モデルプレスのインタビューに応じたテミン(C)モデルプレス

<テミン(SHINee)インタビュー>ソロアーティストとして追い求める理想「テミンにはテミンの色がある、と感じてもらえるのは嬉しい」

2018.11.13 17:00

ボーイズグループ・SHINee(シャイニー)のテミンがモデルプレスのインタビューに応じた。1stフルアルバム『TAEMIN』のリリースを11月28日に控える中、9月から始まった自身初のソロツアー『TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~』では同作に収録される新曲を含む全21曲をパフォーマンス。取材が行われたのは全国16会場26公演に及ぶホール公演を完走した直後とあって、達成感もあったことだろう。キラキラと晴れやかな笑顔のテミンが今回のツアーや新曲に込めた思い、各地での思い出、ソロアーティストとしての音楽観に至るまで幅広く語った。

テミン初のソロツアー、演出・仲宗根梨乃との濃密な準備期間「普通のことはしたくない」

― ホールツアーお疲れ様でした!札幌公演の後に行われたインスタライブを拝見しましたが、日本語で流れてくるコメントもしっかりキャッチされて。

テミン:キーさんが(コメントで)来た時ですよね(笑)。ひらがなとカタカナは結構読めるんですけど、漢字は少しだけ。もっと勉強しないといけないと思っています。

― ではまずツアーについて伺います。ソロツアーが夢だったということで、実際にたくさんの地域をまわってみていかがでしたか?

テミン:ファンの皆さんが喜んでくれて、とても感謝しています。そして僕にとっても今回のツアーは新しい経験だったので、本当に忘れられない記憶になりました。ステージの上で「ツアータイトルの“SIRIUS”のように一番明るい瞬間を作りましょう」と言ったんですけど、僕としては本当に明るい瞬間を作ることができたと思います。来てくださった皆さんのおかげです。

― ファンの方々の温かさや明るさを一番感じられた瞬間は?

テミン:ホールはファンの皆さんとの距離が近いじゃないですか。表情がちゃんと見えるので、皆さんが笑顔でいてくれるだけで僕の力になって、頑張ることができました。これは本当にホールの魅力だなと思います。

― 初めての単独公演『TAEMIN THE 1st STAGE 日本武道館』(2017年7月)とはまた違った雰囲気でしたか?

テミン:そうですね。実は武道館の時のことは、緊張しすぎてあまり記憶がないんです。僕も後で映像を観ながら「あぁ、こんな感じだったんだな…」とか思ったくらい(笑)。今回のツアーももちろん最初の日は緊張しちゃったんですけど、だんだん慣れてきて、皆さんの笑顔や色々な瞬間が記憶に残っています。

― 余裕が出てきたんですね。

テミン:そうですね、前よりは。でもまだ緊張はします。

テミン/『TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~』パシフィコ横浜 国立大ホール公演(提供写真)
テミン/『TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~』パシフィコ横浜 国立大ホール公演(提供写真)
― 準備期間についてですが、コンセプトや構成を決める時にテミンさんからはどんなアイデアを出しましたか?

テミン:7月頃から打ち合わせをして、僕からのイメージを(演出を手がける)仲宗根梨乃さんに伝えました。細かい部分まで意識しながら作ったコンサートだと思います。例えば歌う時も、ただ歌うだけじゃなくてピアノの上で歌えば特別なものになりますよね。そうやって“普通じゃない”ステージを表現したかったんです。それと今回はファンの皆さんと作るステージを想像しながらコンセプトを吟味しました。武道館はどちらかと言うと自分のことを(一方的に)見せるステージが多かったので、今回は皆さんと共感できるようなステージを作りたかったんです。

― 梨乃さんにはどんな言葉で伝えたんですか?

テミン:「僕、普通のことはしたくないです!」って(笑)。

― 非常に難しいオーダーですよね(笑)。

テミン:一番難しいと思います(笑)。はっきりしたイメージはまだ見えなかったけれど、なんとなく自分の香りがするような…これまで見たことがない、新しいステージを作りたくて。

― 梨乃さんがテミンさんのことを熟知しているからこそ実現できたステージだったと。

テミン:そうですね。僕が何かひとつ言えば、10個のアイデアにしてくれる方なので。SHINeeがデビューした時から一緒に作品を作ってくれた、お母さんのような存在です。色々と相談をした結果、シンプルに歌う曲は1曲だけで、あとはピアノを弾きながら歌ったり、踊りながら色々なアクションをしたり…そんなステージになりました。

テミン/『TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~』パシフィコ横浜 国立大ホール公演(提供写真)
テミン/『TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~』パシフィコ横浜 国立大ホール公演(提供写真)
― 「こういう表現の仕方もあるんだ!」と驚いたことは?

テミン:それは結構多かったと思います。例えば「Better Man」という曲は、僕が歌っている後ろでダンサーさんが踊るんですけど、それがヒップホップとかストリートダンスではなく、“舞踊”というか…エモーショナルな踊りだったのも僕にとっては印象的でした。「Rise」という曲では、負の感情をパフォーマンスで表現したんですけど、ダンサーさんが僕の歌とリンクするように、辛い感情を踊りで表現してくれて。

― これは武道館でも感じたことですが、テミンさんのステージは演劇を見ているようにストーリー性があって、ドラマティックだなと。

テミン:そう言ってもらえることが多いですね。ミュージカル的なところがあると思います。

― 武道館はかなりギリギリのスケジュールで準備されていたと伺いましたが、今回はその時に比べると余裕はあったのでしょうか。

テミン:はい。(公演前に)ドイツに行ったりしましたけど、武道館の時よりは時間に余裕があったので、自分の意見を話して、梨乃さんの意見も聞きながら色んなチャレンジにつなげることができたと思います。

― 武道館の後に、韓国でのソロコンサートもありましたよね。ソロで経験を重ねていくうちに、ステージで表現したいものが変わってきたりしましたか?

テミン:最初はただ自分があれを見せたい、これも見せたい…っていう気持ちが強かったんですけど、実際にやってみると、観客の皆さんと一緒に共感できる曲が絶対に必要だなと思いました。色々なコンセプトを詰め込みすぎると、観るほうも疲れてしまうんじゃないかなと思って。そこは僕自身、考えが変わった部分だと思います。

テミン/『TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~』パシフィコ横浜 国立大ホール公演(提供写真)
テミン/『TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~』パシフィコ横浜 国立大ホール公演(提供写真)
― 今回のステージ全体を通して、テミンさんが特に記憶に残っている部分は?

テミン:僕はゴールドの衣装…「ECLIPSE」から「What’s This Feeling」までが強く記憶に残っています。

― 中盤の盛り上がるポイントですね。

テミン:もちろん最初の登場も強い印象ではありますけど、「ECLIPSE」からが結構激しいんですよ。「Drip Drop」という曲で僕が激しく踊ると、観客の皆さんも本当に力を込めて、「テミン」コールで僕を応援してくれる声がよく聞こえるんです。

それと「What’s This Feeling」で、僕が「手を上げてください!」とか「手を振ってください!」と言うと皆さんそのようにしてくれるんですけど、「みんなジャンプして!」って言うと(隣の席との間隔が)ちょっと狭いので、皆さんが周りの様子を(キョロキョロと)見ながらジャンプするのがかわいいなと思いました(笑)。

― 本当にファンの皆さんの細かい仕草まで見えているんですね!地域ごとに意識したことはありますか?

テミン:方言であいさつをしたりしました。大阪では「好きやねん!」とか。地域の名物も必ず見に行ったり、食べたりしたので、それに関する話もライブでしたりしましたね。

― 色んな名物を食べましたか?

テミン:はい。4年前、SHINeeでホールツアーをまわった時も色々な名物を食べましたが、今回また改めて色んなものを食べてみると、全く知らなかった魅力を感じることができて楽しかったです。今回初めて食べたのは…味噌煮込みうどん!それと塩ラーメンですね。熱かった(笑)。僕の想像では、塩というと塩の味だけなのかと思っていたんですけど、結構すっきりするというか、なんか元気になる感じで、新しい経験でした。

ツアー中、よく見ていた夢は?「意外に心配ごとが多いタイプ」

テミン(C)モデルプレス
― 長期的なツアーという点で苦労することはありませんでしたか?

テミン:韓国では映画を観たり、趣味の時間をたまに作るんですけど、今回は日本にパソコンを持ってこなかったんです。それで、空いた時間に暇だなって思うこともありました(笑)。

― わざと持ってこなかったんですか?

テミン:はい。コンサートに集中するために。パソコンがあるとつい夜遅くまで色々観てしまうタイプなんですよ。そういう自分を知っているので(笑)今回は置いてきました。しっかり寝ないと支障が出ますから。

― そうなると、寝るまでに考えを巡らせることも多くなりませんか?

テミン:コンサートをした日はアドレナリンが出て、なかなか寝られない時がありますね。「今日、もっとこうやったらよかったな…」って振り返る時もあるし。でも、いつの間にか寝てしまいます(笑)。

― 夢はよく見ますか?

テミン: はい。コンサートで失敗しちゃう夢を結構見ました(笑)。実際はそこまで大きな失敗もなかったんですけど、ただ僕が不安で。例えばピアノを弾きながら歌う「Love」で失敗して、やり直した2回目もまた失敗しちゃって皆さんに「ごめんなさい」って言う夢。そのせいで、次の日に「Love」を歌う時は結構緊張したんですけど、無事成功してよかったです(笑)。

― 心配性なんですね…!

テミン:そうですね。意外に心配ごとが多いタイプです。

― でも本番には強い!

テミン:…そうだと嬉しいです(笑)。

― ツアーでコンディションを保つために、心がけていたケアはありますか?

テミン:いつもトレーナーの方がいるのでしっかり筋肉をほぐしてもらうのと、ダンサーの皆さんとはストレッチを毎日しました。食べ物も意識して、炭水化物はしっかり摂って、あまりしょっぱいものや重い食べ物は食べないようにしましたね。そして、ステージの前は必ず栄養ドリンクを飲む!(笑)

そしてコンサートがない日は、できるだけ散歩をするようにしていました。何もしないと逆に体の力が抜けてしまうというか。少し動いたほうが楽ですね。

― では地方の街並みを楽しむ時間もあったんですね。

テミン:はい!広島では路面電車が有名だと聞いたので乗りましたし、お祭りも初めて行きました。ボールすくいをやったり、色々な食べ物を食べたり。射的もやったんですけど、それは全然ヘタクソでした(笑)。お祭りは初めての経験ですごく楽しかったので、いつかもっと大きなお祭りに行ってみたいです。

― 街の小さなお祭りだったんですね。まさかそんな身近な場所にテミンさんがいるとは…!

テミン:1人でいると全然気づかれないんですけど、スタッフさんたちといたので目立っていたかもしれないですね(笑)。

ステージで光り輝くために…「自分に集中することが一番大事」

テミン(C)モデルプレス
― ツアーの公演を重ねるごとに成長や変化を感じることはありましたか?

テミン:喉や体力が心配だったんですけど、意外に大丈夫でした。3日間公演が続いた時もしっかり歌えたし、それは僕にとって成長を感じたところです。あとは煽りの部分ですね。観客の皆さんと一緒に楽しく盛り上がれるように、その日のライブを映像で見返しながら「必要だな」と思った煽りをツアーの間にどんどん増やしていったんです。「What’s This Feeling」は普通に踊るのをやめて「ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!」っていう煽りを入れてみたんですけど、そしたらどんどん盛り上がっていったので、あれは本当に良かったなと思いました。「What’s This Feeling」では銀テープが出る演出もあったんですけど、一番盛り上がるところで出てしまうと皆さんが何に集中すべきか悩んでしまうので、そこもちょっと変更しました。

― まさに長期ツアーの醍醐味ですね。ファンの皆さんと一緒に成長していく感覚というか。全力を出し切ったツアーになりましたか?

テミン:もちろん色々なコンディションがあって悔しさを感じた日もあったんですけど、個人的には全力で頑張りました。ファンの皆さんも頑張って応援してくれたから、やり遂げることができたと思います。

― これからアリーナ公演がありますが、意気込みを聞かせてください。

テミン:アリーナ公演ができることを本当に感謝しています。もちろんホールツアーと同じように全力で頑張りたいと思いますし、皆さんも是非ついてきてくれたら嬉しいです。これはまだちょっと秘密なんですけど(笑)新しい曲も入れる予定なので、楽しみにしていてください!

― 「Under My Skin」の曲紹介で、「僕にとってはSHINeeのメンバーやファンの皆さんが光です」という言葉が印象的でした。ファンの皆さんにとっては、テミンさんが光であるでしょうし、そうやって温かく心を通わせた時間になりましたね。

テミン:本当に嬉しいことです。皆さんが僕のことを見て光だと思ってくれたら嬉しいですし、僕は応援してくれる皆さんから本当に大きな力をもらっています。「Under My Skin」はそれを歌詞に込めた曲で、僕が本当に伝えたい気持ちを持って歌ったので、皆さんがどう感じたかはわからないですが、伝わっていたら嬉しいですね。

― 常に光り輝く姿であるために、ステージの上で大切にしていることはありますか?

テミン:自分に集中することが一番大事だと思います。歌う時も踊る時も、集中力を持つことを意識するんです。曲に対して集中するというか。

― 歌詞を噛み締めながら?

テミン:はい。ちょっと(頭の中で)翻訳するのに時間がかかることもありますが…(笑)。

― そうですよね!特にテミンさんの曲は深い意味を持った言葉が多いですから。

テミン:でもレコーディングの時から歌詞の意味を考えて、意識しながら歌っているので、コンサートの時は意味を覚えていますね。

『TAEMIN』(2018年11月28日発売)通常盤(提供写真)
『TAEMIN』(2018年11月28日発売)通常盤(提供写真)
― デビュー曲「さよならひとり」から最新曲まで凝縮された1stフルアルバム『TAEMIN』ですが、テミンさんの中で思い入れの深い曲は?

テミン:1曲だけ選ぶのは難しいんですけど、やっぱり「Under My Skin」かな。今回のリード曲ですし、今まで見せたことのない新しい、“踊らないテミン”を見せる機会なので、注目してほしいです。

― ミュージックビデオも海辺の素晴らしいロケーションで撮影され、美しい仕上がりでした。

テミン:そうですね。天気も素晴らしかったですし、風は結構吹いて困りましたけど(笑)本当に忘れられない記憶になっています。自然に囲まれてミュージックビデオを撮影したことは、僕にとって珍しい経験でした。

自分だけが持っている「色」を忘れないで

モデルプレスのインタビューに応じたテミン(C)モデルプレス
― 最後に“ソロアーティスト・テミン”としての考えやこれからのことをお伺いしますが、音楽と向き合う中で、世界的なトレンドは意識しますか?

テミン:トレンドも意識しますが、それよりもっと他の部分を考えたりしますね。例えば「さよならひとり」はアジアンテイストが入っている曲じゃないですか。それは僕がアジア人なので、アジアンテイストが入った曲が似合うんじゃないかという思いがありました。そんな風にトレンドよりも、伝えたいイメージやメッセージ性を意識しています。

― これからテミンさんのように、世界的に活躍するエンターテイナーを目指す後輩たちにアドバイスを送るとしたら?

テミン:僕がアドバイスできることがあるかわかりませんが、僕は音楽の中で、テミンという存在が見えるようにしたかったんです。「テミンにはテミンの色がある」と言ってくれる人がいますが、そう感じてもらえるのは本当に嬉しいです。ですからもし歌手を目指すのであれば、是非自分の色を忘れずに、自分だけが持っている色を、世界の皆さんに見せてほしいですね。

― テミンさんはテミンさんの色をすぐに見つけられたのでしょうか?

テミン:僕も最初は悩みました。何をやったらいいかわからなかったけれど、色々な経験をしたことで、僕だけの音楽性に気づくことができたと思います。

― ソロアーティストとしての次の夢や目標を聞かせてください。

テミン:今、ダンサーの皆さんや周りのスタッフの方々と作った絆が素晴らしいものだと思っているので、それをずっと大切にしながら、ファンの皆さんの前で自分の姿を見せることができたら、それだけで十分幸せだと思います。そして、これは僕の欲なんですけれど、もっとたくさんの皆さんにお会いできる場所で、多くの応援をもらえたら嬉しいですね。

(modelpress編集部)

テミン1st Full Album『TAEMIN』(2018年11月28日発売)

初回生産限定盤:CD+DVD+撮り下ろしPHOTOBOOKLET
通常盤:CD+撮り下ろしPHOTOBOOKLET
ファンクラブ限定盤:CD+DVD+撮り下ろしPHOTOBOOKLET

「TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~」追加公演

11月9日(金)神戸ワールド記念ホール
11月10日(土)神戸ワールド記念ホール
11月11日(日)神戸ワールド記念ホール
11月24日(土)武蔵野森総合プラザメインアリーナ
11月25日(日)武蔵野森総合プラザメインアリーナ
11月26日(月)武蔵野森総合プラザメインアリーナ
※最新情報は公式サイトをご確認ください。
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