新垣結衣、13年ぶり共演・小栗旬の印象に変化は?初大河で「全部報われた」言葉明かす<「鎌倉殿の13人」インタビュー>
2022.04.10 21:00
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現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合、毎週日曜よる8時~)に出演する女優の新垣結衣(あらがき・ゆい/33)が、モデルプレスらのインタビューに応じ、八重役への思いや、主演の小栗旬について語った。
小栗旬主演「鎌倉殿の13人」
2004年「新選組!」、2016年「真田丸」に続く3度目の大河脚本となる三谷幸喜氏が今回描くのは、鎌倉幕府二代将軍・源頼家を支えた家臣13人による権力のパワーゲーム。大河初出演となる新垣は、義時(小栗)の初恋の人にして、源頼朝(大泉洋)最初の妻・八重を演じる。新垣結衣、小栗旬との現場の様子明かす
― 夫となった義時演じる小栗旬さんとは13年ぶりの共演ですが、印象の変化はありましたか?新垣:ご本人の印象は変わりません。本当によく周りを見ていて、すごく気にかけて下さるという印象は当時からずっと変わらずで、ありがたかったです。13年前のドラマ「スマイル」(TBS系/2009年)の時とは、役の関係性が全然違います。この時は共演シーン自体が少なかったですし、いつも小栗さんにぼこぼこにされているというか、脅されているシーンばかりでしたね(笑)。今回共演させてもらって、長い時間、こういった役柄で向き合ってお芝居することができて、本当に光栄だなと思いながら過ごしていました。
― 現場ではどんなお話をされているのですか?
新垣:他愛のないことから作品についてまでたくさんお話しました。小栗さんは大河ドラマの主演は初めてとのことで、役を受ける前にこれまでの主役をやられた方々に意見を聞いたというコメントを見たので、実際に現場で「どうですか?」などインタビューみたいに聞いていました。
新垣結衣が感じた義時の魅力とは?
― 新垣さんから見た小栗さん演じる義時の魅力はどこだと思いますか?新垣:真っ直ぐさだと思います。八重が義時に対してそっけなく対応をしても、見返りを求めるわけでもなく、振り向いてくれなくても、幼馴染として昔から抱いてきた思いは変わらず、大事にしたいと言ってくれる。尽くす姿に嘘のない真っ直ぐさを感じたから、八重は義時からのプロポーズを受け止められたのではないかなと思います。
― 真っ直ぐさは、小栗さんのお芝居にも出ていると感じましたか?
新垣:ドラマの始まりから、八重と義時が一緒になってまだ間もない頃までの小栗さんのお芝居は、本当に純粋な目をされていて。少年のような眼差しと溢れる爽やかさ、若々しさを醸し出していました。色々な人に振り回されても、それに精一杯応えようとする姿に真っ直ぐで純粋なイメージが重なりました。
― 他にも小栗さんのお芝居を受けて、第2回で嘘をついた時の顔と、本当に八重が好きで一生懸命な顔などの違いは感じられますか?
新垣:単純に目がちゃんと合うかどうかや言い淀みがあるかなどから感じます。八重に対する申し訳なさみたいなものが滲み出るというか。昔から知っている義時と八重の2人の関係性や立場だからこそ感じることがあるのかなとも思います。
新垣結衣、小池栄子と共演した印象語る
― 八重は頼朝の妻になった後、義時と結婚。小池栄子さん演じる北条政子は頼朝の妻となり、恋敵から親族という関係性に変わります。この劇中での関係性を踏まえて小池栄子さんと共演した印象を教えて下さい。新垣:作品の序盤、初めて2人が対立するシーンに関しては、当時の立場的に八重の方が上で、政子の方が下という状況だったので、八重という存在が政子に負けないようにしなければと思っていました。実際には小池さんの方が実年齢もキャリアも含めて先輩なので、本当にプレッシャーを感じましたし、緊張もしていました。その時、栄子さん演じる政子がただ1人の女性としてそこにいらっしゃったのが印象的でした。政子が前妻に1人で会いに乗り込んできたのは良いものの、何か少し恐怖を感じているような、勢いで来たけど怯えているような表情を見た時に、私が抱いていた歴史上の政子のイメージと全く違って驚きました。「あ、そうだ!政子も人間だった!何者でもない少女だった時代があったんだ。生きていたんだ。」と改めて思ったんです。すごく感銘と刺激を受けて、その後御台所として堂々としていらっしゃる姿の中にも栄子さんが演じる政子ならではの可愛らしさや優しさを感じました。
また、八重として政子に対して感謝の気持ちを抱きながら演じていました。心の広さや優しさ、深さに加えて可愛らしさを感じることができるのは、栄子さんが演じているからかなと思っています。今後、尼将軍となられてどのように変化するのかすごく楽しみに放送を観たいです。
― 脚本を担当している三谷幸喜さんからは何かアドバイスをもらいましたか?
新垣:私自身、大河ドラマへの出演が初めてで、時代劇の経験もほぼなかったので、時代劇というものに合った声の出し方や言葉の捉え方などを教えていただきました。
他にも嬉しい感想をたくさんいただいて、それを励みにしながら撮影に挑んでいました。
新垣結衣が考える八重の幸せ「義時さんのおかげ」
― 実際に演じてみて、八重という人物の魅力はどんなところだと考えますか?新垣:頑固さ、言い換えると意思を強く持って忠実に行動できる、思わず行動してしまうぐらい意思がしっかりしている女性というところが魅力だと思います。今回のドラマの中での八重は生きることへの思いが強く、そのためにすがるものを見つける力や諦めない力があると捉えています。
― 八重は、多くの男性に翻弄される人生ですが、八重の生き方や考え方に、最も影響を与えたと思われる人物は誰だと思いますか?
新垣:人生に大きな影響を与えたという意味ではやっぱり義時だと思います。史実では八重は頼朝と別れて自害すると言い伝えられていますが、この物語の中の八重は義時と出会ったことでたくさんの幸せな時間を過ごしたと思うので、そういう意味で大きかったと思います。
それと、放送が始まって視聴者の皆さんの感想を見ていた時、八重の頑固な性格がすごく父親の伊東祐親に似ているという意見を目にしました。私は台本を読んでいる時や実際に撮影をしている時はそこまで意識していなかったのですが、皆さんの感想を見て「確かに」と共感した部分も多いので、父親も影響を与えていた人物の1人かもしれません。
― 新垣さんが思う八重の幸せはどのようなものだと思いますか?
新垣:大事な人と過ごす穏やかな時間が何よりの幸せなのだと思いました。八重は、大事なものをどんどん失っていってしまい、それでも自分の生きる意味、すがるものを必死に探していたのだと思います。そんな八重がやっと幸せな時間を過ごすことができたのは、いつもそばにいてくれた義時のおかげだと思います。
新垣結衣、八重役として1番大事にしてきたこととは?
― 八重は、義時に対して最初は冷たかったものの段々と受け入れていきます。このような義時に対する心情の変化をどのように表現して演じられていますか?新垣:最初の頃、八重にとって義時は恋愛対象ではなく、幼い頃から知っている間柄ですし八重の方が年上なこともあり、子供っぽくて弟のような存在だったのではないかと思いました。頼朝に関することでも、義時にものすごくわがままや要望を言える関係で、甘えているようにも感じました。そこから段々、好意を真っ直ぐに示してくれるようになってからは戸惑いました。今までの関係性から素直に受け止められない。ただの嫌悪というよりは解らない、信じられない、戸惑いの感情が大きいのかなと思いながら私は演じていました。
義時がお土産を持ってやってきて、初めて向き合って笑顔で「お帰りなさい」と言えるシーン以降は、これまでほぼ笑顔を見せなかった八重の笑顔が増えます。ここからはガラッと八重のイメージが変わるなと思いました。
― 八重を演じる上で大事にしてきたことは何ですか?
新垣:八重の良いところは、意志の強さだろうなと思ったので、自分が大事に思っているものに対しては揺るがないという雰囲気を大事に演じられたら良いなと思っていました。
― その大事にしてきたものは、実際のお芝居に出せましたか?
新垣:三谷さんから「自分が思い描いていた以上の八重さんになりました」という感想をいただいたことで、全部報われたような安心した気持ちになりました。反省点はたくさんありますが、三谷さんの言葉が本当に嬉しくて「良かったな」と思いました。
― 八重を演じたことで、新垣さん自身が勇気づけられたことはありますか?
新垣:八重さんの生きることに対しての執着や生命を大事にする思い、それを自分だけではなく周りに対しても願えるところは、自分の人生においてもとても大切だと改めて感じましたし、勇気づけられたと思います。
― コロナ禍での撮影や初めての大河ドラマということに対して、精神面や体力面のコンディションを整えることが大変だったのではと想像しますが、撮影に臨むにあたって生活習慣や仕事への取り組み方への変化はありましたか?
新垣:大河ドラマは長い期間1つの役に向き合うために、気力や体力がすごく削られるものだろうと思っていたので覚悟はしていました。でも、八重の出演しているシーン自体は全体で考えるとそんなに多くなかったので、1度にまとめて撮り、その後少し期間が空いてという流れでした。その時に、八重としての感覚や現場での気持ちの維持の仕方を忘れないようにということは意識していました。いつも新鮮で、初心に帰った気持ちで現場に行っていました。
新垣結衣「鎌倉殿の13人」今後の見どころを語る
― 特に印象に残っているシーンについて教えて下さい。新垣:今パっと浮かんだのは、第11回で父親の襟足を剃るシーン。物語が始まった時から八重と父親の関係はギスギスしたところから始まり、それがやっと親子らしく家族3人で過ごせた唯一の穏やかな時間だったので、印象に残っています。あの時に見せた浅野和之さん演じる伊藤東祐親の笑顔がたまらなくて。やっと素直に視線を交わせる瞬間があって、印象的だったなと思います。
また、今後の放送で北条家のメンバーが大集合するシーンがあるのですが、そこでも家族で過ごしているという感じがして、撮っている時は八重としてそこにいるのがとても幸せでした。
― ありがとうございます。今後の放送も楽しみにしています。
(modelpress編集部)
新垣結衣(あらがき・ゆい)プロフィール
1988年6月11日生まれ、沖縄県那覇市出身。ファッション誌でデビュー後、CM・ドラマ・映画など幅広い分野で活躍。2017年に主演した映画「ミックス。」では第60回「ブルーリボン賞」を受賞。現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演中。夏には映画「GHOSTBOOK おばけずかん」(7月22日公開)への出演が控えているなど女優として注目を集める。
クレジット
ヘアメイク:藤尾明日香スタイリスト:道券芳恵
【Not Sponsored 記事】
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