東京の縫製工房で働くフランス人女性、日本のアニメに魅せられ来日 自身の服作りに生かしたい

世界中で愛される日本のサブカルチャーが国内縫製業にまで波及効果をもたらしている――。ワーキングホリデーを利用して日本を訪れたフランス人女性のブジェラー・アミナさんは、日本の漫画やアニメが好きで自身でファッションブランドも手掛けていることから、服作りの現場に飛び込んだ。働いているのは、メンズブランド「Reメイドイントウキョウジャパン」(運営アールイークロージング)の東京・八丁堀にある自社工房「セントラルトウキョウアトリエ」だ。
(大竹清臣)
アミナさんはフランスのアパレルメーカーや縫製工場、下着ブランドでのパタンナー、グローバルな小売業でのお直しなど経験もあり、日本での服作りにも関心があった。さらに日本のアニメや〝カワイイ〟ファッションなどポップカルチャーの影響を受けた自身のブランド「ノサバリ」をブラッシュアップさせたいとの思いから、東京でも約6カ月と短期間だが、縫製の仕事(週2回、4月末まで)に就いた。

アールイークロージングが2年前に立ち上げた自社工房では日本人女性4、5人が働く。工房内には本縫い、ロック、3本針、フラットシーマ、かんぬきなど10台ミシンを備える。早川英也代表は「地方の縫製工場では人材確保が非常に難しい状況だが、当社では求人募集をすると、東京という利便性の高さと下請け生産ではないということから多くの人が集まる。日本人だけでなく、外国人の応募も目立つ」という。アジア系の元技能実習生など経験者が多いが、これまで採用したことはなかった。

今回「アミナさんは縫製技術の基礎がしっかりしており、型紙や仕様書も理解しており、サンプルを見れば服作りも理解できたことが大きい。日本語は話せないが、何よりも謙虚で順応性が高い人柄でコミュニケーションに問題がなかったから」と早川代表は採用の理由を説明する。
Reは東京・墨田の下町のカットソー製品のOEM(相手先ブランドによる生産)企業で15年ほど従事した早川氏と同僚の2人で07年に創設したメンズブランド。カットソーアイテムを得意としており、ブランド名通り東京生産にこだわる。自社工房は松屋銀座店内にある旗艦店からも近く、年間1万枚を販売する定番品であるドレスTシャツの在庫を切らさず一定量確保するために生産するのが大きな役割となる。小ロットの追加生産が可能なため、同時期に都内の百貨店で期間限定店を開催した際でも、色やサイズ切れによる販売機会ロスを防げる。

実際働いてみたアミナさんは、カットソーアイテムの縫製は未経験だったが、フランスと縫製の現場の仕事はほとんど共通しており、慣れれば問題なくこなせたという。「Reは日本ブランドを体現するような品質の高さに感心した。みんな親切で成長できる環境でたくさんのことが学べた」。アミナさんはスマートフォンの翻訳アプリを駆使し、すぐにスタッフとも仲良くなった。今後は「フランスに戻り、ファッションデザイナーとして自身を磨き、ブランドを発展させたい。そして、また日本に必ず戻ってきたい」と笑顔で話した。
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