＜真・侍伝 YAIBA＞“懐かしさ”と“新しさ”に新旧ファンが興奮「神作画！これは単なるおっさんホイホイじゃないぞ」

2025.04.10 18:00

真のサムライを目指す少年・鉄刃(くろがねやいば)と、彼を支える道場の娘・峰さやか(みねさやか)、そして宿命のライバル・鬼丸猛(おにまるたけし)らが、伝説の魔剣を巡り激しい戦いを繰り広げる「真・侍伝 YAIBA」(毎週土曜夕方5:30-6:00、読売テレビ・日本テレビ系ほか／Netflix・ABEMAにて最速先行配信、dアニメストア・Disney+・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかにて順次配信)。本作は、直後に放送される『名探偵コナン』と合わせて“青山剛昌アワー”としても大注目。4月5日に放送された第1話は、主人公・刃の登場と、宿命の始まりを描いた「YAIBA見参」。(以下、ネタバレを含みます)

原作キャラがヌルヌルと動く新感覚！

異国のジャングルにて、真のサムライを目指して修行に励む少年・鉄刃(CV:高山みなみ)。父親・鉄剣十郎(CV:小西克幸)が見守るなか、ジャングルの主(ゴリラ)と出くわした刃は、そのままバトルに突入。あえてスキを見せることで相手の油断を誘い、仲間の虎・カゲトラ(CV:千葉一伸)、ハゲタカ・庄之助(CV:越後屋コースケ)の協力も得て、刃は見事にゴリラの脳天に一撃をお見舞いして勝利する。しかしその直後、ゴリラの群れに取り囲まれてしまった刃たちは一目散に退散、バナナの木箱に逃げ込むことでゴリラたちをやり過ごす。しかしホッとしたのもつかの間、木箱のフタを閉められてしまい、そのまま日本へと出荷されてしまうのだった。

冒頭、ナレーションとともに描かれた凄まじいバトルから始まり、刃 VS ゴリラ戦と、WIT STUDIOによるさすがの作画で視聴者の度肝を抜いてみせた。原作そのままの特徴的なキャラデザを保ったまま、令和アニメとしてヌルヌルと動く快感、それでいて手描き感を感じさせる荒々しい描線と、温故知新なハイブリッド作画に、新旧ファンのどちらも大満足。SNSでも「作画えぐいな…WIT STUDIOさんありがとうございます！」「原作の絵柄を再現しつつ、現代的なアニメーションになっててすごい！」など、絶賛の声で溢れていた。またそのほかにも、OP映像のクオリティの高さや、30年ぶりに刃を演じる高山みなみの変わらぬ声質など、注目ポイントは盛りだくさん。そのどれもがファンの期待を上回るもので、これ以上ない滑り出しとなった。

刃とさやか、小気味の良いやり取りが話題に

貨物として日本に到着した刃たちは、空港で偶然、峰雷蔵(CV:宮内敦士)と峰さやか(CV:石見舞菜香)親子と出会う。剣十郎は親友の雷蔵を頼り、一行はそのままタクシーに乗って雷蔵の家へと転がり込む。刃たちを出迎えたさやかの祖母・峰ふじ(CV:斉藤貴美子)は、刃が剣十郎の息子だと知ると、「ならば、ちと相手をしてやらねばのぉ……」と高らかに笑い、裏手の剣道道場へと連れていくのだった。

空港でのドタバタの最中に出会った刃とさやか。ジャングル育ちのためか、刃は“女の子”を見たのは初めてらしく、目を輝かせながら「これが女かー!!」とまとわりつく。もっともさやかも、傘が折れるほどの力で刃をひっぱたくなど、これからの冒険に欠かせないツッコミ役としての片鱗を感じさせてくれた。ふたりの小気味の良いやり取りは本作のコメディ要素を大きく引き出しており、「空港での刃とさやかの出会いのシーン、二人の個性が爆発してて面白かった！」「刃とさやかの凸凹コンビ、見ていて飽きない！二人の掛け合いがこのアニメの魅力の一つだと思う」などの声が寄せられていた。

常識破りで破天荒な刃が現代で躍動

道場では多くの門下生たちが練習に励んでおり、刃はそのなかでも一番の実力をもつ武藤(CV:佐々木啓夫)と勝負することになる。ジャングルで培った変幻自在な剣術が持ち味の刃と、巨漢を活かしたパワーで攻め立てる武藤の戦いは、どちらも一歩も退かない互角の展開。と、ここでふとジャングルでの戦いを思い出した刃は、相手に背を向ける戦法に出る。気配を読み、背後からの振り下ろしを紙一重で避けた刃は、武藤に胴打ちを決めて勝負アリ。こうして刃は、正式に峰家で居候することになるのだった。

刃と武藤の戦いでは、改めて刃の強さが浮き彫りとなった。道場で一番強い武藤を相手に、気配だけで相手の攻撃を見切り、さらには竹刀を折り、防具を破壊しつつ天井にめり込ませるという、とんでもない勝利を納めた刃。その強さは、多くの剣士を見てきたであろうふじが「バカな」と目を丸くするほど。これにはSNSでも「馬鹿力にもほどがあるだろw」「どんだけ飛ばすねん」といった声があがっていた。

翌日、剣十郎は置き手紙を残して姿をくらましてしまい、峰家には刃とカゲトラだけが残された。しかし刃はまったく気にするそぶりもなく、さやかのオカズを盗み食いするなど平常運転。さらに刃は、さやかが通う中学校にまで付いていき、剣道部の朝稽古にも顔を出す。そしてそこで出会ったのが、全国大会での優勝経験もある猛者・鬼丸猛(CV:細谷佳正)だった。刃は鬼丸の強さに興味を抱き一方的に勝負を仕掛けるも、攻撃をかわされ、逆に竹刀を飛ばされてしまう。思いがけない強敵との遭遇に、刃は「おめえ、強えな」と笑みを浮かべる。永遠のライバルと呼ばれるふたりの、最初の出会いだった。

終盤は、刃とさやかによるコメディ劇から、緊張感溢れる鬼丸との出会いまでが一気に描かれた。さやかのオカズを盗んで「弱肉強食」だと言い放ったり、さやかの女友達に嬉々として抱きついたり、さやかの着替えを見て煽るなど、刃の食い意地とは一級品。その反面、さやかの身の安全を気にするそぶりも見せるなど、短いあいだに刃の魅力がギュッと詰まったシーンの連続だった。そして刃と鬼丸の戦いでは、たったワンアクションではあるが、刃の剣術とは一味違う、鬼丸の洗練された剣術が冴え渡っていて、印象的なシーンとなっている。これにはSNSでも「鬼丸様、キター！　登場シーンからしてラスボス感すごい！」「バチバチ感が伝わってきた！　今後の展開が楽しみすぎる！」などの声が寄せられていた。さて今回、約30年ぶりに新アニメとして『YAIBA』が描かれたわけだが、SNSを見ていると原作ファンや旧アニメファンはもちろん、初めて本作に触れた視聴者からも好評で、今後の展開にさらに期待値が高まる結果となった。次回、第二話「蘇る風神剣」は4月12日(土)に放送予定。次回のレビューもお楽しみに！

◆文／岡本大介