Netflixシリーズ『九条の大罪』が大人気!柳楽優弥、松村北斗……キャスティングの裏側など徹底解剖する!
2026年4月2日から配信されたNetflixシリーズ『九条の大罪』が大人気! 映画ライターの筆者がその面白さの秘密を探ってみました!(一部ネタバレを含むためご注意ください)※画像:Netflixシリーズ『九条の大罪』独占配信中
柳楽優弥と松村北斗が共演しているNetflixシリーズ『九条の大罪』が大人気! 『闇金ウシジマくん』の原作者・真鍋昌平の同名漫画を映像化したこのシリーズについて、その面白さの秘密を探ってみました!
※以下、ネタバレを含むため、まだ見ていない人はご注意ください
Netflixシリーズ『九条の大罪』とは

原作の『九条の大罪』は、2020年10月より『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載中の人気漫画。2026年4月時点でコミックス16巻まで刊行。累計400万部を超える大ベストセラーです。
主人公の弁護士・九条間人(くじょうたいざ/柳楽優弥)が、半グレ、ヤクザ、前科持ちなど社会の裏側で生きる厄介な依頼人を担当し、救っていきます。「なぜ悪人の弁護ばかりをするのか」という九条の謎も本作のポイント。では登場人物をご紹介しましょう。
『九条の大罪』主な登場人物

・九条間人(柳楽優弥):九条法律事務所の弁護士。依頼人を貴賎や善悪で判断しないため、半グレ、ヤクザ、前科者などの依頼も一律33万円で引き受ける。悪事を働いた人物を助けてしまうため「悪徳弁護士」と呼ばれることも。
・烏丸真司(松村北斗):東大法学部を首席で卒業したエリート弁護士。九条がいい弁護士か悪い弁護士か見極めるために大手法律事務所から九条法律事務所に転職。イソ弁(居候弁護士)として活動することに。かつてある事件で父を亡くしている。
・薬師前仁美(池田エライザ):NPO法人のソーシャルワーカー。受刑者の出所後の社会復帰を助ける。社会的弱者のために活動している。烏丸を九条に紹介した。
・壬生憲剛(町田啓太):自動車整備会社社長。肩書きは社長だが地元の半グレ集団のリーダー的存在で、厄介な人々の弁護を九条に頼んでいる。広域暴力団の伏見組ともつながりあり。
・嵐山義信(音尾琢真):警視庁組織犯罪対策第5課の刑事。半グレやヤクザを目の敵にしている。10年前に娘が半グレに殺された事件を今も独自で追っている。
・京極清志(ムロツヨシ):広域暴力団伏見組の若頭。壬生をはじめ、半グレ集団を取り仕切る冷酷なヤクザ。

『九条の大罪』物語
・エピソード1「片足の値段」
壬生の手下がひき逃げ事件を起こし、九条のもとへ。飲酒運転に加え、運転中にスマホを見てよそ見をしていたことから起こった事故。男がはねた親子のうち、父親は死亡、息子は片足切断。しかし、父親の死に不審な点が見つかる。
・エピソード2&3「弱者の一分」「弱者の一分 2」
九条が新たに関わる裁判は、職質を受けていた曽我部聡太(黒崎煌代)を助けたことから始まる。曽我部はヤクザの息子の罪を被り刑務所に入っていたことがあり、その時の担当弁護士が烏丸だった。出所後もヤクザの息子と縁が切れない曽我部を気にかける烏丸だが……。
・エピソード4&5「家族の距離」「家族の距離 2」
家守華江(渡辺真起子)から「違法なやり方で奪われた父の遺産を取り戻したい」という依頼を受けた九条だったが、その依頼を断る。なぜなら父が入居していた介護施設のトップは、九条がかつて勤めていた法律事務所の山城祐蔵(岩松了)とつながっていたから。しかし、その介護施設の実態は恐ろしいものだった。
・エピソード6&7「消費の産物」「消費の産物 2」
九条は壬生を通して伏見組の若頭・京極の弁護を依頼される。加えて、京極の知人のAVメーカー社長・小山義昭(長谷川忍(シソンヌ))の弁護も任される。少女をだましてAVに出演させたと親から訴えられていたのだが、少女・笠置雫(石川瑠華)はAV俳優の仕事に生きがいを感じていた。

・エピソード8&9「事件の真相」「事件の真相 2」※ネタバレを含みます
嵐山刑事は10年前に娘が殺された事件を追いかけていた。犯人は逮捕されたが、真相は別にあると考えた嵐山は執念の捜査で娘がAVメーカーの社長・小山とつながっていることを知る。一方、嵐山の娘を殺害した犬飼勇人(田中俊介)は刑期を終えて出所する。
・エピソード10 「暴力の連鎖」※ネタバレを含みます
ヤクザの弁護を続ける九条の身を案じて、これ以上は危険だと忠告する烏丸。同じ頃、壬生の指示で刑務所に10年入っていた犬飼は、壬生に復讐をしようと画策。嵐山刑事は、悪人の弁護をする九条もターゲットにして追い詰めていく。
『九条の大罪』のここが面白い! ポイント5つ
ポイント1:九条の名セリフが心に刺さる
弁護士ものは映画、ドラマなどあらゆる映像メディアで制作されている人気コンテンツ。その中でも悪徳弁護士と呼ばれる主人公が説得力を持って物語をけん引していく作品は稀有でしょう。とにかく九条には名セリフが多い。
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「思想信条がないのが弁護士。道徳と法律は別。依頼人を守るのが弁護士の使命」
「依頼人の利益を優先。どんな人間でも法律だけは平等」
「いい弁護士は性格が悪い」
「法律は人権を守るが、人の命は守れない。弁護士が誰かを助ければ誰かを不幸にする。ならばその罪を私が背負う」
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残酷な事件を起こした加害者にもかかわらず、執行猶予判決だったり、刑期が短かったりした場合、「なぜ!」と思ってしまうのは道徳心や感情が先に立っているから。九条にとって「道徳と法律は別」であり、弁護士はあくまで「依頼人の利益を優先」するのが筋なのです。感情を仕事に持ち込まないのが九条弁護士のポリシー。正義を振りかざさないからこそ悪人たちに好かれるのかもしれません。
ポイント2:九条のバディ、烏丸の魅力

孤高の弁護士だった九条のもとにやってきた烏丸。烏丸の父が命を落とした事件の捜査に検事である九条の父親が関係しており、裁判で少年時代の九条と烏丸は出会っていたのです。
烏丸は九条と関わりながら、依頼人を助けるため、危ない橋を渡るような仕事の仕方をする九条を心配し、救いたいという気持ちが芽生えていると筆者は感じます。「弁護士バッジが飛びますよ」「九条さんの感情は?」と何度も九条に問いかける烏丸のセリフは印象的です。
ポイント3:原作との違い
Netflixシリーズ『九条の大罪』に登場する案件はほぼ原作通りですが、冒頭、烏丸が九条のところにやってくるシーンから始まるのは原作と違う点です。これについて土井裕泰監督はこう語っています。
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「烏丸が九条の事務所にやってくるところから始まることによって、烏丸の目線でこの物語を描くことができるんです。烏丸が見た九条が、視聴者目線で近いと思うので。彼のフィルターを通すことによって理解しやすくなるんじゃないでしょうか」
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また烏丸と母親(仙道敦子)のエピソードは原作よりも掘り下げています。その理由を脚本を担当した根本ノンジさんはこう言います。
===
「烏丸の家族の話は彼の軸になっているから」
===
過去に事件に巻き込まれて父親を亡くしている烏丸。この事件が彼の人生に大きな影響を与えていることは間違いありません。九条が本名の鞍馬ではなく、離婚した妻の名字で仕事をしているのにも家族が関係しています。
また、弁護士側だけでなく依頼人側のキャラクターも掘り下げていくと、その犯罪の向こうに家族の存在が見えてきます。家族が各キャラクターの人生につながっているからこそ、視聴者の琴線にも触れるのでしょう。
ポイント4:キャスティングの勝利
映画、ドラマなど映像作品のキャスティングはとても重要で、決まれば作品の質が格段に上がります。本作は主要人物から脇役にいたるまでハマり役がそろいました!
・九条と烏丸のキャスティング

那須田淳プロデューサーは九条と烏丸のキャスティングについて、次のように語っています。
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「原作の登場人物は立ち姿がいいんです。実写版でもそういう人に演じてほしいと思いました。九条について、そこにいるだけで深みや熱量が感じられる俳優は誰かと考えたときに頭に浮かんだのが柳楽優弥さんだったんです、Netflix作品『浅草キッド』の彼は印象的だった。顔は全然似ていないのにビートたけしさんにしか見えなくなる。そのスキルは素晴らしい。
烏丸も立っているだけで語れる俳優で、九条とは違うものが滲み出ている人と考えたとき、松村北斗さんがいいと思いました。連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK)がとても良かったし、こちらがイメージしているものがちゃんと返ってくるキャラクターを作ってくれる人だと思いました」
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・脇役も実力派がそろった!

薬師前役の池田エライザはこの作品の清涼剤。事件にも関わりますが、モリモリごはんを食べるシーンも多く、闇の世界を描く作品にホンワカした光を灯してくれます。華やかなルックスもいい効果。
『弱者の一分』のメインキャラクター曽我部を演じる黒崎煌代は、原作者の真鍋昌平さんが「曽我部にしか見えない」と絶賛するほど。主演映画『見はらし世代』で2025年度各映画賞の新人賞を席巻した実力派。SNSでも「曽我部役の俳優がうますぎる!」と評判です。
ヤクザの京極を演じるムロツヨシは本作の完成披露で「依頼を3回断った」と語るほど、悩みながら引き受けたそうですが、極悪な京極を熱演。ねっとりした話し方は背筋がゾッとします。

ほか、筆者的に立ち姿が一番かっこいいと思う壬生役の町田啓太、介護施設の悪徳オーナーの菅原遼馬を演じる後藤剛範もハマり役。脇役までキャストがバチっと決まっているからこそ『九条の大罪』の世界は完璧に仕上がったのでしょう。
ポイント5:今後の展開予想 ※ネタバレを含みます
全10話を見れば、本作がシーズン2も視野に入れたシリーズであることが分かります。京極が大暴れしそうな気配が濃厚ですし、九条の兄・鞍馬蔵人(生田斗真)は検事ゆえ今後からんでくるでしょう。また嵐山刑事は、九条をかなり追い詰めており「弁護士バッジが飛ぶ」と烏丸が心配していた通りのピンチを迎えるかも! 加えて九条の元妻と娘の存在も気になるところです。
原作コミックは16巻までありますから続きを期待したいですね!
Netflixシリーズ『九条の大罪』作品情報
2026年4月2日より配信 全10話
原作:真鍋昌平『九条の大罪』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
監督:土井裕泰、山本剛義、足立博
出演:柳楽優弥、松村北斗、池田エライザ、町田啓太、音尾琢真、後藤剛範、吉村界人、水沢林太郎、田中俊介、黒崎煌代、石川瑠華、原田泰雅(ビスケットブラザーズ)、吉田日向、川崎皇輝(※崎は「たつさき」)、佐久本宝、和田光沙、水澤紳吾、福井晶一、氏家恵、六角慎司、諏訪珠理、奥野壮、うらじぬの、前原瑞樹、遊井亮子、長尾卓磨、田辺桃子、森田想、杢代和人、岩松了、渡辺真起子、菊池亜希子、長谷川忍(シソンヌ)、香椎由宇、光石研、仙道敦子、生田斗真、ムロツヨシ
脚本:根本ノンジ
音楽:O.N.O
主題歌:羊文学『Dogs』(F.C.L.S. / Sony Music Labels)
公式Webサイト:『九条の大罪』
執筆者:斎藤 香(映画ガイド)
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