中谷美紀、菊池風磨(C)WOWOW

<中谷美紀&Sexy Zone菊池風磨 連続ドラマW ギバーテイカー>素顔とのギャップに驚き「心臓が痛い状態まで追い込まれた」壮絶撮影明かす

2023.01.18 19:00

1月22日からスタートする「連続ドラマW ギバーテイカー」(全5話/毎週日曜22時~:WOWOWプライムにて放送・WOWOWオンデマンドにて配信)で主演を務める女優の中谷美紀(なかたに・みき/46)と相手役を演じるSexy Zoneの菊池風磨(きくち・ふうま/27)。衝撃作の実写ドラマ化ということもあり、壮絶な撮影に挑んだ2人。撮影の中で感じていたことは──。

漫画「ライフ2 ギバーテイカー」連続ドラマ化

本作は娘を殺された刑事・倉澤樹と、その娘を殺した猟奇殺人犯・貴志ルオトの死闘を描いた本格クライムサスペンス。原作の「ライフ2 ギバーテイカー」は、累計発行部数1000万部越えのメガヒット漫画「ライフ」にて社会現象を巻き起こしたすえのぶけいこの初の青年誌連載作品。連載開始前から注目を集め、迫力あるタッチでエネルギッシュに描かれたその強烈なストーリーと独特な心理描写が「ライフ」に次ぐ、“第2の衝撃作”と話題を呼んだ。

中谷が演じる倉澤は、“自分と同じように苦しむ人をひとりでも多く救いたい”という想いのもと、時に自身の危険を顧みずに行動してしまう刑事。菊池が演じるルオトは、「幸せは奪うもの」という異常な価値観を持ち、独特な雰囲気を身にまとう猟奇殺人犯だ。

作中では対峙する役柄だが、実際の2人は穏やかな雰囲気。しかし撮影中は「心臓が痛い状態まで追い込まれた」「真っ暗闇の中ゴールを目指した」と口々に話すほど壮絶だったようだ。その中で倉澤として、ルオトとして生きた2人に、作品の印象や撮影中のエピソードを語ってもらった。

中谷美紀&菊池風磨、キャスティング時の心境

― 原作と脚本を読まれての印象をお聞かせください。

中谷美紀(提供写真)
中谷美紀(提供写真)
中谷:原作では私が演じた倉澤樹という女性は、被害者である穂乃花の姉という設定だったんです。なので、この作品をどのようにドラマ化するのだろうかと正直なところ想像がつきませんでした。本当にこの役を私が演じさせていただいていいのだろうか、もっと適役な方がいらっしゃるのではないか…と思って、不安要素が大きかったです。

しかし初稿の台本をいただいた時に、もうそれだけで感情移入してしまって、思わず涙が溢れてきたような本だったんです。最初の台本でそれだけの密度の濃い台本をいただけることはなかなかないものですから、この本を拠り所にして演じられると思いました。

菊池:原作はすぐに読ませていただいたのですが、本当にあっという間に読み切ってしまって。脚本にしてみると、より内容の重さが浮き彫りになっていたので、自分が演じるにあたってどうなるんだろうと想像がなかなかつかなかったです。どうしたらこの重みを上手くお伝えできるだろうとすごく考えさせられた作品になりました。

中谷美紀、菊池風磨の素顔が「ショッキングだった」理由

― 倉澤役を中谷さん、ルオト役を菊池さんが演じると聞いた時はどういう風に感じられましたか?

菊池:「テレビで観ている方だ!」とびっくりしました。今までもお会いする機会が本当になかったので、こんなに綺麗な人が存在するのかという半信半疑から入って…。

中谷:そう言いなさいってお母さんに言われたの?

菊池:子役じゃないんですよ、僕(笑)。でも僕の両親もですが、マネージャーさんが本当に中谷さんの大ファンで。それを僕は聞いていたので、僕もより緊張しました。

中谷:共演する前にドラマ「ファイトソング」で拝見した時に、とてもテンションの高い役柄で、ルオトの役とは似ても似つかないキャラクターだったんです。普段のお姿を実は存じ上げなかったので、ドラマのイメージだけでお会いしたのですが、天使のような顔をしたモンスターというルオトにぴったりだなと思いました。あの、普段のお姿を封印されていて…。

菊池:普段の姿ってなんですか、本来は天使ですよ(笑)。

中谷:普段の、本来の菊池風磨さんの…。みなさまがきっとご存知の菊池風磨さんに期待されるお姿を封印されて、現場ではすごーく静かにいてくださったんです。例え世界中の女性が菊池風磨さんに黄色い歓声を上げようとも、私にとっては未だに「いつか殺してやる」という対象というくらい、ルオトでいてくれたんです。そこに助けられましたし、呼吸も苦しくて息ができなくなってしまったくらい追い詰められもしました。

― お互いに、共演する前と後で印象の変化はありましたか?

菊池:とにかくかっこよかったです。姿勢も綺麗だし、所作も美しいし、背筋伸びました。役に入った瞬間にオーラがガッと変わる感じを目の当たりにして、勉強になりました。

中谷:恐縮です。菊池さんは、セリフのリズム感が素晴らしくて、聞いていて心地よかったです。実は、ドラマが終わった後にある番組での菊池さんを拝見して、ちょっとショッキングだったんです…。菊池さんがドッキリをかけられて裸でのたうち回っていらして、「これは私の知っている菊池風磨さんじゃない」と思って、途中で止めてしまうくらい、現場では別人でした。

菊池:それが本当の姿です。現場の姿が本当の姿ですから(笑)。

菊池風磨、監督からの演出はあえてなし

中谷美紀(提供写真)
中谷美紀(提供写真)
― 2人が対峙するシーンはすごく緊迫感がありました。

菊池:実際に対峙するシーンに至るまで、中谷さんに2~3度ほどしかお会いしていなかったので、ルオトの気持ち的にも「やっと樹先生に会えた」という楽しみが強かったと思います。緊迫したシーンですし、セリフも長いのですが、意外とやってみたら生き生きとできた気がします。

中谷:対峙するシーンは最初のテストの段階から、本当にお見事だなと思いました。声のトーンやテンポ、間合いなど、ものすごく緩急をつけて緻密に組み立てていらっしゃったので、私はもうその菊池風磨さんが演じるルオトに身を委ねて、彼の発する言葉にただ素直に反応していればよかったという感じでした。壮絶なシーンですが、監督はあのシーンまで菊池さんにあえて一切演出をしなかったそうです。

菊池:本当にそうだったんです!いや、怖かったです…真っ暗闇の中ゴールを目指したという感じで…すごい不安でした。

中谷:でもそんな菊池さんに息もできない、心臓が痛い状態まで追い込まれました。現場でも1人離れたところにいて、裸でのたうち回る姿を封印していらしたので…。

菊池:(笑)。

役作りで大変だったこと

中谷美紀(提供写真)
中谷美紀(提供写真)
― 実際に苦しくなってしまうほど追い込まれたということでしたが、その気持ちをどのようにして乗り越えたのですか?

中谷:1番厳しかったのは、その場に役柄としてあるということと、主演としてその場にいるという逆のベクトルの状況だったこと。倉澤の気持ちになると、本来でしたら挨拶もしたくないくらいなのですが、現場ではコミュニケーションも大事なので、そのバランスがちょっときつかったです。受け入れるしかないのですが、終わってからの方がしんどくて、呼吸が本当にできなかったので、理学療法士の先生に体を弛めていただいたりしました。

菊池:僕は、カメラが回っている瞬間はもちろんその役と向き合っていたのですが、撮影以外では全く引きずっていなかったです。引きずっちゃうと危ない気がして、怖かったので…。結構重いお話だし、自分も役としてすごく重たい役なので、その中で喋ってふざけて「こいつふざけているな」と思われたくなかったので、現場にいる時は1人でぽつんと静かにしていたのですが(笑)、そのおかげで集中力が高まったので、演じる上ではよかったかなと思います。

中谷:最初は集中している振りをしていたんだ。

菊池:(笑)。これまで明るい役が多かったというのも大きいと思いますが、現場のスタッフさんも「現場ではすごい明るい人だよ」と僕の噂を聞いていたらしくて、「本当は明るいと思っていたのに明るくないんですね。がっかりしました」と何人かに言われました(笑)。

中谷美紀&菊池風磨、悲しみの乗り越え方

― 倉澤のように、お2人がこれまでの人生の中で悲しみを乗り越えたエピソード、もしくは怒りを乗り越えたエピソードとかあれば教えていただきたいです。

菊池:悲しみも怒りもあまり引きずらないタイプなので、寝ると忘れるんですよ。なので辛いことがあった時は寝ています。寝たら割とリセットされるので。そんなに日々溜め込まないです。朝起きたら、気持ちよく太陽に当たっています。

中谷:私もどちらかというと寝てリセット、食べてふて寝をしてリセットのタイプです。でも、生きていれば人生いろいろとあると思うのですが、旅をするとどうにでもなってしまいますね。転地療法と呼んでいるのですが、こうした大変な作品が終わったあとも、場所を変えるだけで自分の卑小さに気づかされるんです。世界には困窮しているお子さんがいらしたり、90歳のおばあちゃんが山登りをしていたり、両親と泣く泣く離れて逃れてきたウクライナからの子どもたちを目の当たりにしたりすると、自分の悩みなんて大したことないなと思ってしまう。なので、旅をするのが私にとっては1番の薬です。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

「連続ドラマW ギバーテイカー」ストーリー

元小学校教諭の刑事である倉澤樹(中谷美紀)は12年前、当時小学6年生だった教え子・貴志ルオト(菊池風磨)に、愛する娘を惨殺された過去を持つ。事件当時12歳という犯人の幼さも相まって、この猟奇殺人事件は日本中に大きな衝撃をもたらした。倉澤は被害者遺族として絶望を味わい、その経験から生まれた“自分と同じように苦しむ人をひとりでも多く救いたい”という想いのもと、刑事になった。

その強い信念に突き動かされ、事件解決に奔走する日々を送ること12年、倉澤は娘の命日を目前にルオトが医療少年院を退院することを知る。そして、ルオトが「完全に更生した」という話を聞くも、被害者遺族として疑心を抱かずにはいられない彼女のもとに、ある日、不審なメッセージが届く。「あなたの大事なものを、もう一度奪います」。それは、再び日本中を震撼させる新たな事件の始まりだった。

中谷美紀(なかたに・みき)プロフィール

1976年1月12日生まれ、東京都出身。1993年にテレビドラマ「ひとつ屋根の下」(フジテレビ)で女優デビューし、その後多くのドラマや映画で活躍。代表作にドラマ「ケイゾク」(TBS/1999)、「JIN-仁-」(TBS/2009)、映画「電車男」(2005)、「嫌われ松子の一生」(2006)、「ゼロの焦点」(2009)、「総理の夫」(2021)など。

菊池風磨(きくち・ふうま)プロフィール

1995年3月7日生まれ、東京都出身。2011年にSexy Zoneとして1stシングル「Sexy Zone」でCDデビュー。代表作にドラマ「時をかける少女」(日本テレビ系/2016)、「嘘の戦争」(関西テレビ・フジテレビ/2017)、「吾輩の部屋である」(日本テレビ系/2017)、「バベル九朔」(日本テレビ系/2020)、「イタイケに恋して」(読売テレビ・日本テレビ/2021)、「ファイトソング」(TBS/2022)など。
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