<女子アナの“素”っぴん/藤村さおりアナ>新人育成のやりがいとは?アナウンサーを目指す学生へのアドバイスも【「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載】

「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』―――― Vol.47~48は1996年入社の藤村さおり(ふじむらさおり・46)アナウンサー。
「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』24人目は藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』24人目は藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。本連載ではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。

前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。

――――宮司愛海アナの後を引き継ぎ、24人目に登場するのは藤村アナ。※後編(Vol.48)は11月1日に配信予定。

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多くの番組でナレーションを担当

藤村アナは1996年に入社。現在は「皇室ご一家」をはじめ多くの番組のナレーションを担当している。

藤村さおりアナ、日々自分と戦っていた1年目とターニングポイント

藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
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― まずは23年のアナウンサー人生を振り返って、一番大きな挫折や苦しかった時期を教えて下さい。

藤村:入社1年目に、夕方のニュースの中継がうまくできず、反省しきりで帰ってきたことがありました。その日がちょうど番組の歓送迎会で、100人以上の番組関係者が参加する大規模なものだったのですが、あまりにも自分が下手すぎて合わせる顔がなくて。案の定行ってみたら、皆さんから愛のある厳しい言葉が(笑)。その経験がバネになったと思います。中継リポートは場数が物を言うものでもあり、経験を重ねて上達するものですが、すぐには上手くならず苦労しました。今振り返っても下手でしたね(笑)。

― 自分自身の中でも、上手くいかないなというのを自覚していて、もがいていたと。

藤村:そうです。毎回“挑む”感じで、楽しむ余裕は全然ありませんでした。前の自分を克服できるかどうか、日々自分で自分に挑んでいました。

― その壁を乗り越えたと感じたのはいつ頃ですか?

藤村:2年目に先輩の夏休み代行をすることになり、毎日「めざましテレビ」の中で、チャレンジものの中継をしたり、5分程度の枠中継をすることになったのですが、ある程度フリーにできる部分があったんです。もちろん時間的な制約はありますし、必要な情報はきちんと入れなければならないのですが、“見せる”という意味で番組が成立していれば自分の言葉で喋ってもいい場面もあるんです。自分の中ではやはり課題が残る点はありましたが、夏休みから戻ってきた先輩が「上手にできていたよ」と声を掛けてくださり、少しずつ階段を上ることができていると感じました。

― やはり1年目が最も大変でしたか?

藤村:そうですね。アナウンサーといってもいろんな仕事をしますので、その都度新しい局面に立つことがあります。そうするとやっぱり初めは皆上手にできないし、時間の管理も上手くできない。

藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
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― 壁にぶつかった時はどうやって乗り越えてきたのですか?

藤村:まずは自分で反省します。録画したものを見て、何がいけなかったか。読み方、表現だけでなく、テレビは映像のメディアなので、目線など音声以外のものも色々な形で情報として伝わってしまいます。自分の一挙手一投足が無駄な情報になっていないかということも含めてもう1回見直して、次に活かすようにしていました。

― ひとつひとつの壁を乗り越えていった中で、一番のターニングポイントというか、分岐点だったと思うことがあれば教えて下さい。

藤村:スポーツ担当からニュース担当に変わった時です。本当に降って湧いたような話で、水曜日にBSでニュースを読んでいたら、「日曜日から地上波のニュースを朝昼やってくれ」と。日曜となると3日後です。それまでニュースはBSでしか読んだことがなかったので、まず「大丈夫かな」という不安もありました。ですが、それまで自分の中で腹式呼吸すら上手くできているかわからないと思いながら過ごしていた中、「これだ!」というのを体得するきっかけになりました。

情報を自分で知りたいと思えるようになったことも大きな出来事でした。ニュースは記者の皆が取材してきたものの塊です。その最後を任せられているのがアナウンサーであり、私がしくじると全部が台無しになってしまいます。「皆の苦労を何とかものにしたい。きちんとしたものにして伝えたい」という思いがより強く芽生えました。

― 急に担当が変わることになり、プレッシャーもあったのでは?

藤村:はい。基本的な事ですけれども、上手く読めるか、時間をこぼさないか。まずそれができないと、伝えたい情報は乗っかってこないということも知りました。私は新幹線でいえば“ひかり”ですね(笑)。最初からサーッと駆け抜けていく“のぞみ”のような人もたくさんいましたけど、私は全然違う。周りの景色を見ながら、色々な事に気が付きながら、1歩1歩進むタイプなんだと。そんなにすぐに上手にならないタイプなので、日々の積み重ねでしかないと思っています。

フジテレビ×モデルプレス「女子アナの“素”っぴん」特設サイト


藤村さおりアナ、子育てと仕事の両立を決めた理由

藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
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― アナウンサーを辞めたいと思ったことはありましたか。

藤村:毎日小さい石を積み重ねるようにここまで来たので、辞めたいと思ったことはあまりないです。ですが、子どもという守るべきものができた時は気持ちが揺らぎました。

― 仕事を続けることに決めた一番の理由は?

藤村:色々あります。ちょうど復職すると決めた時、東日本大震災が起きました。怯む気持ちもなくはなかったのですが、同時に復職後、ニュースを担当することが決まっていたので、これに挑まなくてはいけないと思いました。今思えば、それまではどうしようと若干悩んでいる面もあったように思いますが、震災を機に気持ちも復帰に向かっていました。

― アナウンサーとしての使命感ですね。

藤村:正直なところ、どれだけ自分にできるのか半信半疑でしたし、もしかしたら全ては伝えきれていないかもしれません。でも、皆が情報を欲していた時だからこそ、正確に伝えようと思ったことを覚えています。

― では2人目をご出産された時も、変わらず仕事は続けるつもりで?

藤村:そうですね。物理的に大変になるのは、分かっていました。ただ大変さを想像してみても、想像しきれない部分もありました。1人目の時の経験から、ブランクをどのくらいで乗り越えられるのかはわかっていたので、そこに対する不安はなかったのですが、子ども2人を育てて家庭を回しながら自分の仕事を両立させていくことができるのかという不安が大きかったですね。

藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
― 実際はいかがですか?

藤村:やっぱり大変ですよね。世のお母さんは本当によく頑張っていると思います。我が家は、もう9歳と6歳でだいぶ大きくなりましたが、髪を振り乱しながら幼いお子さんを乗せた自転車を漕いでいるお母さんを見かけると「頑張れ!」と心の中で応援してしまいます。幼い子どもならではの大変さがあるんですよね。それを見ると私もあの頃は大変だったなと。

― 今、仕事する上で子育ての経験がプラスになっていることや、逆に仕事をしていることが子育てのプラスになっているということはありますか?

藤村:全部ですね。どちらにも活きています。子どもがいるからこそ、こんなことが起こりうる可能性がある、ということの想像がつく。なので、子育てと仕事の両立に悩んでいる人がいれば、手を差し伸べることもできると思いますし、「何かあったら言って」という助言や提案くらいはできるかなと。フジテレビの中でもママが増えているので、ママ同士のネットワークというかコミュニケーション力で乗り越えている部分がすごく多いんです。お互いの穴を埋めて乗り越えていく。平たく言うと、ワークシェアなのでしょうが、それがしっかりできていることは大きいと思います。

― 子どもにまつわるニュースに対する考え方も独身時代とは変わりましたか?

藤村:はい。例えば幼児虐待のニュースについて、自らが親になって、そのニュースの裏に何があるんだろうか、というところは知りたいと思うようになりました。何がこの人をそうさせたのか、どうしてこういう結果になったのかというのを、親として知りたい。事件が起きた背景をより考えるようになりました。

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藤村さおりアナ、アナウンサーを目指す人へのアドバイスと夢を叶える秘訣

藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
― 今は新人アナウンサーの育成にも取り組まれていると伺いました。これまでの業務とはまた違ったやりがいがありそうですね。

藤村:やりがいはたくさんあります。最近はアナウンススクールに行っている学生が多いので、私たちの世代に比べると上手ですが、もう少し本格的に画面に立てるところまで仕上げるとなるとまだまだ足りません。声の出し方1つに始まり、文章の解釈、画面の前に立つという心構えも含めると、いわば素人です。彼らはすごく吸収力があるので、短い時間でぐっと吸収する時もあれば、長く停滞してそれができない時もあります。だからこそ、1人1人が育っていくのがすごく楽しくて。

新人アナウンサーも、入社するとすぐに戦力として積極的に画面に登場します。それぞれの活躍をうれしく思う反面、基本のキが備わっていないとやはり駄目なんです。次がより上手く行くように命題を掲げつつ、基本をもう1回見直す作業もさせるようにしています。

色んな子に入社前から出会うことができて、長い間伴走できるというのが、この仕事の面白さですね。彼らから私自身にフィードバックしてもらうこともたくさんあります。新人の研修は、今言ったように“基本を教える”という作業で、社会では“初心を忘れずに”ともよく言いますよね。ですが、次の仕事に向かうとそのインプットのための情報収集とかを一生懸命やってしまいがちで、基本を忘れてしまうんです。そうやって何年も過ぎてしまったりする中で、新人や内定者の研修をすることで、私自身も基本をもう1回学び直すことができる。自分も常に基本に立ち返ることができるんです。研修担当になりもう4年ほど経つのですが、最近昔より上手くなったなと思います(笑)。自分でもこんな形でフィードバックされているんだというのは意外でした。

藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
― この連載の読者にも将来アナウンサーを目指している人が多いのですが、藤村アナはどんな人と一緒に働きたいですか?またアドバイスがあればぜひ教えて下さい。

藤村:まず、アナウンサーになりたいという夢を持っている方は、目指したいものが決まっているだけで、すごいことだと思うんです。その夢に向かって邁進するとなると、そこにさらに熱を加えているわけですよね。それがまたすごいと思います。なかなか夢を見つけられない人も多いですから。やりたいことが決まっていて、そこに情熱をかけて努力をしていること自体、もうすでにプラスになっていると伝えたい。

どう努力をするかは人によって違ってきますし、まずは自分で思っている足りないところを補うといった作業でいいと思います。技術的なことは入社してから教えてくれますから。自分で学校に行かなくてもできることをやっておくといいと思います。例えば色々な経験をする。旅行に行く。友達と喧嘩をしてしまって得た感情や仲直りの方法。恋愛。学校では教えてくれないことって意外とたくさんあります。そこは熱く語れるといいですね。

そして、もしかしたらその夢が叶わないかもしれない。それでも、「ここじゃなきゃ駄目」と思わないで、トライし続けてほしいです。その上で、もしいわゆるアナウンサーという職業に縁がなかった場合も大丈夫。人は縁のあるところにしか引かれないですから。縁と運のあるところにしか惹かれないから、あなたを他のところが欲しいと言っているのだと思って努力を続けてください。どの職業に就いても、アナウンサーになるために勉強したことは絶対に無駄になりません。CAさんでもホテルのフロントマンでも、滑舌良く喋れた方が絶対に良いはず。何を目指しても、必ず活きる技術ばかりですから、諦めないで努力を継続してみてください。

― 素敵なメッセージ、ありがとうございます。今のお話にも繋がるところがあると思うのですが、藤村アナの考える“夢を叶える秘訣”があれば教えてください。

藤村:それは私が教えてほしいくらいです(笑)。まずは夢がない人は、夢を見つける作業が必要で、そこに意外と苦しむ人が多いと思うんですよね。小さく描いた夢を夢と言っていいのか、公言していいのかとか、そういうことも含めて夢について悩んでいる人は多いと思うんです。夢が見つかって安心できている人も、夢は2個、3個持つことが良いと白鵬関にインタビューさせていただいた時、お聞きしました。白鵬関は横綱になるという夢を早々に叶えたことで、夢がなくなってしまったそうなのですが、その時に「夢は1個じゃなくて、2個以上持て」とアドバイスされたというお話を聞いて、欲張りなようだけれども、1個目が達成できそうになった時点で2個目、3個目を掲げて自分を鼓舞することが大切なんだと思いました。

私に置き換えて見た時、何個達成できているのかはわかりません(笑)。でもこれからもまだ夢はいくらでも抱けると思いますし、今からもう1回夢の見直しをしようかなと思ったりもします。何か自分で描いているものが達成できそうになったら、2個目を掲げようかなと思っています。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)


藤村さおりアナのとあるスケジュール

午前 出社し、衣装に着替えメイク

BSフジニュースの本番直前(提供写真)
BSフジニュースの本番直前(提供写真)
13時30分 BSフジニュースの本番直前

広報ラインアップ「今夜のフジテレビは?」のナレーションを担当しています(提供写真)
広報ラインアップ「今夜のフジテレビは?」のナレーションを担当しています(提供写真)
16時 広報ラインナップ ナレーション録り

衣装から私服にチェンジ(提供写真)
衣装から私服にチェンジ(提供写真)
17時 衣装から私服へ

フジテレビ・アナウンススクール「アナトレ」で講師(提供写真)
フジテレビ・アナウンススクール「アナトレ」で講師(提供写真)
18時 アナトレ講師

フジテレビ×モデルプレス「女子アナの“素”っぴん」特設サイト


藤村さおり(ふじむら・さおり)プロフィール

藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
藤村さおりアナウンサー(C)モデルプレス
生年月日:1973年8月14日/出身地:東京都/出身大学:成城大学/血液型:A型/入社年:1996年

<担当番組>

皇室ご一家 ナレーション
日曜報道 THE PRIME ナレーション
サザエさん、ライオンのグータッチなど解説放送
BSフジニュース
広報ラインナップ ナレーション

「フジテレビ女性アナウンサーカレンダー2019-OUR SEASONS-」

2019年フジテレビ女性アナウンサーカレンダー(C)フジテレビ
2019年フジテレビ女性アナウンサーカレンダー(C)フジテレビ
昨年に続き、新美有加アナを中心としたフジテレビアナウンサー室が完全プロデュースし、各月の季節感を色濃く反映しながら日常生活の一場面を切り取った写真は、普段テレビには映らないアナウンサーの素顔が盛りだくさん。

入社8年目の竹内友佳と三田友梨佳アナウンサーを筆頭に、後輩アナウンサー全員が参加し、総勢17人が登場。フジテレビアナウンサーをより身近に感じられる内容になった。

仕様:A3変型判(縦425mm×横300mm)/縦型・壁掛けタイプ/オールカラー13ページ
販売場所:全国書店、「フジテレビショップ」ほかで2018年10月1日より販売中。


宮澤アナ、三田アナ、永島アナ…これまでの女子アナ“素”っぴんインタビュー



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