「silent」スタイリストに聞いた 紬(川口春奈)が想(目黒蓮)のために着た“新しいスカート”秘話・リアリティを追求した裏設定&色使いに迫る<インタビュー>
2022.12.01 17:00
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フジテレビ系木曜劇場『silent』(毎週木曜よる10時~)で、女優の川口春奈演じる青羽紬とSnow Manの目黒蓮演じる佐倉想のファッションが注目を集めている。今回モデルプレスでは、スタイリングを担当する柚木一樹氏にインタビューし、コーディネートのポイントや読者が真似できるポイント、演出に隠されたスタイリングの裏話を聞いた。
「silent」個性溢れるスタイリング&色使いが話題
オリジナル作品となる本作は、主人公の紬がかつて本気で愛した恋人である想と、音のない世界で“出会い直す”という、切なくも温かいラブストーリー。紬のボーイッシュなスタイリングや想の温かみのあるアイテムを組み合わせたコーディネートなど、キャラクターの人柄が浮き彫りになったかのようなファッションは、自然と物語に馴染みつつ視聴者の視線を引き付ける。紬と想の高校の同級生・湊斗(鈴鹿央士)も含め、他のキャラクターたちの個性が光るスタイリングや色使いも話題を集め、視聴者の楽しみの1つとなっている。リアリティを追求したファッションへのこだわりとは?
紬(川口春奈)&想(目黒蓮)のコーディネートのポイント
― まずは、紬と想のそれぞれのコーディネートのポイントを教えてください。柚木:紬はブルー系統の印象になるようにしています。古着をミックスしたような服装で少しボーイッシュなスタイルで作っています。逆に想は、温かい印象になるように暖色系の色味を取り入れています。スタイリングに目が行くというよりは、シンプルで2人が自然に着こなせるようなものを作っています。
想(目黒蓮)&湊斗(鈴鹿央士)の思いを乗せたファッションのこだわり
― 想と湊斗の違いを出すために意識されたことはありますか?
柚木:それぞれ異なったメンズのスタイルにしていかなければならなかったので、想は襟なしのフーディーやトレーナーをメインに、湊斗はシャツ系を取り入れたスタイリングにしています。ただ、共通して2人とも大人っぽいファッションになるようにしています。あまりデザインもゴテゴテしたものではなく、シンプルでスッキリした印象にしつつ、想には少し色味を持たせることで差別化を図っています。
― 色使いや着こなしなど工夫したことがあれば教えてください。
柚木:湊斗はシンプルにしつつ、シャツを少し長めにしてパンツの太さを調整しています。想はボトムスの色を締めるため、トップスは明るくても下は締めたコーディネートになるようにしました。また、想たちの誠実な思いを洋服にも乗せられるよう、あまり今時っぽいオーバーサイズにならないようにして、誠実に見えるような作り方をしています。
紬はデニムが多めになっているのですが、ボーイッシュにしたかったので2人とは逆に、少しルーズめなシルエットを選んでいます。パンツにしても細いものよりは、ゆったりしたものを選ぶようにしています。
川口春奈と話し合ったこととは?
― スタイリングについて川口さん、目黒さんのご意見が取り入れられている部分はありますか?柚木:川口さんは、フィッティングの際に「紬自身だったらこういう感じだろうな」「紬だったらこれじゃないかもしれない」など、ご自身が紬の感覚を持っていて、色々お話しながら作っていきました。漠然としているのですが「こうでなきゃいけない」という固定概念もないので、実際に着てみてサイズ感や雰囲気を見ながらやっていく内に紬像が出来上がっていきました。最初は監督と私で紬のイメージ像を作り上げてフィッティングしていたのですが、だんだん川口さんも紬として衣装を着ている内に紬像が固まっていった気がします。なので、例えばフィッティングで少し紬っぽくないアイテムにトライした時は「ちょっと紬っぽくないかも」と意見をくださることが回を重ねるごとに増えていきました。また、衣装を決めていく段階で、川口さんは、手話をする際になるべく動きに支障がないように、袖周りのゴワつきや、タイトさがない洋服であるということを意識されていました。
目黒さんとは、あまり衣装についてのお話をしたことはないのですが、何でも着こなしてくださるので寡黙に淡々と、とにかくたくさん着ていただきました(笑)。
紬(川口春奈)が想の前で見せた“新しいスカート”の演出の裏側
― 第2話にあった、紬が想と会う日に新しいスカートをおろし、そのスカートに湊斗が気付くといった様子は、思わずグッと胸に刺さりました。この演出は制作陣の方々と事前に相談されていましたか?柚木:あのシーンのスカートは、すごく重要なポイントでした。なので、川口さんのご意見も取り入れながらフィッティングも何度か繰り返し行いました。ワンピースを着るという話も出ていたのですが「それだとあまりにも紬からかけ離れてしまうよね」という結論に至り、イヤリングを付けてみるなどいつもとは少し違う角度のオシャレにして、女の子らしさを作りました。ちょっとした“特別感”というものをあのシーンでは強く演出しました。
― 柚木さんも含め、思い入れの強いシーンだったのですね。川口さんとはどのようなお話をされましたか?
柚木:最初は、いつも紬が使っているようなプリントされたカットソーにスカートを合わせたコーディネートやカーディガンを羽織ったスタイリングをしていたのですが、川口さんは「そのスタイルだといつもすぎるかな」とおっしゃっていました。やっぱり想と会う時は紬なりにもう少し可愛くしたコーディネートというところを探りたいと話を進めたことで、アイテムを追加してみながらあのシーンのスタイリングを完成させました。
― こだわりや皆さんの思いを聞くと、より感動します!
柚木:そうですよね。皆さんそれぞれがこだわっていました。プロデューサーの村瀬(健)さんもフィッティングの時から、そこがどうなるかというところは重要なポイントとして考えられていました。
紬(川口春奈)が付けているネックレスに込められた思い
― 川口さんだからこそ取り入れているアイテムなどはありますか?柚木:川口さんは、柄物を多く取り入れていますが自然に馴染んだ形で着こなしてくれます。また、青色のアイテムや古着をミックスさせたコーディネートでは、彼女の透明感や華やかさがリアリティの中でも目を引くようにしたいと考えていました。最近、紬が身に付けているネックレスにも「意味があるの?」と聞かれることがあるのですが、特別な意味はありません。ただ、お気に入りのアイテムを毎日着けるというリアリティが良いなと考えていました。「紬もそういう子かな」と感じていた部分があったので、これに関しては監督や川口さんから言われたわけでもなく、毎回同じ気に入ったアクセサリーを毎朝付けるという設定を自分の中で紬のポイントとして作っていました。ドラマの中でもヒロインなので、彼女が沈まないよう、自然な中でも映えるように意識しています。
― 目黒さんはいかがですか?
柚木:目黒さんは身長も高くて、すごくスタイルが良いので何でも着こなしてくれました。ただ、どんな服も似合ってしまう分、“想としてどうか”というところをより追求していました。目黒さんご自身ではなく、想の性格や雰囲気に合わせ、想として作っています。オレンジなど色物を取り入れる際は、色のトーンにもすごく気を付けました。想自身のイメージは暖色系ではあるのですが、あまりにも浮き立ったような発色の良いものだと浮いてしまい、想のイメージと異なるので暖色系でも彼に馴染む自然に見える方向を探っていました。川口さんも含め、突飛したスタイリングで浮いてしまうと観ている方からしても服だけが浮き立ってしまうので、自然に着こなせる中で川口さんと目黒さんの魅力を追求しました。
読者が真似しやすいコーディネートのポイント
― 最後に、読者が真似しやすいコーディネートのポイントを教えてください。柚木:紬も想も上下のシルエットに気を付けて作っているので、ポイントはやはりシルエットのバランスですかね。あとは、レイヤードがオススメです!トップスの裾からチラッと見えるように「ここはレイヤード感があった方が良いかな?」などちょっとした部分も、自然にオシャレ度がアップするので1枚でさらっと着るよりは上手くレイヤードしつつ、全体の見え方のバランスを意識してみると良いと思います。
― 貴重なお話ありがとうございました。今後のファッションも楽しみにしています。
(modelpress編集部)
「silent」第8話あらすじ
想は紬に、声が出せないわけではないが、自分で感じとれないことへの怖さがあることを話し、紬はそれを受け入れる。しかし、2人の距離が縮まるほどに、想は自分と一緒にいるのが大変なのではないかと紬を気遣うようになり、紬は否定するものの、なかなか思いは伝わらない。一方、桃野奈々(夏帆)は春尾正輝(風間俊介)との再会を果たす。「紬と想を見ていたら春尾くんのことを思い出して」と言う奈々。そんな中、紬は実家の群馬に帰り、母・和泉(森口瑤子)に想のことを話そうとするのだが…。
【Not Sponsored 記事】
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