堀未央奈、乃木坂46で見つけた答え 悔しさ・葛藤を糧に…“第二章”幕開け<1stフォトブック「いつのまにか」インタビュー後編>
2021.04.20 07:00
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3月28日に行われた「9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~2期生ライブ~」をもって乃木坂46を卒業した堀未央奈(ほり・みおな/24)が、卒業記念となる自身初のフォトブック「乃木坂46卒業記念 堀 未央奈 1stフォトブック いつのまにか」(主婦と生活社)を4月20日に刊行する。“第二章”へと踏み出した堀が、夢を見出すまでに経験した悔しさや葛藤とは…乃木坂46で過ごした約8年間があったからこそ見つけた答えとは。<インタビュー後編>
堀未央奈「常に挑戦し続ける厳しい環境に飛び込みたい」
乃木坂46の26thシングル「僕は僕を好きになる」に収録されている堀のソロ曲「冷たい水の中」のMVにて卒業を発表するという、グループ史上初めての発表方法で驚かせた堀。MVでは、堀が初めてセンターを務めた楽曲「バレッタ」の制服姿で踊り、最後はその制服を脱ぎ捨てる演出。歌詞からも“冷たい水の中”にもう一度挑戦しようと決意したことがうかがえるが、乃木坂46の活動も決して“ぬるま湯”ではない中で、乃木坂46での挑戦ではなく、卒業という決断をした理由は──。
「ずっと25歳までに卒業しようということは決めていました。乃木坂46はすごく居心地が良くて、大好きで…でも居心地が良いと思う時点で、それは自分の中に甘えが出てきてしまっているんだなと思ったんです。厳しすぎるという意見もあると思いますが、グループ活動を楽しいと思うことは、自分自身にも、グループにとってもあまり良いことではないのかもしれない。後輩の成長も見ていてすごく頼もしいけど、そういう風に思える立場に自分がなった時に『私ももっと頑張れるんじゃないの?』と思ったし、私が2期生の代表とか、2期生を引っ張っていく存在と言われるのも、『みんなが目立つべき存在なのに』と悔しくなってモヤモヤすることもあって、なんとなく卒業するならこのタイミングかなと思いました。
もちろん、居心地が良い場所を見つけてから伸びる子もいるので、人それぞれなのですが、私はまだやりたいこともたくさんあって、挑戦することが好きなので、常に挑戦し続ける厳しい環境に飛び込みたいという気持ちがあったんです。卒業を決めるにあたって大きなきっかけがあったわけではないのですが、私が乃木坂46でやれることは大体できたかなと自分の中でも納得したし、卒業はグループやメンバーにマイナスになるわけではないので、乃木坂46という場所と、次の新しい女優業という場所を考えた時に決断しました」。
堀未央奈“第二章”幕開け
「元陸上部だったこともあって、考え方がストイックなんです(笑)」と笑う堀は、乃木坂46の2期生として加入後、8ヵ月という驚異的なスピードで7thシングル「バレッタ」にて初選抜・初センターを務めた頃の不安でいっぱいの姿とは見違える気丈さ。約8年間の活動の中で、彼女を強くした経験を振り返ってもらった。「ターニングポイントを挙げるとしたら、12thシングル『太陽ノック』で初めてアンダーメンバーになった時です。初めて選抜入りした楽曲でセンターを務めて、そこからしばらく3列目を経験していたのですが、最初がセンターだったというプレッシャーもあったし、その後も全然自分の実力が期待に追いつかなくて、頑張りたいのに頑張れないというもどかしさが続いていました。その時に卒業も考えたのですが、乃木坂46はずっと夢だったことや、上京して掴んだ夢を諦めたくないという負けず嫌いな気持ちが出てきて、『まだ続けよう、頑張ろう』と思ったタイミングで、選抜から落ちて、アンダーメンバーになったんです。
でもアンダーでは、選抜にいた時には見ることができなかった景色や感情をたくさん知って、人間として強くなった気がします。自分自身に対する悔しさやモヤモヤとか、周りから見たらマイナスな感情や出来事が、私にとっては『もっと頑張ろう』と思える熱量になったし、ファンの方にもすごく支えてもらって、また選抜に上がれた時に、アンダーで経験したことがきちんと身になっていることを実感したんです。なので、恵まれた環境もすごく素敵だしありがたいのですが、乃木坂46での経験を経て、厳しい環境で挑戦して頑張るということが、私の人生では大事なことなのかなと思っています」。
逆境の中でこそ輝ける堀は、現在の“女優”という新たな夢に前進するきっかけを、映画初出演にして初主演を務めた「ホットギミック ガールミーツボーイ」(2019)で掴んでいた。同作で「第22回上海国際映画祭」にてアジア新人映画部門・優秀女優賞を受賞。惜しくも最優秀女優賞は逃したが、そこで何ものにも代え難い経験を得る。
「『上海国際映画祭』で最優秀女優賞の発表の時、山戸結希監督や映画会社の方がすごく期待してくださっていたので、その期待に応えたいという思いもあったのですが、まだ自信がないという思いもあって、その自信がない感じが『バレッタ』で初めてセンターを務めた時と重なって、ずっと胸の中がごちゃごちゃしていたんです。でも、そんな中でも『せっかくここまで来たからには喜ばせたい。頑張ったから、自分のことも褒めてあげたい』と思ったけど、結果は最優秀女優賞で名前が呼ばれなくて…。『まぁそうだよね』と思いつつも、すっごく悔しくて、帰りに『次は絶対に賞を取ります!』と宣言したんです。なので、乃木坂46・堀未央奈のスタートが『バレッタ』でセンターを務めたことだとしたら、女優・堀未央奈のスタートは『上海国際映画祭』での悔しい経験なのかな。この経験をちゃんと覚えておいて、感じた気持ちを胸に頑張っていかないと、と思います」──堀の“第二章”はもうすでに幕を開けていた。
堀未央奈の夢を叶える秘訣
卒業時に語っていたように、乃木坂46にいた約8年間、叶った夢もあれば、叶わなかった夢もある。両方を経験した堀だからこそ思う、夢を叶える秘訣とは。「本当に夢を叶えたいという思いが、1番大事です。叶う・叶わないはさておき、『これは絶対に叶えたい』『こういう夢を持って頑張りたい』という熱い気持ちがあれば、その夢自体を手に入れることができなくても、絶対にどこかで自分にとっての幸せとして返ってくるし、目標や夢を持っている人はどんな人でも輝いていて魅力的なので、自分が思っていた道とまた違った道で輝ける可能性があると思います。なので『夢を叶えられなかったから自分はダメだ』ではなくて、その夢を持ち続けた自分をちゃんと褒めてあげて、そこで諦めずに、1個じゃなくて良いから、贅沢でも良いから、色んな目標や夢をいっぱい持って毎日を生きて欲しいです」。
アイドルとして芸能界に足を踏み入れてから、乃木坂46で過ごした約8年間。その間には、楽しいことも、苦しいことも数え切れないほどあっただろう。しかし、どの過去を振り返る時も、未来を語る時と同じくらい大きな瞳を輝かせながら、真っ直ぐに言葉を紡ぐ姿を見て、堀はこれまでのすべての経験を糧とし、自身の強みに変えていける力があるのだと感じた。
──“堀さんは乃木坂46を卒業後、自分を褒めましたか?”と聞くと、「褒めました!めちゃくちゃ褒めて、爆食いしました!控えないと…とは思うのですが、フライドポテトを食べると幸せいっぱいで…!」とおちゃめに即答。揺るがない信念を持ちながらも、その純粋さで自然と周りも笑顔にしてしまう才能は、アイドル時代と変わらない。“いつのまにか”大きく成長し、次なるステップに飛び立とうとしている彼女の新たな夢を、これからも見守っていきたい。(modelpress編集部)
堀未央奈、1stフォトブック「いつのまにか」
約4年半レギュラーモデルを務める女性誌「ar」チームとのタッグで、今の堀の持つ表現力や感性を余すところなく発揮した今作は、堀が丸ごと1冊セルフプロデュース。衣装やヘアメイク、小道具にまでこだわりぬいた撮りおろし写真パートに加え、濃密な読み物ページにいたるまで、これを読めば“今の堀未央奈のすべて”がわかる内容に。ファンはもちろんのこと、彼女のおしゃれなセンスに憧れる女性たちも楽しめるコンテンツが満載となっている。
堀未央奈(ほり・みおな)プロフィール
1996年10月15日、岐阜県生まれ。身長162cm。O型。2013年、乃木坂46の2期生として加入後、8ヵ月という驚異的なスピードで7thシングル「バレッタ」にて初選抜・初センターを務めた。2017年には、女性ファッション誌「ar」のレギュラーモデルに抜てき。これまで1stソロ写真集「君らしさ」(主婦と生活社)、2nd写真集「いつかの待ち合わせ場所」(ワニブックス)を刊行している。2019年には、映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」にて映画初出演にして初主演を務め、女優としても活躍を広げている。
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