芦田愛菜“響”が西島秀俊“俊平”と和解 「一緒に演奏する」という約束を果たした<さよならマエストロ>
西島秀俊主演の日曜劇場「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第9話「父と娘のアパッシオナータ」が3月10日に放送された。同作は、“ある事件”で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が、地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていく完全オリジナルのヒューマンドラマ。第9話は、響がついに俊平と和解をした。(以下、ネタバレを含みます)
愛と魂の物語を彩る個性豊かなキャスト陣
西島、芦田の他、芦田演じる響の同僚のポジティブ思考で明るいトランペッター・森大輝役に宮沢氷魚、魔性のフルート奏者・倉科瑠李役に新木優子、クラシックに恋する高校生・谷崎天音役に當真、クラシックを諦めたチェリスト・羽野蓮役に佐藤緋美、プレッシャーに弱いティンパニー奏者・内村菜々役に久間田琳加を配役。
また、俊平の息子・海を大西利空、響と海の母親・志帆を石田ゆり子、晴見市の市長・白石一生を淵上泰史、コンサートマスター・近藤益夫を津田寛治、うたカフェの店主・小村二朗を西田敏行、俊平の元マネジャー・鏑木晃一を満島真之介、市民オーケストラの団長・古谷悟史を玉山鉄二が演じている。
脚本は、「凪のお暇」(2019年)、「妻、小学生になる。」(2022年)などを手掛けた大島里美氏。劇伴は「テセウスの船」(2020年)、「日本沈没―希望のひと―」(2021年)をはじめ、多くの作品を手掛けている菅野祐悟氏が担当。
さらに、東京音楽大学教授であり、日本クラシック界をけん引している世界的指揮者の広上淳一氏が同作のオーケストラを全面監修。また、オーケストラの演奏部分は東京音楽大学が全面バックアップしている。
仙台オーケストラフェスティバルへの参加が決定
仙台オーケストラフェスティバルに参加できることが決定した晴見フィル。終わりが近づいた晴見フィルにとって、これは最後の演奏になるかもしれないが、大きな希望でもあった。
しかし、喜んでばかりもいられない。あおぞら文化ホールが使えないので練習場所がなく、仙台までの演奏費用も馬鹿にならない。
それを解決してくれたのは瑠季(新木優子)だった。熱海にある保養施設を使わせてもらえることになったのだ。保養施設に来ている人たちに向けて、無料コンサートを行うということを条件に。
響(芦田愛菜)も大輝(宮沢氷魚)に「キャンプに行こう。またの名を音楽合宿」と誘われ、一緒に車で現地に向かうこととなった。
恩師シュナイダー先生の手紙がきっかけで「晴見シンフォニー」が誕生
俊平は晴見フィルのメンバーに“ある楽譜”を渡した。それは、俊平が晴見フィルと出会った時に即興で演奏してもらったシンフォニーを譜面に起こしたものだった。
保養施設での無料演奏会では、「私たちの紹介をこの曲でさせていただきたいと思います。私たちの住む街とこのオケのメンバーの物語を音楽で。『晴見シンフォニー』」と、晴見フィルの自己紹介がわりに演奏。これは再びタクトを振ることが出来た俊平の晴見フィルへの感謝の気持ちを込めたものでもあった。
この曲を譜面にしたきっかけとなったのは、シュナイダー先生からの手紙。そこには、5年前に俊平が指揮を辞めた理由が、自身が日本の四国へ逃れた理由と同じだと感じた、と書かれていた。
「空っぽになった。音を奏でることが無意味になった。僕は妻を亡くして、君は娘さんの心を失って。どんなに拍手喝采を浴びようとも一番大切な人がいないと虚しいだけだと、世の中に、音楽に背を向けた」
「もっといい演奏が出来るよ」という言葉が生んだ溝
野球少年だった俊平の真っすぐな情熱が、シュナイダー先生が再びタクトを振るきっかけとなった。音楽を好きになった時の気持ちを思い出させてくれたという。
響は、俊平に届いたその手紙を読み、自分のこれまでのことを振り返った。音楽が当たり前にある環境の中で育ち、音楽が好きになってヴァイオリンを始めた。しかし、年齢が上がるにつれて、「私、小さい頃からいる周りの人たちと違うのかもしれない」という疑問が湧き上がってきたという。
練習してその疑問を払拭したいと思っていた響だが、5年前、その心が折れた。自分にとってベストな演奏が出来たと思ったが、俊平はそれを「すごく良かった!」と誉めながらも「第三楽章、ちょっと走ったね。あそこを修正すればもっといい演奏できるよ」とアドバイスを送った。
その俊平の言葉に、響は分かり合えないことを知った。自分には「もっといい演奏」は出来ないから。
大輝「マエストロは帰ってきた。響さんのところに」
会場を飛び出した響は事故に遭い入院。病室に駆けつけた俊平に響は「パパのせいで私、音楽が嫌いになったんだよ」と泣きながら訴えた。俊平にはその理由は分かっていなかったと思うが、娘にそのような気持ちにさせてしまったことへの罪悪感で、指揮をやめることを決意。
響は、これまでのことと、自分の思いなど全てを大輝に打ち明けた。すると大輝は「でも帰ってきた。マエストロは帰ってきた。響さんのところに」という言葉を響にかけた。
帰宅した響は、読まずに溜まっていた俊平からの手紙を読み返した。そこには音楽の話題はひとつもなく、俊平が響のことを思って一生懸命に話題を探して書いたことが伝わってきた。
5年間の空白が一気に埋まった2人は、“一緒に演奏する”という約束を果たすことに。俊平のピアノと響のヴァイオリンの音色が重なり、ついに和解の時が訪れた…。SNSには「最高すぎる和解に思わず涙が」「最後の演奏シーンに涙が止まりません」「毎回泣かされていますが、今回はずっと泣きながら見てました」という感涙したという声が多数。次回、いよいよ最終回。晴見フィルがどうなるのか見届けたい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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