土居志央梨、戸塚純貴「虎に翼」第51話(C)NHK

「虎に翼」脚本家、轟(戸塚純貴)のセクシュアリティに言及「同性愛は設定でもなんでもないです」

2024.06.10 16:06

女優の伊藤沙莉が主演を務める連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)の脚本を手掛ける吉田恵里香氏が10日、自身のX(旧Twitter)を更新。轟(戸塚純貴)のセクシュアリティについて言及した。<※ネタバレあり>


伊藤沙莉ヒロイン朝ドラ「虎に翼」

第110作目の連続テレビ小説となる本作は、日本初の女性弁護士である三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんをモデルに描くリーガルエンターテインメント。


轟(戸塚純貴)、花岡(岩田剛典)への想いが明らかに

森田望智、斎藤羽結、石田ゆり子「虎に翼」第51話(C)NHK
森田望智、斎藤羽結、石田ゆり子「虎に翼」第51話(C)NHK
同日放送された第51話では、判事・花岡(岩田剛典)の死が世に報じられた後の様子が描かれた。戦地から戻った、花岡の盟友・轟は、訃報を知り放心状態になっていたとき、大学時代の同期・よね(土居志央梨)と再会を果たした。

そこでよねは「惚れてたんだろ、花岡に」と轟の花岡への恋心を指摘するも「白黒はっきりつけるつもりはない」とし、自分の前では強がらなくていいと彼女なりの優しさをのぞかせた。一方轟も自分の気持ちに「分からない」と返答するも、花岡がいなければ弁護士を目指さなかったこと、花岡がいる日本に生きて帰りたいと思っていたことを打ち明け、泣き崩れた。

伊藤沙莉「虎に翼」第51話(C)NHK
伊藤沙莉「虎に翼」第51話(C)NHK
こうした描写を受け、吉田氏は「よねが【白黒つけたい訳でも白状させたい訳でもない】と言っていますし、轟も自認している訳ではないのですが、一応、念の為に書いておきますね」と前置きしたうえで、初登場の時から轟は花岡に対し「恋愛的感情を含んでいる」人として描いており、「人物設定を考える時から彼のセクシャリティは決まっていました」と説明。

しかし、同局の特集ドラマ「生理のおじさんとその娘」(2023年)でも今回と似たような描き方をした結果、「この設定はいらなかった」「盛り込みすぎている」という意見があったことに触れ「そう思わせる私の本の未熟さは100%反省しますが、同性愛は設定でもなんでもないです」と強く主張し「こういう意見があがる度、エンタメが『透明化してきた人々』の多さ。その罪深さを感じます。これは個々の問題よりも、社会全体の教育や価値観の問題です。轟自身がまだ自認しきっているわけでも答えをだしたいわけでもないと思うので、これを機に視聴者の方々も色々考えてご覧いただければ大変嬉しいです」とつづった。

森田望智、斎藤羽結、石田ゆり子「虎に翼」第51話(C)NHK
森田望智、斎藤羽結、石田ゆり子「虎に翼」第51話(C)NHK
そして「私は、透明化されている人たちを描き続けたい」と表明。「それが特別なことと思われる世界が悲しく残念ですし、描き方には注意を払うものの、私は現実にあるものを書いているだけです。褒められたい訳でも説教したい訳でもないです。長年刷り込まれてきた様々な嫌悪感や差別に対して、何か少しでも変わっていくことを望みます」と訴えるとともに「私なりに勉強や取材を重ねているつもりですが、間違えることも沢山あるし、やりかたや言葉の使い方に後悔もある。伝わらないこともある。私のやり方が正しいのか、それこそ当事者の方から不快じゃないのかも分からないこともある。でも私なりにやっている最中です」と自身の想いを伝えた。

なお、同日のタイトルバックには「ジェンダー・セクシュアリティ考証」を担当した前川直哉氏の名前が記載されており、吉田氏が轟を描くにあたり入念に取材や下調べを重ねていたことが垣間見え、SNS上でもその丁寧な番組制作に称賛の声が集まっていた。(modelpress編集部)

情報:NHK
【Not Sponsored 記事】

関連リンク

関連ドラマ

  1. 虎に翼

    虎に翼

    2024年04月01日(月)スタート

    毎週月〜土曜08:00 / NHK総合ほか

    詳しく見る

関連記事

  1. 「虎に翼」轟(戸塚純貴)、花岡(岩田剛典)に惚れていた?クレジットに注目集まる「誠実さが伝わる」
    「虎に翼」轟(戸塚純貴)、花岡(岩田剛典)に惚れていた?クレジットに注目集まる「誠実さが伝わる」
    モデルプレス
  2. 「虎に翼」よね(土居志央梨)&轟(戸塚純貴)が再会・バディ結成…胸熱展開でトレンド席巻「朝から号泣」
    「虎に翼」よね(土居志央梨)&轟(戸塚純貴)が再会・バディ結成…胸熱展開でトレンド席巻「朝から号泣」
    モデルプレス
  3. 【虎に翼 第52話あらすじ】寅子、家庭裁判所設立準備室に異動になる
    【虎に翼 第52話あらすじ】寅子、家庭裁判所設立準備室に異動になる
    モデルプレス
  4. 【来週の虎に翼 あらすじ】寅子、花岡の死を知る 轟とよねは再会
    【来週の虎に翼 あらすじ】寅子、花岡の死を知る 轟とよねは再会
    モデルプレス
  5. 【虎に翼 第51話あらすじ】花岡、栄養失調で亡くなる
    【虎に翼 第51話あらすじ】花岡、栄養失調で亡くなる
    モデルプレス
  6. 「虎に翼」花岡(岩田剛典)の変化に視聴者ザワつく「悲劇の予感」「今にも消えちゃいそう」と心配の声続々
    「虎に翼」花岡(岩田剛典)の変化に視聴者ザワつく「悲劇の予感」「今にも消えちゃいそう」と心配の声続々
    モデルプレス

「ドラマニュース」カテゴリーの最新記事

  1. 「御上先生」が「半沢直樹」斬り?生徒の一言が話題「さすが日曜劇場」「抜かりない」
    「御上先生」が「半沢直樹」斬り?生徒の一言が話題「さすが日曜劇場」「抜かりない」
    モデルプレス
  2. <投票受付中>2025年冬ドラマ、あなたが思うネクストブレイク女優&俳優は?【モデルプレス国民的推しランキング】
    <投票受付中>2025年冬ドラマ、あなたが思うネクストブレイク女優&俳優は?【モデルプレス国民的推しランキング】
    モデルプレス
  3. 「御上先生」回想のボブヘア女子高生に再注目 冒頭1分での“答え合わせ”受け正体予想続々「もしかして…」
    「御上先生」回想のボブヘア女子高生に再注目 冒頭1分での“答え合わせ”受け正体予想続々「もしかして…」
    モデルプレス
  4. 「御上先生」御上(松坂桃李)の中学生時代役に視線集中 弱冠14歳&ドラマ初出演の俳優・小川冬晴【プロフィール】
    「御上先生」御上(松坂桃李)の中学生時代役に視線集中 弱冠14歳&ドラマ初出演の俳優・小川冬晴【プロフィール】
    モデルプレス
  5. 「クジャクのダンス」心麦(広瀬すず)=林川歌説が再浮上 回想シーンの“2つの違和感”に注目集まる「伏線になってそう」「すごい気になる」
    「クジャクのダンス」心麦(広瀬すず)=林川歌説が再浮上 回想シーンの“2つの違和感”に注目集まる「伏線になってそう」「すごい気になる」
    モデルプレス
  6. 「クジャクのダンス」初回から隠されていたモールス信号 提供クレジット画面の白線に考察飛び交う「仕掛けがハイレベルすぎる」「繋がってるのかな」
    「クジャクのダンス」初回から隠されていたモールス信号 提供クレジット画面の白線に考察飛び交う「仕掛けがハイレベルすぎる」「繋がってるのかな」
    モデルプレス
  7. ワンオクTaka×「御上先生」飯田P、異業種対談で語ったエンタメの役割と可能性「大切なのは抜本的な改革」【後編】
    ワンオクTaka×「御上先生」飯田P、異業種対談で語ったエンタメの役割と可能性「大切なのは抜本的な改革」【後編】
    モデルプレス
  8. ワンオクTaka×「御上先生」飯田P、“世代を超えて共鳴する2人が語る”音楽制作ポリシーとドラマへの思い【前編】
    ワンオクTaka×「御上先生」飯田P、“世代を超えて共鳴する2人が語る”音楽制作ポリシーとドラマへの思い【前編】
    モデルプレス
  9. 香取慎吾「日本一の最低男」子役・増田梨沙からのバレンタイン公開「可愛すぎる」「仲の良さが伝わる」と反響
    香取慎吾「日本一の最低男」子役・増田梨沙からのバレンタイン公開「可愛すぎる」「仲の良さが伝わる」と反響
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事