皇治「RIZIN」リングに再び立つ覚悟 ドン底から「見返したい」再起への変化も語る<モデルプレスインタビュー>
2021.10.17 20:00
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6月に行われた『RIZIN.29』でのキックトーナメントにて、1回戦の梅野源治選手との試合がバッティングによってノーコンテスト、特別措置によって行われた決勝戦では白鳥大珠選手に破れた皇治。
あれから数ヶ月――11月20日に行われる『RIZIN.32』(沖縄アリーナ)で再起戦を行うことが発表された。一時は引退も示唆していた皇治がなぜ『RIZIN』のリングに戻る決意をしたのか、モデルプレスがインタビューした。
皇治、バッティングについて「全部受け止めています」
― まずは6月の試合について。試合後の会見は謝罪の言葉ばかりでしたが、時間が経って今あらためて試合を振り返っていかがですか?皇治:関係者、全てのファンの方もアンチも、あの試合に興味を持ってくださった方に申し訳ないなというのが素直な気持ちです。自分に失望したというか情けないなとは思いますけど、それ以外のことに関してはもうやかましいわと。起きてしまった過去のことをいつまでも後ろ向きに捉えていてもしゃーないんで、これをひっくり返すか、ひっくり返せんのもこれからの俺の生き方次第やなと思っています。
― 会見では引退を示唆する発言もありました。
皇治:迷いというか決断とまでは言わないですけど、あの時点もう終わりかなとは思いましたね。
― 試合後、選手やファンの方々があの試合についての見解をSNSで発信しています。色んな言葉がありましたが皇治選手はご覧になりましたか?
皇治:自分が目を背けるところじゃないと思ったので見ました。いろんな意見がありましたが全部受け止めています。
再起戦は“新たな皇治” ドン底から「見返したい」
― そして『RIZIN.32』で再起戦が行われることになりました。現役続行を決意した心境をお聞きしたいです。皇治:男の本質なんでしょうね。「負けたまま終われない」「やっぱり見返したい」という気持ちです。
自分『K-1』で上り詰めてスーパースターになりかけたんですよね、割とマジで。でも応援してくる人が増えた分、アンチが減ったことが怖くて。アンチがいてくれる間は俺の需要があるって感じてました。その後、武尊くんとやって「もっとビックにならないと嫌や」っと思ってたんですけど、『RIZIN』に来てからはもう全然良い結果が出せなくて…。でも、そうやってカッコよくない姿を見せてしまった分、アンチが目立つようになってきて「ファンのために見返したい」ってリアルに初心に戻ったというか、そういう思いがすごく強く出てきた。
それから少しずつ上ってきたのに32歳にもなってバッティングとかで一気にドン底に落ちてしまった。けど、ここからまた上っていったらカッコいいかなって。そうやってチャレンジしたいっていう気持ちが強くなってきたし、本能で生きているので、ごちゃごちゃぬかさんと見返したいっていう思いに従って復活してやろうと決めました。
― 『RIZIN.29』のあと、複数の団体からもオファーがあったようですが、他の格闘技で格闘家として再出発ではなく、『RIZIN』での復活になったのは?
皇治:結果を出していないのに『K-1』に戻る、他のに行くとか、そんなに甘くないと思うし、ここで結果出さないと男じゃないと思っているし、もう己との戦い。めちゃくちゃ悔しかったんですよ、寝れない日もしょっちゅうでしたし、表ではかっこつけていますけど「見返したい」っていう思いがとにかく強い。
― 「見返したい」思いが原動力なんですね。
皇治:今、新しいトレーナーさんに見てもらってるんです。魔娑斗さんと対談したときに「皇治は俺が世界を獲る前の俺にすごい似ている」って。魔娑斗さんが世界を獲った時に飯田トレーナーっていう方に見てもらっていたんですけど、その方に会う前の俺に似ていると言ってもらって「飯田トレーナーに見てもらってみ、一回見てもらえればスタイル変わるから」と。
飯田トレーナーは、魔娑斗さん以降だれも見ていないらしく断られるっていう話で、知り合いのトレーナーさんが通じてくれたんですけど案の定断られまして。でも俺も断られたままだったら嫌だなと思って、1回飯田トレーナーの仕事場まで行って、話を聞いてもらいました。そしたら意外と家が近所で!「1回見てやるわ」って言ってくれはって、そこからずっと見てもらっているんです。だから、これでも変わらなかったら俺の挑戦は終わりかなっていうところになってきました。
― 復帰戦では新しい皇治選手が観られる?
皇治:昔の自分と最近の自分を合体させたようなスタイル、新しい自分を見せられるんじゃないかな。あの魔娑斗さんでも(飯田トレーナーに)「襖も破られへんパンチ」「おじいちゃんも倒されないパンチ」だとか言われていたらしんですよ。それが世界獲れるパンチになったので俺も変われるんじゃないかなと。
― やっぱり厳しい?
皇治:厳しいですよ!俺なんか「お前格闘技初めて3日か?」って言われましたからね。15~6年やってきてそう言われたので難しい世界ですよね(笑)。でも、今の自分はゼロにならないと勝てないと思うんです。これだけね調子に乗って、なんやかんや言ってきたけど本当に大切なものを守るためにちっぽけなプライドは捨てて毎日ボロカスになりながらも頑張ります。
「今はもう1人じゃない」皇治が背負うもの
― 復帰戦に向ける並々ならぬ覚悟をお話し頂きましたが、すごく楽しそうに話されてますね。皇治:よく言われます(笑)。
― それは、もうこの先が見えていて期待もあるから?
皇治:それもありますし、色々乗り越えてきて新しいことに気づけるようになった。昔は酒飲んで遊んでが楽しかったんですけど、そんなことやめたんです。お酒だけが原因じゃないですけど、K-1辞めてから「なんでいい結果でないんだろ」って考えたとき“勝負”って技術だけじゃなくて運とか日々の色んなことを含めての“勝負”だと。
そういう意味では俺は『K-1』やめて『RIZIN』までめちゃくちゃ飲んで、毎日女の子と遊んで、そんなふざけた生活をしていたので、ほんまもんの勝負をした時にやっぱり神様はこっちを見ないだろと思って、私生活からやり直して今はめちゃくちゃ真面目です。
― やっぱり体の調子も違う?
皇治:全然違います。毎日酒飲んでベロベロになって、練習中も頭痛いとかがしょっちゅうだったのに、自分はそれを本能だと勘違いしてた。やりたいことやって勝てないようじゃ男じゃないわ、みたいな勢いだったんですよ。でも、やっぱりトップに行ってシビアに戦っていくならば、そういうところもちゃんとしないと無理かなと。
今はもう1人じゃない、たくさんの人を背負っている。
それをこの前のキックトーナメントでたくさんの人にショックを与えてしまったことで実感した。自分自身が強く変わらないといけないって思いましたね。
皇治軍団へ…「みんなで笑って終わろう」
― 復帰戦楽しみです。最後に応援してくれている皇治軍団・ファンの方へメッセージをお願いします。皇治:こんだけ才能ないって馬鹿にされた俺が、また見返したらすごくカッコいいと思うし、皇治軍団のために戦おうと思っています。最後はみんなで笑って終わろうと決めてます。俺の第二章を一緒に戦って、どんな時でも信じてついてきてくれたら嬉しいので応援よろしくお願いします。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
皇治(こうじ)プロフィール
出身地:大阪府生年月日:1989年5月6日
身長:173cm
体重:58.5kg
所属:TEAM ONE
2016年から2019年の間、類まれなるタフネスと賛否両論を巻き起こす言動で、新生K-1を代表する選手として活躍。2020年7月より、RIZINへの電撃移籍発表。同年9月に那須川天心と対戦し、判定負けを喫した。2021年6月、「RIZIN KICK ワンナイトトーナメント」に出場し、1回戦で梅野源治とノーコンテスト(無効試合)、決勝で白鳥大珠に判定負け。戦績は28勝(10KO)15敗2分1無効試合。
2021年2月には、初の著書『凡人の勝算最後に勝つヤツの思考法』も発売。アスリートスタン専門のサブスク型ファンコミュニティプラットフォーム「ATHLETE STAN by Mi-glamu(アスリートスタン)でファンクラブ『皇治軍団』も開設中。
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