AKB48村山彩希「見つけてくれてありがとう」劇場出演1339回“シアターの女神”が14年間の応援に感謝

2025.05.07 06:30

AKB48・村山彩希の卒業コンサート「村山彩希卒業コンサート～りんごの花が咲く頃に～」が5月6日、東京ガーデンシアターで開催された。村山を見送るため、柏木由紀、峯岸みなみ、岡田奈々、茂木忍らAKB48の卒業生や同期の仲間たちの他、小嶋花梨（NMB48）、斉藤真木子（元SKE48）ら姉妹グループからも駆けつける豪華な公演となった。

村山彩希のコンテンポラリーダンスで幕開け

“劇場(シアター)の女神”と呼ばれ、ここまでAKB48劇場への出演数は前人未到の1139回。オーディションのときから歌とダンスが大好きと言い、シングル選抜に選ばれながらも劇場公演にこだわり、誰よりも劇場に立ち続けた村山。

そんな劇場で磨いてきたパフォーマンスは確かなもので、ライブは村山の舞うようなコンテンポラリーダンスで幕を開けた。初めてのセンター曲「それでも彼女は」、これぞ村山のための曲と言える「シアターの女神」など、自身の足跡を振り返るようなセットリストでオープニングを飾る。

最初のMCで今の心境を聞かれると、「あのね、びっくりするぐらい楽しい。さっきまですごい泣いてたんですよ。円陣組んでポロポロしちゃってましたけど。考えられないぐらい楽しくて、これはあっという間に終わるやつ。あー、やばいやばい。かみ締めていきたいなと思います」と笑顔であいさつした。

茂木忍の登場にどよめき

悩んで悩んで、苦渋の選択で選び抜いたというユニットパートからは、NMB48キャプテンの小嶋、元SKE48の斉藤ら、村山とゆかりのあるAKB４８グループのOGメンバーたち17人が続々と登場。中でもどよめきが起こったのは、村山、向井地美音、岡田、茂木による「ゆうなぁもぎおん」の再集結だ。

2024年AKB48を卒業、芸能界を引退してからファンにとっては“消息不明”の茂木だったが、村山から何度もジャブがあり、「ゆうちゃん(村山)の中で大きい一つの出来事に“ゆうなぁもぎおん”がなれているんだったら、出ないわけにはいかないよね」ということで出演を決めたそう。

また、中田ちさととのデュエットの後には、「ちーちゃんは恩人なんですよ。私に“シアターの女神”という名前をくれたのはちーちゃん。選抜、非選抜とか言われてしまう中で、ちーちゃんは腰を痛めながらも劇場を守ってくれた。絶対にこれを継承したいと思って、『シアターの女神になります！』って宣言したんです。本当にありがとうございます」と、感謝を伝えた。

さらに、村山の憧れの先輩である柏木とのデュエット、懐かしの“峯岸チーム4”の10人の集結など、ファンの胸に刺さる熱いパフォーマンを立て続けに披露。会場には来られなかったという二人――村山の小さい頃からの友人、＝LOVEの諸橋沙夏と、現SAY MY NAMEのHITOMI(本田仁美)からもビデオメッセージが届き、村山の卒業に花を添えた。

そして、本編ラストは横山結衣も駆けつけての「根も葉もRoumor」。AKB48史上最高難度と言われるダンスナンバーは、劇場に立ち続け、歌、ダンスパフォーマンスを追求してきた村山らしい選曲だった。

赤と白の卒業ドレス、最後は幻想的な天蓋幕に包まれて

本編33曲の後は、会場いっぱいに広がる「ゆいりー」コールに呼び込まれ、赤と白の華やかな卒業ドレスに着替えた村山が登場。

「優しい後輩がたくさんいたからこそ、私もAKB４８にいて何かを残してあげたいと思えたんだと思います。本当にありがとう。やっぱりメンバーと離れるのは寂しい。本当につらいけど、私が今このタイミングで卒業することで、残せることもあったんじゃないかと思います。『ステージは平等であって、ステージは楽しいんだよ』ということを感じ取ってくれたらと思います」と、メンバーたちへエールを送る。

ファンに向けては、「最初はただ劇場に立ちたいだけだったけど、気付けばファンの皆さんが作ってくれるあの空間、あの劇場が好きなんだと気付きました。劇場に立てなくなるのは寂しいけど、これからも成長していきたいと思わせてくれたのはファンの皆さんで、まだいろいろな光景を見ていきたいと思っています。不器用なゆいりーをこれからも支えてくれるとうれしいしいです。14年間、応援してくださって、見つけてくれてありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えた。

アンコールでは、秋元康氏が村山のために書き下ろした卒業ソング「ゆいりー」を情感たっぷりに熱唱。その余韻が残る中、現役メンバーがステージに上がり、「流れ星に何を願えばいいのだろう」「君が教えてくれた」を村山とともにパフォーマンス。それぞれが村山と目を合わせ、涙を浮かべていた。

最後は「歌詞がとても好き」という「少女たちよ」を歌い上げた村山は、「14年間、楽しい青春をありがとうございました」と述べ、深く一礼。笑顔で会場に手を振ると、天蓋幕に包まれてステージを後にした。

なお、村山は自身の誕生日である6月15日(日)までAKB48に在籍。その日にAKB劇場で卒業公演が行われる。

◆取材・文＝鈴木康道

AKB48・村山彩希の卒業コンサート「村山彩希卒業コンサート～りんごの花が咲く頃に～」

◇5月6日(火)◇東京・東京ガーデンシアター

＜出演者＞

岩立沙穂、村山彩希、福岡聖菜、向井地美音、小栗有以、倉野尾成美、坂川陽香、下尾みう、高橋彩音、徳永羚海、永野芹佳、橋本陽菜、千葉恵里、鈴木くるみ、田口愛佳、長友彩海、武藤小麟、山内瑞葵、大盛真歩、太田有紀、佐藤綺星、橋本恵理子、平田侑希、布袋百椛、正鋳真優、水島美結、山崎空、秋山由奈、新井彩永、工藤華純、久保姫菜乃、迫由芽実、成田香姫奈、八木愛月、山口結愛、伊藤百花、奥本カイリ、川村結衣、白鳥沙怜、花田藍衣、大賀彩姫、近藤沙樹、丸山ひなた

※畠山希美は休演

＜ゲスト＞

峯岸みなみ、柏木由紀、中田ちさと、岡田奈々、茂木忍、梅田綾乃、大島涼花、岡田彩花、北澤早紀、篠崎彩奈、高島祐利奈、横山結衣、大西桃香、小嶋花梨(NMB48)、斉藤真木子(元SKE48)、黒須遥香(KLP48)、山根涼羽(KLP48)

＜セットリスト＞

00.overture 2.0

01.それでも彼女は／村山・岩立・大盛・小栗・倉野尾・下尾・鈴木・田口・千葉・徳永・長友・橋本(陽)・福岡・向井地・武藤・山内

02.シアターの女神／ ALL

03.チャイムはLOVE SONG ／ ALL

04.ハートの脱出ゲーム／ ALL

05.なんてったってアイドル／村山・秋山・大盛・岩立・小栗・倉野尾・佐藤・下尾・鈴木・千葉・橋本(恵)・水島・向井地・武藤・八木・山内

06.黒い天使／村山・成田・八木

07.コップの中の木漏れ日／村山・秋山・新井・鈴木・橋本(恵)・正鋳・伊藤