松下奈緒(C)NHK

松下奈緒「まんぷく」今後の見どころは?恋心と変化を語る<インタビュー>

2019.02.04 08:15

女優の安藤サクラがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『まんぷく』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)に出演している女優・松下奈緒が、同作での印象に残っているシーンや今後の見どころについて語った。

『まんぷく』は、インスタントラーメンをこの世に生み出した日清食品の創業者で実業家・安藤百福(ももふく)とその妻・仁子(まさこ)の半生をモデルに、戦前から高度経済成長時代にかけての大阪を懸命に生き抜く夫婦の成功物語。物語のヒロイン・福子を安藤が、実業家の夫・萬平を長谷川博己が演じている。

松下が演じるのは、福子の次姉・香田克子。画家の忠彦と恋に落ち、周りの反対を押し切って結婚。生活は楽ではないものの、4人の子どもに恵まれ、愛する夫と幸せな生活を送っている。

奔放な性格だが、姉として何かと妹を気にかけており、心配性の母・鈴の言動に悩まされる福子の相談相手となる。福子の代わりに言いにくいこともハッキリ言うため、鈴と言い争いになることもしばしば。物語の始まりから終盤まで、福子たち夫婦と家族ぐるみで支え合いながら暮らしていく。

以下、松下のインタビュー。

松下奈緒、印象に残っている場面

― 物語が進んでいくにつれ、役柄に対する印象や演じるうえでの心境の変化がありましたら、教えてください。

克子の印象は大きくは変わりません。常に、夫・忠彦さん(要潤)のそばにいたい、支えていたい、一番の理解者だという気持ちは変わっていないんですよね。子供たちもだいぶ大きくなっていて、第16~17週では、息子二人は大学進学のために東京に行っていて、タカは結婚していて、もう第二の人生のような感じです。ある意味で子育ても終えていますし、「自分の好きなことってなんだろう?」と考えてみると、やっぱり家のことをして夫を支えるということが好きみたいです。ただ、環境は変わりましたよね。

忠彦さんの絵のモデルへの嫉妬については、考えてみたら克子は46歳の設定。それでもやっぱりどこか少女のような女心を忘れていない。それがすごくチャーミングに見えたらいいなと思いながら演じています。子供がいようが40代だろうが関係なく、忠彦さんへの恋心が、いくつになってもあるんだなぁと思いました。すごく面白かったです。

香田家でもいろいろなことが起こります。でも、福子(安藤サクラ)夫婦は会社のこととか、お母さん(松坂慶子)のことで結構てんやわんやしているので、落ち着いて見てみると、意外と香田家の問題って、夫婦の仲だとか、身近なところで起こるんだなと思いました。台本を読んだときは結構びっくりしましたが、ある意味、すごく平和だと思います。家を差し押さえられたり、明日どうやって生きていこうかとかということで悩んでいたりする妹をよそに、克子は、夫が女の人を連れ込んで……というところに差を感じますね。「克子の心配するところって、そこなんだな」と。「落ち着いたなかでの個人的な不安」であるというのが、面白いと思いましたね。

私(克子)がいいよって言ったもんだから、こう(忠彦が美人画を描く)なっちゃったわけなんですが、生き物を描いていた人が、いきなり美人画を描き出すというのは、どういう心境の変化だったのでしょうね。私(克子)はきっと、「いいよ」って言ったことを悔やみ心配しながらも見守り、そうして、次のステップに行くのかもしれません。受け止めているものの、我に返るとちょっと寂しい気持ちがあるんでしょうね。

― これまで演じられてきたシーンで、特に印象に残っているものがあれば理由と共に教えてください。

戦争でいつもいっしょにいたはずの人がいなくなってしまって、帰ってくるのかこないのか、生きているのか亡くなっているのかもわからない。それが克子の人生のなかでは一番大きなできごとだと思います。そこで忠彦さんが帰ってきてくれたことによって、あらためて「じゃあ私はどうやって生きていけばいいのか」と再考したでしょうし、「この人と、この家族を守らなければいけない」と再認識したんじゃないかなと思います。これがもし忠彦さんが帰ってこなかったとしたら、また大きく変わっていたのでしょうね。帰ってきてくれたことによって失ったこともあったのかもしれません。

誰も理解しにくい忠彦さんのことを、どうやってこれまでのような方向に持っていってあげられるのか。それは、克子にしかサポートできないことだと思います。もちろんそこに福ちゃんたちの支えもありますが、「忠彦さんを一番理解しているのは私」「普通の人じゃない」というセリフもあり、絵描きがいかにすごいこと、かつ大変かということも再認識した気がします。

松下奈緒が語る「まんぷく」今後の見どころ

― 番組の後半から終盤にかけての、演じられる役柄のみどころや注目ポイントを教えて下さい。

考えてなさそうで意外と考えているところが、克子の隠れた魅力かもしれません。あっけらかんとしているし、「そんなことゆーたかて」と、どこか物分かりがいいように見えて、ずっと胸の中にはなにか引っかかっていたりするんです。明確に描かれてはいませんが、常になにか考えごとをしていて、意外に人のことをいつも考えているんじゃないかと思います。それは忠彦さんだけじゃなく、お母さんや福ちゃんのことも含まれます。自由に発言しているだけで、自己中心的な人ではないので、常に大切なものがそばにあるという意識を持っているんじゃないでしょうか。

後半でもアトリエの様子は変わりませんが、香田家の居間には絨毯が敷いてあったり、家電をすべてそろえたり、キッチンも様変わりしています。忠彦さんの絵が売れるようになったからだと思います(笑)。生活は楽になっていますし、家からあまり出ることのない克子にとって、キッチンは特に楽園のようになっているんじゃないでしょうか。

― 毎日の放送を楽しみにしている、視聴者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

撮影が半分を過ぎて、本当にいろいろなことが起こるなぁと思っています。ある意味、波乱万丈な人生だと思うのですが、そこにいる人たちは、それぞれ自分なりにそれを楽しんだり悩んだりしながら、一つひとつ乗り越えて乗り切って、またひとついろいろなものをつかんでいく。その様が本当に見事に描かれているので、演じながらも次に何が起こるのか楽しみにしています。萬平さんも、忠彦さんも、とにかく一つの枠に収まらない人たちで、今度は何をやろうとするのか、何をやってくれるのか、ワクワク感があります。

いろいろなことを経て、最終的にどうやって即席ラーメンに行き着くのか。一視聴者としてもすごく楽しみで元気ももらっていますが、視聴者の方にも、なにかそういう前向きな気持ちをお伝えできたらいいですね。忠彦さんの絵のモデルさんで思い悩むシーンでは、お母さんを忘れて、妻を忘れて、思い切り少女に戻って恋する人になろうと思います。

(modelpress編集部)
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