風香、プロレス業界復帰の理由 現役時代の苦悩告白
2023.03.21 18:00
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2010年に6年間のプロレスラー生活にピリオドを打ち、現在はアクトレスガールズのプロデューサーを務めている風香(ふうか/38)にモデルプレスがインタビュー。アイドルレスラーとして人気を博した彼女の現役時代の苦悩や、今後の目標、さらには夢を叶える秘訣などたっぷりと語ってもらった。
風香は2004年にプロレスラーデビュー。初勝利後は格闘技を取り入れたファイトスタイルで一気に若手のトップに立ち、「初代POP(プリンセス・オブ・プロレスリング)」を戴冠するなど、数々の好成績を残した。2010年に現役を引退したが、2011年に新団体「スターダム」を旗揚げ、ゼネラルマネージャーに就任。2018年に出産・育児のため退任するも、2022年にエンターテイメントプロレス「アクトレスガールズ」のプロデューサーに就任した。
試合後、同期とお菓子を食べながら朝まで語り合うのが楽しかったです。その時間が楽しくて食べ過ぎて、半年で7キロ太っちゃいました。会社から怒られてやっと体重の増加は止まりましたがプロ意識のカケラもない新人でした(笑)。
それから総合格闘技、シュートボクシングの練習が楽しかったです。当時のプロレス界は年功序列が全てで、キャリアを積まないと日の目を見ることができなかったんです。でも、格闘技は頑張ればいつでも評価される。震え上がるほど怖かった先輩が、私が体力や技を身につけるたびに優しくなりました。デビューから60戦負け続けて“ハルウララ”と呼ばれていた私がジュニア世代のトップに立ったのも格闘技おかげです。まわりの評価を一変させてくれた格闘技の練習はとくに楽しかったですね。
何から言うか悩むほどたくさんあります(笑)。私はプロレスラーを目指していながら人を殴れませんでした。グローブをつけてお互い殴り合うのではなく、プロレスは「殴ってこい!」と胸を出される。つまり無抵抗な人を殴らないといけない…。それができなくて怒られてばかりでした。デビューしてからも、胸に当てるつもりのエルボーが相手の喉に入ったことがあり、試合中にも関わらず「すみません!」と口にしてしまってバックステージで大激怒されました。
もう1つあって、ありがたいことにデビュー2年目からは練習以外でも忙しくさせてもらっていました。2007年、取材と格闘技の練習帰り、知らない男に押し倒されて強制わいせつ未遂事件に遭ったんです。いつもならジャージで練習に行くのですが、その日は取材があったからミニスカート。押し倒されながらも、なんとか無傷のうちに撃退したのですが、怒りがおさまらない私はそれから自分で犯人を探し続けました。雨の日も風の日も…。そして3ヶ月後、犯人を見つけて尾行して警察に突き出して逮捕されました。
その3ヶ月は新聞やワイドショーで取り上げられて、その後1冊の本になりました。その時が1番大変でした。試合、練習、取材の合間に執筆があって、ただの寝不足なら我慢していたけど、怪我と隣り合わせの職業なので、睡眠不足が続くと命の危機を感じてピリピリしちゃって。寝る時間がないのに寝れた時には怪我をする夢で目が覚めて、精神的に追い込まれました。
アクトレスガールズの坂口(敬二)代表から「素晴らしい選手がたくさんいるけど、現状うまくいっていない、手を貸して欲しい」と言われたのがきっかけです。私も実際見て、華のある逸材がたくさんいるアクトレスガールズをもっともっと知ってほしいと思いました。
― 選手、GM、プロデューサーとプロレス業界で経験を積み上げてきて、ご自身が1番成長したと思う部分はありますか?
自分の成長を感じるのは、ポジティブになったこと。選手の時は不安になったり落ち込んだり立ち止まることも多々ありました。でも、人の上に立つようになって、私が不安になっていては周りはもっと不安だと思ったんです。だから、不安になるなら、漠然と不安になるのではなくて、徹底的に不安要素と向き合って「落ち込む時間」ではなく「考える時間」にするようにしました。
意識して前を向いていたら、無意識にそれができるようになって、そしたら考え方がどんどんポジティブになって、今では芸人さんのネタかのように日常の出来事をなんでもポジティブ変換できるようになりました。それでも、不安が襲ってくる日もありますが、そんな時は「明日考える」ことにしています。
第1段階の、集客を安定させて試合、公演、イベントを増やすことは成功しました。でも、集客すべきイベントがいっきに増えた分、お客さんが分散してしまう問題は出ています。まだまだではありますが、今ある舞台を満員にしていくことがこれからの目標です。
― 今後のアクトレスガールズの目標を教えて下さい。
今もまだ続いていますが、クラウドファンディングの目標金額を達成してアクトレスガールズの映像化が決まったので、まずはしっかり形にしたいです。
それから、試合や、プロレスを取り入れたお芝居で全国の小学校〜高校を巡りたい。これからの人生を自分でどうにでもできる子どもたちに、道標になるようなメッセージを届けたいです。
実家で普通に生きていた私が見たこともやったこともないプロレスの道へ進むことになってたくさんの困難に直面してきました。先の見えない不安、挫折、人間関係。そんな時に考えたんです。「私は3年後まだこのことで悩んでるかな?」って。今の悩みが、いつか死ぬ時まで引きずるほどのものなら悩む価値はある。でも、どうせいつか復活するなら、半年先でも今でも同じじゃないか?悩んでる時間が無駄じゃないか?と考えるようになったんです。私はその考えに行き着いてからは落ち込むことがなくなりました。
ベタではありますが「諦めないこと」だと思います。変化しても、逃げ出してもいい。少しやり方を変えたり環境を変えるだけで世界は変わってくると思うので、変わることを恐れずに、でも芯の部分はぶらさずに「諦めないこと」。
挫折しても、逃げ出したとしても、諦めないで動き続けていればいつかチャンスは来る。チャンスは100回くる人もいれば1回しかこない人もいますが、1回のチャンスを確実にモノにする準備をしておくことが夢を叶える秘訣だと思います。その“準備”が分からないとお手上げの方はアクトレスガールズで最強のアクションを身につけるのも1つです。随時仲間募集中です(笑)。
― 素敵なお話、ありがとうございました。
(modelpress編集部)
出身:奈良県
「初代POP」のほか、「TWFタッグ」「EWA世界女子」でタイトルを獲得。著書には『女子魂。』(講談社刊)、『風香自伝 負けて、負けて、輝く〜私がプロレスで学んだ輝くための方法〜』(鹿砦社)などがある。
風香、現役時代を回顧
― 2004年のデビュー以降、数々の好成績を残して2010年に引退された風香さんですが、現役時代を振り返って、思い出に残っていることはありますか?試合後、同期とお菓子を食べながら朝まで語り合うのが楽しかったです。その時間が楽しくて食べ過ぎて、半年で7キロ太っちゃいました。会社から怒られてやっと体重の増加は止まりましたがプロ意識のカケラもない新人でした(笑)。
それから総合格闘技、シュートボクシングの練習が楽しかったです。当時のプロレス界は年功序列が全てで、キャリアを積まないと日の目を見ることができなかったんです。でも、格闘技は頑張ればいつでも評価される。震え上がるほど怖かった先輩が、私が体力や技を身につけるたびに優しくなりました。デビューから60戦負け続けて“ハルウララ”と呼ばれていた私がジュニア世代のトップに立ったのも格闘技おかげです。まわりの評価を一変させてくれた格闘技の練習はとくに楽しかったですね。
風香“命の危機を感じた”苦悩の日々
― 反対に大変だったことはありますか?何から言うか悩むほどたくさんあります(笑)。私はプロレスラーを目指していながら人を殴れませんでした。グローブをつけてお互い殴り合うのではなく、プロレスは「殴ってこい!」と胸を出される。つまり無抵抗な人を殴らないといけない…。それができなくて怒られてばかりでした。デビューしてからも、胸に当てるつもりのエルボーが相手の喉に入ったことがあり、試合中にも関わらず「すみません!」と口にしてしまってバックステージで大激怒されました。
もう1つあって、ありがたいことにデビュー2年目からは練習以外でも忙しくさせてもらっていました。2007年、取材と格闘技の練習帰り、知らない男に押し倒されて強制わいせつ未遂事件に遭ったんです。いつもならジャージで練習に行くのですが、その日は取材があったからミニスカート。押し倒されながらも、なんとか無傷のうちに撃退したのですが、怒りがおさまらない私はそれから自分で犯人を探し続けました。雨の日も風の日も…。そして3ヶ月後、犯人を見つけて尾行して警察に突き出して逮捕されました。
その3ヶ月は新聞やワイドショーで取り上げられて、その後1冊の本になりました。その時が1番大変でした。試合、練習、取材の合間に執筆があって、ただの寝不足なら我慢していたけど、怪我と隣り合わせの職業なので、睡眠不足が続くと命の危機を感じてピリピリしちゃって。寝る時間がないのに寝れた時には怪我をする夢で目が覚めて、精神的に追い込まれました。
風香、プロレス業界に復帰した理由
― 結婚、出産をきっかけにプロレス業界から1度退かれましたが、再びプロレス業界に携わろうと思った理由やきっかけを教えて下さい。アクトレスガールズの坂口(敬二)代表から「素晴らしい選手がたくさんいるけど、現状うまくいっていない、手を貸して欲しい」と言われたのがきっかけです。私も実際見て、華のある逸材がたくさんいるアクトレスガールズをもっともっと知ってほしいと思いました。
― 選手、GM、プロデューサーとプロレス業界で経験を積み上げてきて、ご自身が1番成長したと思う部分はありますか?
自分の成長を感じるのは、ポジティブになったこと。選手の時は不安になったり落ち込んだり立ち止まることも多々ありました。でも、人の上に立つようになって、私が不安になっていては周りはもっと不安だと思ったんです。だから、不安になるなら、漠然と不安になるのではなくて、徹底的に不安要素と向き合って「落ち込む時間」ではなく「考える時間」にするようにしました。
意識して前を向いていたら、無意識にそれができるようになって、そしたら考え方がどんどんポジティブになって、今では芸人さんのネタかのように日常の出来事をなんでもポジティブ変換できるようになりました。それでも、不安が襲ってくる日もありますが、そんな時は「明日考える」ことにしています。
風香、今後の目標は?
― アクトレスガールズのプロデューサに就任してからおよそ半年が経ちましたが、手応えはありますか?第1段階の、集客を安定させて試合、公演、イベントを増やすことは成功しました。でも、集客すべきイベントがいっきに増えた分、お客さんが分散してしまう問題は出ています。まだまだではありますが、今ある舞台を満員にしていくことがこれからの目標です。
― 今後のアクトレスガールズの目標を教えて下さい。
今もまだ続いていますが、クラウドファンディングの目標金額を達成してアクトレスガールズの映像化が決まったので、まずはしっかり形にしたいです。
それから、試合や、プロレスを取り入れたお芝居で全国の小学校〜高校を巡りたい。これからの人生を自分でどうにでもできる子どもたちに、道標になるようなメッセージを届けたいです。
風香の悲しみを乗り越えた方法
― モデルプレスの読者の中には今、さまざまな不安を抱えている読者がいます。そういった読者に向けて、これまでの経験を振り返り、「悲しみを乗り越えた方法」を教えてください。実家で普通に生きていた私が見たこともやったこともないプロレスの道へ進むことになってたくさんの困難に直面してきました。先の見えない不安、挫折、人間関係。そんな時に考えたんです。「私は3年後まだこのことで悩んでるかな?」って。今の悩みが、いつか死ぬ時まで引きずるほどのものなら悩む価値はある。でも、どうせいつか復活するなら、半年先でも今でも同じじゃないか?悩んでる時間が無駄じゃないか?と考えるようになったんです。私はその考えに行き着いてからは落ち込むことがなくなりました。
風香の夢を叶える秘訣
― モデルプレス読者の中には今、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、風香さんが今思う「夢を叶える秘訣」を教えてください。ベタではありますが「諦めないこと」だと思います。変化しても、逃げ出してもいい。少しやり方を変えたり環境を変えるだけで世界は変わってくると思うので、変わることを恐れずに、でも芯の部分はぶらさずに「諦めないこと」。
挫折しても、逃げ出したとしても、諦めないで動き続けていればいつかチャンスは来る。チャンスは100回くる人もいれば1回しかこない人もいますが、1回のチャンスを確実にモノにする準備をしておくことが夢を叶える秘訣だと思います。その“準備”が分からないとお手上げの方はアクトレスガールズで最強のアクションを身につけるのも1つです。随時仲間募集中です(笑)。
― 素敵なお話、ありがとうございました。
(modelpress編集部)
風香(ふうか)プロフィール
生年月日:1984年8月20日出身:奈良県
「初代POP」のほか、「TWFタッグ」「EWA世界女子」でタイトルを獲得。著書には『女子魂。』(講談社刊)、『風香自伝 負けて、負けて、輝く〜私がプロレスで学んだ輝くための方法〜』(鹿砦社)などがある。
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