<子育ての格差>「兄嫁は格が違うのよ」「頭のいい女は生意気」…嫁差別、世代、実家の溝
2025.11.17 05:00
提供:ママスタ☆セレクト
「多摩川格差」という言葉が話題になりました。東京都と神奈川県の間には多摩川があり、そこには子育て支援などの「格差」の実態があるのではないか、というものです。これは地域にまつわる格差のひとつですが、家族を持ち、子どもを育てていくとさまざまな格差に出くわしてしまうことがあるのではないでしょうか。今回は、その格差の間で揺れる女性たちのお話です。
エピソード1:<義母の嫁差別>義兄嫁はお嬢さんなら、弟嫁は奴隷デスカ?
アリサ(仮名)さんは夫・トモヤ(仮名)さんと中学2年生の息子、コウセイ(仮名)くんと暮らしています。義実家は車で2時間の距離。アリサさんは結婚当初から義母の嫁差別に苦しみ、今では盆暮れの挨拶以外は顔を出していません。義兄の妻・ユウコ(仮名)さんを溺愛し、「いいところのお嬢さん」と褒めちぎる一方で、アリサさんには冷たい言葉を浴びせてきたからです。

そんななか義父が入院し、軽い介護が必要になってしまいました。帰り道、義母は突然「介護はアリサちゃんにやってもらうからね」と言い放ちます。義兄夫婦は実家の近くに住んでいるのに、なぜ2時間も離れた自分が?

怒りをおさえられなかったアリサさんは、夫に強く訴えるも、曖昧な返事をされて終わり。結局、アリサさんは自ら義兄嫁のユウコさんに連絡を取り、「話し合いがしたい」と伝えることにしました。
<義母の嫁差別>義兄嫁は良いところのお嬢さん「アナタとは格が違うのよ~」ウザッ!【第1話まんが】
エピソード2:<頭がいい女性は生意気>教育の差別が生んだ世代の溝
千代子(仮名)さんはふたりの子どもを育て上げ、今では孫も生まれました。そんな彼女が最近よく思い出すのは、自分の幼少期のこと。千代子さんの母親は「頭がいい女性は男性から生意気だと思われる」と信じており、勉強する機会を与えてくれませんでした。その一方で兄には熱心に勉強を教えていたのです。幼い彼女は、その不公平さに胸を痛めながらも何も言えませんでした。

勉強をさせてもらえなかった反動から、千代子さんは娘の麗子(仮名)さんには勉強をしっかり教えました。しかし、息子のヤマト(仮名)さんには「できる範囲で」と力を抜いてしまいました。結果として、麗子さんは国立大学に入り、大学院を経て教師になり、ヤマトさんは手に職をつけました。きょうだいはそれぞれ家庭を持ちました。そして姉の麗子さんの娘、中学生のアカリ(仮名)ちゃんは勉強好きに、弟のヤマトさんの娘、小学生ののぞみ(仮名)ちゃんは勉強が苦手だったのです。

教育の差が、世代を超えて影を落とすこともあるのかもしれない……と孫の違いを見て、千代子さんは胸が痛みました。「私がなんとかしなくちゃ」と、千代子さんはのぞみちゃんに勉強を教えようと決心したのですが……。
<トラウマはありますか?>「頭がいい女性は男性から生意気だと思われる」教育の差別【第1話まんが】
エピソード3:<格差婚>裕福な家に育った私。ところが旦那実家はお金がなくて…
地方都市の社長令嬢として育ったサリナ(仮名)さん。一方、夫のコウタ(仮名)さんの実家はそれほど裕福ではありません。結婚当初から周囲には“格差婚”とささやかれました。サリナさんの両親は「ご祝儀」として新居の初期費用や家具家電、新婚旅行まで負担してくれました。でも結婚をするとき結納はなく、夫側の両親からはお祝い金ひとつありませんでした。

結婚後、ふたりには女の子、エイミ(仮名)ちゃんが生まれました。しかし次第に、コウタさんの態度は次第に冷たくなっていきます。「母親なんだから泣き止ませろ」「稼ぎのある俺が優先だ」……夫を信じていたはずが、いつしか言葉の暴力が日常に。エイミちゃんが2歳を迎えた頃、義両親から突然呼び出され「長男だから同居するべき」という一方的な要求までされる始末……。経済的な支援と、サリナさんの介護をあてにしてきたようです。

夫はサリナさんの実家から受けていた援助をすべて隠していました。そのことを口にすると「だから嫁の実家がデカい顔をしていたのか」と義父から強い言葉を投げ掛けられたのです。家に帰ると「うちの親の顔が丸潰れだ!」とコウタさんは怒り、その高圧的な口調はまるで義父そのもの。これ以上一緒にいても……サリナさんの頭のなかを“離婚”の文字が横切りました。
<格差婚は問題アリ!?>裕福な家に育った私、両家の経済感覚・価値観の違いに戸惑い【第1話まんが】
ママたちの見えない格差にどう向き合うか
育った環境、家庭の経済状況、親から受けた教育……価値観の違いを認識することがあります。それぞれの背景が、無意識のうちに人の考え方を形づくっているのかもしれません。大切なのは、違いを責め合うことではなく、どう向き合うかを考えること。さまざまな格差には、遠慮ではなく対話が必要なのかもしれません。
文・岡さきの 編集・編集部
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