「なつぞら」山田裕貴、雪次郎と蘭子の恋を語る<モデルプレスインタビュー後編>
2019.07.27 08:15
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NHK連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)で小畑雪次郎役を演じる俳優の山田裕貴(やまだ・ゆうき/28)のモデルプレスインタビュー。【後編】
「なつぞら」第17週
広瀬すずが「ゆきぞら」と命名した第17週では、役者として順調に歩み始めていた雪次郎に訪れた2度目の転機が描かれた。所属する劇団「赤い正座」の内部分裂と看板女優である亀山蘭子(鈴木杏樹)との恋…。夢だった役者という仕事を選ぶのか、それとも蘭子との恋を選ぶのか。雪次郎の迷いを見抜いていた蘭子は、厳しい言葉で告白を断る。傷心の雪次郎は葛藤の末、北海道に戻ることを決めたのだった。
雪次郎を通して描く“仕事と恋愛”
再び雪次郎にスポットが当てられた17週について、「この週のテーマは“仕事と恋愛”なのかなと考えていました」と語った山田。「家族に認めてもらって夢だった役者の仕事を始めたんですけど、蘭子さんと出会って恋をしたことで、蘭子さんが好きで一緒に芝居をやりたいから芝居をやっているのか、ただ芝居が好きだからやっているのか、わからなくなってしまった。最終的に蘭子さんに告白しましたが、蘭子さんは雪次郎の迷っていた気持ちを見抜いていた。だから『あなたの芝居は最低ね』と、わざと気持ちを断ち切らせるためにひどい言葉をかけるんですけど、あれは自分に言われたみたいで本当に傷つきました(笑)。
これからどうすればいいのかわからなくなって、まだ迷った気持ちのまま北海道に帰ってもう一度親父のところで修業させてくれと頼むんですけど、本当は雪次郎もすごく悔しかったと思うんですよね。仲間とやりたい気持ちも、蘭子さんを好きな気持ちも、蘭子さんと一緒に芝居したい気持ちも全部本当の気持ちだったと思うから」。
誰しもがぶつかったことがあるであろう“仕事と恋愛”を両立することの難しさ。山田だったらどうしただろうか。
「恋愛があるから頑張れる。でも“頑張れる”って、恋愛のせいにしてはいけないんだなとも思いました。雪次郎はそこを切り離して考えないといけなかったんじゃないかな。人を好きになることはすごく素敵なことだけど、人生をかけたお芝居と一緒くたにしてはいけなかった。どっちを選ぶとかでもないし、どっちも選べないですよね。もし僕だったら、諦めずに芝居を続けると思う」。
なつと雪次郎の人生の対比
北海道から夢を追いかけて上京し、東京でアニメーターとして着々と成長していくなつと、同じように上京しながら志半ばで北海道に帰ることを決めた雪次郎。唯一の幼なじみであった2人の人生が、実は対比として描かれていることを制作陣から伝えられていたという。それでも2人に共通しているのはあたたかな“家族の存在”だ。
「なっちゃんは北海道でもたくさんの人の愛に触れて、守られていて、そして東京に行って自分の力で開拓していく。でも雪次郎は、菓子職人の道も、役者の道も、どの道に行っても開拓できない人なんです。家族も裏切って、純粋に一緒に芝居がしたかった蘭子さんの気持ちも裏切って、最後の最後にまた家族に泣きつくっていう結構ダメなやつなんですよ(笑)。それでも、雪次郎が救われたのは家族がいたから。家族に救われる。なっちゃんと雪次郎はそこだけは同じなんです。
いろんな家族がいると思うんですよ。そう考えると、家族に応援してもらって自分のやりたいことに向かって諦めずに突き進むことができて、もう一度受け入れてもらえた雪次郎はすごく幸せ者。最終的に家族が見守ってくれるっていうのは、自分自身もすごく感じています。僕もあんまり父親と野球のことでは会話ができなかったので。今、大人になってからの方が喋れるんですよね」。
編集後記
全3回にわたってお届けしたインタビュー。物語が進むにつれ、山田自身への注目度も高まっているが、彼は変わらず謙虚で、熱い。わずかなインタビュー時間の中でも、雪次郎と同じようにあたたかな家族やスタッフ、マネージャー陣、そしてファンに支えられていることが伝わってきた。でも、雪次郎とただひとつ違う点があると思う。それは、山田は“開拓者”であることだ。これまでどの作品にも同じ熱量で向き合ってきたからこそ、開けた朝ドラ出演という道。真摯に向き合うその姿勢で、今また新たなファン層を開拓していく。(modelpress編集部)
山田裕貴(やまだ・ゆうき)プロフィール
1990年9月18日生まれ。愛知県出身。2011年俳優デビュー。近年の主な出演作には映画『あゝ、荒野』『万引き家族』、ドラマでは『ホリデイラブ』、『健康で文化的な最低限度の生活』、主演映画『あの頃、君を追いかけた』、『HiGH&LOW』シリーズ、『特捜9』シリーズなど。現在はドラマ「HiGH&LOW THE WORST EPISODE.0」が日本テレビ系列にて放送中。今後の待機作として映画「HiGH&LOW THE WORST」(2019年10月4日公開)、「嘘八百 続編」(2020年新春公開予定)、舞台「終わりのない」(2019年10月29日~世田谷パブリックシアターほか)がある。
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