ファンが語る「運命のBTSソング」20選【9周年記念／読者アンケート結果】

紹介する楽曲は回答の数に関わらず、印象的なエピソードが寄せられたものの中から厳選。最後に、回答数の多かったTOP10も紹介する。なお20選はリリース順に紹介。歌詞の翻訳はモデルプレス編集部による意訳を含む。

Tomorrow

2ndミニアルバム「Skool Luv Affair」（2014年2月12日）収録

SUGAのデビュー前の自作曲を、グループのため修正しリリースした曲。絶望的な挫折の中でも“逃げ出さず諦めず自分の夢を追え”と言い聞かせるような歌詞が印象的。悲しげなサウンドながら音楽に対する情熱を感じる初期の名曲だ。「日が昇る前の夜明けが一番暗い」という歌詞は2020年9月にBTSが国連総会へ寄せたメッセージでも引用され、コロナパンデミック下で希望の象徴にもなった。

「その曲に出会った時、仕事も何も上手くいかず、途方に暮れていました。覇気もなく、毎日毎日が辛かったです。たまたま聞いて、韓国語はわからないですから、“Tomorrow～”だけ耳に残って。訳を読み、しっかり立っていないと吹き飛ばされてしまう… 挫折しても振り返るな、明日を信じろ！と励まされたようでした。今でもよく聴いています。私のベストソングです」（40代女性）

I NEED U

3rdミニアルバム「花様年華 Pt.1」（2015年4月29日）収録

デビュー初期の学校三部作を終え、今に続く「花様年華」の世界観の始まりとなった曲。なによりBTSが初めて韓国内音楽番組で1位を獲得した曲でもある。所属事務所共々、数多の試行錯誤の末完成し、BTSにとってもファンにとっても忘れられないターニングポイントとなった運命の曲だ。青春の美しさと苦しみを表出させたパフォーマンスが話題を呼び、この曲からファンになったという人も多い。

「この曲がきっかけでBTSが好きになった思い出の曲です」（20代女性）

「娘たちが見ていた韓国の歌番組を何気なく一緒に見ていて、この曲とパフォーマンスに一目（一耳）惚れ。辛い時期にこのグループとこの曲に出会い、この歳で楽しい時間が持てた事に感謝」（50代女性）

「花様年華の始まりの大事な曲であり、現在の楽しく幸せな日々をくれるバンタンにとってもとても大事な節目の曲だからです」（40代女性）

Whalien 52

4thミニアルバム「花様年華 pt.2」（2015年11月30日）収録

“世界でもっとも孤独な鯨”と言われる52ヘルツで鳴くクジラをテーマに、音楽業界、芸能界という宇宙で孤独にもがいていた彼らが重なる曲。他の個体には聞こえない周波数で鳴く、正体不明の宇宙人のようなクジラ。数年後、世界中に希望をもたらすことになる彼らが歌う「もう1度歌ってみる 返事の無いこの歌が明日に届くときまで」という歌詞は、常に孤独と闘う人々の慰めとなる。

「独り暮らしで、コロナのせいで友達を誘って遊ぶことができず、ひとりぼっちで塞ぎ込んでいました。この曲は珍しい周波数で鳴く孤独なクジラを題材に『僕の声は聞こえているかな？』と孤独を分かち合える曲です。状況は変わらずとも、バンタンの優しい声とメロディーで孤独なのは私だけじゃないと少し救われました」（20代女性）

Blood Sweat & Tears／血、汗、涙

3rdフルアルバム「WINGS」（2016年10月10日）収録

世界が少しずつ見え始めたBTSが挑戦した、彼らのディスコグラフィーの中でも珍しいムーンバートンジャンルの曲。世界的なトレンドとなっていたこのジャンルを彼らなりに解釈し、大人になる直前に少年が陥る危機を神秘的、官能的に表現した。少年の深い精神世界を描いたヘルマンヘッセの小説「デミアン」を題材とし、純粋さと不純への誘惑の間で揺れる退廃的な心情を描き出す。芸術的なダンスパフォーマンスも話題となった。

「BTSってこんなに総合芸術みたいな曲をやるんだ？！と目から鱗が落ちた曲です。アルバムのティーザーからデカダンスな感性が際立っていて、緻密な絵画を観ているようで、耽美なパフォーマンスも圧倒的で、一気に引き込まれました。丁度進路に悩み、真っ暗闇にいた時だったこともあり、大人にならなきゃいけなくてもがき叫んでいるような歌詞にも強く共感しました。涙しながらMVを見てそのままファンになりました」（20代女性）

2! 3!

3rdフルアルバム「WINGS」（2016年10月10日）収録

「『花道だけを歩こう』そんなこと僕には言えない」という歌詞で始まるこの曲。生きることは試練や悲しみの繰り返しであり、そのことを彼らは知っている。それでも「1、2、3！数えたら忘れよう 悲しい記憶は全部消して 僕の手をとって笑って」「良い日がこれからはたくさんありますように」と、共に乗り越えていこうと歌うこの曲は、涙なしでは聴けない涙腺スイッチソングとして記憶されている。

「この曲を聴き、辛いことや悲しいことが起きてしまっても、いつか笑いあえるいい日が来ることを願っていこう。そこで止まらず先の明るい未来を願って進もう。と前向きにさせてくれた曲」（20代女性）

「挫折していた頃、人生を救われました」（50代女性）

Spring Day

SPアルバム「WINGS外伝：You Never Walk Alone」（2017年2月13日）収録

“長い冬を超え、春の日にあなたに会いたい”。会えなくなった恋しい存在への想いがつづられ、大衆にも知られるようになった人気曲だが、一方で非常に深い意味も込められている曲だ。MVは哲学小説「オメラスから歩み去る人々」が題材となり、多数の幸福のために少数が犠牲になるという社会問題を映し出し、セウォル号事件の犠牲者の鎮魂歌とも言われている。またその歌詞ゆえに、コロナ禍で会えない存在を想い聴かれる曲にもなった。

「セウォル号のドキュメンタリーを観ていた際にこの曲が流れて涙が止まらなかったが、『会いたい』という切実な歌詞が切なくも素敵だと思った」（20代女性）

「この曲の歌詞が『BTSに会いたい。いくら待てば、いくつ季節を越えたら会えるんだろう』という私の心同然で、私の気持ちを歌っているの？と思うぐらいでした」（10代女性）

Outro:Wings

SPアルバム「WINGS外伝：You Never Walk Alone」（2017年2月13日）収録

いつかは飛べると信じて疑わなかった幼いころの自分、大人になるにつれたくさん傷ついた自分…。“傷ついた翼でも自分を信じて思い切り飛んでみよう！”と、全ての人々の背中を押してくれる曲だ。少年が大人になる過渡期にぶつかる危機を描いたアルバム「WINGS」の集大成となり、大きく翼を広げて飛んでいくような爽快さをトレンディなフューチャーベースが引き立てる。

「本当に精神的に辛くて悩んでいた時、SUGAさんのラップパート“お前が選んだ道だろ、ビビるなよ”という部分が当時の私にすごく刺さって、めげずに頑張ろうと思わせてくれた曲です」（10代女性）

「私の人生を変えてくれた曲です！BTSに出会う前は人生があまり楽しくなく、笑顔も溢れなかった毎日を送り、自分ではない自分で人生を生きているような気がしたときにBTSに出会い、人生を変えてくれました。感謝してもしきれないぐらいの存在です。BTSに出会って、自分の夢が少しずつ見つかり、笑顔も溢れて今も過去の自分ではないぐらいの開放感で毎日を生きています！」 （10代女性）

MIC Drop

5thミニアルバム「LOVE YOURSELF承 ‘HER’」（2017年9月18日）収録

徐々にポップスアーティストへと変化していったBTSが、ヒップホップグループとしてのアイデンティティを改めて誇示したような曲だ。マイクドロップとはパフォーマンスやスピーチの最後に意図的にマイクを落とし、勝利をアピールするジェスチャー。華々しい成功を収め始めた彼らが、デビュー当初から寄せられていたヘイトやアンチの嫌がらせに「最後の挨拶だ 掛ける言葉もないし謝罪もするな」と別れを告げる強烈な歌詞が清々しい。

「コロナ禍でBTSにハマりました。特にこの曲を聴いたときにすごくかっこい曲だなと思い、アンチに対する歌と知り、訳を見たりして、ワールドスターである彼らがこんなあからさまにアンチについて歌っている事に対して驚き、今まで苦労してきた事を知りました。この曲がなかったらもっとBTSを見ようとは思わなかったかもしれないので、この曲がわたしの運命ソングです」（20代女性）

Sea

5thミニアルバム「LOVE YOURSELF承 ‘HER’」（2017年9月18日）収録

アルバムの“隠しトラック”として収録。「砂漠と海」というBTSを象徴するテーマを紡ぐ、知る人ぞ知る曲ながら非常に意味深い曲だ。「恐ろしかった砂漠は僕らの血汗涙で満ちた海になった」と成功を自覚しつつも、ここは本当に海なのか、青い砂漠なのか…と自問自答する。村上春樹の「IQ84」から引用した“希望のあるところには必ず試練がある”という歌詞を繰り返し、これからも試練や絶望に身を投じながら走るしかないのだという覚悟を感じる曲だ。

「落ち込んだときや失敗したとき、挫折しそうなときに絶対に聴く曲です。『希望のあるところには必ず絶望がある』『僕らは絶望しないといけない 全ての試練のために』という歌詞に出会えたことだけで運命だと思います。希望と絶望は表裏一体で、どんなに絶望しても、それはの希望のためだと思えるし、どんなに希望に満ち溢れて見える人も、同時に絶望を感じているかもしれない、それはみんな同じなんだと思えた曲です」（20代女性）

Crystal Snow

日本8thシングル「MIC Drop／DNA／Crystal Snow」（2017年12月6日）収録

日本オリジナル曲だが、RMが制作の一部に参加。BTSには珍しいウィンターソングだ。不確かなものを愛する切実な想いをすぐに消えてしまう雪の結晶に例え、離れた場所にいるファンへのファンソングとしても聴くことができる。普段あまりないメロディアスなバラードを聴けるのが日本オリジナル曲の魅力とも言えるだろう。こういったジャンルを好むボーカルメンバーがお気に入り曲に挙げることもあり、海外ファンにも人気の曲。

「コロナ禍であり、推し事もあまり出来なく、学校でも上手くいかなくて、鬱病になってしまったり、失恋してしまったりという負の連鎖で気持ちがどん底にいた時、この曲を聞いてとても心を救われました。毎日毎日BTSの曲を聞いていて、この曲は1日3回は絶対に聞くほど私の心に響く曲です。今は鬱病も完治していて、この曲には本当救われたと思っています」（10代女性）

「第二子出産時、帝王切開だったため好きな曲かけていいよーと看護師さんに言われ、手術中『Crystal Snow』を流してもらいました。一番好きな曲で、ちょうど冬だったため、ぴったりかなと思い…。緊張と恐怖で死にそうでしたが（笑）、この曲を聞いて落ち着いたのを覚えています。看護師さんにもARMYが何人かいらっしゃって、手術前にみんなで盛り上がりました。無事に元気な子を出産し、幸せな時間でした」（30代女性）

Magic Shop

3rdフルアルバム「LOVE YOURSELF轉 ‘TEAR’」（2018年5月18日）収録

JUNG KOOKがメインで制作に参加し、ファンに贈った慰労の曲。マジックショップという心理療法をテーマに、BTSがファンの悲しみや痛みを癒やす場所になると伝えるファンソングだ。“永遠に消えてしまいたいような日も、心の中のドアを開ければこの場所が待っている”といった内容や、互いに全てをさらけ出せることを示すような「So show me (I'll show you)」といったコール＆レスポンスもあいまって、BTSとARMYの信頼関係を象徴する曲となっている。

「学校に行くが嫌になり、たまに行く学校で先生に毎回他人と比べられて毎回『どうして他人と比べられなくちゃいけないんだろう』と思うようになり、だんだん心が精神的に病んでしまいました。BTSの曲をランダムで流していたらその時たまたま『Magic Shop』が流れて、日本語に翻訳したら歌詞が心に響いて本当に励まされました」（10代女性）

「母親の入院、仕事の忙しさ、コロナの規制など色々なことが重なって、モヤモヤ、イライラしていたときに、『Magic Shop』が流れていました。『僕が僕であることが嫌な日、永遠に消えたい日、扉を一つ作ろう、君の心の中にそのドアを開けて入ればこの場所で待っているよ、信じても大丈夫、君を慰めてくれるマジックショップ』 という歌詞とJIMINさんの歌声で泣きました。泣いたらスッキリして、泣きたかったんだと実感しました。助けられた曲です」（30代女性）

Paradise

3rdフルアルバム「LOVE YOURSELF轉 ‘TEAR’」（2018年5月18日）収録

SUGAがインタビューで語っていた「夢がない人も大丈夫です。幸せならいいんです」という言葉と通ずる曲で、シビアな現代で生きる人々に「理由もわからないまま走らなくていい」「夢がなくても大丈夫」「立ち止まっても大丈夫」と息をつかせてくれる曲。“夢”という言葉さえ呪いになりうる効率重視の競争社会で揉まれる我々に、“少しの幸せを感じられさえすれば楽園なのだ”と気づかせてくれる。

「Dynamiteで彼らを知り、彼らの曲を聴く時間が増えていたある日。不意に流れてきたこの曲のイントロで心を掴まれ、その作り込まれた音とメロディーの虜になりました。何より歌詞に『夢がなくても大丈夫、ひとときでも幸せを感じる瞬間があれば』『無駄に走るのはもう止めて、みんなが見ている夢がなくたって構わない』という意味が込められていた知ったとき、止めどなく涙が溢れました。当時やりたいことや夢もなく、精神的も辛い日々が続き心が折れそうになっていたのですが、私なんかよりもっと辛い思いをしてきたであろう彼らがくれる言葉だからこそ深く刺さり、また前を向けるようになりました。気持ちが落ち込んだときはこの曲を聞くようにしています。私を救ってくれた、運命の曲です」（20代女性）

I’m Fine

リパッケージアルバム「LOVE YOURSELF結 ‘ANSWER’」（2018年8月24日）収録

絶望に打ちひしがれる心を歌った「Save ME」を逆再生したメロディーを用い、“君”に助けを求める「Save ME」と対となるような曲。唯一の救いだった“君”を離れ、自分自身で苦痛を乗り越え「I'm Fine」になっていく。「LOVE YOURSELF」シリーズの核心の1つとなる曲だ。哀愁漂う冒頭から除々に盛り上がり、アップテンポに「I'm Fine」「僕は大丈夫」と繰り返す歌詞が聴くものの共感を呼ぶ。

「学校で嫌なことがあった日の帰りに流れた曲。サビに何度も出てくる『I'm Fine』で自分は大丈夫だと心が軽くなった」（10代女性）

Answer:Love Myself

リパッケージアルバム「LOVE YOURSELF結 ‘ANSWER’」（2018年8月24日）収録

タイトルの通り、“人生の答えは自分を愛すること”という壮大な啓蒙的メッセージを歌った曲。彼らの「LOVE YOURSELF」シリーズが導き出した結論だ。「誰かを愛すより難しいことは自分を愛することだ」「僕の中には今も未熟な自分がいるけれど 自分を愛すべき理由を君が分からせてくれた」。“どんな自分も愛してみよう”と歌うこの曲に共感し、励まされた人は数えきれないほどだろう。

実際にこのアンケートでも、「Dynamite」に続いて多かった回答がこの「Answer:Love Myself」だった。多くの人の心の拠り所となったこの曲が、作詞家のうち1人の不祥事に揺れていることは非常に心が痛い。1日も早く、人々がこの曲を心穏やかに聴ける日が戻ることを願う。

「『自分を愛する方法を学んでいる』という歌詞が、なかなか自分を肯定できなかったけど自分をもっと大切にしてあげてもいいんだと思わせてくれて、どんな時でもBTSが一緒にいてくれると思えて孤独を感じなくなりました。"Love Myself"という自分の人生をかけて行うテーマをもらえました！」（10代女性）

「私の家は厳しくて、部活やテストの点数が悪いと毎日怒られ続けていました。そんな時に、この歌を聴いて、自分を愛することの大切さに気付かされました。今はどうやったら、自分のことを愛することが出来るのか、常に、考えながら行動しています。いつか、心の底から自分を愛することが来る日を待っています」（10代女性）

Jamais Vu

6thミニアルバム「MAP OF THE SOUL : PERSONA」（2019年4月12日）収録

JIN、J-HOPE、JUNG KOOKが歌うユニット曲。挫折や失敗を「もしゲームならリロードすれば済むのに」「いっそゲームだったらよかった」と歌い、止まってしまった心臓を再び動かす治癒の方法を渇望する。タイトルの「Jamais Vu」は慣れているはずの物事が、未体験のように感じられる“未視感”のことで、何度繰り返しても人生の傷は初めてのように痛いことを表現。悲しげな曲だが、最後の「I won’t give up」が希望を示している。

「自分1人で抱え込んで悩んでいる時に、自問自答して同じように悩んで苦しんで助けを求めている歌詞にとても共感できました。最後に諦めないと歌っているところで、私も頑張らなきゃと思わせてくれる歌詞です」（10代女性）

Lights

日本10thシングル「Lights／Boy With Luv」（2019年7月3日）収録

日本国内で多くのアーティストを手掛けるUTA氏プロデュースの日本オリジナル曲。お互いを“光”に例え「いつだって僕の心に差し込む」「離れていても届いてる」と想いを確かめ合う曲。「傷だらけの翼で飛ぶ」「誰だって完璧じゃない」「どんな辛い夜さえも朝は来る」「幸せの価値なんて自分で決めてしまえばいい」などBTSらしい歌詞がいくつも織り込まれた慰めの曲となっている。

「大切な人が事故でなくなり、生きる意味をなくし気力を失っていた自分。そんな時、偶然に耳にしたのが『Lights』でした。どんな時でも音で繋がってる。離れていても光が届いてる。この曲を聴いて心が軽くなり、少しずつ前向きになる事ができました。その時から、BTSのARMYとして応援しながら、自分も前進しながら、頑張っています」（30代女性）

「子供の頃から自己肯定感を持てず、大人になっても周りの目を気にして、自分に自信が持てずに生きてきたけど、この曲を聞いて自分自身を受けいられるようになり、今はバンタンのおかげで毎日笑顔で過ごせるようになりました」（40代女性）

Black Swan

4thフルアルバム「MAP OF THE SOUL : 7」（2020年2月21日）収録

モダンダンスの第一人者マーサ・グレアムの「舞踏家は二度死ぬ。最初の死は舞踏家が舞踏をやめる時。そして最初の死こそより辛い」という名言がモチーフ。ワールドスターとなったBTSが、自らの内面と深く向き合った曲だ。音楽に胸が高鳴らなくなったら、自分は死ぬだろう…という名声を手にしたからこその計り知れない恐怖と絶望を正直に打ち明けながらも、逆説的に自分たちには音楽しか無いのだと改めて知ることとなる。

「日本のテレビでのパフォーマンスにて、和訳された歌詞を初めてきちんと読んだときに（アイドルだけど自分たちでこんなに苦しくて深い歌詞を書くのか…）と衝撃を受けた。直前のインタビューでも『もし自分が音楽を愛せなくなったらその時が人生の終わりなのか、そんなイメージで制作した（意訳）』と話していて、アーティストとして真摯に向き合っている彼らの姿勢に一気に惚れてしまった」（40代女性）

ON

4thフルアルバム「MAP OF THE SOUL : 7」（2020年2月21日）収録

「痛みを持って来い」と宣言するサビが印象的なこの曲。数十人のバックダンサーを動員した大規模なダンスパフォーマンスでも知られる。いくつも試練を乗り越え、前人未到の場所に到達した彼らだが「怖くないわけないだろう」と未だ震えていることを告白する。「狂わないために狂わなければいけない」と壮絶な現実を打ち明けながら、苦痛とともに進み続ける、血と汗とともに歌い続ける…そんな莫大なエネルギーを感じる7周年の節目となった曲。

「コロナ禍の初期で、仕事先が臨時休業を余儀なくされ、暇を持て余していた時に偶然、YouTubeに流れてきたのがONでした。そのMVを観た瞬間、雷に撃たれたかの様な衝撃が走りました」（40代女性）

「初めてこの曲のパフォーマンスを見た時にあまりのかっこよさに衝撃を受け、BTSファンになりました」（50代女性）

「この曲のダンスを見て将来の夢がK-POPアイドルに変わりました」（10代女性）

Dynamite

デジタルシングル「Dynamite」（2020年8月21日）収録

パンデミックに苦しむ世界中のファンの活力になるようにとリリースされた、BTS初の全編英語オリジナル曲。タイトル通りダイナマイトのような爆発力で、世界を照らしたディスコダンスチューンだ。BTSはこの曲で、韓国歌手初の全米シングルチャート1位を獲得。「Dynamite」なくしてBTSの歴史もコロナ禍も語れない。この時期にアジア発のアーティストが世界の希望になったという功績を忘れるべきではないだろう。

「コロナ禍で沈んだ気持ちを明るくさせてくれたのはこの曲しかない。素敵なパフォーマンスから沼落ちしました」（30代）

「コロナ禍で先の見えない中、彼らの楽しく歌い踊る姿に希望を感じた。このパンデミックを乗り越えて必ず彼らに会いたいと心から願う事で人生が明るくなった」（50代女性）

「パワーハラスメントからの躁うつ病で入院し数ヶ月後に退院。自暴自棄になっていた頃気晴らしに始めたInstagramで、色んな方の投稿にDynamiteが使われていました。初めは関心がありませんでしたが、次第に誰が歌ってるの？と気になり検索。青い髪の青年のパンチの効いたラップに心奪われ、今ではすっかり推し活動に勤しんでいます。推しがいるというだけで心の平安が保てています。彼らの幸せがわたしの幸せになりました」（40代）

Permission to Dance

シングルCD「Butter」（2021年7月9日）収録

「ダンスに許可なんて必要ない」「もう待たなくていい」とコロナ禍の収束を告げるような曲。エド・シーランがプロデュースした朗らかなポップソングだ。ダイバーシティー豊かな人々がマスクを外し踊りだすMVは涙を誘い、手話を取り入れた振り付けも話題に。国連本部をステージに異例のパフォーマンスを行い、未来を担う世代のためSDGsの重要性を訴えたことも話題となった。

「国連でのパフォーマンスを見て、メンバーの名前を知りたくなって、検索し始めたのが始まりでした。ライブ映像や沢山の動画を見ているうちに、どんどん元気が出て、苦しい気持ちがいつの間にか減っていきました。いつかライブに行く事が今の私の希望です」（50代女性）

読者が選ぶ「運命のBTSソング」1～10位

1位：「Dynamite」（31票）
2位：「Answer:Love Myself」（28票）
3位：「Magic Shop」（16票）
4位：「Blood Sweat & Tears／血、汗、涙」（12票）
5位：「ON」（11票）
5位：「Stay Gold」（11票）
7位：「DNA」（10票）
7位：「Butter」（10票）
9位：「Permission to Dance」（9票）
10位：「IDOL」（8票）

投票期間：2022年5月25～6月5日
回答数：270票

（modelpress編集部）