中山秀征が振り返る若手時代の苦悩「ダウンタウンやウンナンの波に飲まれるしかなかった」
海千山千の芸能界を肩ひじ張らないスタンスでサバイブしてきた中山秀征(56)。共演者の魅力を最大限に引き出す力は以前から定評があったが、最新の書籍『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』(新潮社)が発売前に重版がかかるなど、その哲学と戦略に改めて注目が集まっている。そこで本人を直撃したところ、テレビでもおなじみの淀みないトークを目の前で展開。これまでの半生からテレビの未来図まで縦横無尽に語ってくれた。(全4回の1回目)
もともと僕はABブラザーズというお笑いコンビで世に出た人間。でも、そもそも芸人志望じゃなかったんです。「第2の吉川晃司、募集!」というキャッチコピーに導かれるようにして渡辺プロダクションに入ったものの、歌はいまいちだということになり、その後は芝居も向いていないとダメ出しされた。そんな中で「これからのテレビはバラエティの時代になる」と言われ、流れでお笑いをやることになったんですね。
まだ当時はお笑いの学校なんてなかった時代だったけど、若手お笑いグループ「BIG THURSDAY」の1期生として活動することになりまして。そこで一緒になったのが、ABブラザーズで相方になった松野大介さん。あとはホンジャマカの石塚英彦さんや脚本家の三谷幸喜さん。
僕らの率直な気持ちとしては「芸人になりたい」という感じではおそらくなかったですね。実際、事務所も“芸人募集”とは謳っていなかったです。あくまでも“タレント募集”であり、エンターテインメントの人材育成だったんですよ。そもそも渡辺プロは音楽に強かった事務所だから、関西でいうところの芸人という感覚は希薄でしたしね。お笑いトリオとしてヒップアップは在籍していたけど、彼らはクレイジーキャッツの付き人からスタートした存在。ドリフターズだってベースはミュージシャンですからね。
とにかくそれでお笑いをやることになったのが17歳のとき。ただ、渡辺プロでお笑いをやろうとしたところで前例がなかったんですよ。コント赤信号あたりまではストリップ劇場で修業する流れもあったと思うんですけど、まだ時代的には渋谷『ラ・ママ』で新人コント大会が始まる前でしたし。だから下積みらしい下積みも一切なかった。BIG THURSDAYでは、アナウンサーの方について原稿を読む練習をしたり、作ったネタを見てもらったりしましたね。あとは演技やフリートークの練習とか。
ABブラザーズもスタートはトントン拍子だったんです。いきなり小堺一機さんがやっている『ライオンのいただきます』(フジテレビ系)に抜擢されて、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送系)では最年少パーソナリティ(当時)として4時間も枠をもらって……。
ところが、その頃からダウンタウンやウッチャンナンチャンを中心とした“第3世代”と呼ばれる芸人がどんどん席捲してくるわけですね。僕たちは、その大きな波にただただ飲まれるしかなかった。明確に覚えているのは『お笑いベストヒット』(TBS系)というランキング形式のお笑い番組があって、僕らABブラザーズはすでに名前が売れていたから上位で登場するんですね。それが日を追うごとにウッチャンナンチャンとかB21スペシャルに抜かれていくわけですよ。自分たちのお客さんが取られていくのをボーッと眺めるしかなくて。
その頃の僕たちときたらテレビでのタレント活動が忙しくなっていて、ネタを作る時間もなければライブもやっていなかった。敵うわけがないんですよ。それで僕はマネージャーに懇願したんです。「もう一度、ここでビシッとネタを作らせてほしい。お笑いで勝負したいんです」って。そうしたらマネージャーは「いや、負けを認めろ」と言ってきました。僕たちにお笑いをやれと言い出したのは、そのマネージャーなんですよ? それなのに今度は辞めろというんだから、さすがに唖然としましたけど。
でも冷静に考えると、たしかにそれは一理あるんです。だって中山秀征はもともと芸人志望だったわけでもないし、幼少期からの長い付き合いのなかでお笑いをやってきたダウンダウンとかとは志が違うわけじゃないですか。僕は歌手や俳優の道にすすめなくて、背水の陣で挑んだのがお笑いで、しかも、相方も本当は作家になりたいという気持ちがある。もうこれは勝負にならないですよ。
番組内のランキングが下がったことで「犬死したくねぇ!」とムキになっていた部分があったけど、そもそも自分はお笑いのフィールドで戦う人間じゃなかったなと気づいたわけです。
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