ももクロの舞台裏…絶対にブレなかったこだわりと情熱「女子の夢が全部詰まっていた」<振付師・ゆみ先生インタビュー>

【モデルプレス】今や誰もが知るアイドルグループ・ももいろクローバーZ。彼女たちの魅力は、何といってもライブにこそある。今回、ももクロの楽曲すべての振付を担当し、さらにライブの演出も行う、石川ゆみ先生にインタビューを敢行。どのようにしてライブを作り上げているのか、またゆみ先生だからこそ語れる、ももクロの魅力とは?
ももクロの舞台裏…絶対にブレなかったこだわりと情熱「女子の夢が全部詰まっていた」<振付師・ゆみ先生インタビュー>【モデルプレス】
ももクロの舞台裏…絶対にブレなかったこだわりと情熱「女子の夢が全部詰まっていた」<振付師・ゆみ先生インタビュー>【モデルプレス】
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
― いきなりですが、ゆみ先生から見て、ももクロの魅力はどこにあると思いますか?

ゆみ先生:メンバーがいつも笑っているところです。お客さんも、それだけで結構ハッピーになったり。どんな試練があっても、最後には全部笑顔に変えて乗り切っちゃうところが、彼女たちの魅力だと思います。

― 女性ファンが多くいるのも、ももクロさんの特徴ですよね。

ゆみ先生:そうですね。先日ちょうどファンの方に接する機会があって、可愛い女の子たちばかりで、それこそ笑顔でキャピキャピしていたんです。彼女たちは、「可愛いももクロちゃんが見たい」ってライブに来てくれているそうです!

―「ももクロさんから元気がもらえる」ってファンの方も多いですもんね。

ゆみ先生:ライブに求められるものとして、元気をもらいたい、可愛い姿が見たいということも大きいのだと思います。私が総合演出を務めた、「女祭り」という女性限定のライブがあるんですけど、それについては「女の子の夢が全部詰まってました」とファンの方に言って頂いて。楽しんでくれてよかったと思いました。

総合演出「女祭り」のこだわり

ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
― 昨年、大阪城ホールで行われた「女祭り」を拝見したのですが、衣装やステージ、セットリストなど、全てが女性に特化した構成になっていましたよね。可愛くて本当に感動しました。

ゆみ先生:ありがとうございます。ライブタイトルにもありますが、「リストランテ」をテーマにしました。極上のおもてなしがしたいなと思って、客席を予約席としてメニューを置いたりしました。

― 随所にこだわりが感じられました!

ゆみ先生:普段のももクロライブの演出家は皆さん男性なので、女性ならではの視点を大切にしました。女の子だったらどんなものが見たいかをスタートに、可愛い衣装とセットの世界観は譲れないところがあって、こだわりました。

ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
― 衣装も、ウエイトレス風やアラビアン、チャイナやドルチェなど、どれもこだわり抜かれていて、本当に可愛いかったです。

ゆみ先生:ありがとうございます。最初のブロックのお衣装ですが、いつもふわっとしたスカートが多い彼女たちなんですけど、あのラインを崩して、ペプラム調で少し大人っぽくしたいとスタイリストの方にお願いしました。それで何度も話し合って「こんなにデザイン画を描き直したの初めてだよ」って言われたり(笑)。「すいません」と言いながらも、理想を追いかけていました。

― 実際に見てどう思いましたか?

ゆみ先生:オープニングで最初に出てきた時、「やっぱ可愛いわ」と思いました。

どうしても「フルーツ皿」

ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
― セットも凄かったですよね。真ん中に大きな皿が配置されていて、可愛らしくも迫力があって。

ゆみ先生:あれはフルーツ皿なんですけど、置くか置かないかで、さんざん話し合ったんです。設計上、お皿の前の方に立つとバランスが取りづらいということや、オブジェにしたかったので、目に見える場所に階段を作りたくなかった。そうなると下に降りるためには一回後ろにハケないといけない。メンバーが消えちゃうのはお客さん的に寂しくなっちゃうけど、でもフルーツ皿はどうしても置きたい。悩んだ挙句、「映像でつなげよう」と思って、だったら思いっきり顔のアップを流したいと思いました。

― そこまでフルーツ皿にこだわった理由は何ですか?

ゆみ先生:フォルムを気に入っちゃったんです。でも反対の意見もあって、正直ブレそうになった時もありました。そんなときに、セットプランナーの方が「ゆみさんがやろうって言うんだから、ブレないでいいと思う」って言ってくれて。「ああ、絶対やります」って(笑)。

― 実現して、お皿の上にメンバーがいるのを見てどんな気持ちでしたか?

ゆみ先生:やったー!って感じでした。いい画でしたね。近くから見るとすごく迫力があるし、遠くから見ると本当にお皿の上に乗っているみたいで、すっごく可愛かった。

― 可愛かったし、ファンの方もとても盛り上がっていましたよね。

ゆみ先生:いい意味で異様でしたよね。「キャー」って黄色い声ばかりで、いつもの力強い「うりゃおい!」って掛け声も、全部トーンが高くて。まるで男性アーティストのライブのようでした。

計り知れないプレッシャー

ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
― ファンの方も心から楽しんでいたと思います!やっぱりプレッシャーも大きかったですか?

ゆみ先生:計り知れないプレッシャーがありました。プロのみなさんに相談もたくさんしましたし、「盛り上がらなかったらどうしよう」って泣いたり、「前回の女祭りはこんなに盛り上がったのに、今回シーン……となってしまったらどうしよう」って不安だらけでしたね。

― そうなんですね。でもファンの方もみなさん、笑顔でした!それにファンでなくても、とっても楽しめる内容でしたよね。

ゆみ先生:ももクロのライブって、彼女たちのことを何も知らなくても、目で見て楽しんでもらえるように作っています。なので、初めての方もあまり固く構えずに来て欲しいですね。見たものをそのまま楽しんでもらいたいので、究極、メンバーの顔と名前を知らなくても(笑)、曲も知らなくても、大丈夫です!

ももクロの成長を見てきて…

― ももクロさんの振付師として長くご活躍されていますが、メンバーの年齢とともに振付も変化してきましたか?

ゆみ先生:先日、ファンの方に「最近アクロバットが減ったように感じます」って言われたんです。ジャンプや激しいダンスが彼女たちの売りではあるんですけど、最近はちょっと違う表現もできるようにしたいと思っています。もちろん根底の元気印は変わらないんですけど、年齢とともに、味のある表現者になってもらいたいと思っています。

― そういった成長は、他の部分でも?

ゆみ先生:昔は言われて動いていたことも多かったんですけど、最近はすぐに自分の役割がわかって、その成長も早いですね。5人でやるなら自分はこのポジションって空気感があって、彼女たちのなかで、流れがうまく出来上がっているんです。

― そうなんですね。振付の際に心がけてることを教えて下さい。

ゆみ先生:一人ひとりが個性のある子たちなので、それが活きるようにしたいと思っています。ステージ上で人に伝えるパフォーマンスなので、メンバーの気持ちになって、歌詞から振りを付けていきます。

ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
― 振付にはメンバーの意見も反映されてるんですか?

ゆみ先生:そうですね。マネージャーの川上さんと音楽プロデューサーの宮本さんが材料提供してくれて、私がそれで料理を作る、もう一味加えたい時にメンバーがスパイスを加える、そんな感じですね。

たとえば「My Dear Fellow」の2コーラス目の頭で急に野球をやりだすんですよ。もともとNYヤンキースの田中将大投手のために作った曲なので、なんかスパイスが欲しいなって思っていました。そしたらメンバーの誰かが急にバットを構えだして、誰が投げるの?って思ってたら、みんな自然とフォーメーションを組みはじめて…「あ、これ面白いわ、イケる」って採用しました(笑)。

― メンバーご自身の案も反映されて、本人たちが楽しそうにライブをやっているのがファンの方にもきっと伝わっていると思います。

ゆみ先生:そうだったら嬉しいなって思います。

夢を叶える秘訣

― 最後の質問になりますが、モデルプレス読者に向けて、夢を叶える秘訣を教えて下さい。

ゆみ先生:「やる気」「根気」「センス」だと思います。私もそういう人たちと仕事がしたいし、自分もそうあろうと思っているので、夢はその先に待っているのかなって思います。

― ちなみに、ゆみ先生なりの「センス」の磨き方ってありますか?

ゆみ先生:センスが良い悪いってないと思うんですね。それこそ誰かに引っかかるかどうかだけ。自分の持っているものを思いっきり出して勝負していれば、見つけてくれる人が絶対にいると思うので、迷わず進んでいって良いと思います。

― ありがとうございました。

ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」より(写真提供:キングレコード)
女性目線で考えぬかれたライブ「女祭り」。随所から感じられた、いつもと違う“可愛らしさ”は、ゆみ先生が女性目線を徹底していたからこそのもの。女子だけで盛り上がるライブは、不思議な心地良さも感じられる。それを生み出せるのも、ゆみ先生がももクロと二人三脚で走り続けてきたからなのだろう。(modelpress編集部)

石川ゆみ(いしかわ・ゆみ)プロフィール

千葉県出身の振付師。中学時代に創作ダンスと出会う。その後、プロのダンサーとして、名だたるアーティストのライブやPVのバックダンサーとしての活動と同時に、大学在学中に振付師としての仕事をスタート。現在では「ももいろクローバーZ」をはじめ、堀江由衣、μ's(ミューズ)、ゆいかおりなど、幅広いアーティストの振付師として活躍。7月16日に初の著書「みんな、いつか個性に変わる欠点を持っている」(宝島社)を刊行。

ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」DVDジャケット
ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」DVDジャケット

ももいろクローバーZ「女祭り~Ristorante da MCZ~」

発売日:2015年9月2日
形態:DVD&Blu-ray

2004年11月24日に大阪城ホールで開催された女子限定ライブ。今回が3回目の開催となり、9849人を動員。男子禁制の女子限定ライブということもあり、セットリストやステージ構成、衣装などもすべて女子向けにアレンジ。「私たち、今日は女子だけのもの、週末ヒロインももいろクローバーZ!」


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