川上憲伸が明かした“大谷翔平が変えたメジャーの文化”

川上憲伸が明かす“大谷翔平が変えたメジャーの文化” オチもばっちり用意していた“盛りの憲伸”のトークが光る

2024.07.30 12:00
川上憲伸が明かした“大谷翔平が変えたメジャーの文化”

7月23日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週火曜夜10:00-11:00、BSJapanext<263ch>)。今回のゲストはプロ1年目から14勝という成績を叩き出しただけでなく、最多勝や沢村賞に輝いたうえメジャーリーグでも活躍した経歴を持つ川上憲伸。“盛りの憲伸”と呼ばれる川上の軽快なトークによって、現役時代の知られざるエピソードが語られた。

口を開けば笑いが起きる“盛りの憲伸”

ガチャガチャで出てきたテーマに沿ってトークを展開する“ガチャガチャダグアウトのコーナー”。川上は、用意されたコインを使ってガチャガチャを回そうとする。

コインの挿入口は正面にあるにもかかわらず、ガチャガチャマシンの上からコインを入れようとする川上。そのようすに「そこじゃない」「徳島にはガチャガチャなかった?」とMCの真中満&上田まりえがイジり倒す。一挙手一投足に笑いがつきまとうのはさすがだ。

お茶目な川上が最初に引き当てたトークテーマは、“メジャーで驚いたこと”。川上は真剣な表情で何を話すか考えているように見えたが、真中に「何か面白いこと言おうとしてる」と指摘されると思わず笑ってしまう。真中が「ごめんハードル上げちゃった」と謝り、ようやく本題へ。

メジャーでは出場予定のある選手は気合を入れて試合に臨むが、試合に出ない選手は楽しそうにしていたのだとか。しかしもちろんのことながら、試合に出ない予定だった選手が急遽代打として打席に入ることもある。そんなときは結果が振るわず、ヘルメットを叩きつけて暴言を吐く選手もいたという。その姿を見た川上は、「最初から真剣にやっとけよ」「こんなの日本じゃダメですよぉ」と思っていたと当時を振り返る。

また川上はメジャーのダグアウトやロッカールーム、グラウンドなど全てが汚いことに驚いたと語った。少しでもきれいにしようとグラウンドに落ちていたゴミをポケットに入れたりしていた川上だったが、ある日「いらんことするな」と怒られてしまう。当時を振り返り、“ゴミを拾う人の仕事を奪ってしまうことになる”と注意された理由を分析していた。

しかし世界的人気を誇る大谷翔平が数年前に同じ行動をとったところ、解説者から「大谷さんはジェントルマンだ」「これこそ真の野球選手だ!」と称賛の嵐。そのニュースを見た川上は、「結構そういうの人見るんだ」と思ってしまったそうだ。

いままでの風習を変えた大谷のエピソードは、さらに続く。アメリカの文化には「謝ったら負け」というものが存在する。たとえばデットボールで相手選手を流血させてしまったとき、川上は思わず帽子をとって「ごめんなさい」と謝った。しかしチームメイトからは「何謝ってんの?」「絶対ダメだよ謝ったら」「お前弱いな」など、大いに非難を浴びたという経験を語る。

ところが大谷が相手にデッドボールをぶつけたとき、川上と同じ行動を取ったところ「これそが!フェアプレー!」「メジャーに一番必要なことだ!」と解説者から大絶賛された…と、複雑そうな表情を浮かべていた。

親元を離れて上京した当時の貴重なエピソードも披露

次にガチャガチャから出てきたのは“大学野球の思い出”。川上は厳しい明治大学時代のエピソードを語るためには「30分じゃ足りない」と発言し、スタジオは笑いに包まれる。

そんな川上が選りすぐったエピソードは、入寮日の話だ。携帯電話を持っていなかった当時、高校に明治大学野球部からFAXが届いた。FAXには「電車を乗り継いで京王線のつつじヶ丘で下車し、徒歩で来るように」という記載があった。

しかし徳島の田舎から1人で上京してきた川上は、「浜松町がここかぁ」「これが山手線かぁ」と戸惑いながら言われた通り新宿駅から京王線に乗った。だが指示通りに動いたはずなのに、なかなか目的地へ辿りつかない。そしてそのまま終点へ到着…集合時間に間に合わず、遅刻することに。

ひとまず公衆電話から電話をかけて、「言われた通り、汽車に乗ったんですけど…」と事情を説明した川上。すると電話越しに、「貴様!汽車なんかないだろ!」と怒鳴られてしまったのだとか。

MCの真中も同じような経験をしたことがあるという。栃木から日本大学に入学した真中は、入寮日当日に「桜上水駅」へ向かうための電車に乗っていた。しかしどうしても辿りつくことができず、「明大前駅」で下車。しかし真中には“各駅停車に乗り換える”という選択肢が頭に浮かばず、タクシーで向かうことに。

だがなかなか利用する機会がなかった当時のことだけに、タクシーの利用方法がわからなかった真中。タクシーを呼んでもらおうと近くのガソリンスタンドの店員にお願いすると、「タクシーそんなところいっぱい走ってるよ」と言われてしまったそうだ。川上は徳島から、真中は栃木から上京した当時の、初々しいエピソードを語っていた。

アメリカらしいエピソードで臨場感マシマシ

メジャーといえば、野球をする人にとっては憧れの場所というイメージがある。日本のプロ野球で活躍した選手の多くが、もっと自分の野球に磨きをかけるためにメジャーへと旅立っていくのもその表れだろう。

そんな憧れの場所のメジャーで実際に活躍した川上から語られたのは、リアルなアメリカらしいエピソードの数々。当時といまで状況が変わっていることもあるかもしれないが、本場アメリカの環境を聞ける機会はとても貴重だ。

しかし情報そのものと同じくらい、やはり“盛りの憲伸”のトークスキルが目に留まる。大スター・大谷を引き合いに出すことで、文化の違いを説明しつつオチをしっかり作る話術は脱帽モノ。バラエティがメイン戦場と言われても不思議ではないくらい、軽妙な語り口が印象に残った。

彼ほどのトークスキルがあれば、たしかにMCは“話を引き出す”お笑い芸人よりも“共感できるOB”である真中が相応しい。しっかりした人選はそのまま、今後もさまざまなレジェンドたちから話を引き出してほしいものだ。

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