7月14日公開の映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(湯浅弘章監督)で、映画初主演を務める南沙良(16/みなみ・さら)。原作は吃音により言葉が上手く話せない少女・大島志乃を主人公に思春期の葛藤を描いた感動作。ティーン向けファッション誌『nicola(ニコラ)』専属モデルとして中高生から人気を集める一方、女優としても脚光を浴び始めている彼女にとって、同作はとても大きな挑戦だったに違いない。今回、モデルプレスは南にインタビューを行い、人となりから撮影の裏側や、号泣シーンに込めた思い、今後の抱負などを語ってもらった。
「小さい頃から他人になる仕事をしている女優さんという職業にずっと憧れていました。絵本や本を読んで、自分がその役になっているところを想像したり、その役の立場で考えたりすることがすごく好きだったので。そんな時、叔父が『nicola』のオーディションを見つけて『試しに受けてみたら?』と勧めてくれたんです」とオーディションを受けた経緯を明かす。この一歩が南の人生を大きく変えた。
そして昨年、映画『幼な子われらに生まれ』(三島有紀子監督)で念願の女優デビュー。REBECCAにとって17年ぶりの新曲となった『恋に堕ちたら』(行定勲監督)ミュージックビデオでの主演を経て、今年『志乃ちゃんは――』で映画初主演を果たした。
漫画家・押見修造氏が実体験をベースに描いた同名タイトル(太田出版)を原作とする『志乃ちゃんは――』は思春期を迎えた少年少女たちが抱える葛藤や苦悩を描きながら、誰しもが持っているコンプレックスとの向き合い方、自分のあるべき姿について描いた作品だ。
今回、南は『幼な子――』と同じくオーディションで役を勝ち取った。当初、志乃役はなかなか決まらず、何度もオーディションを開催したというが、南の演技を見て満場一致で決定。素朴で味のある彼女の魅力に即決だったそうだ。南自身も納得がいく演技ができたようで「オーディションを受ける時に初めて原作を読んだのですが、その時にどうしても志乃をやりたい、と強く思いました。なので、その気持ちをオーディションではぶつけて、全部出しきることができました」と笑顔で語った。
“ティーンの憧れ”として輝く南だが「コンプレックスがたくさんあって。自分を表現できない所はもちろん、顔も好きじゃない。『バランスが悪いね』とよく言われるんです」と意外な悩みも。今回の現場は、そうした悩みと向き合う時間にもなった。
「今までは『コンプレックスをどうやって隠そう』『どうやって普通になろう』と考えていたんです。でも現場に入って、撮影が進むに連れて、『自分の嫌な部分とどう付き合ったらいいんだろう』『自分が落ち着く場所を見つけてあげなきゃ』って気づいたんです。コンプレックスを隠したり無くしたりする方法を見つけるのではなくて、コンプレックスと付き合っていく方法を探すほうが大切なんだと分かりました。これは私にとってすごく大きなことでした」。
「撮影に入る前から監督に『すべては1番最後のそのシーンに持っていくためのストーリーだから』と説明を受けていたんです」と振り返り「なのでそこの表現は大事にしたくて、今まで志乃が隠してきたことだったり、辛いことだったり、感じたことだったり…これまでの全てを体育館でうわーって出しました(笑)」と高校生らしいふわっとした笑みを浮かべた。さらに同シーンの裏側を尋ねると「あんまり役作りとかが考えられなくて…頭が悪いんです(笑)。なのでしっかり考えて役を作るというよりも、自分がその場所に行って感じたことをそのまま表現できたらいいなと思っているんです」と飄々と明かしてくれた。
また劇中では歌声も初披露。「もともと歌うことは好きなので、カラオケにはたまに行きますが、人前で歌えるレベルじゃないんです。得意とは言えません(笑)。なので今回たくさん練習しましたし、本番はすごく緊張しました」と手を振りながら謙遜していた。
「行動することが1番大事だと思います。叔父が薦めてくれたオーディションを、自分で『やろう』と決めて行動していなかったら今『nicola』にいないだろうし、女優として活動もできていなかっただろうし。なので、自分で行動していくことが夢を叶えるために必要なことだと思います」。
「自分の言葉で人に伝えることが苦手」と話していたが、丁寧に言葉を選びながら思いを明かしてくれた南。役やコンプレックスとまっすぐに向き合う姿は、彼女の言うように志乃と重なるものがあった。まさにブレイク直前。彼女の覚悟と透明感溢れるフレッシュな演技を、ぜひスクリーンで見届けてほしい。(modelpress編集部)
監督:湯浅弘章
原作:押見修造 「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」 (太田出版)
脚本:足立紳
音楽:まつきあゆむ
【ストーリー】
伝わらなくてもいい。伝えたいと思った――。
高校1年生の志乃は上手く言葉を話せないことで周囲と馴染めずにいた。
そんな時、ひょんなことから同級生の加代と友達になる。音楽好きなのに音痴な加代は、思いがけず聴いた志乃の歌声に心を奪われバンドに誘う。文化祭へ向けて猛練習が始まった。
そこに、志乃をからかった同級生の男子・菊地が参加することになり…。
その後、映画『幼な子われらに生まれ』で女優デビュー、REBECCAの楽曲『恋に堕ちたら』(行定勲監督)のミュージックビデオで主演、映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(湯浅弘章監督)で映画初主演を務める。なおモデルプレスの2018年ヒット予測(女優部門)にも選出。

南沙良『nicola』専属モデルとして人気拡大中
南は2014年、第18回『nicola』モデルオーディションのグランプリに輝いたことをきっかけに同誌専属モデルに加入。同時に芸能事務所「レプロエンタテインメント」のスカウトを受け、芸能界入りした。「小さい頃から他人になる仕事をしている女優さんという職業にずっと憧れていました。絵本や本を読んで、自分がその役になっているところを想像したり、その役の立場で考えたりすることがすごく好きだったので。そんな時、叔父が『nicola』のオーディションを見つけて『試しに受けてみたら?』と勧めてくれたんです」とオーディションを受けた経緯を明かす。この一歩が南の人生を大きく変えた。
そして昨年、映画『幼な子われらに生まれ』(三島有紀子監督)で念願の女優デビュー。REBECCAにとって17年ぶりの新曲となった『恋に堕ちたら』(行定勲監督)ミュージックビデオでの主演を経て、今年『志乃ちゃんは――』で映画初主演を果たした。
漫画家・押見修造氏が実体験をベースに描いた同名タイトル(太田出版)を原作とする『志乃ちゃんは――』は思春期を迎えた少年少女たちが抱える葛藤や苦悩を描きながら、誰しもが持っているコンプレックスとの向き合い方、自分のあるべき姿について描いた作品だ。
今回、南は『幼な子――』と同じくオーディションで役を勝ち取った。当初、志乃役はなかなか決まらず、何度もオーディションを開催したというが、南の演技を見て満場一致で決定。素朴で味のある彼女の魅力に即決だったそうだ。南自身も納得がいく演技ができたようで「オーディションを受ける時に初めて原作を読んだのですが、その時にどうしても志乃をやりたい、と強く思いました。なので、その気持ちをオーディションではぶつけて、全部出しきることができました」と笑顔で語った。
南沙良、難役に挑戦 コンプレックスも
南が演じた志乃は上手く言葉が話せないことに引け目を感じ、周囲と馴染めずにいる高校1年生。思春期ならではの次第に変化していく内面を繊細に表現しながら、言葉が上手く話せないという難役に挑んだ。実際に吃音がある方に取材をしたり、動画を見たり、と勉強したそうで「吃音の演技はすごく難しかったです」としみじみ。しかし「ただ単に難しいだけではなかったです。志乃とは、人間としての根っこの部分で自分とかぶる部分がすごく多かったので、共感も多くありました。私も大勢の人の前で話すことが苦手ですし、自分を上手く表現できない。自分の言葉で人に伝えることが苦手なんです」と人柄や性格といった面では重なる所もあったようだ。“ティーンの憧れ”として輝く南だが「コンプレックスがたくさんあって。自分を表現できない所はもちろん、顔も好きじゃない。『バランスが悪いね』とよく言われるんです」と意外な悩みも。今回の現場は、そうした悩みと向き合う時間にもなった。
「今までは『コンプレックスをどうやって隠そう』『どうやって普通になろう』と考えていたんです。でも現場に入って、撮影が進むに連れて、『自分の嫌な部分とどう付き合ったらいいんだろう』『自分が落ち着く場所を見つけてあげなきゃ』って気づいたんです。コンプレックスを隠したり無くしたりする方法を見つけるのではなくて、コンプレックスと付き合っていく方法を探すほうが大切なんだと分かりました。これは私にとってすごく大きなことでした」。
南沙良、号泣シーンの裏側に見えた素顔
クライマックスには志乃が号泣しながら感情を爆発させる重要なシーンが登場。同シーンでは涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながらも、志乃の葛藤を表現した南の演技から目が離せなくなるが、本人に気負っていた様子はない。「撮影に入る前から監督に『すべては1番最後のそのシーンに持っていくためのストーリーだから』と説明を受けていたんです」と振り返り「なのでそこの表現は大事にしたくて、今まで志乃が隠してきたことだったり、辛いことだったり、感じたことだったり…これまでの全てを体育館でうわーって出しました(笑)」と高校生らしいふわっとした笑みを浮かべた。さらに同シーンの裏側を尋ねると「あんまり役作りとかが考えられなくて…頭が悪いんです(笑)。なのでしっかり考えて役を作るというよりも、自分がその場所に行って感じたことをそのまま表現できたらいいなと思っているんです」と飄々と明かしてくれた。
また劇中では歌声も初披露。「もともと歌うことは好きなので、カラオケにはたまに行きますが、人前で歌えるレベルじゃないんです。得意とは言えません(笑)。なので今回たくさん練習しましたし、本番はすごく緊張しました」と手を振りながら謙遜していた。
南沙良がブレイク直前 今後の展望は?
今後も出演作が続く南。女優として上り坂を駆け上がっているが、本人にその実感は無いようで、将来の展望についても「『志乃ちゃんは――』も『幼な子――』もそうですけど、いただいた役と1つ1つしっかり向き合って応えていきたいです。あまり具体的なことは考えたことがないんですが、女優という仕事を長く続けていけたらいいなと思います」と地に足の着いた回答が。その一方で同じく『nicola』出身で事務所の先輩でもある新垣結衣への憧れも口にし「事務所に入ったきっかけが新垣(結衣)さん。すごく憧れていますし、いつか共演できたら嬉しいですね」と微笑んだ。南沙良の「夢を叶える秘訣」
最後に南が考える「夢を叶える秘訣」を聞いた。「行動することが1番大事だと思います。叔父が薦めてくれたオーディションを、自分で『やろう』と決めて行動していなかったら今『nicola』にいないだろうし、女優として活動もできていなかっただろうし。なので、自分で行動していくことが夢を叶えるために必要なことだと思います」。
「自分の言葉で人に伝えることが苦手」と話していたが、丁寧に言葉を選びながら思いを明かしてくれた南。役やコンプレックスとまっすぐに向き合う姿は、彼女の言うように志乃と重なるものがあった。まさにブレイク直前。彼女の覚悟と透明感溢れるフレッシュな演技を、ぜひスクリーンで見届けてほしい。(modelpress編集部)
志乃ちゃんは自分の名前が言えない
出演:南沙良、蒔田彩珠/萩原利久/小柳まいか、池田朱那、柿本朱里、中田美優/蒼波純/渡辺哲/山田キヌヲ、奥貫薫監督:湯浅弘章
原作:押見修造 「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」 (太田出版)
脚本:足立紳
音楽:まつきあゆむ
【ストーリー】
伝わらなくてもいい。伝えたいと思った――。
高校1年生の志乃は上手く言葉を話せないことで周囲と馴染めずにいた。
そんな時、ひょんなことから同級生の加代と友達になる。音楽好きなのに音痴な加代は、思いがけず聴いた志乃の歌声に心を奪われバンドに誘う。文化祭へ向けて猛練習が始まった。
そこに、志乃をからかった同級生の男子・菊地が参加することになり…。
南沙良(みなみ・さら)プロフィール
2002年6月11日生まれ、神奈川県出身。2014年「第18回nicolaモデルオーディション」でグランプリを受賞し、同誌専属モデルに加入。その後、映画『幼な子われらに生まれ』で女優デビュー、REBECCAの楽曲『恋に堕ちたら』(行定勲監督)のミュージックビデオで主演、映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(湯浅弘章監督)で映画初主演を務める。なおモデルプレスの2018年ヒット予測(女優部門)にも選出。
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