「あなたの番です」プロデューサーに聞いた 考察ブームに制作サイドの本音は?<前編>

女優の原田知世と俳優の田中圭がW主演を務める4月期・7月期日本テレビ日曜ドラマ「あなたの番です」(毎週日曜よる10時30分~)を手がける鈴間広枝プロデューサーが、取材に応じた。2クール放送の狙いや、SNSで話題になっている視聴者の考察に対して、気になる制作サイドの思いを聞いた<前編>。
原田知世/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
原田知世/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ

“交換殺人ゲーム”を描くノンストップ・ミステリー「あなたの番です」

第11話(6月30日放送)から、第2章「あなたの番です -反撃編-」に突入。最愛の妻・菜奈(原田)を何者かに殺された翔太(田中)は、菜奈殺害犯を突き止めるため動き出す。マンションで起こった交換殺人ゲームの全貌を解き明かし、ゲームを利用して人殺しを繰り返す殺人鬼を探すことに。黒島(西野七瀬)や新たに引っ越してきた大学院生・二階堂(横浜流星)とともに犯人を追い詰めていく。

「あなたの番です-反撃編-」ポスタービジュアル(C)日本テレビ<br>
「あなたの番です-反撃編-」ポスタービジュアル(C)日本テレビ
企画・原案は、一昨年放送され、話題となった日曜ドラマ「愛してたって、秘密はある。」を手がけた秋元康氏が担当。謎が謎を呼ぶストーリーにハマる人が続出中で、Twitter上では「#あなたの番です考察」のハッシュタグとともに様々な考察が飛び交うなどブームを巻き起こしている。

「あなたの番です」これまでのあらすじ&反響をチェック!


「あなたの番です」第13話、新事実&新たな謎を整理<視聴者の考察まとめ>


「あなたの番です」第1章ラストの衝撃

「あなたの番です」第11話より(C)日本テレビ
「あなたの番です」第11話より(C)日本テレビ
第13話は、平均視聴率10.9%を獲得し、初の2桁を更新するなど、徐々に数字にも反響の大きさが表れてくるように。「最初から“数字が取れなくてもブレずにやろう”という思いではいました」という鈴間プロデューサーだが、現場でも反響を実感しているようで、「キャストの皆さんも周りの人に『犯人誰なの?』ってかなり聞かれるみたいで、田中圭さんはこんなに周りに観ている人が多いドラマはそれこそ20年のキャリアでも初めてだとおっしゃっていました。そういう風に体感としては反響があるけどそんなに数字が伸びない状況だったのが、(視聴率が)2桁になったので現場も『おおー!』と盛り上がっています」と話した。

原田知世、田中圭/「あなたの番です」第5話より(C)日本テレビ
原田知世、田中圭/「あなたの番です」第5話より(C)日本テレビ
第1章は、主役の1人である原田演じる菜奈が何者かによって殺害されるというラストで視聴者に大きな衝撃を与えた。反撃編に突入し、数字が上がった理由を「連ドラとしてどうしても色々な制約がある中で、途中で主人公が死ぬという展開はあまりなかった。視聴者の方の『どうせこうなるんでしょ?』という予想を裏切ったから面白いと思って頂けたのでは」と分析する。

秋元康の狙い「バズらせたい」

横浜流星、田中圭/「あなたの番です」第13話より(C)日本テレビ
横浜流星、田中圭/「あなたの番です」第13話より(C)日本テレビ
2クール連続ドラマは同局史上では、1994年10月~1995年1月期に放送された「静かなるドン」以来25年ぶり。ここまで結果を出す自信があって踏み込んだかというと、当初は「不安しかなかった」とそんなことはないようで、「本当は海外ドラマみたいに(ストーリーを)ぶちぬきでやった方が良いかなと思いながらも、途中参入しづらい内容だからこそ、1クール目の最後に大きな事件を」と緻密な戦略を1つずつ重ねていったことが、現在の成功に繋がった。

田中圭/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
田中圭/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
ストーリーは大筋を最初に決め、細かい部分を後から肉付けしていくという流れで制作。「反撃編のネタバラシをどういう順番でやるかはあまり細かく決めていなかったので、先にこの役の謎がめくれた方が面白いんじゃないか、とか思って作っています」とクライマックスに向け目下進行中。オリジナルなので考えるのはすっごく大変です(笑)」と制作側の苦労をにじませた。

鈴間プロデューサーにとって「愛してたって、秘密はある。」に続く秋元氏とのタッグ。「秋元さんが一番すごいと思うのは、ラストの“引っ張り研究家”な部分。『着信アリ』とかホラーも沢山手掛けられているので、どうしたら一番怖いとか、見せ方については結構細かくおっしゃいます」と、セリフや細かい動きについて、秋元氏が提案することも多いという。会議では「バズらせたい」が秋元氏の口癖だといい、「途中からでも興味を持って見始めてもらえるために、ネットニュースになるとか、とにかく話題になることを何かしらコンスタントに投入していく」ということも大事にしている。

2クールならではの課題・途中参加の視聴者へも配慮

登場人物の多さも特徴/「あなたの番です」第1話より(C)日本テレビ
登場人物の多さも特徴/「あなたの番です」第1話より(C)日本テレビ
また、2クールという構成上、「いかに敷居を低くして、途中からでも観てもらえるようにするか」も大きな課題だった。第1章放送後、日テレTADAにて第1章全話無料配信を実施したのもそういった思いから。「社内の人にとってもほぼ初めての2クール連続ドラマなので、10話終わったときにどういう状況かはわかりませんでした。でも新章が始まるときに1章を観ていなかった人は『どうせ途中なんでしょ?しかも謎解きだし…』となるだろうし、そこでお金を払わなきゃ観られないのは敷居が高い。『分かる人にだけ分かれば良いじゃん』ということだけではなくて『今からでもどうぞ』と新しい視聴者に対して機会を用意したいということは最初から思っていて、無料配信できるようお願いしていました」と話す。

田中圭、袴田吉彦/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
田中圭、袴田吉彦/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
2クール20話というボリュームは、海外でのリメイクもしやすく、すでに問い合わせも多数来ているとのこと。「それが実現するかどうかはわかりませんが、袴田吉彦さんネタとか海外では分からないと思うので、その国々の“袴田吉彦”でやったら面白いかも(笑)」とリメイクに夢を膨らませた。

考察ブームに本音も「気が抜けない(笑)」

田中圭、原田知世/「あなたの番です」第8話より(C)日本テレビ
田中圭、原田知世/「あなたの番です」第8話より(C)日本テレビ
第1章は毎話登場人物の誰かが死ぬという怒涛のストーリーで、曲者揃いの登場人物にも大きな反響が寄せられた。「観る人を選ぶ種類の作品ではあるので、今観てくださっているコアなファンを裏切らないようにしようという思いはすごくある」という鈴間プロデューサーにとっても今の視聴者の考察の加熱ぶりは予想していなかったそうで、「こちらが仕掛けてなくても自然発生的に考察とかが生まれてきたのはありがたいです。戦略を立ててやったというよりは、皆さんそれぞれが持っている発信するメディアを使って関わって下さった」とネットとの親和性の高さや相乗効果によって生まれたブームに感謝。

考察のためにTwitterアカウントを作る人も続出し、毎週放送直後には一斉にTwitter上で“オランウータンタイム”が始まるなど、社会現象といっても過言ではない現在の状況は「全然予想していなかった。びっくりです」といい、「小さいミスとか許してくれないので、本当に気が抜けない(笑)。ありがたいなと思うんですけど、こんなに色々な説が出てくると思っていなかった。ドラマなので時間を飛ばす部分もあるんですけど、それも伏線と捉えられることがあるので、『どうしよう』と戸惑いもありますが、『確かにこの人がこういう設定だったらこう動いてもおかしくないね。なるほど、こっちの方が面白いかな』と思うときもあります」と視聴者の考察を制作サイドも楽しんでいる様子。

とはいえ、もちろん考察を見て大筋を変えることはないというが、「すっ飛ばそうと思っていたことを説明せざるを得ないな、ということはあります」という本音も。現在上がっている説の中には、全く予想していなかったものも多いそうで、「『それ違うよ』と脚本の中で言うこともできるんですけど、せっかく考えて頂いているのにそんなに早く否定しなくてもいいかなと」と日々試行錯誤している。

ずばり“ブル”な考察はある?

田中圭/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
田中圭/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
ずばり、“ブル”な考察はあるかと聞かれると、「100%合っているのはないんですけど、ほぼほぼ合っていて良い線行っているな~というのはあります」と回答。「皆が皆誤解されていたら作り方が間違っている気がするけど、すごく大多数に予想されていたら、それもそれでラストでびっくりさせられないので、ちゃんと伝わっている感じはします」と作り手としてのやりがいを感じていた。

生瀬勝久は「あえて展開を聞きたがらない」

「あなたの番です」第13話より(C)日本テレビ
「あなたの番です」第13話より(C)日本テレビ
キャスト陣も、結末の大筋は全員把握しているが、細かい流れは台本を渡すまでは分からないので、空き時間に展開予想をして盛り上がることも。生瀬勝久は「本に書かれていることを忠実にやったら視聴者の人を騙せる。これはこういう意味だからと表情に含みをもたせるとかじゃなくて、書いてある通りに素直にやったら作り手の意図を反映した芝居になっているはずだ、という持論をもっていらっしゃるので、あえて展開は聞きたがらないです」という一方で、「逆に一番知りたがりなのは?」と聞かれると、「真相がどうなっているか女子の方が知りたがるかな。木村多江さんとか真飛聖さんとか三倉佳奈さんとかは『これってどういうこと?』とよく聞いてらっしゃいます。多江さんは役作りの上でも、早苗は計算してやらないと相当難しい役なので」と答えた。

横浜流星/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
横浜流星/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
クライマックスに向けて撮影は続いているが、「意外と説明しなきゃいけないことがいっぱいあるんです。『この人謎がいっぱいあるけど、犯人じゃありませんでした』となったときに先に説明しちゃうと怪しくなくなっちゃうので、後から謎を回収するのが難しい。そのジレンマがありますけど、1つ1つ回収したいなと。こちらが提示した謎は100%解けるようにしたいので、20話で全部解けるように頑張ります」と意気込んだ。(modelpress編集部)

後編/田中圭のレコーディング秘話・原田知世との衝撃シーン舞台裏


「あなたの番です」第14話あらすじ

「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
幸子(大方斐紗子)が言った「あの子」とは誰の事なのか…?考える翔太(田中圭)のもとに、久住(袴田吉彦)が目覚めたという連絡が入る。急いで病室に向かった翔太だが、久住の様子は以前と変わっていて…。

翔太と二階堂(横浜流星)は、住民会に出席。翔太は住民たちに洋子(三倉佳奈)の名が書かれた紙を見せて、誰が引いたのかと尋ねる。警察の調べで、その紙には発見者の木下(山田真歩)以外に6人の指紋が残っていた。翔太は順に名前を挙げ、それぞれの反応を見るが…。

早苗(木村多江)は、神谷(浅香航大)と水城(皆川猿時)の取調べで自供を始める。しかし、早苗の供述には矛盾があり、必死で誰かをかばっているようだ。早苗は、問い詰められるたび様子がおかしくなっていく。

二階堂のAI分析では、美里(峯村リエ)と吾朗(徳井優)、浮田(田中要次)、菜奈(原田知世)を殺害したのは同一人物で、快楽殺人者の可能性が高いという結果が出る。さらに、その犯人の可能性が高い人物として、意外な名前が挙げられる。

西野七瀬、横浜流星/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
西野七瀬、横浜流星/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
奈緒/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
奈緒/「あなたの番です」第14話より(C)日本テレビ
神谷と水城は、交換殺人ゲームについて澄香(真飛聖)に話を聞きに行く。近くでは、そら(田中レイ)が総一(荒木飛羽)と遊んでいた。総一の姿を見た神谷は、榎本夫妻に協力していたことをバラされるのではと動揺する。

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情報:日本テレビ

「あなたの番です」考察が社会現象に


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