

MYCLジャパン 食用きのこ栽培技術を生かしたレザー代替素材「キノリ」を開発

きのこの菌糸体を使ったレザー代替素材が世界的に注目されている。22年設立のMYCLジャパン(マイセルジャパン、長野県小諸市、乾馨太代表)は日本の食用きのこ栽培技術を生かしたレザー代替素材「キノリ」を開発し、拡販に力を入れる。素材販売と並行して自社での製品開発も進め、認知を高めていく。
(中村恵生)
4社が力合わせて
会社設立は、きのこに携わる4社の出合いがきっかけ。海外向けに日本の栽培技術を広げるサライインターナショナルジャパン(長野県小諸市、乾馨太社長)、種菌を開発・製造する千曲化成(長野県千曲市)、栽培袋を製造販売するサカト産業(群馬県みなかみ町)、インドネシアできのこ由来の代替レザー素材を開発していたマイコテックラボ(バンドン)が集まり、ベンチャーを立ち上げた。「国内の食用きのこ業界は先細り状態だが、技術の蓄積がある。それを生かして何かできないか」と考えた4社が力を合わせた。
マイコテックラボが持つ基礎技術に日本のきのこ産業が培った生産技術を掛け合わせ、22年冬にキノリの開発に成功した。そこから量産体制を整え、小諸市内に専用ファームを開設した。生産プロセスは食用きのこと同様、菌床となるおがくずと菌を混ぜ、シート状にして栽培する。食用だと2週間程度で出荷できるが、レザー代替素材に必要な厚さになるまで40~50日かけて育てる。現在、30センチ角のシートを月2000枚出荷できる体制を整える。

クリエイターが関心
キノリは、スライスしたエリンギのような弾力感とレザーのような屈曲性を持つ。表面は菌によって作られたベージュの大理石のような濃淡の模様がある初期のタイプに加え、より肉厚でしなやかな白を基調にしたタイプも開発した。型押しのしぼなど後加工も可能。
これまでに「ダブレット」(井野将之)のライダーズジャケットやポーチに採用されるなど、クリエイターからも関心を集める。デザイナー、建築家、アーティストら新たな素材を求める層に訴求していく考えで、30センチ角以外に、65×90センチ、90×130センチといった大判の生産にもチャレンジする。コスト低減も課題で、30センチ角で5000円弱の現状から引き下げを目指す。

並行して自社での製品開発も進め、消費者に知ってもらう機会を増やす。名刺入れ(税込み3万8390円)、財布(2万1810円)など小物をEC販売し、イベント出店も行っている。5月末には東京にオフィスを設け、開発・マーケティング体制も強化している。

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