LVMHアルノー氏「構造的危機ではない」 品質重視で持続的成長へ
2025.04.22 06:27
提供:繊研plus
【パリ=松井孝予通信員】仏LVMHのベルナール・アルノー会長兼CEO(最高経営責任者)は先ごろ開かれた株主総会で、「現在の経済環境は確かに厳しいが、構造的な危機ではない」と述べた。24年の売上高は前年比2%減、純利益は17%減。1~3月も前年同期比3%減収と、厳しいスタートとなった。アルノー氏はこうした局面において、最高品質の追求を軸とする戦略を堅持する姿勢を明らかにした。
同氏は顧客層を、初めて高級品を購入する「憧れ層」(アスピレーショナル層)と、すでに購買力の高い「富裕層」(アフルエント層)に大別できると説明。今後はより高価格帯へシフトし、たとえ成長率が鈍化しても、長期的なブランドの「魅力度」の向上を重視すると強調した。また、最高品質を追求するためには製品の凡庸化を避ける必要があると述べ、「これは非常に難しいバランスを要する作業だ」と付け加えた。
米国市場にも言及した。売り上げの約25%を占める同国では、現時点で10%の輸入関税が課されている。アルノー氏はEU(欧州連合)・米国間の自由貿易交渉の必要性を訴えるとともに、既存の「ルイ・ヴィトン」の米国工場および「ティファニー」のアトリエでの生産拡大によって、リスク緩和を図る考えを示した。
株主総会ではアルノー氏が85歳まで現職を続投できる定款変更が圧倒的多数で承認された。25年第1四半期の減収発表を受け、時価総額で一時エルメスに首位を奪われたが、その後すぐに逆転。仏メディアによると、アルノー家は発表後の株価下落を捉えて自社株買いを加速し、グループ支配力をさらに強化した。
短期的な逆風を認めつつ、LVMHは「最高品質を基盤として持続的成長」を掲げ、揺るぎない姿勢を示した。
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