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ファーストリテイリングがPFAS全廃で先行 アンテナを張り、必要性を認識
2024.08.06 06:30
提供:繊研plus
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欧米のPFAS(有機フッ素化合物)規制が大きな話題となっているが、ファーストリテイリングは13年にPFAS全廃の目標を発表し、17年秋冬シーズンに達成した。実現までには非フッ素撥水(はっすい)の生地開発だけでなく、ミシン油の付着を防ぐ縫製工程の工夫、油分を含む縫い糸の選定など多項目の見直しが必要だった。世界に先掛けた同社の取り組みから、得られる教訓は多い。
有害物質について定めたストックホルム条約(POPs条約)で、フッ素系撥水剤にも含まれるPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が制限リストに記載されたのは19年のこと。これによってC8撥水剤は国際的に規制されることになったが、ファーストリテイリングはその2年前にC8どころか全てのPFASの不使用を実行に移した。
相当早くにアンテナを張っていた訳だが、00年代の米国の動きや環境保護団体の要請もあって、取り組みの必要性を認識していたという。またグローバル展開を強める中、こうした取り組みで世界の信頼を得る必要があるとの考えが経営層にあったことも大きい。
だが代替素材の少なかった当時は、開発の苦労も多かった。東レの協力を得て代替素材開発を進め、撥水性と風合いなどを両立。またミシン油の飛び散りを防いだり、検品時に手脂が付着しない工夫など工程の見直しも必要だった。早くから非フッ素対応でノウハウを積んだ上、素材を進化させ、24年秋冬に販売するシームレスダウンではC6フッ素相当の撥水性を実現した。
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