<城田優インタビュー>「舞台に立つことが怖くなった」デビューから現在に至るまで戦っている“葛藤”を告白 それでもミュージカルに出演し続ける理由とは
2018.10.24 08:00
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俳優の城田優(32)がモデルプレスのインタビューに応じた。16歳のときミュージカル「美少女戦士セーラームーン」のオーディションで地場衛/タキシード仮面役を射止めたことがきっかけで、ミュージカル界に足を踏み入れた。計り知れない程の苦労や挫折、葛藤と戦い、努力してきた城田だが、それ以上の達成感ややりがいがあるからこそ、ミュージカルはやめられないという。今回のインタビューではこれまでの俳優人生を振り返ってもらうとともに、初のミュージカルアルバム「a singer」(10月24日発売)についても語ってもらった。
城田優、初のミュージカルアルバム「a singer」
アルバム「a singer」は、ミュージカルを彩る様々な楽曲を厳選したミュージカル・カバー・アルバムとなっており、華麗なるミュージカルの世界を多彩なアレンジとクールで魅惑的な声(ヴォイス)で美しく描いたもの。デュエットには、本場ブロードウェイやウエストエンドで活躍する世界のミュージカル・スター、ラミン・カリムルーを迎えた「闇が広がる」(日本語歌唱)や、ハリウッドでも活躍する女優・歌手のすみれとの「ホール・ニュー・ワールド」(英語歌唱)、昨年『ロミオとジュリエット』でジュリエット役を務めた乃木坂46の生田絵梨花との「エメ」(日本語歌唱)など豪華ゲストも迎えている。現在放送中のドラマ『文学処女』の挿入歌にもなっている「イザベル」を自身のアイデンティティでもあるスペイン語での甘く切ない歌唱にも注目。― なぜ今回初のミュージカルアルバムをリリースしようと思ったのでしょうか?
城田:過去にもCDのお話をいただいていたのですが、出演作品も増えてきた中で、ミュージカルという分野でも自分の注目度が上がったり、もっとミュージカルを広げたいという思い、あとは振り返ったときの一つの思い出としてファンの方や自分にとっても軌跡として残せたらいいなと、いろんな感情が積み重なり、今回作らせていただきました。
だから、今回は別の歌手の方の曲をカバーするわけでもなく、自分で作った曲を歌いますというわけでもない。何百人何千人という方たちが歌い続けてきたミュージカルの作品ばかり。世の中に溢れている素敵なミュージカルの曲の中から僕が好きな曲をピックアップして、歌いました。今回タイトルが「a singer」となっているように僕はシンガーとしてこのアルバムに歌を込めるというか、魂を込めることに1番力を入れました。
― レコーディングはいかがでしたか?
城田:歌うことは変わらないのですが、今回は言語が難しかったです。英語で歌うときの英語の発音が。なので、今回1番力を入れたところは英語の発音かもしれません。僕は英語がもともと話せると思われがちなのですが、みなさんと同じ環境で学校で習った英語に加えて、大人になってから自分で勉強してきました。当たり前かのように「その発音いいね」って言われるのですが、なるべく良い発音にしたいと思っていて、何度も録り直していますし、これでOKと言われたあとに違う方にも聴いてもらうと、ここの発音が微妙じゃないのか言われ、録り直したりとか。
― 今回は英語の発音にすごくこだわったと。
城田:そうですね。僕からすると世界配信だったり、日本だけではない方たちにも聴いていただくチャンスですし、特にミュージカルは世界で広がっていますので、英詩のものを歌うときはすごく発音に気をつけて、本場の物語を歌わせていただきました。だから発音は10回も20回もトライしたり、それでもできないこともありました。特に、「ザ・グレイテスト・ショー」はすごく難しくて、ラップのような英語なので、その辺が非常に大変でした。
― 英語の発音に苦労した上に、コラボ曲も多いなと思ったのですが、印象に残っていることはありますか?
城田:みなさん本当にありがたいコラボレーションでした。ラミン・カリムルーさんという世界的なミュージカルスターですが、彼とは個人的な親交があって、今回も是非一緒に歌わないかと直接僕が聞いたら、「やりたい」と即答してもらったので、プロモーションビデオまで撮らせていただきました。もともと撮る予定はなく、自分一人で撮るつもりだったのですが、その場でビデオ撮らないか聞いたら、いいよって。
― すみれさんなど、日本の方とのコラボもありましたね。
城田:すみれさんとは元々友達で歌が上手いのは知っていたし、英語が話せる。この曲はどうしても英語でやりたかったので、世界観を壊さないまま素敵にかつ、オリジナルティを出すために、おしゃれで大人っぽくて、セクシーで妖艶な雰囲気を出したいと思っていた中、すみれさんに一緒にやらないか連絡したら「やりたい」という感じで決まっていって。
― 聞き所満載ですね。
城田:そうですね。あと、乃木坂46の生田絵梨花さんも。多分今1番勢いのあるアイドルであると同時に勢いのあるミュージカル女優。生田さんを通して幅広い方にミュージカルに興味を持ってもらえたら嬉しいなって思います。
城田優、ミュージカルに出演する理由&過去の挫折と葛藤
― ドラマや映画ではなく、ミュージカル出演にこだわりはあるのでしょうか?城田:ミュージカルにこだわっているわけではなく、ただ単純に歌うお仕事の方が楽しいです。ミュージカルってやっぱりエンターテイメントの中では非常に価値があるもので、すごく難しいので、本来なら簡単に手を出してはいけないというか。歌う、踊る、芝居するって三拍子揃っていて、生でそれをやらなくてはいけない。何週間、何ヶ月の稽古を経てやっとお客様に見せることができる状態にするのがミュージカルの醍醐味であり、本番毎回毎回その空気感が違う。その何十公演を何ヶ月かけてやる、時には何百公演を超える公演数をこなす。その全体のプロジェクトが終わったときの達成感は、ほかのどんな仕事でも得られないものがあります。やってみないとわからないのですが、準備期間から始めて、できなかったダンスや難しいと思った芝居、上手く歌えなかった歌とか、一生懸命みんなで稽古して本番に入って、本番で大きな怪我や事故もなく、全公演終わって最後のカーテンコールでお客様からの拍手だったり、声援だったりとかをいただくと、本当に感無量で千秋楽では何度も涙しました。
― ミュージカルに対する熱い思いが伝わってきます。
城田:ドラマや映画も同じように集団生活をして、同じように毎日顔を合わせるのですが、やっぱり舞台ミュージカルは圧倒的に一緒に過ごす時間の密度が濃いなと僕は感じます。戦友みたいになるんですよね。そういう意味ではミュージカルというお仕事がなによりも評価されるべきだと思っていて、そこでやり続けることや、挑み続けることが自分の成長に繋がるんだと思います。
― そもそもなぜミュージカルをやろうと思ったのでしょうか?
城田:ミュージカル「(美少女戦士)セーラームーン」で初めて役をいただいたことが僕とミュージカルの出会いでした。そのときはミュージカルのすごさってなに?みたいな感覚だったのですが、やっていけばいくほど、すごいことをしているなって。毎回お客様がチケットを買って観に来てくださるから、僕たちは毎回ベストを尽くさなければならない。僕からしたら50回中の1回だけど、お客様からしたら1回中の1回だから、その日によってコンディションとかが違っても、どんな条件の中でもベストを尽くしてその1公演1公演をやっていかなきゃいけないって、すごい仕事をしているなって思いました。それに、僕の好きな歌と芝居があります。歌と芝居が僕はすごく好きなんです。なので、自分の中でこだわっているというより、自分の得意であり好きだと思っている歌とお芝居が混ざっているのがミュージカルでした。
― 自分の“好き”が詰まっているからミュージカルの道を選んだんですね。
城田:僕の好きな歌と芝居が詰まったミュージカルには僕の居場所があったことも大きかったと思います。ミュージカルの出演のお話や、賞をいただくと、自分にとってのモチベーションにも繋がるというか。ミュージカルのお仕事が自分にとってすごく向いているなと思います。映像作品ではデメリットだとか、僕にとっての短所と思われていたところがミュージカルだと長所に変わる瞬間がありました。
― どんなとき長所に変わったとわかったのでしょうか?
城田:やっぱり「セーラームーン」で初めてオーディションに受かった瞬間。背が高いということや顔の彫りが深いこと、歌が歌えることがミュージカルではどれだけプラスになるのかということがわかりました。ミュージカル界のいろんな方たちから「城田くん、羨ましいよ」って容姿を羨ましがられることが増えたことで、ミュージカルという舞台では自信を持てる、自分は輝ける存在なんだと。だからこそ自分を活かさなければいけないなと思うようになりました。
「セーラームーン」がきっかけで、この後トントン拍子でいろんなミュージカルの仕事をいただくようになったのですが、ミュージカルに出演することはすごく責任があって、大変だからあんまりたくさんはできない。ですが、やっぱり達成感ややりがい、僕自身のやりたいことが全部混ざっているから、挑戦して自分を高め続けていこうと思っています。
― 映像作品のオーディションに落ち続けてきた中でミュージカル「セーラームーン」に受かったときはどのような心境だったのでしょうか?
城田:「セーラームーン」に出演できたことを今僕は本当に誇りに思っています。「セーラームーン」のおかげでいろんなことに救われたし、熱意のある指導者たちが集まっていた場でした。初めての演出家があの人でよかったな、初めての殺陣師があの人でよかったな、初めての振付師があの人でよかったなって、思うことばかりです。
― たくさんの方々から学んだ作品となったんですね。
城田:当時の僕は本当に何もできませんでした。体もバキバキに硬くて、背筋も悪くて、身長もコンプレックスと思っていた。お芝居もダンスも殺陣も全部下手くそだった。だから出遅れている存在として毎日のように居残り練習をしていました。当時は本当に底辺の底辺にいました。歌だけは少し自信があったのですが。
オーディションに受かったときに映像資料をいただいたのですが、それを見て泣いたんですよ。まだ16歳の高校2年生だったので、今よりもっと純粋だったんだと思うのですが(笑)、本当に涙を流すぐらいいい話だなと思いました。同世代の出演者が多いので楽しい現場なのかなと思いながら、稽古に入ったのですがメリハリのある現場であり、ミュージカルにおいて必要要素が全て含まれていたので、初めての現場がそこでよかったなって思っています。2年後卒業したとき、始めた頃と卒業するときの映像を見比べたら全然違うものになっていたというか、成長していることがわかりました。だからこの前、乃木坂46のみなさんが出演しているミュージカル「セーラームーン」を観に行かせてもらったとき、すごく懐かしくて軽く泣きましたね(笑)
― 「セーラームーン」のおかげでミュージカル界でやっていく覚悟ができたんですね。
城田:初舞台でもまだ全然で、ふわっとした気持ちだったのですが、そのとき殺陣師の幸村吉也さんにステージ上手側の袖で「優、舞台っていうのはやればやるほどどんどん怖くなるんだぞ」って言われて。そのときは「へぇ~、そうなんだ」としか思っていなかったのですが、やればやるほどどんどん自分が成長していく、成長していくほど求められるものが上がっていって、アベレージが高くなっていって失敗できないという気持ちに変わっていく。それでどんどん舞台に立つことが怖くなった時期がありました。
― どの作品のとき怖いと感じるようになったのでしょうか?
城田:24歳で出演した「エリザベート」のときです。とても怖かったですね。(ブロードウェイ・ミュージカル)「スウィニー・トッド」をやった20歳のときももちろん怖かったのですが、経験値が上がれば上がるほど、絶対失敗できなくて怖い。1つの失敗がすべてのキャリアを壊す感覚に襲われる。50公演あっても、お客様は1回しか見ないので、せっかくの思い出が失敗した僕の回になってしまう。特にテクニカルな部分のパフォーマンスが非常に怖くなってしまったり、自分が苦手だと思っているところを必要以上に意識してしまってまた失敗したり…。悪循環だった時期があったので、ミュージカルは本当に怖いのですが、自分には向いているので、やるべきだという葛藤と戦います。今でも変わらずあり続ける葛藤です。
― 今でも怖いと感じるんですか?
城田:めちゃくちゃ怖いです。舞台に立つことがなによりも怖いです。生で歌うこと、生で芝居することが1番怖いです。もちろん慣れれば、楽しいと思うときもあるのですが、舞台が超楽しいとなったことは少ないです。どちらかというと苦手なイメージです…。
― でも、20代前半のときと今では“怖い”という意味が変化しているのではないのでしょうか?
城田:変わってきています。24歳ぐらいのとき最大で怖い怖いと感じていた時期なのですが、20代後半で舞台「4Stars」でラミン・カリムルーさん、シエラ・ボーゲスさん、レア・サロンガさんと出会い、世界ですごく有名なお三方と一緒にミュージカルコンサートをやらせていただいたとき、世界のエンターテイナーたちの取り組み方を知ることができました。
― 「4Stars」でどんなことを学んだのでしょうか?
城田:僕は今まで減点法でした。舞台に立ってなにか1つ失敗したら落ちていく。最後の挨拶で「ありがとうございました」というところも、日によっては「すみませんでした」という思いになってしまうのですが、彼らと出会って、少し感覚が変わりました。
シエラ・ボーゲスに失敗したらどうしようという話をしたら、「優は証明しようとしているんだね」と言われました。「あなたは自分がやってきたこと、リハーサルで積み重ねてきたものを証明しようとしているから、だからそれが出来なかったらどうしようと不安になる。でもそうじゃないんだよ。優はただ自分がやってきたことをお客様と共有すればいいんだよ」と。感覚の違いなのですが、みんなと一緒に楽しめばいいということを教わりました。僕は構えすぎていたのかもしれません。もちろんシエラたちも緊張しているのですが、ナーバスという単語がそんなに出てこないんですよね。「I’m excited!」というワクワクの方。僕の場合は出るまでも怖い、出てからも怖いみたいなずっと怖いが続いちゃう。きっと性格なんでしょうけど、すぐ悩むし傷つくし、1回言われたことでずっと悩み続けていているタイプなんです。
― 彼らとの出会いが大きかったんですね。
城田:あとレア・サロンガというアジアを代表するミュージカル女優とオリジナルの「ア・ホール・ニュー・ワールド」を歌っていたとき僕が緊張してて、歌詞をたくさん間違ってしまったことがありました。いつも間違えないのに歌詞を何度も間違えたとき、彼女が「Yu, watch my eyes. You’ll be fine.」と、これだけ言いました。「私の目を見なさい。それでもう大丈夫だから」と。僕がほかのことを気にしていて散漫になっているから、私の目を見ていればいいんだよって。だから彼女に掛けられた言葉もすごく印象的でした。
あと、ラミンさんもこんな弱いマイナス思考な僕の感情を見ながら、「優、僕は本当に君から見習うことがたくさんあるよ」って。「すごく素敵だし、君の声は魅力的」ってすごく褒めてくれるんですよ。みんな素直で、嫌なことは嫌、良いことは良い、悪いことは悪いってはっきり僕に言ってくれるので、「4Stars」という舞台をやった直後にやらせていただいた「ロミオ&ジュリエット」とか「ファントム」とかはもうなんかちょっと違う感覚で臨めましたね。
― その時期が城田さんのミュージカル人生において転機となった時期なのでしょうか?
城田:ミュージカルという分野で感覚が少し変わったのは「4Stars」の1回目。舞台で歌うことが楽しいって思えた瞬間がたくさんありました。それは紛れもなく彼らのおかげ。あとは演出のダニエル・カトナーが、「1番大事なことは、君たちのメンタルだから。君たちが不安に思うことはしたくないから、嫌なことがあったら言ってね」と言って稽古をしてくれたんです。ブロードウェイの演出家さんたちではよくあるスタイルらしいのですが、日本の稽古とは違うなと思いました。海外のチームでやったとき、自分の存在意義や自分の取り組み方を学びました。僕にはスペインの血も流れているからイエーイという風になりたいのに、できていない。その部分を上手く引き出してもらえたんだと思います。
去年「4Stars 2017」をやらせていただいたとき、やっぱり彼らとやると楽しいんですよね。僕がやらなくてはいけないこと、日本に足りないものってこれだなというか、いい意味でリラックスして、いい意味でちょっと抜けた状態でできるようにしなくちゃいけないと思っていて。「エリザベート」のトート役を演じるときは死という完璧な概念を演じることがプレッシャーで、1つの動きだったりその首の角度だったり目の瞬きの回数だったりとか全部が気になっちゃって、完璧な芝居がしたいと思うのですが、それで自分の首をどんどん絞めてて、自由に動けなくなっちゃうみたいな、稽古場では自由に出来ていたことが本番では硬くなっちゃうことがありました。
城田優、交友関係が広い!プライベートにも迫る
― ミュージカル界で大活躍中の城田さんですが、インスタで交友関係が広いのも気になりました!城田:僕もビックリしています!なんで俺こんなに知り合いが多いんだろうって(笑)
― 中でも刺激を受ける方はいるのでしょうか?
城田:たくさんいますよ!ミュージカル界でいうならば、山崎育三郎と尾上松也。2人とはミュージカルの仕事を通してすごく近いものを感じるというか、彼らのおかげで、2015年2016年の2年間「エリザベート」をやることができました。途中まで調子がよかったのですが、ある日1回失敗したことを境に、トラウマ化してしまって過呼吸になって、舞台に立つことがすごく怖くて、すごく辛い時期があったのですが、そこを支えてくれたのがルキーニという役をダブルキャストとして交互出演していた育三郎と松也でした。一昨日も会ったし、明日もまた会う予定で、公私共にすごく仲がいいんです。やっぱり1人では仕事はできないので、僕にとって彼らは財産です。親友ですし、戦友でもあります。松也は高校の1つ上の先輩なので、17年来の仲です。育三郎とは「ロミオ&ジュリエット」ですぐ意気投合しました。ミュージカルをやっている方って真面目な方が多い中で2人とはノリが一緒で、毎日ふざけて遊んでいられる。育三郎と松也が1番近い距離にいます。
― 交友関係の広い城田さんは、休日も外出しているイメージが強いのですが…
城田:友達の誘いがあったり、自分からなにかしたいことがある場合は出掛けますが、最近の休みは家でずっと海外ドラマを見ています。でも昨日は寝ようと思っていたら夜11時ごろに友達から連絡があって、カラオケしていると言っていて、もう1回服を来て、出掛けたみたいな(笑)
― フットワークが軽いから交友関係も広がるんですね。
城田:フットワークは軽いですよ。でも毎日そんな生活を送っているわけじゃないですよ。11時に寝ようと思っている時点ですごく真面目じゃないですか(笑)
― (笑)
城田:だから日によります。自分の体調にもよるし、臨機応変に出掛けたりします。
― 役作りもあると思いますが、スタイル面で気を付けていることはありますか?
城田:ミュージカルのときの話をするなら、ミュージカル中は腹筋をしています。腹筋だったり、インナーマッスルで、鍛えていますが、食事制限とかはしません。映像の仕事ですることはありますが。
城田優、今後のスタンスについて
― 現在、主演ドラマ「文学処女」(TBS火曜深夜1:28~/MBS日曜深夜0:50~)が放送中ですが、今後もミュージカルもドラマも出演していく予定ですか?城田:世間的には最近、城田優ってミュージカルで活躍しているよねってなっているのですが、僕は10代でデビューしたときがミュージカルで、その後もちょこちょことミュージカルをやりながら、21歳ぐらいからドラマの仕事をいただけるようになったので、同時進行するようになりました。だから、年に1本のミュージカルと、2本か3本のドラマというのが続いていました。
― 今後も並行してやっていく予定ということですね。
城田:昔はミュージカルの合間を縫ってドラマに出演していました。最近はミュージカルをやるときはミュージカルだけ。映画やドラマをやるときは、映画やドラマだけというようにしています。今回「文学処女」出演を決めたのは、僕がドラマで今までやったことのないジャンルの恋愛ドラマだったからです。ミュージカルではキスシーンがない方が珍しいくらい恋人役がいて、必ずキスシーンがあるのですが、ドラマで恋人役をほとんど経験したことがなくて。特に少女漫画原作の主役を演じることが今までなかったのでありがたいことだなと思い、挑戦してみようかなと思いました。
― 今後の活躍も楽しみにしています!
城田:あと3~4年は様子を見ながら本当に自分がどれをやっていくべきなのか、どこに力を入れていくべきなのか見極める数年にしたいなと思っています。今までは我武者羅に走りながら、(映像作品もミュージカルも)並行してお仕事をやってきた結果、たくさんの作品に出会えたのですが、1つの作品に対して100%取り組めていなかったところもあったんですよね。髪型にしても、ドラマ2本をやるとなったらどっちかの役に合わせるわけで、つまり役作りが出来ていなかった役もある。浅はかな考えでした。1つの役を演じるということはその役を生きるわけですから。その裏で演出をさせていただくなど、裏方もやっていきたいなと思っています。それがどう出るのか、自分の中でどういう化学反応が起こるのか、それによって今後の方向性を決めていきたいなと思います。
― では、5年後あたり、新たな城田優さんに出会えることを楽しみにしています。
城田:そうですね。5年後はもっとしっかりしたビジョンがあるかもしれないし、全く同じかもしれない。違うビジョンをしっかり語られるようにします!環境によって経験値が変わっていくと思うので、5年後もしかしたらなにもやってないとなっていても、別の理由がしっかりあるならそれでいいと思っています。こだわらず、固くなりすぎず、さっき話した海外スターたちからもらった言葉を思い出しながら自分らしく、自分にしかできないことをやっていけたらいいなと思います。それを見ている人たち、ミュージカルを観に来てくれる人たち、テレビを見ている人たち、音楽を聴いている人たちなど、受け取る側の人たちにエネルギーをしっかり届けられたら、自分がエンターテイナーとして活動している意味があったということになる。そこがなによりも1番大事なんじゃないのかなと思います。
城田優、夢を叶える秘訣を語る
― 最後に様々な経験をしてきた城田さんだからこそ語れる夢を叶える秘訣を教えてください。城田:諦めないことです。まずそれが第一。諦めた時点で夢じゃなくなります。自分がこれまでどれだけ大変だったのか語るつもりはないけれど、10代からなかなか上手くいかない時間を過ごしてきて、挫折したり、苦労したりしてもう無理だと思いながらも諦めることはできませんでした。諦めが悪かったんだと思います。だから、今があるので、あのとき諦めていたら、僕は絶対にこの仕事をしていないと言い切れます。それほど傷ついたし、苦しんだ。それでもやりたいって思えるマインドがあれば絶対に夢は叶えられると思います。自分次第なんです。諦めなければ絶対に出来る。
あとは努力ですね。努力しなければ絶対に先には進めないし、自分の足を踏み出さなければ、目的地には辿り着けない。足を止めて理想を語っていることは簡単だけど、実際に動いてみないとそこには辿り着けない。近づいてみて初めてわかることもあるので、夢に対して必要なことは率先してやってみる。例えそれが、無理だなと思ったとしても、そこで諦めるなら所詮そこまでの夢でやめればいいと思います。それでも諦められないって思うなら、自分を信じてひたすらずっとやり続ければいいんです。自分の心に従っていけば夢は叶うと思います。
― たくさんの苦労もされてきたからすごく重みのある言葉だなと思いました。
城田:はい、僕は打ち上げ花火みたいなタイプではなくて、本当に全然なかなかつかない線香花火みたいなタイプです。
― (笑)
城田:なので、いつじりじり落ちるのかわからないみたいなところにずっといるので、説得力はあると思います。だからあと1つ、人と比べないことも大事だと伝えたいです。絶対にやってはいけないことは人と比べること。芸能界でもそうなのですが、誰かはうまくいっているのに、なんで私はうまくいかないんだろうって思った時点でもう絶対に自分にとってなんのプラスにもなりません。あの人はあの人、僕は僕、私は私で、絶対に人と比べないことが夢を叶える秘訣です。相手の成功や失敗は、その人のやり方によって生まれたものだから、それを真似してはいけないので、自分の信念を貫いて、真っ直ぐ目標に向かって諦めない心を持つことが大事だと思います。
― なるほど、わかりました!諦めないことと、努力すること、人と比べないことが大事と。
城田:そうです。人と自分を絶対に比べてはいけない。あなたにしかない魅力がある。あなたにはあなたの色がある。
― ありがとうございました。
撮影ではどんなリクエストにも気さくに応じ、インタビューでは真っ直ぐに熱い思いをぶつけてくれた城田。そんな姿を見ていると、多くの人たちが自然と彼の周りに集まってくる理由がわかった気がする。困難を乗り越えたこともあるが、そういう人柄が溢れ出ているからこそ、私たちは彼の作品に自然と引き込まれるのだろう。
取材終了後にはモデルプレス編集部を訪れ、「モデルプレスさんの記事が好きです」と挨拶をしてくれた。(城田さんの生挨拶に編集部は大盛り上がり!)5年後一皮むけて“新たな城田優”になったとき、再び取材を行う約束を交わした。(もしかしたらその前にすることもあるかもしれませんが…)だからこれからもモデルプレスでは俳優・城田優の活動を追い続けたい。(modelpress編集部)
#城田優 さんからモデルプレス読者にメッセージ❣️インタビューでは、苦労や挫折を味わいつつも、それでもやめられないという“ミュージカル”の想いを語ってくれました✍✨ @U_and_YOU
— モデルプレス (@modelpress) 2018年10月24日
▼記事はこちらhttps://t.co/dn8hGctQtl pic.twitter.com/ouIpzG8cj4
城田優ミュージカルアルバム「a singer」収録曲
1. コーナー・オブ・ザ・スカイ(ピピン)※2. ホール・ニュー・ワールド(アラジン)duet with すみれ※
3. 闇が広がる(エリザベート)duet with ラミン・カリムルー
4. 僕がついてる(スウィーニー・トッド)
5. マイ・フェイヴァリット・シングス(サウンド・オブ・ミュージック)※
6. エメ(ロミオとジュリエット)duet with 生田絵梨花
7. 母は僕を産んだ(ファントム)
8. 僕こそ音楽(モーツァルト!)
9. ザ・グレイテスト・ショー(グレイテスト・ショーマン)※
10. ア・ミリオン・ドリームズ(グレイテスト・ショーマン)※
11. イザベル MBS/TBSドラマイズム『文学処女』挿入歌※※
※英語歌唱/※※スペイン語歌唱
城田優プロフィール
1985年12月26日生まれ、東京都出身。2003年に俳優デビュー以降、ドラマ、映画、舞台など幅広いジャンルで活躍。ドラマでは『ROOKIES』『天地人』『SPEC』『GTO』『純と愛』『表参道高校合唱部!』『勇者ヨシヒコと導かれし七人』などに出演。映画では『今度は愛妻家』『荒川アンダーザブリッジ』『明烏』に出演。2017年には『亜人』が公開された。
舞台では2010年にミュージカル『エリザベート』では最年少でトート役を演じ、第65回文化庁芸術祭「演劇部門」新人賞を受賞。その後も2015年と2016年もトート役を演じ、2015年には第6回岩谷時子賞 奨励賞、2016年には第23回読売演劇大賞 優秀男優賞を受賞。ブロードウェイ、ロンドンのウエストエンドで活躍する世界のミュージカル・スターが出演する公演「4Stars」には初演の2013年、2017年と連続して出演している。2018年にはミュージカル『ブロードウェイと銃弾』に出演、チーチ役の演技に対して第43回菊田一夫演劇賞を受賞。また、演じるだけでなく2016年にはワタナベエンターテインメント 渡辺ミキプロデュースによるミュージカル『アップル・ツリー』で初めて演出を手掛けた。
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