グラマー専用のランジェリー「マドレア」代表の風神まどかさん 売り場に無いサイズを自分で作る
「Gカップ以上のブラを売っている店が見つからない。あっても素材や縫製が悪いものが多かった。腹が立ってきて、それなら自分で作ろうと…」。20年からグラマー女性のためのランジェリーブランド「M'DREA」(マドレア)を立ち上げた。
(山田太志)
F65~K75まで
マドレアは、ワイヤブラでアンダーが65、70、75、カップがF~Kを揃える。グラマーさんへのサイズ対応を一番の売りに、高級リバーレースを惜しまず使ったデザイン性、着け心地やホールド感の両立を目指した。価格はブラで税込み約2万5000円などだが、「リバーレースをはじめ、本当に原価が高い物作りをしていますから、利益はかつかつです」と苦笑する。
プリレーヴジャパン(兵庫県宝塚市)代表のRIEMIさんが講師を務めていたバンタンデザイン研究所のランジェリーコースで学び、通学の傍ら、補整下着専門店でフィッターの経験も積み重ねた。
ブランドのマネジメント、素材やデザインの大枠は、風神さんが決めるが、支えはバックアップしてくれる人たち。多くの人が起業時に直面する国内工場での縫製スペースの確保や管理、素材の手配はRIEMIさんが積極的に応援、SNSでの発信は、ファッションモデルをお願いした女性が協力する。
服、美容関連も視野
物作りの基盤整備は一段落し、今、力を注いでいるのは販売だ。東京や大阪でフィッティング会を開き、地道にファンを増やしながら、ECサイトでの販売を進めている。まだ固定客は50人余りだが、リピーターが圧倒的に多いという。
「大きなカップの女性は、『自分たちはファッションの主流から見捨てられている』と感じている。こうした気持ちに寄り添った対話、ニーズに沿った物作りをしていけば、可能性は十分にある」。顧客の声を元にノンワイヤのブラも加え、将来的には胸の大きい人に会う服、美容関連商材なども手掛けていきたい考え。いずれはショップの展開、大きな胸の女性が悩みを共有しながら集える場所を作るのも夢だ。
とはいえ、現実はサイズ展開などランジェリー独特のマネジメントの難しさに直面する毎日。起業時の金融機関での借り入れもかなりの額になった。「とにかく中途半端な気持ちでは駄目。命がけくらいのつもりでやっていきます」。大阪生まれの大阪育ち。今年で28歳だが、「自分の人生の方向をマドレアビジネスに切り替えた。今はビジネス以外のことは、頭にありません」と笑顔を見せる。
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