「百鬼オペラ『羅生門』」へ向けて、レッスンに励む吉沢亮にインタビュー/撮り下ろし (C)モデルプレス

吉沢亮が歌にダンスに筋トレ…全く新しい挑戦「今、不安9割くらい」―百鬼オペラ『羅生門』でどんな姿が見られる?<インタビュー>

2017.05.23 07:00

俳優の吉沢亮(23)が、9月に東京・シアターコクーンで上演されるミュージカル「百鬼オペラ『羅生門』」へ向けてレッスンを進めている。全体での稽古は2ヶ月先だが、それまでに心身ともに万全な準備が必要なのだ。柄本佑(30)と満島ひかり(31)がW主演し、イスラエルの演出家ユニット、インバル・ピント氏&アブシャロム・ポラック氏が「羅生門」「藪の中」「蜘蛛の糸」「鼻」といった芥川龍之介の代表作を独自のファンタジックな世界観でまとめ上げる意欲作。これまで体験したことのない課題に日々立ち向かい、期待と不安の最中にいる吉沢とともに、私たちも“全く新しい吉沢亮”を見る日への心の準備をしておきたい。

吉沢亮、芥川作品と出会う

吉沢亮インタビュー/撮り下ろし (C)モデルプレス
― 昨年から「ミュージカルに出演したい」とおっしゃっていましたね。

吉沢:言っていましたね。

― その念願が叶う形となりましたが、オファーを受けた時の率直な心境はいかがでしたか?

吉沢:いやぁ…「ミュージカルかぁ…!」って感じでした(笑)。多分、今回は僕がイメージしていたミュージカルとはまた違うものにはなっていると思うんですけど、共演させていただくお2人のことは役者としてとても尊敬しているので、一緒にやらせていただくことだけですごく嬉しいなと。単純に難しそうだなという不安もありつつ、やっぱり嬉しかったです。

― そもそもミュージカルに出たいと思うようになったきっかけは?

吉沢:ミュージカルを観るのは好きだし、歌を歌ったりするのも実は結構、好きだったりするんです。別にうまくはないんですけど。歌の仕事に興味はあるけど、CDデビューしたいとかそういうことでもなく。それなら「ミュージカルで歌う」っていうことが、僕の仕事においては一番かなと思いました。

― モチーフとしては多くの人が親しみのある芥川の代表作ですが、それが演出のお2人によって“芥川の脳内を百鬼夜行と辿る、奇想天外ツアー”となると、想像がつきませんね。吉沢さんは柄本さん演じる「下人」と対峙する男役ということですが、やはり最初は「難しそう」という印象が?

吉沢:はい。まずコンテンポラリーダンスというジャンル自体が特殊というか。型にはまったダンスみたいなものとはまた全然違う引き出しが求められるんだろうなと。相当体が動けないとできないし、想像力みたいなものもすごく大事になるんだろうなということで、大変そうだなと思いました。

― 「羅生門」などは幼い頃に国語の教科書で触れた印象ですが、吉沢さんと芥川作品の出会いは?

吉沢:僕、今回初めて読みました。

― そうなんですね!いかがでしたか?

吉沢:面白かったです。どの話も、物語の中で何を伝えたいかというのがすごく明確にわかるし、子どもでも読みやすいんだろうなと感じる作品ばかりでした。僕は「鼻」が好きです。でも「藪の中」も面白いし「羅生門」も面白い、「蜘蛛の糸」も…全部面白かった(笑)。

― 本当にどの作品も、頭の中に情景が浮かんでくるような面白さがありますよね。吉沢さんと同世代やそれ以下だと、これを機に芥川作品に出会うという方も多いかもしれません。

吉沢:そうかもしれないですね。実際、僕も読んだことがなかったし。今回の舞台は稽古をやりながらみんなでアイデアを出し合って作り上げていく感じと聞いていて、本当に僕もまだどういうストーリーや役柄になるか全然想像もできないんですけど、皆さんは少なくとも今回扱われる4つの作品は読んでおいたほうが、より楽しめるかもしれません。どういう世界観なのかということだけでも知っておけば入りやすいかなと。どれも短くて、30分くらいで読めるじゃないですか。…30分は盛ったかな(笑)。でも1時間もかからないと思うので、是非読んでいただきたいです。

― 吉沢さんは本を読むのは早いほう?

吉沢:普通だと思います。僕、結構文字をちゃんと追っちゃうので。サラッと読むとスーッて抜けてすぐに忘れてしまうので、頭の中でちゃんと言葉にして読むようにしています。だからそんなに早くはないんですけど、そんな僕でも全然すぐ読めちゃいました。

ダンス、ボイトレ、筋トレ…「今、不安9割」

吉沢亮インタビュー/撮り下ろし (C)モデルプレス
― 演出のインバルさん、アブシャロムさんのお2人とは既にお話を?

吉沢:アブシャロムさんにはまだお会いしていないんですけど、インバルさんとはワークショップみたいなものを一度。すごい難しかったです。2人1組で体の一部分…例えば肩だったら肩を、お互いくっつけた状態で「自由に動いていいよ」みたいな。絶対に肩だけは離しちゃいけないんです。これは本当に想像力がないと、どう動いていいかもわからない。とりあえず思ったように動いてみた感じですね。

― それが今年2月のことで、今は個人のレッスンが本格化してきたと。具体的にどんなことに取り組んでいますか?

吉沢:まずは単純に体づくりで筋トレを。それからコンテンポラリーダンスの基本的な動きですね。フロアの動き方とか、本当に基本的なところです。あとはたまに、しりとりをしながら踊ってみるという面白い練習を。例えば「りんご」だったら、自分が思い浮かべるりんごの動きをする。次「ゴリラ」だったらゴリラの動きをして…という風にお互いに投げ合って、何個か作ったら最後にそれを曲に合わせて振り付けにして踊ってみるんです。

― 面白そうですね!最初から形になりましたか?

吉沢:できるんですけど、やっぱり発想の仕方が先生とは違うなと思いました。僕は「りんご」って言われたら「りんご!丸!」みたいなイメージですけど、先生はりんごから色々なところに発想が展開していく。「赤い…情熱的」という風に。それがやっぱり面白いなと思ったし、そういう発想が大事なんだろうなと。

吉沢亮インタビュー/撮り下ろし (C)モデルプレス
― 筋トレはいかがですか?

吉沢:めっちゃキツイっす(笑)。ピラミッド式のトレーニングをやっていて、腕立て・腹筋・背筋をまず10回、次は9回、8回……というのを繰り返し。それが結構、死ぬほどキツくて(笑)。基本的なことなので、普段からやっている人は多分楽勝なんですけど、僕は全くやってなかったので全然耐えられないです…。

― それは腹筋が割れてきそうですね。

吉沢:割れてきそうな気がします、そろそろ。まだ2回くらいしかやってないけど(笑)。コンテンポラリーの動きが、あまり人間っぽくないというか。人間の普通の動きに全部逆らうかのように「こんな動きしたら、足折れちゃうでしょ!?」みたいなことを求められるので、体を鍛えておかないと耐えられない。

― 芝居に入る前の基盤をしっかり整えておくということですね。

吉沢:そうです。まだ全然、芝居とかにのせられるレベルじゃないので(笑)。でも結構面白いですね。「辛いなぁ」とは思うんですけど、もっと動けるようになったら絶対にもっと楽しいだろうし。体で芝居を表現するようなテンションなので、動けるだけ動かせるようにしといたほうが自分の役の幅も広がる気がするし、稽古入るまでにはもっと動けるようにしときたいなっていう感じです。

― 並行してボイストレーニングも進んでいるとのことで。

吉沢:ボイトレもちゃんとやってみると、歌の奥深さをすごく感じますね。発声と、仮の歌で音程を合わせたり。ギターのチューナーの携帯アプリに向かって「アー」と声を出してその音程に合わせるという練習もちょいちょいやっているんですけど、自分ではその音を出しているつもりなのに、実際は全然下の音程だったり、上だったり、不安定なんです。しかも生演奏で使う時の音だと、実は普通のキーよりもちょっと高いところで合わせないといけないみたいで。本当にちょっとの差で色んなことが変わってくるっていう…めっちゃ難しいなと思いました。

― でも吉沢さんの場合は「ハンサム」(=HANDSOME FESTIVAL ※所属事務所主催、年末恒例のファンイベント)で歌と踊りのステージを経験されていることが大きいかと。

吉沢:ハンサムとはまた全然違うものだと思いますけどね(笑)。でも、その経験が活きてくることもあるんじゃないかなとは思っています。

― 情報解禁の際のコメントでは「楽しみ2割、不安8割」とおっしゃっていましたが…

吉沢:今、不安9割くらいですよ(笑)。

― 不安が増えてしまった(笑)。

吉沢:あと2ヶ月経ったら、もう稽古始まっちゃいますからね。……ヤバイっすよ。2ヶ月しかない。

― 共演の満島さんや柄本さんとはお話されましたか?

吉沢:ビジュアル撮影の時しかお会いしていないので、まだです。

「百鬼オペラ『羅生門』」(左から)吉沢亮、柄本佑、満島ひかり(提供画像)
「百鬼オペラ『羅生門』」(左から)吉沢亮、柄本佑、満島ひかり(提供画像)
― このビジュアル1枚からも、どこか奇妙で、観るものを惹きつける作品の世界観が感じられます。撮影のコンセプトは?

吉沢:………絡み合う人間関係(笑)。

― 初対面から割と密着した撮影でしたね。

吉沢:はい。満島さんは、インパルさんたちの作品の『100万回生きたねこ』(13)にも出演されていて、「今まで経験した作品の中で一番楽しかった」とおっしゃっていました。だから僕も今回、そう思えたらいいなと。そう思えるレベルまで今のうち上げとかないとなぁっていう。現場ですごいことをやらされるかもしれないじゃないですか?(笑)それでもちゃんと立ち向かえるくらいの体を作っておかないと。だから今は下準備で手一杯です。

― “新しい吉沢亮”が見られそうですか?

吉沢:そうですね。これをやり切ったら、本当に役者としてすごくスキルアップするんじゃないかなと。お芝居を体全体で表現するのが楽しみです。絶対に面白いものになると思いますので、期待していてください。頑張ります!

京都の神社で手を合わせ願ったことは…

吉沢亮インタビュー/撮り下ろし (C)モデルプレス
― 慣れないレッスンは非常にスタミナを消費しそうですが、今は並行して撮影している作品はあるんですか?

吉沢:今はちょうど何もない時期で。レッスンに集中できるのが嬉しいです。6月からまた新しい作品に入るので、今のうちやっておかないと。

― 今年に入ってからのお仕事はいかがでしょうか。

吉沢:今年入ってからは…忙しかったですね。2月は4つの作品を縫って。3月までは結構、地獄のスケジュールでした。でもそれが終わって、4月からいきなり何もなくなったので、何していいのかわかんなくなっちゃって(笑)。

― 束の間の休息ですね。どう過ごしていたんですか?

吉沢:ボーッとしてました。家で。ずーっと。何もする気が起きないっていう。大変な時期でした。

― 逆に!?

吉沢:逆に大変でした(笑)。なんか飲みすぎちゃったりして。それしかやることないから。しかも家で1人で(笑)。そんな感じでした。

― 1人の時間、何か考えごとをしたり?

吉沢:何も考えていなかったと思います。多分、何かやることがないと不安なんだと思います。

― それにしても、4つの作品を縫うのは多忙でしたね…それぞれの現場で、しっかりと消化できたという手応えは?

吉沢:うーん…ちゃんとやれたかなぁとは思っていますけど、どうですかね。正直、観てみないとわかんないです。

吉沢亮インタビュー/撮り下ろし (C)モデルプレス
吉沢亮インタビュー/撮り下ろし (C)モデルプレス
― 今年ももう5月になります。

吉沢:ほんとですよね。もうそろそろ半分いきますからね。怖いっすね。ヤバ。もう半分かぁ。

― 「羅生門」は、その何もない時期に読んでいたんですね?

吉沢:はい。あまりにもヒマすぎて、「やることない、どうしよう……芥川読むしかねぇじゃん!」って(笑)。家にこもってました。一回、釣りに行きましたけどね。あと、京都にも行きました。2泊3日で、普通に遊びに行ったんです。

― リラックスできる旅になりましたか?

吉沢:おいしいものを食べて帰ってきました。一品料理的な、京都特有の。おいしかったです。やっぱり食ですね。地方ロケとか行く時も、仕事以外の一番の楽しみって食ですもん。食べるの大好き。

― 京都で観光は?

吉沢:全然。基本的に食メインなので、いい感じの喫茶店を探したりとか、そういうことばっかり。

― 喫茶店で時間があると、色々と思いを巡らせてしまいません?

吉沢:いや…僕、携帯ゲームやってるんで(笑)。基本的に。

― 京都でも?

吉沢:京都でも。どこでもやりますよ。ロンドン行ってもニューヨーク行っても、多分やってると思う(笑)。旅先なのに、家とやっていることが変わんないっていう。

― 吉沢さんらしいですね。それを断ってみたらどうなるんですかね(笑)。

吉沢:すっごいハマっちゃうゲームがあると、あえて一回消すんですよ。ハマりすぎて、これはヤバイぞと。でもまた新たなアプリをダウンロードしちゃう(笑)。それはもうしょうがないっすよね。

あっ、でも京都で車折(くるまざき)神社に行きました。芸能の神様がいるところで。

吉沢亮インタビュー/撮り下ろし (C)モデルプレス
― 何をお願いしたんですか?

吉沢:(手を合わせて)「売れますよ~に!」って(笑)。

― ストレートだ(笑)。

吉沢:それしか考えてないですよ(笑)。

― でもこちら側からすると、「今年の吉沢亮、一味違うぞ!」と。

吉沢:どうですかね。自分は正直わかんないです。でもね、「羅生門」の本番の頃にはもう…ヤバイっすよ(笑)。

― 「吉沢亮の勢い、ヤバイぞ!」って言わせてください!

吉沢:(笑)。そのつもりで頑張ります!

9月が楽しみ! (C)モデルプレス
9月が楽しみ! (C)モデルプレス
(modelpress編集部)

「百鬼オペラ『羅生門』」公演情報

原作:芥川龍之介
脚本:長田育恵
作曲・音楽監督:阿部海太郎
作曲・編曲:青葉市子/中村大史
演出・振付・美術・衣裳:インバル・ピント&アブシャロム・ポラック
キャスト:柄本 佑、満島ひかり、吉沢 亮、田口浩正、小松和重、銀粉蝶 江戸川萬時、川合ロン、木原浩太、大宮大奨 皆川まゆむ、鈴木美奈子、西山友貴、引間文佳
ミュージシャン:青葉市子、中村大史、権頭真由、木村仁哉、BUN Imai、角銅真実

<東京公演>
2017年9月8日(金)~25日(月)
劇場:Bunkamura シアターコクーン
チケット一般発売日:5月27日
ほか兵庫公演、静岡公演、名古屋公演あり

吉沢亮(よしざわ・りょう)プロフィール

1994年2月1日生まれ、東京都出身。アミューズ全国オーディション2009「THE PUSH!マン~あなたの周りのいけてる子募集~」で特別賞を受賞。『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日・2011-2012)朔田流星/仮面ライダーメテオ役で注目を浴びる。近年の主な出演作は、ドラマでは『オトナ女子』(フジテレビ・2015)、『武道館』(フジテレビ・2016)、『バスケも恋も、していたい』(フジテレビ・2016)、映画では『彼女は嘘を愛しすぎてる』(13)、『アオハライド』(14)、『通学電車』(15)、『さらば あぶない刑事』(16)、『オオカミ少女と黒王子』(16)、『サマーソング』(16)など。2017年は『ラストコップ THE MOVIE』(公開中)、『銀魂』(7月14日公開)、『トモダチゲーム 劇場版』(6月3日公開)、『斉木楠雄のΨ難』(10月21日公開)、2018年は『リバーズ・エッジ』が公開予定。
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