「息子の稼ぎで贅沢するな」と毎週レシートを漁る義母→私が裏に書き続けた“家計の真実”で黙り込んだ
毎週金曜日のチャイム
毎週金曜日の午後3時、必ず家のチャイムが鳴ります。義母です。「ちょっと寄ったわ」と言いながら、玄関を上がる前にまず私の手元へ視線を送るのが、いつものはじまりでした。
買い物から帰ったばかりの私の袋に、義母の目が止まるのが分かります。袋を覗き込む義母の指が、ひとつひとつ商品を確認していくのです。お肉、果物、調味料。決して贅沢な品ではありません。それでも義母にとっては「息子の稼ぎで買った」と映っているようでした。
繰り返される一言
「また買い物?息子の稼ぎで贅沢するのもいい加減にしてちょうだい」。何度目になるかわからない言葉でした。私はいつものように「すみません、気をつけます」とだけ答えました。
反論したい気持ちがなかったわけではありません。私には自分の収入があること、買い物のお金は私の仕事の報酬から出していること、本当はそれを伝えればすぐに済む話でした。けれど夫から「母さんは息子に養われている嫁を喜ぶ人だから」と聞いていて、義母の気持ちを大事にしたいと思っていたのです。
私だけが書いていたメモ
買い物から帰ると、私はいつもレシートの裏にメモを書く習慣がありました。今月の自分の仕事代がいくら入って、そのうちいくらを家計に回したか。お義母さんのために買ったものはいくらか。誰にも見せない、私だけの家計簿でした。
「11月分 デザイン納品 12万入金」「食材 48,200円」「お義母さん 膝サポーター 2,800円 誕生日用」。並んだ数字を見るたびに、私はこの暮らしを自分の手で支えている実感を確かめていました。義母の説教を受け流せていたのも、たぶんこのメモがあったからです。
そして...
その日、義母を玄関で見送ったあと、私は棚の上のレシートが一枚消えていることに気づきました。書きかけのメモが入ったままのレシートでした。夜になって義母から電話がありました。「今日のレシート、お義母さんって書いてあったわね」。電話口の声は、いつもの強さがありませんでした。「あなた、お仕事してたのね。何でも話してくれていいのよ」。私は受話器を握ったまま、しばらく考えてから「来週、ちゃんとお話しします」とだけ答えました。義母の説教が完全に消えるかどうかはまだわかりません。それでも、何かが少しだけ動いた金曜日の夜でした。
(30代女性・フリーランスデザイナー)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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