中村倫也が高校生役を演じて存在感を見せた、13年前の長澤まさみ主演作＜高校入試＞

2025.02.27 11:30

県立高校の教室に「入試をぶっつぶせ！」という物騒な紙が、何者かによって貼られたミステリードラマ「高校入試」(2012年、フジテレビ系)をご存じだろうか。まだスマホも普及前の、今から13年前に放送された作品で、主演は長澤まさみ。ネット上の「裏掲示板」に、学校関係者しか知らない情報がどんどん流出し、入試そのものや学校の存在を恨む者が一体誰なのかという謎が深まっていく。舞台となる地元の有名校を5年前に受験した光一役として、中村倫也が出演している。光一の過去に深い闇があったことが描かれる第7・8話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます)

行方不明の答案用紙を知る者探しが始まる

今作は「告白」や「Nのために」などヒット小説を生んだ湊かなえ脚本のオリジナルドラマ。入試を目前に控えた県立高校を舞台に、新任教師の春山杏子(長澤まさみ)をはじめ、犯人不明のまま謎の事件が連鎖していくミステリー。現在FOD・TVerでは「#ドラ活浸れ、超自分的ドラマ生活。」キャンペーンを開催中で、3月17日(月)まで第1～3話が無料公開されているほか、順次全話を無料配信している。

第7話で、杏子と坂本(高橋ひとみ)は、英語の答案用紙が1枚足りないことを報告する。校長の的場(山本圭)は外部に漏れることを気にし、英語の採点チームと試験会場を担当した教師たちで、行方不明の答案用紙を探すよう指示する。さらに荻野(斉木しげる)は、答案用紙に関わった人たちから1人ずつ事情聴取していく。一方、杏子ら教師たちは事情聴取の順番が回ってくるまでの間、行方不明になった受験番号46の答案用紙を校内中探し始めたが、なかなか見つからない。

ブレイク前の中村倫也が受験に失敗した高校生を演じる

続く第8話。受験番号46の英語の答案用紙が行方不明になり、不穏な空気が流れる杏子たちの前に同窓会長の沢村(入江雅人)が現れる。校舎の中庭の壁に英語の答案用紙が貼ってあるのを見つけたというのだ。受験番号46の答案用紙だと思った杏子たちだったが、それには受験番号55と書かれていた。

受験番号55は沢村の息子(清水尋也)の受験番号。沢村は、なぜ息子の答案用紙が中庭にあったのかと杏子たちに詰め寄る。受験番号55の答案用紙を採点してみると、なんと満点だった。すでに採点済みの受験番号55の答案用紙は空欄もあり、満点ではない。2枚存在する受験番号55の答案用紙はどちらが沢村の息子の答案用紙なのか、教師たちは頭を悩ます。

受験の当日に、教室で携帯電話が鳴ったり、答案用紙が消えて再び現れたかと思えば受験番号が異なっていたりと、誰が何のために教師たちをあざ笑っているのか分からない展開になっていく。中村倫也演じる光一は、この県立高校の元受験生であり、なおかつ不合格となってしまったことで人生が一変してしまった人物。弟にも明るく接する優しい兄だった光一が受験を境に変ぼうしてしまった闇が描かれる。

2018年にNHK連続テレビ小説「半分、青い。」に出演し、ブレイクを果たした中村倫也が出演していたことに、当時から気付く人は少なかっただろう。しかし、今見ると明らかに演技派オーラが漂う中村の繊細なシーンにも注目してほしい。