橋本愛、あまちゃん終了から1年…「18歳までの自分を全部捨てた」当時の本音と変化を語る モデルプレスインタビュー
2014.08.28 12:28
views
NHK連続テレビ小説「あまちゃん」でその人気を全国区に広げた女優・橋本愛(18)が、8月30日公開の映画『リトル・フォレスト 夏・秋』で主演を務める。「あまちゃん」終了から約1年…彼女にどんな変化が訪れ、そして今何を感じているのか。モデルプレスは彼女を直撃した。「18歳までの自分を全部捨てた」―――この言葉の真意とは?
― “あまロス”(=「あまちゃん」を毎朝昼に観る楽しみが無くなってしまった時の喪失感)なんて言葉も生まれるほど、一大ムーブメントとなった「あまちゃん」ですが、橋本さん自身、その現象についてどのように感じていましたか?
橋本:あまりにも無自覚だったなとは思います。撮っている間も、作品が一人歩きしている感覚がすごくあって。私が流行に乗れなかった人みたいになっているというか…。
― ど真ん中にいたのに?
橋本:はい(笑)。だって私、皆さんみたいに毎朝起きて「あまちゃん」を観ているわけではなかったので「流行に乗れていないのかな」って当時は思っていました(笑)。それに今『ユイちゃんやって』って言われたら全然違う人になると思うし…でもあの時はあの時でそれがよかったのかな?とも思います。そして私は今年18歳になる時に、18歳までの自分を全部捨てちゃいました(笑)。
― どういう意味ですか?(笑)
橋本:「もういらないよ」って思っちゃって(笑)。仕事の形跡とか、出会った人たちとか、そういうことじゃなくて、自分のいらないものを全部なくしたっていう感じ。そうしたらけっこう記憶なくなっちゃって、「あまちゃん」のこととかあまり思い出せなくなりました(笑)。そういうのもあってかな、だから今「あまちゃん」現象を振り返ると、本当に恐れ多い感じ。例えば普通に電車に乗っていても「えっ、電車乗るの?」って言われたりとか。たぶんそう言わせるのが「あまちゃん」の作品の大きさなんだろうなって思います。
― では今は蓄積はありつつも、ご自身の中ではそれをすっぱり断ち切って、新たに歩いているという感じですか?
橋本:そう!「ちゃんとしよう」って意気込んでやっています。
― 「あまちゃん」後も、数々の作品にコンスタントに出演してきましたが、演技に対する姿勢に変化はありましたか?
橋本:ありました。「あまちゃん」の時は「遊ぼう」「ふざけよう」みたいなことばかりを考えていたんですけど(笑)、今はそれがなくなって「言われたことを最大限出せるように」ということをとても考えています。
― 日々成長といった感じですね。すでにトップ女優の風格さえ漂っているのですが、まだ18歳ということで、3年後、5年後、10年後が楽しみで仕方がありません。ご自身では10年後のイメージなどは持たれていますか?
橋本:全くですね。10年後…28歳か…女優をやっているかもわからないですけど、なんだかんだやっている気もします。でも裏方をやってみたいという気持ちもあるので、制作とか美術とかをやっているかもしれない。コンコンコンコンって、舞台のセットとかを作りたいです。
必死に戦った1年間
そんな橋本が「あまちゃん」と同じ岩手県で春夏秋冬、約1年間にわたってオールロケを敢行した作品が『リトル・フォレスト』だ。同作は「月刊アフタヌーン」に連載された五十嵐大介氏の同名コミックを実写化。橋本が演じるのは、都会で自分の居場所を見つけることができず、故郷の山村“小森”に帰ってくる主人公・いち子。様々な恵みを与える一方、厳しさも見せる大自然の中で、自給自足の生活をしながら生きる力を充電していくさまを、旬の食材を生かした日々の食事、料理とともに描く。― 映画の撮影期間が1年にも及ぶことってあまりないと思うんですけど、そこでの難しさは何かありましたか?
橋本:たくさんありました。この1年で17歳と18歳をまたいだんですけど、やっぱりすごく変わりやすい時期だし、単純に顔というか外見も変わりやすい。悩みも変わりやすい時にこういう成人した女性を自分が演じていいんだろうか?という不安もありました。絶対に自分が変わる自信があっただけに余計に(笑)。この1年の間に、この作品以外の現場を見ることもたくさんあって、そうすると別の面が見えてきて、逆に前のことが出来なくなったり…。なので作品を撮り終えるまでは、恐怖しかなかったです。楽しかったっていう思いがそんなになくて「本当に必死だった」という感じですね。
― 共演の三浦貴大さんは28歳で、橋本さんより10コも年上ですが、劇中では橋本さんの方が年上という設定でした。演じる上で気をつけていたことはありますか?
橋本:いち子の人物像がブレないことは意識しましたが、そこまで何かに気をつけるなどはなかったかもしれないです。本当はもっと年上に見えるように考える必要があったのかもしれませんが、三浦さんは若々しいエネルギーが溢れている方だったので、演じていて全然違和感がなかったです。三浦さんは大変だったかもしれませんが(笑)。
― この作品は人によってとらえ方が全然違うと思いますが、橋本さんはどこに面白さを見出していますか?
橋本:とらえ方が違うか…確かに。お話した人の感想が全部違うんですよね。こんなに違う作品も珍しい。それが面白さであり、魅力だと思います。私の感想としては、情報量が少ないようでけっこう多い。自然の映像、いち子の暮らし、料理。作り手側の編集、絵で遊んでいる感じ…どこに視点を置いてもいいと思います。いち子の暮らしを見て、自分の暮らしを見つめるのもいいと思うし、「料理が美味しそうでお腹が空きました」でもいいと思います。どの感想をいただいても嬉しいですし、今後の糧になるのかな。
― ありがとうございました。
シリアスからコミカル、様々な作品に出演し、演技の引き出しを増やしてきた彼女にとっても、一見ドキュメンタリーにも感じられる今回の作品は、新たなチャレンジだったと言っても過言ではない。インタビューで答えた言葉の端々からは、演じることへの真面目さ、飽くなき探求心をうかがうことができ、「18歳までの自分を全部捨てた」の言葉は、決して人気に驕ることなく、真摯に役に向き合うという強い決意の表れだったように思う。目的を達成するには「120%の力で準備をする」。迷うことなくそう言い切った彼女の女優人生は、間違いなく多くの人の記憶に刻まれていくだろう。(modelpress編集部)
■映画『リトル・フォレスト』
8月30日より「夏・秋」、来年2月14日より「冬・春」と、実際の四季に合わせて劇場公開。
【出演】橋本愛/三浦貴大/松岡茉優/温水洋一/桐島かれん
【監督・脚本】森淳一
【原作】五十嵐大介「リトル・フォレスト」
【フードディレクション】eatrip
【音楽】宮内優里
【主題歌】FLOWER FLOWER「夏」「秋」
■橋本愛(はしもと・あい)プロフィール
1996月1月12日生まれ、熊本県出身。2009年に『Give and Go』で映画初出演、翌年『告白』(10)に出演し注目を集める。その後も『貞子3D』(12)、『ツナグ』(12)、『桐島、部活やめるってよ』(12)などの話題作に次々と出演、第86回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞など数々の新人賞を受賞。また同年、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で主人公の親友ユイ役として出演し国民的な人気に。14年は『寄生獣』の公開を11月29日に控える。7月よりフジテレビ開局55周年ドラマ『若者たち2014』に出演中。
【Not Sponsored 記事】
関連記事
「インタビュー」カテゴリーの最新記事
-
ICEx中村旺太郎、ギャップで魅せる新境地 初冠番組で新たな気づき「普通の胸キュンも…」【「愛されICExの作り方」インタビューVol.7】モデルプレス -
デビュー21周年突入“永遠のマンネ”キム・ヒョンジュン「変わらないものを守りたい」ソロライブでグループ楽曲中心にした理由 自作曲に込めた渇望と悩みとは【モデルプレスインタビュー】モデルプレス -
瀧七海、大役掴み取ったオーディションで意識したこと 20代幕開けでターニングポイント模索「自分自身に期待していきたい」【「るつぼ The Crucible」インタビュー】モデルプレス -
【宇佐卓真インタビュー】「初めて持った夢」自信持てず俳優と名乗れなかった時期 オーディション連続不合格・1ヶ月撮影なし…将来に不安感じても心折れなかった理由とはモデルプレス -
ICEx阿久根温世「ガチでキュンを狙いにいく」タイミングとは?バラエティ要素との絶妙なバランスの秘訣【「愛されICExの作り方」インタビューVol.6】モデルプレス -
「顔のない患者」THE RAMPAGE長谷川慎の妻役で話題・さかたりさ、現場で驚いた正反対の行動「全然感性が違う」誘拐された役演じる上で大切にした“関係性”と“記憶”とは【モデルプレスインタビュー】モデルプレス -
ICEx千田波空斗「少しでも手助けできたら」全収録で意識していたこと 手応えを感じた回は?【「愛されICExの作り方」インタビューVol.5】モデルプレス -
ICEx筒井俊旭、初回収録は「緊張でガチガチ」“ひとり反省会”で決意したこと【「愛されICExの作り方」インタビューVol.4】モデルプレス -
【山崎賢人インタビュー】さらなる高みへ走り続ける原動力とは――俳優人生の転機「ゴールデンカムイ」で得た学び「俺は不死身だ」と自身を鼓舞した日々モデルプレス










