モデルプレスのインタビューに応じた眞栄田郷敦(C)モデルプレス

眞栄田郷敦、橋本環奈との再共演で「自分は変わったし成長した」と断言できる理由 不器用なブレイク俳優が明かす胸の内<「カラダ探し」インタビュー>

2022.10.03 17:00

モデルプレスのオリジナル企画「今月のカバーモデル」で2022年10月のカバーモデルをつとめたのは、映画「カラダ探し」(10月14日公開)に出演する眞栄田郷敦(まえだ・ごうどん/22)。主演の橋本環奈とは、デビュー直後以来2度目の共演。「そこから2年経った今、自分は変わったし成長したと絶対に言える」―――その自信の裏には、妥協せず走り続けてきた道のりがあった。

橋本環奈主演「カラダ探し」

原作の「カラダ探し」は、小説投稿サイト「エブリスタ」(旧・E★エブリスタ)で人気No.1の携帯小説として話題となり、2014年には村瀬克俊による漫画版が「少年ジャンプ+」(集英社)で連載され、累計閲覧数1億回を初めて突破。コミックスはシリーズ累計発行部数340万部を超え、Z世代のバイブル的ホラーとも言える。

そんな人気作の実写化となる今作では、橋本や眞栄田のほか、山本舞香、神尾楓珠、醍醐虎汰朗、横田真悠ら次世代を担う若手キャストが集結した。

(左から)橋本環奈、醍醐虎汰朗、神尾楓珠、横田真悠、山本舞香、眞栄田郷敦(C)2022「カラダ探し」製作委員会
(左から)橋本環奈、醍醐虎汰朗、神尾楓珠、横田真悠、山本舞香、眞栄田郷敦(C)2022「カラダ探し」製作委員会
気がつくと深夜の学校にいたクラスメート6人は、突然血みどろの“赤い人”に襲われ死亡。しかし目を覚ますと、日付は昨日と同じ“7月5日”だった。「バラバラに隠されたカラダを全て探し出すまで明日は来ない」という絶望的なルールの下、同じ日を何度も生き続ける6人は力を合わせて“赤い人”に立ち向かい、懸命に“カラダ”を探し続ける。

眞栄田郷敦、初ホラーに自信

橋本環奈(C)2022「カラダ探し」製作委員会
橋本環奈(C)2022「カラダ探し」製作委員会
初めてのホラー作品に挑むにあたり、まず原作を読んだという眞栄田は「ちょっとずつ展開は変わるものの、同じ日を繰り返して同じことをやっているので、最初に読んだ時には正直『映像になったら、観ている人が飽きてしまうんじゃないかな』と思ったんです」とクランクイン前に抱いていた本音を吐露。

しかし「でも実際に完成した映像を観てみるとすっごく良かったんですよね。ちょうどいいところで音楽が入って、テンションも上がっていって、青春に向かっていく。人間模様がどんどん変化していく様子が描かれていて、バランスが良くて観やすかったです」と自ら絶賛した。

「映画館にはよく行きますが、これまで意外とホラーを観た経験があまりなかったんです。だからこそ、今回試写を見た時にめちゃくちゃワクワクしました。座って映像が流れ始めて気持ちが高ぶっていく感覚があって。最初の入りがアメリカンテイストなこともあり、子どもの頃の感情を思い出すようなワクワク感がありました」

眞栄田郷敦、羽住英一郎監督との“縁”

眞栄田は、兄・新田真剣佑が出演した映画「OVER DRIVE」(2018年)の試写会に足を運んだことをきっかけに役者の道を歩み始めたが、その「OVER DRIVE」を手掛けていたのが、今作の監督・羽住英一郎氏。

デビューして約3年半、多彩なジャンルの作品で経験を積んできた眞栄田は「やっと仕事についてわかってきたぐらいのこの時期に羽住監督とご一緒できる。これはタイミングも含めとてもありがたかったですし、めちゃくちゃ気合いが入りました」と振り返る。

「『OVER DRIVE』もすごく良い作品で、『カラダ探し』同様に邦画っぽくないテイストも少しありました。当時は羽住監督とそんなにたくさん話したわけではなかったのですが、すごく印象に残っていたんですよね。このご縁は本当にありがたいです」

眞栄田郷敦(C)モデルプレス
眞栄田郷敦(C)モデルプレス
そんな羽住監督とは「撮影中にコミュニケーションをたくさんとって、色々ぶつけていきながら作っていった感じ」だという。

「ずっと現場にいてくださって、べースで座っている姿を一度も見ていないんです。自分のモニターを持って映らないところでチェックしているのですが、それにとても安心感がありました。多くは語らない方ですが、とてもこだわりがあるので、言うところはちゃんと言ってくれる。でも6人が一緒にいることで醸し出る雰囲気やそれぞれが出すものは、それに対して決めていたものを押し付けるのではなく、すごく生かしてくださるというか。なのでめちゃくちゃ心強かったです。正直『今のOKだったのかな…』という時もありましたが(笑)、『監督がOKと言うならOKなんだろう』と思えました。

泊まり込みでの撮影だったこともあり、皆リアルに仲良くなって、それも監督は狙っていたのではないかと思います。全員感情が複雑な部分や細かな表現もあるので、そこはたくさん相談しながら方向性を整えていきました」

ホラー&アクションで必要な想像力

眞栄田郷敦(C)2022「カラダ探し」製作委員会
眞栄田郷敦(C)2022「カラダ探し」製作委員会
劇中では、6人が“赤い人”を倒すため様々な作戦を実行していく。眞栄田演じる伊勢高広は持ち前の運動神経を活かし立ち向かっていくため、迫力のあるアクションシーンも大きな見どころだ。身体的にハードな撮影も多かっただろうが、本人は「楽しかったです」と笑顔を見せた。

「高広はやはりかっこよく、その見え方も大事だと思うので、アクション監督ともディスカッションを重ねて作っていきました。シーンごとにそれぞれ意識した細かい部分はありますが、海でのケンカのシーンで皆すごく楽しそうだったのが印象に残っています。アクションではどうしても顔に力が入ってしまうこともあると思うのですが、その海のシーンでは『戦っている中でも表情ってすごく大事なんだな』と感じました。ホラーやアクションはやはり多少はCGがあったり、実際にできないこともあったりするので、想像力も重要だと実感しましたね」

高広は“かっこつけてないかっこよさ”の持ち主

そんな高広については「台本を読むだけでもかっこよさが伝わってきました」と話す眞栄田。「普段、無理に皆の中心になろうとしているタイプでもないし、リーダーシップを発揮しようともしていないけど、人との関係性を作るのが上手ですよね。誰とでも上手くやっていくためには絶対どこかで我慢している部分があると思うのですが、そう思っていてもかっこいい。かっこつけてないかっこよさというか、自然とにじみ出る優しさがありました」と言い、仕草やセリフの発し方まで細かな調整を重ねていたと明かしてくれた。

眞栄田郷敦、橋本環奈(C)2022「カラダ探し」製作委員会
眞栄田郷敦、橋本環奈(C)2022「カラダ探し」製作委員会
そんな高広と眞栄田自身に通ずる部分は?

「最初に描かれている、高広の“誰とでも上手くやる中心人物”というのはあまり僕にはない部分だったので、想像したり、『あの人はこんな感じだったな』と思い浮かべたりと、自分なりに色々試行錯誤しながらやりました。でもカラダ探しが始まってからの高広は割と素で演じられたというか。実際に僕がカラダ探しをする状況になったら、多分高広のように動くと思うし、そこで引くことはしない気がします。だから物語が進むにつれて6人が仲良くなっていくというのは、自然にスッと演じられました」

眞栄田郷敦「カラダ探し」で感じた青春「心から楽しかった」

眞栄田郷敦(C)モデルプレス
眞栄田郷敦(C)モデルプレス
カラダ探しをきっかけに、それまで関わりがなかった6人が距離を縮めていく―――スリル満点のカラダ探しと爽やかな青春物語のギャップも面白く、眞栄田自身も高広を通してその青春を味わっていた。特に海のシーンは「めっちゃ楽しかったし、『青春してるな~!』って感じがありました」と深く印象に残っているようだ。

「マイクが濡れたらダメなので『何があるかわからないから…』と事前に外していたのですが、結局男3人は皆ドボンしました(笑)。海辺を走るシーンも何回か撮影していて、すごく楽しくて本当に青春でした。皆で並んで夕日を見ながら話すところも良かったですよね!心から楽しかったですし、『ザ・青春』みたいな6人の関係性が画に出ていたと思います」

眞栄田郷敦、橋本環奈から受けた刺激

共演者との裏話を尋ねると、眞栄田は「僕はめっちゃ人見知りなので、そういう意味ですごく助けてもらったのは舞香さんです(笑)。すごくフランクな方だから」と話す。

また醍醐演じる浦西翔太との関係性は「翔太と高広って意外とすごく良いコンビで、頭脳派と肉体派」だと言い、「虎汰朗ともめちゃくちゃ仲良くなって、撮影期間は2人で毎晩サウナに行っていました(笑)」となんともほっこりするエピソードも飛び出した。

橋本環奈、眞栄田郷敦(C)2022「カラダ探し」製作委員会
橋本環奈、眞栄田郷敦(C)2022「カラダ探し」製作委員会
橋本とは、眞栄田のデビューから2作目となる映画「午前0時、キスしに来てよ」(2019年)以来の共演。「ホラーのシーンは環奈さんと一緒になることが多かったのですが、僕がこれまで観た環奈さんの演技よりオーバーにやられているのを感じたんです。その姿を見て、実際に一緒にやっていく中で『ホラーはオーバーくらいがちょうどいいんだ』と気付きました。初ホラー作品だったので、すごく勉強になりました」と、今回も刺激を受けたようだった。

眞栄田郷敦、学生時代は「先輩に嫌われるタイプ」?

吹奏楽部に所属していた自身の学生時代については「仲の良い人とは話しますが、高広のように人気者という感じではなかったです。でも自然と中高両方とも部長をやっていました(笑)」と回顧。

「僕はただ効率悪いことが苦手で、団体は個人よりどうしても効率が悪くなってしまうじゃないですか。それで自然と口を出しちゃっていたんだと思うんです。『リーダーとして引っ張っていきたい』『中心になりたい』みたいな願望があったわけではなく、ただむずむずして『もっとこうしよう』と言ってしまう感じです。せっかちなんですよね(笑)。なので先輩に嫌われるタイプですね(笑)」

眞栄田郷敦が怒り・悲しみを乗り越えた方法

眞栄田郷敦(C)モデルプレス
眞栄田郷敦(C)モデルプレス
カラダ探しをしていく中で互いに心を開いた6人は、徐々に悩みを打ち明けたり、本音をこぼしたりするように。眞栄田自身は怒りや悲しみを感じた時、友達に相談することはあるのかと聞くと、「全く相談しないです」と即答し「相談してもしょうがないじゃないですか」と言い切った。

では、芝居が思うようにできず怒りや悲しみを抱えた時はどのように乗り越えているのか。

「そういうのはもうやるしかないので。頑張るしかない。逆にそれがモチベーションかもしれないです。『できない自分が悔しい』というのがモチベーションになるというか…。仕事を辞めるという選択肢は絶対にとらないですし、この仕事をやっていくと決めた以上、落ちていてもしょうがない。明日は来るし、現場は進んでいくので、落ちている暇がないです。それが逆にありがたいですね」

眞栄田郷敦「自分は変わったし成長した」と断言できる理由

眞栄田郷敦(C)モデルプレス
眞栄田郷敦(C)モデルプレス
負けず嫌いという彼は、「ほかの人と比べて自分が劣っていると感じることももちろんありますが、それよりも自分に対しての方が大きいですね」と語る。

「例えば今回の作品で言うと、環奈さんとデビュー直後に共演して、そこから2年経った今、自分は変わったし成長したと絶対に言える。それが胸を張って言えなかった時、多分すごく落ち込むと思います」

自分自身の成長を認められるのは、約3年半、一切妥協せずに走り続けてきたから。「仕事ではギリギリまで試行錯誤していないと、応えられないしついていけない。僕の場合、仕事にならなくなってしまいます。不器用なので」―――華々しい活躍をしていても変わらないその真っ直ぐさと努力を積み重ねる姿が、多くの人を魅了する理由なのだろう。(modelpress編集部)

眞栄田郷敦(まえだ・ごうどん)プロフィール

眞栄田郷敦(C)モデルプレス
眞栄田郷敦(C)モデルプレス
2000年1月9日生まれ。ロサンゼルス出身。2019年、映画「小さな恋のうた」でデビュー後、映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」(2021年)、「東京リベンジャーズ」(2021年)、ドラマ「私の家政夫ナギサさん」(TBS系/2020年)、「プロミス・シンデレラ」(TBS系/2021年)など、数々の話題作に出演。ドラマ「星になりたかった君と」(日本テレビ系/2021年)で地上波ドラマ初主演を飾り、その後も「キン肉マン THE LOST LEGEND」(WOWOW/2021年)、「カナカナ」(NHK/2022年)で主演をつとめた。岸本拓朗役で出演するカンテレ・フジテレビ系月10ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(毎週月曜よる10時~)が10月24日よりスタートする。

モデルプレスオリジナル企画「今月のカバーモデル」2022年10月表紙 眞栄田郷敦(C)モデルプレス
モデルプレスオリジナル企画「今月のカバーモデル」2022年10月表紙 眞栄田郷敦(C)モデルプレス
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