を勉強する春尾の姿に心を掴まれた人も多いはず。
<読者コメント>
・「春尾先生の奈々ちゃんを想う気持ちがグッと伝わる名シーン」
・「奈々の言葉をきっかけに手話を練習する春尾先生が愛おしい」
・「好きな人の顔を見たい、話したいという気持ちが共感できるし好きな人のために努力する姿が最高にかっこいいから」
真子(藤間爽子)編
「女の子をキラキラさせる男ってすげぇな、って思ってたんだけど。うん。でもぽわぽわさせるのもね、なかなかの才能だと思うけどね」…第5話
紬と湊斗が破局後、紬の親友である真子が第三者として湊斗に放った同セリフ。想と交際していた時の紬は“キラキラ”していたことに対し、湊斗と過ごしてきたこの3年間の紬は「“ぽわぽわ”していた」とし「落ち着いてて幸せそうだった」という。続けて想については「ねえ聞いてよ!」とソワソワした様子で真子に話していたことに対し、湊斗の話題は「独り言みたいにポロッと言うんだよね」と明かしていた。擬音語を通じて的確に想と湊斗を表現しつつ、自分に自信の持てない湊斗にエールを送ったとも読める同セリフ。その後、紬も「湊斗といる時はぽわぽわしてたと思う」と湊斗の優しさや一緒に過ごす温かな時間に想いを巡らせており、放送後にはTwitterで「ぽわぽわ」がトレンド入りを果たすなど大きな反響を集めた。
<読者コメント>
・「優しさや温かさを『ぽわぽわ』という言葉で伝えた真子がさすがだと思った」
・「2人の違いが擬音語で明確に表現されていてすごい」
・「結局2人とも最高の彼氏なんだよな…。湊斗は自分をいい彼氏とは思っていなかっただろうけど絶対にそんなことないし、真子ちゃんが的確にそれを温かく伝えていて泣けた」
他にもこんな意見が…
「想はポニーテールが好きです」(湊斗)…第5話
破局前、紬との電話で湊斗がいたずらっぽく伝えていた「想はポニーテールが好きです」という言葉。交際の終止符を打つ瞬間を、男友達だから知っている“しょうもない情報”で和ませた湊斗の温かさは視聴者の心をじんわりと温めた。また、これを聞いた翌日に想と会う約束をしていた紬が、ポニーテールをしようとしたものの、笑いながら解いてしまう姿も映し出され、SNS上では様々な考えが飛び交っていた。「ハンバーグ以外にして」(紬)…第5話
湊斗と破局した翌日、想が直筆のメモで紬と向き合いたいという本音を伝えた第5話のラストシーン。お腹が空いたからご飯を食べに行こうと誘う紬に想が「何がいい?」と尋ねると、最初は「何でもいい」と答えていた紬だが、しばらくして「ハンバーグ以外にして」と告げ笑みを浮かべた。ハンバーグは湊斗とよく2人で食べていた思い出の食べ物であり、これまでもセリフや回想シーンなどを通じ度々描かれていたことから、紬の最後の一言に「やっぱり湊斗のことちゃんと好きだったんだね…」「別れを実感する」「心が痛い」といった声が寄せられた。
「顔がいいのは元々だからな」(想)…第9話
実家から東京に戻った想は紬の働くタワーレコードを訪れ、持っていなかったスピッツの「見っけ」のCDを購入。その後、歌詞カードをじっくり読みながら紬の仕事終わりを待ち続けていた。実家で律子とのわだかまりが解れ心が晴れたような表情を浮かべていた想に「なんかいいことあった?いい顔してるよ」と尋ねると「顔がいいのは元々だからな」といたずらっぽく微笑みを浮かべた。真面目な想が見せたお茶目なワードや表情に胸キュンする読者が多数。この一言で2人の時間が一気に高校時代へと蘇り、青春を思い出させる名シーンとなった。
この他にもここでは紹介しきれないほどの数々の名セリフが飛び交っている同作。ラストスパートに向け、キャスト陣の繊細な演技に乗せられたリアルで温かなセリフに今後も注目していきたい。(modelpress編集部)
情報:フジテレビ
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