服飾専門学生が参考にするインフルエンサー 3年連続1位のあさぎーにょさんに聞く
繊研新聞社が全国の服飾専門学校生を対象に行うファッション意識調査で、「フォローしているインフルエンサー」の1位に3年連続で選ばれているあさぎーにょさん。SNS総フォロワー427万人のポップクリエイターで、自身のアパレルブランド「ポピー」も人気。「ワクワクを抱きしめよう」というメッセージに共感が広がっている。
――子供のころの夢は。
歌が好きで、小学生の時に三線を習い発表会で沖縄民謡を歌ったり、高校時代には地元の大阪のライブハウスやイベントで歌ったりしていました。付属校から大学に進んだものの、歌手になりたくてバイトで資金を作って19歳で上京。大学は中退しました。
――今の活動はいつから。
東京で歌手を目指し、オーディションを受け、路上ライブを続ける日々に行き詰まりを感じた時、映画『魔女の宅急便』で、うまくいかない時は立ち止まっていいという言葉を聞き、歌手志望を休んでみました。歌うことは好きだけど人生でやりたいことや伝えたいこと、自分の本質が見えない中で、歌い続けていて大変だったんだと気付きました。
旬の食材で料理をしたり、絵を描いてラインでスタンプを販売したり、自分の中の好奇心に気付き、日常をかみしめ、小さなワクワクを楽しむようになって転機が訪れました。アプリの会社の仕事でユーチューバーの存在を知り、日常の中で楽しそうだなと思ったことを動画で撮り、SNS感覚でアップし始めたら楽しくて1年半、毎日投稿しました。コメントをもらえ、自分がどんな人間か分かる契機になり、日常の中にある小さなワクワクを抱きしめたら楽しいことが広がり、フォロワーも増えました。
――服作りも始めた経緯は。
音楽を服に乗せて届けようという企画で、音楽が聴けるQRコードをタグに付けたパジャマを作ったら好評でした。自分で作った有形の物を人が身に着ける体験は初めてで、うれしくて続けるうちに、服のブランドを立ち上げることに。全ての活動は「人の心に眠るワクワクを膨らませ、人生を豊かにする」というビジョンの下、「ワクワクを抱きしめよう」というメッセージに乗せて行っています。
服の方向性が確立した00年にブランド名をポピーに変え、翌年には原宿に旗艦店を出しました。商品は色みや色の組み合わせにこだわり、店舗もシーズンごとに外装、内装の色や什器を変えています。ユーチューブは20代、30代のフォロワーが多いですが、ポピーは幅広い世代の私を知らない人も購入し、クリエイター系の人やアジア圏にファンが多いです。原宿にコンセプト店、2カ月に1回ほど都心の百貨店などに期間限定店も出していて、上海では夜まで入店できない人が出るなど盛況でした。
――今後の活動は。
日常の中でワクワクしたことは伝える手段として、カフェ、お祭り、スイーツなど、いつか街を作れるくらい活動の幅を広げたい。伝えたいことの本質は変えず、様々なことに挑戦し、ワクワクする仲間を増やしたいです。
――学生にメッセージを。
何になりたいかではなく、自分がどう在りたいかが大事。かなえる手段はいろいろあるので、どう在りたいかを大切にして下さい。
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