<女子アナの“素”っぴん/山崎夕貴アナ>ターニングポイント、劣等感を感じた過去、直面する新たな壁…「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載
2018.05.16 17:00
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「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』―――― Vol.13~14は2010年入社の山崎夕貴(やまさき ゆき・30※「崎」は正式には「たつさき」)アナウンサー。
「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。本連載ではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。
――――竹内友佳アナの後を引き継ぎ、7人目に登場するのは山崎アナ。※後編(Vol.14)は6月1日に配信予定。
山崎アナ:私の場合、一番辛かった時期と一番辛かった体験は違うのですが、先輩から指導されて一番グサッときた言葉があります。それは1年目に「ヤマサキパン」の打ち上げで言われた「アナウンサーは人気商売だから、視聴者の人だけじゃなくてスタッフにも好かれなきゃいけないんだよ」という言葉です。
ありがたいことに1年目から「ヤマサキパン」という冠番組をやらせていただきましたが、当時の私は、まだ学生気分が抜けておらず、その責任の重さを分かっていなかったように思います。普通に楽しんで番組に臨んでいましたが、私の冠がついていますし、もっと番組のスタッフに対して感謝の気持ちを持たなければいけなかった。一緒に番組を作り上げているという意識をもう少し持たなくてはいけなかったんだ、と猛反省しました。
― 「責任の重さも分かっていなかった」ということですが、具体的にはどういう行動をとってしまったのですか?
山崎アナ:例えば大学生ならメールってそんなにすぐ返信しなくても困りませんよね?でも仕事だとその感覚では遅いじゃないですか。それなのに「明日でいいや」とすぐ返さなかったり、先輩よりも早く店につかないといけないのに時間通りに行ってしまったり、といった社会人としての生活態度がなっていなかった。アナウンサーという職業は人から見られる、普通の人と同じ意識ではダメなんだ、ということが1年目では分からなかったんです。
― なるほど。それに気付かされて辛かったんですね。
山崎アナ:そうなんです。しかも教えていただいたのが「ヤマサキパン」の最終回だったので挽回もできないですし(苦笑い)。すごくショックだったので、その後1年くらい、その先輩と話すときは緊張していました。ですが1年経って2年経って、すごく感謝の念が自分の中で芽生えてきたんです。今では、こうしたことを1年目に気づけたのが、私の社会人人生の中ですごく大きなことだと思っています。
― 他にもお仕事をする上で何か心に残っている言葉はありますか?
山崎アナ:私、忘れっぽいタイプなんですけど、珍しく覚えてるのは、「ワイドナショー」での松本人志さんの「すべての職業はサービス精神と愛嬌」という言葉です。「サービス精神と愛嬌さえあればどんな仕事でもうまくいく」とおっしゃっていて、本当にその通りだなと共感しました。
― では先程おっしゃっていた一番辛かった時期とはいつですか?
山崎アナ:入社3年目から1年半くらいの期間です。その時期は「めざましテレビ」と「ノンストップ」を両方帯で担当していたので、単純に体力的に辛かったです。それでも任せていただいたありがたさを感じていたので、周りに相談することもできず、いっぱいいっぱいで自分ではどうしたら良いか分からなくなってしまって…。あの頃は精神的にも余裕がなかったですね。
― ストレスが溜まってしまったんですね。
山崎アナ:はい、特に週末は相当荒れてましたね(苦笑い)。お酒が好きなので、よく友達や同僚と飲みに行ってました。
― ストレスは溜まりやすいタイプですか?
山崎アナ:結構溜まりますね。心配症ですし、ちょっとしたことでイライラしちゃうタイプなので(苦笑い)。ただ引きずることはないです。寝たら忘れます。
山崎アナ:今は自分の勉強不足や不甲斐なさを実感し、悩むことが多いです。これまではバラエティと芸能情報がメインでしたが、今は完全にニュースなので、仕事に対する勉強法もガラッと変わりました。これまでの勉強は、暇さえあれば映画を観に行ったり、新しいタレントさんを見つけたらチェックしたり、バラエティ番組のどこで盛り上がってどこでオチをつけているのか流れを勉強したり。ですが、今はニュース番組を見たり、新聞を読んだり、伊藤(利尋)さんの解説を聞いたり。こういう勉強をしてこなかったので、本当に0からのスタートです。
― 新しい事に挑むのは大変ですよね。
山崎アナ:大変です。ここ6年くらい同じような内容の仕事が多かったので、正直そんなに自分の実力不足を痛感することがなかった。でも新しい分野に挑戦したことで毎日「自分はなんてできない人間なんだろう」と反省するんです。「では、どうしたらいいんだ」とずっと頭で考えて、その状態でベッドに入るので、頭が休まらず目が覚めてしまうこともあります。最近は「とくダネ!」でプレゼンしている夢を見るんですよ(笑)。番組でプレゼンすることに自信がないし、不安で不安でしょうがないから夢でもうなされてしまうんでしょうね…。慣れてきたら、もう少し余裕のある生活を送ることができると思うのですが、今はまだ大変な段階です。
― 本番で緊張もしますか?
山崎アナ:足が震えるくらい、すごく緊張します。自信がないんです。例えばフリートークも、これまでは30秒くらいの短いコメントだけでしたが、今は10分間くらい1人で喋らなくてはいけないので不安しかないですし、上手くいく気がしない。根がネガティブなので「バカだと思われたくない」「下手だと思われたくない」という自分自身へのプレッシャーも緊張に繋がってしまうのだと思います。プレゼン台に上がったら「どう思われたっていいや」と切り替えられると良いのですが、あまりにも知識が無いため「少しでもよく見られたい」と背伸びをしてしまうのかもしれません。
― 「とくダネ!」を担当する前から緊張することはよくありましたか?それとも「とくダネ!」で生じた不安ですか?
山崎アナ:以前からニュース性の高い分野が不得意だと自覚はあったので「ノンストップ」中に大きなニュースが起こったらどうしよう、といった不安はずっと抱いていていました。自分の技術に対する不安は昔からありますし、自信も前からずっとないです。その中で「とくダネ!」でさらに高い課題に向き合わなくてはいけなくなったので、自分にとってさらなる試練だと思っています。
― そうなんですね。メインMCの小倉(智昭)さんとのお仕事はどうですか?
山崎アナ:これまで一緒にお食事に行かせていただくなど交流はありましたが、お仕事でしっかりとご一緒させて頂くのは初めてなんです。画面を通して見ると“辛辣な意見を言うおじさま”という印象があるかと思いますが、実はとても穏やかな方。「山崎の好きにやったら良いよ」と任せてくださり、本当にお父さんのような安心感がありますし、何を言っても受け止めてくれるような雰囲気で見守っていただいています。
そして技術的な面は一緒にコーナーをやっている笠井(信輔)アナに毎日教えていただき、伊藤(利尋)アナには日々の愚痴を聞いていただいています(笑)。
―(笑)。
山崎アナ:伊藤さんから「もう本当にいい加減にしてくれよ」と言われてしまうほど(笑)。いつもランチに誘うのですが、会話の9割は私が愚痴を言って「うんうんうん。分かった、分かった」と聞いてもらっています。それでも全部聞いてくれるので、優しい先輩ですよね。
山崎アナ:最近ではお正月の「爆笑ヒットパレード」です。フジテレビを代表する番組のひとつとして入社時からいつかやりたい、と思っていた番組なのですが、今年、MCとして2度目の担当をさせていただくことができました。
そもそも私は田舎から出てきてミーハーだったので、入社当時のモチベーションは芸能人に毎日会えるとか、いろいろな場所に取材に行けて楽しいとか、そういうことでした。ですが「ノンストップ」を始めてから、設楽(統)さんが毎日横にいるようになって、そのモチベーションじゃどうにもならないと、やっと感じたんです。(笑)そこから、番組に対して真剣に考えるようになりました。
そんな中で「爆笑ヒットパレード」では後輩の面倒も見つつ、進行のサポートをしたので大変ではありましたが、手応えを感じた仕事になりました。ミスをしなかったとかそういう意味ではなく、いろいろな人を見渡しながら、ナインティナインのお2人と一緒に頑張れたという実感がありましたし、この看板番組をうまく円滑にいくように、スタッフの一員としてお手伝いができたという自負があったのでやりがいが大きかったです。
山崎アナ:まず自分としては、エースという実感はありません(笑)。ですから、ありがたいことにそう言っていただくことに対し、プレッシャーも感じていません。自分が会社を背負っているという意識もないですし、皆が一生懸命頑張ってる中の一員だと思ってるので、お仕事が増えても、自分は自分らしく今までどおり、現場のスタッフさんを大切にしてやっていこうと思っています。
― なるほど。これまでの女性アナウンサーとは違う「庶民派アナウンサー」と呼ばれることも多いですが、それについてはどうですか?
山崎アナ:普通にしているだけで「庶民派で好感度が高い」と言われてラッキーだと思っています(笑)。私、岡山では普通の人なんです。地元に帰っても「全然変わらないね」と言われますが、変わらないことも難しいと思うので、それはすごく嬉しいです。
とは言え私も入社したときは、アナウンサーだけでなく他の同期と比較して、育ってきた生活環境が違うことに戸惑いましたし、劣等感を感じることもありました。なので最初は、東京の生活になんとか馴染もうと必死だったように思います。アナウンサーの先輩方を見ていると衣装も私服もきちっとしていて、すごくキラキラしていたので、私も少しでも女性らしく見えるようにフリフリのお洋服を着たこともありました。
でもあるとき、レストランで高級なワインを飲ませて頂く機会があって。そのとき突然、「私はこのワインが飲めたら幸せな人生なのかな?別にそうじゃないかも」と感じたんです。それからは、自分は自分らしく地に足をつけて頑張っていこうと考えられるようになりました。たまには高いワインを飲みたいんですけどね(笑)。でも背伸びをすることに、なんだか疲れちゃったんです。
それに気づけたのが入社2年目くらいだったので、早くて良かったですよね。そこからは割り切って自然体の自分でいるようにしています。
山崎アナ:女性のアナウンサーの場合、誰かに必要とされ続けることへの難しさを感じているので、とにかくずっと活躍することを最大の目標にして、それに向かって頑張っていきたいです。
フジテレビのアナウンス室を見ていても、私より上の先輩は男性に比べて圧倒的に女性が少ないですし、結婚したり妊娠したりライフスタイルが変化する中で第一線で活躍することがいかに難しいかを実感しています。出産や育児で現場を一度抜けたとしても、復帰したときに「また一緒にやろう」と声をかけていただけるかどうかは、それまでの頑張りが左右すると思うので、今与えられたお仕事を着実にしっかりと頑張りたいです。
山崎アナ:自分は運が良いと信じることだと思います。私は自分自身ネガティブですが、周りの友達やスタッフさん、先輩、上司にはすごく恵まれたと思っています。でももし「周りの人は皆、嫌な人ばっかり」と思ってしまったら、もうそこでの関係は良くはならないと思うんです。なので、たとえ意地悪なことを言われても「私ってこんな人が上司で恵まれていないんだわ」と思わずに「こんな人もいるけど、良い人もいっぱいいるから愚痴を聞いてもらおう」くらいに思った方が毎日楽しく過ごせるはず。人間関係だけでなく全てにおいて「運が良いな」と思ってチャレンジしていくことで、生活は変わってくると思います。
― 成功されている方って、結構「自分は運が良い」とおっしゃってますよね。
山崎アナ:そうですよね。私も、そうした方々を見て思ったんです。そもそも人生において“運”は、どの人もそんなに差がないと思うので、「運良いな」と思って、前向きに進むことが夢を叶える秘訣ではないでしょうか。
― お話が逸れてしまいますが、もともと、アナウンサーは夢だったんですか?
山崎アナ:いえ、就職試験を受けるときに急遽決めました。それまでは喋ることに苦手意識も持っていましたし考えていませんでした。
― 何かきっかけがあったのですか?
山崎アナ:「倉敷小町」という地元の親善大使を母から受けるように薦められて、受けたら受かって。その活動を通して「喋ることは苦手じゃないかも」と気付いたんです。さらに活動中にテレビ局の人と仕事をする機会が多かったこともあり、アナウンサーという職業を意識しました。なので、倉敷でそういう活動ができたこともすごく運が良かったと思います。私、運が良いんです(笑)。
― ありがとうございます。
※後編は6月1日(金)配信予定。山崎アナが大切にする「5つの法則」を語る。
04:00~06:00 とくダネ!「NEWSヤマサキ調べました」打ち合わせ
06:00~ 衣装着替え・メイク
06:45~ 最終打ち合わせ
07:00~ とくダネ!MC打ち合わせ
08:00~09:50 とくダネ!生放送
10:00過ぎ~ 反省会
11:00 アナウンス室で伊藤アナウンサーに油を売る
12:00~13:00頃 ランチ
14:00~ ワイドナショー打ち合わせ
16:30~18:00過ぎ ワイドナショー収録
19:00 退社
(modelpress編集部)
<担当番組>
とくダネ!(月~金)
モノシリー(金)
ワイドナショー(日)
ものまね紅白歌合戦
出演アナウンサー:内田嶺衣奈、海老原優香、小澤陽子、久慈暁子、久代萌美、鈴木唯、竹内友佳、堤礼実、椿原慶子、永尾亜子、永島優美、新美有加、松村未央、三上真奈、三田友梨佳、宮澤智、宮司愛海、山崎夕貴、山中章子(五十音順)
仕様:A3変型判(縦425mm×横30mm)
発売日:2017年9月29日
――――竹内友佳アナの後を引き継ぎ、7人目に登場するのは山崎アナ。※後編(Vol.14)は6月1日に配信予定。
バラエティから報道まで広く活躍
山崎アナは2010年に入社後、人気番組“パン”シリーズの6代目『ヤマサキパン』に起用された。その後、2013年4月からスタートの『ノンストップ!』では、バナナマンの設楽統とともにMCを務め、人気番組に育てる。ほかバラエティ番組でも多数活躍し、今年4月からは『情報プレゼンター とくダネ!』番組MCを担当する。山崎アナのターニングポイント
― まず、この8年間で一番辛かったことから教えてください。山崎アナ:私の場合、一番辛かった時期と一番辛かった体験は違うのですが、先輩から指導されて一番グサッときた言葉があります。それは1年目に「ヤマサキパン」の打ち上げで言われた「アナウンサーは人気商売だから、視聴者の人だけじゃなくてスタッフにも好かれなきゃいけないんだよ」という言葉です。
ありがたいことに1年目から「ヤマサキパン」という冠番組をやらせていただきましたが、当時の私は、まだ学生気分が抜けておらず、その責任の重さを分かっていなかったように思います。普通に楽しんで番組に臨んでいましたが、私の冠がついていますし、もっと番組のスタッフに対して感謝の気持ちを持たなければいけなかった。一緒に番組を作り上げているという意識をもう少し持たなくてはいけなかったんだ、と猛反省しました。
― 「責任の重さも分かっていなかった」ということですが、具体的にはどういう行動をとってしまったのですか?
山崎アナ:例えば大学生ならメールってそんなにすぐ返信しなくても困りませんよね?でも仕事だとその感覚では遅いじゃないですか。それなのに「明日でいいや」とすぐ返さなかったり、先輩よりも早く店につかないといけないのに時間通りに行ってしまったり、といった社会人としての生活態度がなっていなかった。アナウンサーという職業は人から見られる、普通の人と同じ意識ではダメなんだ、ということが1年目では分からなかったんです。
― なるほど。それに気付かされて辛かったんですね。
山崎アナ:そうなんです。しかも教えていただいたのが「ヤマサキパン」の最終回だったので挽回もできないですし(苦笑い)。すごくショックだったので、その後1年くらい、その先輩と話すときは緊張していました。ですが1年経って2年経って、すごく感謝の念が自分の中で芽生えてきたんです。今では、こうしたことを1年目に気づけたのが、私の社会人人生の中ですごく大きなことだと思っています。
― 他にもお仕事をする上で何か心に残っている言葉はありますか?
山崎アナ:私、忘れっぽいタイプなんですけど、珍しく覚えてるのは、「ワイドナショー」での松本人志さんの「すべての職業はサービス精神と愛嬌」という言葉です。「サービス精神と愛嬌さえあればどんな仕事でもうまくいく」とおっしゃっていて、本当にその通りだなと共感しました。
― では先程おっしゃっていた一番辛かった時期とはいつですか?
山崎アナ:入社3年目から1年半くらいの期間です。その時期は「めざましテレビ」と「ノンストップ」を両方帯で担当していたので、単純に体力的に辛かったです。それでも任せていただいたありがたさを感じていたので、周りに相談することもできず、いっぱいいっぱいで自分ではどうしたら良いか分からなくなってしまって…。あの頃は精神的にも余裕がなかったですね。
― ストレスが溜まってしまったんですね。
山崎アナ:はい、特に週末は相当荒れてましたね(苦笑い)。お酒が好きなので、よく友達や同僚と飲みに行ってました。
― ストレスは溜まりやすいタイプですか?
山崎アナ:結構溜まりますね。心配症ですし、ちょっとしたことでイライラしちゃうタイプなので(苦笑い)。ただ引きずることはないです。寝たら忘れます。
山崎アナ「とくダネ!」で直面した新たな壁
― 4月から「とくダネ!」MCとして新たにスタートを切りましたが、どんなことに悩んでいますか?
山崎アナ:今は自分の勉強不足や不甲斐なさを実感し、悩むことが多いです。これまではバラエティと芸能情報がメインでしたが、今は完全にニュースなので、仕事に対する勉強法もガラッと変わりました。これまでの勉強は、暇さえあれば映画を観に行ったり、新しいタレントさんを見つけたらチェックしたり、バラエティ番組のどこで盛り上がってどこでオチをつけているのか流れを勉強したり。ですが、今はニュース番組を見たり、新聞を読んだり、伊藤(利尋)さんの解説を聞いたり。こういう勉強をしてこなかったので、本当に0からのスタートです。
― 新しい事に挑むのは大変ですよね。
山崎アナ:大変です。ここ6年くらい同じような内容の仕事が多かったので、正直そんなに自分の実力不足を痛感することがなかった。でも新しい分野に挑戦したことで毎日「自分はなんてできない人間なんだろう」と反省するんです。「では、どうしたらいいんだ」とずっと頭で考えて、その状態でベッドに入るので、頭が休まらず目が覚めてしまうこともあります。最近は「とくダネ!」でプレゼンしている夢を見るんですよ(笑)。番組でプレゼンすることに自信がないし、不安で不安でしょうがないから夢でもうなされてしまうんでしょうね…。慣れてきたら、もう少し余裕のある生活を送ることができると思うのですが、今はまだ大変な段階です。
― 本番で緊張もしますか?
山崎アナ:足が震えるくらい、すごく緊張します。自信がないんです。例えばフリートークも、これまでは30秒くらいの短いコメントだけでしたが、今は10分間くらい1人で喋らなくてはいけないので不安しかないですし、上手くいく気がしない。根がネガティブなので「バカだと思われたくない」「下手だと思われたくない」という自分自身へのプレッシャーも緊張に繋がってしまうのだと思います。プレゼン台に上がったら「どう思われたっていいや」と切り替えられると良いのですが、あまりにも知識が無いため「少しでもよく見られたい」と背伸びをしてしまうのかもしれません。
― 「とくダネ!」を担当する前から緊張することはよくありましたか?それとも「とくダネ!」で生じた不安ですか?
山崎アナ:以前からニュース性の高い分野が不得意だと自覚はあったので「ノンストップ」中に大きなニュースが起こったらどうしよう、といった不安はずっと抱いていていました。自分の技術に対する不安は昔からありますし、自信も前からずっとないです。その中で「とくダネ!」でさらに高い課題に向き合わなくてはいけなくなったので、自分にとってさらなる試練だと思っています。
― そうなんですね。メインMCの小倉(智昭)さんとのお仕事はどうですか?
山崎アナ:これまで一緒にお食事に行かせていただくなど交流はありましたが、お仕事でしっかりとご一緒させて頂くのは初めてなんです。画面を通して見ると“辛辣な意見を言うおじさま”という印象があるかと思いますが、実はとても穏やかな方。「山崎の好きにやったら良いよ」と任せてくださり、本当にお父さんのような安心感がありますし、何を言っても受け止めてくれるような雰囲気で見守っていただいています。
そして技術的な面は一緒にコーナーをやっている笠井(信輔)アナに毎日教えていただき、伊藤(利尋)アナには日々の愚痴を聞いていただいています(笑)。
―(笑)。
山崎アナ:伊藤さんから「もう本当にいい加減にしてくれよ」と言われてしまうほど(笑)。いつもランチに誘うのですが、会話の9割は私が愚痴を言って「うんうんうん。分かった、分かった」と聞いてもらっています。それでも全部聞いてくれるので、優しい先輩ですよね。
山崎アナ、仕事のやりがい
―これまでを振り返って、山崎さんにとって手応えがあったお仕事は何ですか?山崎アナ:最近ではお正月の「爆笑ヒットパレード」です。フジテレビを代表する番組のひとつとして入社時からいつかやりたい、と思っていた番組なのですが、今年、MCとして2度目の担当をさせていただくことができました。
そもそも私は田舎から出てきてミーハーだったので、入社当時のモチベーションは芸能人に毎日会えるとか、いろいろな場所に取材に行けて楽しいとか、そういうことでした。ですが「ノンストップ」を始めてから、設楽(統)さんが毎日横にいるようになって、そのモチベーションじゃどうにもならないと、やっと感じたんです。(笑)そこから、番組に対して真剣に考えるようになりました。
そんな中で「爆笑ヒットパレード」では後輩の面倒も見つつ、進行のサポートをしたので大変ではありましたが、手応えを感じた仕事になりました。ミスをしなかったとかそういう意味ではなく、いろいろな人を見渡しながら、ナインティナインのお2人と一緒に頑張れたという実感がありましたし、この看板番組をうまく円滑にいくように、スタッフの一員としてお手伝いができたという自負があったのでやりがいが大きかったです。
山崎アナ「フジテレビのエース」に対する思い
― 先程、様々な悩みも伺いましたが、それでも世間からすれば「フジテレビのエース」として認知されています。それはプレッシャーになっていますか?山崎アナ:まず自分としては、エースという実感はありません(笑)。ですから、ありがたいことにそう言っていただくことに対し、プレッシャーも感じていません。自分が会社を背負っているという意識もないですし、皆が一生懸命頑張ってる中の一員だと思ってるので、お仕事が増えても、自分は自分らしく今までどおり、現場のスタッフさんを大切にしてやっていこうと思っています。
― なるほど。これまでの女性アナウンサーとは違う「庶民派アナウンサー」と呼ばれることも多いですが、それについてはどうですか?
山崎アナ:普通にしているだけで「庶民派で好感度が高い」と言われてラッキーだと思っています(笑)。私、岡山では普通の人なんです。地元に帰っても「全然変わらないね」と言われますが、変わらないことも難しいと思うので、それはすごく嬉しいです。
とは言え私も入社したときは、アナウンサーだけでなく他の同期と比較して、育ってきた生活環境が違うことに戸惑いましたし、劣等感を感じることもありました。なので最初は、東京の生活になんとか馴染もうと必死だったように思います。アナウンサーの先輩方を見ていると衣装も私服もきちっとしていて、すごくキラキラしていたので、私も少しでも女性らしく見えるようにフリフリのお洋服を着たこともありました。
でもあるとき、レストランで高級なワインを飲ませて頂く機会があって。そのとき突然、「私はこのワインが飲めたら幸せな人生なのかな?別にそうじゃないかも」と感じたんです。それからは、自分は自分らしく地に足をつけて頑張っていこうと考えられるようになりました。たまには高いワインを飲みたいんですけどね(笑)。でも背伸びをすることに、なんだか疲れちゃったんです。
それに気づけたのが入社2年目くらいだったので、早くて良かったですよね。そこからは割り切って自然体の自分でいるようにしています。
山崎アナ、将来の展望
―山崎アナが今、考えている将来の展望を教えてください。山崎アナ:女性のアナウンサーの場合、誰かに必要とされ続けることへの難しさを感じているので、とにかくずっと活躍することを最大の目標にして、それに向かって頑張っていきたいです。
フジテレビのアナウンス室を見ていても、私より上の先輩は男性に比べて圧倒的に女性が少ないですし、結婚したり妊娠したりライフスタイルが変化する中で第一線で活躍することがいかに難しいかを実感しています。出産や育児で現場を一度抜けたとしても、復帰したときに「また一緒にやろう」と声をかけていただけるかどうかは、それまでの頑張りが左右すると思うので、今与えられたお仕事を着実にしっかりと頑張りたいです。
山崎アナの夢を叶える秘訣 アナウンサーは夢だった?
― モデルプレス読者には夢を叶えたいと頑張っている女性がたくさんいます。山崎さん自身もまだ夢に向かって全力で走り続けているところだとは思いますが、これまで様々な経験をしてきた山崎さんが思う“夢を叶える秘訣”は何でしょうか?山崎アナ:自分は運が良いと信じることだと思います。私は自分自身ネガティブですが、周りの友達やスタッフさん、先輩、上司にはすごく恵まれたと思っています。でももし「周りの人は皆、嫌な人ばっかり」と思ってしまったら、もうそこでの関係は良くはならないと思うんです。なので、たとえ意地悪なことを言われても「私ってこんな人が上司で恵まれていないんだわ」と思わずに「こんな人もいるけど、良い人もいっぱいいるから愚痴を聞いてもらおう」くらいに思った方が毎日楽しく過ごせるはず。人間関係だけでなく全てにおいて「運が良いな」と思ってチャレンジしていくことで、生活は変わってくると思います。
― 成功されている方って、結構「自分は運が良い」とおっしゃってますよね。
山崎アナ:そうですよね。私も、そうした方々を見て思ったんです。そもそも人生において“運”は、どの人もそんなに差がないと思うので、「運良いな」と思って、前向きに進むことが夢を叶える秘訣ではないでしょうか。
― お話が逸れてしまいますが、もともと、アナウンサーは夢だったんですか?
山崎アナ:いえ、就職試験を受けるときに急遽決めました。それまでは喋ることに苦手意識も持っていましたし考えていませんでした。
― 何かきっかけがあったのですか?
山崎アナ:「倉敷小町」という地元の親善大使を母から受けるように薦められて、受けたら受かって。その活動を通して「喋ることは苦手じゃないかも」と気付いたんです。さらに活動中にテレビ局の人と仕事をする機会が多かったこともあり、アナウンサーという職業を意識しました。なので、倉敷でそういう活動ができたこともすごく運が良かったと思います。私、運が良いんです(笑)。
― ありがとうございます。
※後編は6月1日(金)配信予定。山崎アナが大切にする「5つの法則」を語る。
山崎アナのとある一日
03:50 出社04:00~06:00 とくダネ!「NEWSヤマサキ調べました」打ち合わせ
06:00~ 衣装着替え・メイク
06:45~ 最終打ち合わせ
07:00~ とくダネ!MC打ち合わせ
08:00~09:50 とくダネ!生放送
10:00過ぎ~ 反省会
11:00 アナウンス室で伊藤アナウンサーに油を売る
12:00~13:00頃 ランチ
14:00~ ワイドナショー打ち合わせ
16:30~18:00過ぎ ワイドナショー収録
19:00 退社
(modelpress編集部)
山崎夕貴(やまさき・ゆき)プロフィール
生年月日:1987年8月4日/出身地:岡山県/出身大学:岡山大学/血液型:O型/入社年:2010年/趣味:映画鑑賞、旅行、カラオケ、ピアノ<担当番組>
とくダネ!(月~金)
モノシリー(金)
ワイドナショー(日)
ものまね紅白歌合戦
「フジテレビ女性アナウンサーカレンダー2018 Colorfuldays」概要
月ごとに「色」を設定した彩り豊かな作品。新美有加アナや若手男性アナたちが完全プロデュースし、普段見ることができない表情や衣装に身を包んだ19人の女性アナウンサーたちが登場する。出演アナウンサー:内田嶺衣奈、海老原優香、小澤陽子、久慈暁子、久代萌美、鈴木唯、竹内友佳、堤礼実、椿原慶子、永尾亜子、永島優美、新美有加、松村未央、三上真奈、三田友梨佳、宮澤智、宮司愛海、山崎夕貴、山中章子(五十音順)
仕様:A3変型判(縦425mm×横30mm)
発売日:2017年9月29日
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