小泉里子(アザーカット)/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)

小泉里子「苦しかった」10代乗り越え“トップモデル”へ 変化した美の秘訣も語る<「トップモデルと呼ばれたその後に」インタビュー>

2022.03.23 08:00

半生のすべてをさらけ出した書籍『トップモデルと呼ばれたその後に』を発売したモデルの小泉里子(40)がモデルプレスのインタビューに応じた。15歳でモデルデビュー後、常に第一線を走り続けた小泉が、10代からのモデル活動を振り返るとともに、美の秘訣についても語ってくれた。

小泉里子の書籍「トップモデルと呼ばれたその後に」

小泉里子「トップモデルと呼ばれたその後に」/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
小泉里子「トップモデルと呼ばれたその後に」/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
女性ファッション誌『Oggi』(小学館)、『CLASSY.』(光文社)、『Domani』(小学館)と、長年にわたって表紙を飾ってきた小泉。モデル活動を始めて25年、40歳を迎えた小泉の苦労や悩み、そして喜びが詰まった本書には、人生を豊かにするための、たくさんのヒントが込められている。

さらに、モデルという仕事や自身のプライベートについても。撮影の裏側、お金事情、人気ファッションモデルの知られざる秘密、結婚・出産・ドバイ移住を経て、専業主婦となった現在のリアルな生活を公開している。

小泉里子「Domani」表紙モデル卒業がきっかけで出版

小泉里子/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
小泉里子/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
― まずは出来上がったこの本を改めてご自身でご覧になられた感想からお聞かせください。

小泉:自分の本ですが、発売前に実物の確認ができなかったので、感動もしましたし、とっても嬉しかったです。いろんな方からの意見もいただけて、改めてすごくリアルタイムにいろいろと感じられました。

― 約2年かけて書き上げたそうですが…

小泉:書き始めたのがコロナ禍になる前で、コロナ禍になってから妊娠をしたりと、いろいろと変化があったので、これも(本に)入れようとなっていったら、このタイミングになってしまいました。

― 予想外のことが次々と起きてしまったと。

小泉:最初は自己啓発本を考えていたんです。私がなんで今の仕事を続けられたのかを書こうと思ったのですが、書いてみたら最初にイメージしていた本とは全然違うものになってしまいました(笑)

― 赤裸々に当時の心境を書かれている印象を受けたのですが、どのような思いで綴ったのでしょうか?心境をここまでさらけ出す恥ずかしさなどはなかったのでしょうか?

小泉:もう時が経っているので、恥ずかしさはなかったですね。それよりもせっかく書くなら自分にとっても残るものにしたいと思いながら書きました。

― 出版の経緯も教えてください。

小泉:「Domani」表紙モデルが不意に終わってしまったことが悔しくて悔しくて。腹いせではないですけど、それなら本を書きたいなという思いがありました。小学館から出版するなら「Domani」で連載をやっていたので、それをまとめようと思ったのですが、売れなそうだなと思って(笑)。それから編集部の方といろいろ話をして、自己啓発本に落ち着いて、そこから今の本に変わったという流れです。なので、最初は悔しくて悔しくてとにかくなにかしたい!という気持ちから始まりました。

― 本にも書かれてありましたが、「Domani」表紙モデル卒業が1番悔しかったんですね?

小泉:そうですね…。今までモデルをやっていて1番悔しかったかもしれないです。それなりに自信もあったので。新人の頃とは別の悔しさがあったのですが、これを経験したことですごく学べたこともありました。

― その学べたこととは?

小泉:やっぱり過去のものはなにも通用しないんだと。その自信を持っていてもしょうがないと思うことができました。無駄なプライドを持っていたんだなと、いろんなことを感じることができました。

― プライドって必要でもあるし、無駄なものでもあるし…難しいなと思います。

小泉:プライドって持っていてもあんまりいいことはないかなって思います。良いプライドってありますけど、私は結構マイナスなイメージがあって。だから自分自身に対してはプライドって別になくてもいいかなと思うようになりました。

小泉里子、10~20代を振り返る「苦しかった覚えがあります」

小泉里子/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
小泉里子/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
― 10代からモデルとして大活躍されていましたが、その頃、1番くじけそうになったことはありますか?

小泉:やっぱり10代っていろんなものが気になってしまうと思うんです。周りの情報や見えているものに対して、悔しがったり、強がったり、自分でもコントロールができない感情になってしまうことが、苦しかった覚えがあります。それこそモデルをやっていると目に見えてわかるんですよ。あの子は売れたとか、良いイメージができているとか、常に人との競争を考えてしまっていました。でも、それも今はしょうがないのかなと思います。10代の頃から自分は自分って思っていてもちょっと悲しいというか、年齢と共にどんどん削ぎ落とされていくものだと思うので、あのときはあのときで苦しんでいてよかったのかなと思います。

― 周りの目を1番気にしていた時期だったんですね。

小泉:そうですね。見え方とか、自分の立ち位置とか、一つの雑誌の中でいろんなことを気にしていました。

― 乗り越えるきっかけがあったのでしょうか?

小泉:もがいてもがいて悔しくても、結局全部最後は自分自身だなというところに落ち着きました。なので、結局自分自身と向き合って解決するのが1番かもしれないです。誰かと競争しているわけではなく、自分の気持ちと戦っているだけなので。今でも思うのですが、結局は自分だなって思うようになりました。

小泉里子“トップモデル”への思い

― 本のタイトル「トップモデルと呼ばれたその後に」はどういう思いでつけたのでしょうか?

小泉:編集部の方からの提案です。(このタイトル)ちょっと恥ずかしかったんですけどね(笑)。最初は、 “トップをとったその後に”で、自分で言っているかのようなタイトルだったのですが、それだと私っぽくないというか、恐縮してしまって、今のタイトルになりました。でも、内容を全部引っ括めると、こういうことなのかなって。バリバリやっていたモデルが一段落ついて、書き下ろしたという意味になるのかなと、私の中で腑に落ちたので、このタイトルになりました。

― 表紙モデル(トップモデル)ってそう簡単にはなれるものではないと思うのですが、その肩書きに対するプレッシャーはあったのでしょうか?

小泉:目の前のことを必死にやっていたので、プレッシャーはあまりなかったかな。やっていても部数が伸びなかったりと、そういう数字を気にするタイプでした。

― 部数が伸びない責任感とかがあったということですか?

小泉:あったかもしれないです。編集部側としても、この雑誌はこの子を表紙にするって、大きな決定事じゃないですか。なので、責任感はありました。やっぱり私が表紙になってから売れなくなったら嫌だったので、全力を尽くしてやっていきたいという気持ちがありました。

― 「モデルをやっててよかった」と思う瞬間はどんなときですか?

小泉:年齢とともに感じ方が違うんですけど、すごくいい写真が撮れたときはよかったと思います。あとは、「ずっと見てます」と言われたときとか、周りから反応があったときは嬉しいですね。

小泉里子の美の秘訣「すごくいい恋をすること」

小泉里子(アザーカット)/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
小泉里子(アザーカット)/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
― ハッピーオーラがすごく伝わってくるのですが、ポジティブでいられる秘訣はありますか?

小泉:落ち込んでいる自分があまり好きじゃなくて、早く抜け出したいと思うので、どうやったら楽しくなるかを常に考えています。

― 美容面で気をつけていることはありますか?

小泉:周りにめちゃくちゃ詳しい人たちがいて、その人たちと比べたらなにもやってない方なのですが、腸がキレイだと顔に出るのかなと思っています。食事制限はやりたくないので、体を動かして、便秘にならないようにしています。

― 美容法って年齢によって変わってくると思うのですが、10~20代のバリバリモデル業をこなしていた時期はどのようなことをやっていましたか?

小泉:あまり効果が出ないので、なにもやっていなかったし、やらなくていいと思う(笑)。それよりもとにかくハッピーでいることが1番だと思います。なので、1番の美容法はすごくいい恋をすること(笑)

― 恋ですか?(笑)

小泉:女の子って本当に顔に出るから(笑)。すごくいい恋愛をしているとホルモンが出て肌ツヤやよくなると思います。周りのモデルさんを見ていてもそう思いますね。

― やっぱり気持ちって大事なんですね!

小泉:そうだと思います。強いてなにかをするって言うなら、体は温めておいた方がいいかなって思います。体だけは温めて、あとはハッピーに!という感じです(笑)

― 本には昔、老け顔がコンプレックスと書かれてありましたが、どのように改善しようと思っていましたか?

小泉:流行りの顔ってその時代ごとにあるじゃないですか。そのときは結構苦しかったですね…。例えば童顔が流行っていたときは、チークの入れ方とかメイクで工夫して、童顔に近づけるようにしていました。

― メイクを研究されていたんですね!

小泉:そうですね。ヒアルロン酸が流行ったとき、やったことがあるのですが、全く似合わなくて(笑)。元々童顔に近寄せようと思って一箇所やったので、すごくバランスが崩れるというか…。いろいろやってみましたけど、失敗することもすごく大事なんだなと思いました。

小泉里子、夢を叶える秘訣を語る

小泉里子(アザーカット)/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
小泉里子(アザーカット)/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
― 現在はドバイ在住ですが、また日本でバリバリモデルをやる姿を見たいと思っているファンも多いと思います!

小泉:まだそこら辺の想像ができないのですが、タイミングが来たらかなと。戻ったときは、どんな雑誌なのか、それとも違うのか、私自身もわからないんですよね。

― それでは最後に夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて、夢を叶える秘訣を教えてください。

小泉:常にイメージすることだと思います。その先の夢も想像していくと、いつの間にか夢が通過点になっていたりすると思うんです。常に前を想像していくことが秘訣だと思います。

― そのやり方でご自身もたくさんの夢を叶えていったのでしょうか?

小泉:そうですね。夢というものを描いて、それが叶っていることを考えると、また違う夢が出てくる。そうすると夢が叶ったみたいな瞬間はそんなになくて、次はあれもしたい、これもしたいとやっていったら、結果振り返ったとき叶っているなと思いました。夢って常に変わっていくんだと思います。

― たくさんのお話ありがとうございました。

(modelpress編集部)

小泉里子(こいずみさとこ)プロフィール

小泉里子「トップモデルと呼ばれたその後に」/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
小泉里子「トップモデルと呼ばれたその後に」/撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK)
1981年、鹿児島県生まれ。神奈川県横浜市で育ち、15歳でモデルデビュー。『CamCan』専属モデルを経て、2004年~2007年に『Oggi』表紙モデル、2010年~2017年に『CLASSY.』表紙モデル、2017年末から『Domani』表紙モデルを務めた。プライベートでは、2020年に再婚し、翌年の2021年に長男を出産。その3か月後にドバイへ移住し、現地での生活をスタートしている。
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