「砂の塔」のお兄ちゃん“俳優・佐野勇斗”開花のとき 上京に連ドラデビュー…人生最大の変化「有名になって帰ってくるぞ!」 モデルプレスインタビュー
2016.11.11 21:00
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今期の連続ドラマでひときわ光を放つ若手俳優のひとりが、TBS系ドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』(金曜よる10時)に出演中の佐野勇斗(さの・はやと)、18歳。連ドラ初出演にして、菅野美穂演じる主人公の長男役に抜てきされ、緊迫したサスペンスの中核に関わる二面性を持つ少年を好演中だ。5人組ボーカルダンスユニット・M!LK(ミルク)のメンバーでもある彼自身は、グループいち愛嬌たっぷりのムードメーカー。今年、地元・愛知県から上京し、大学生活に仕事に奮闘中の日々で感じていることをキラキラと澄んだ瞳で語ってくれた。
目次
「僕のままでいいんだ」演技の楽しさを知った現場
― 毎週ハラハラしながらドラマを拝見しています。佐野:本当ですか!ありがとうございます。僕も緊張しながら観ています(笑)。
― オンエアは毎週ご覧になっているんですか?
佐野:リアルタイムではまだ1回しか観れていないんですが、毎話チェックするようにしています。
― 連ドラ初出演ですが、非常に重要な役どころで、これまでにない反響を感じているのではないでしょうか。
佐野:はい。1話の放送後、友達からのLINEが鳴り止まなくて。「何年ぶりかな?」ってくらいの友達からも「観たよ!勇斗でしょ?」っていうLINEが届きました。「やっぱりドラマの力ってすごいな」って思いましたし、僕の所属しているM!LKのライブにも、お客さんがたくさん来てくれるようになって。「ドラマを観て来てみた」という方も増えたので、そういうところで反響を感じています。
― M!LKのメンバーのみなさんの反応は?
佐野:メンバーのみんなも毎週録画して観てくれているみたいで。「よかったよ」って言ってくれます。僕、M!LKの時は結構“素”なんですよ。ついふざけちゃうんですよね(笑)。それをメンバーは2年間ずっと見てきてるから、「砂の塔」のクールで優しいお兄ちゃんって感じには「全然、普段と違うな!」ってよく言われます(笑)。
― ドラマで描かれるのは、タワーマンションのきらびやかな生活の裏で次々と起こる連続幼児失踪事件。佐野さんが演じる和樹は、妹をかわいがる理想の“お兄ちゃん”で、緊迫したドラマの癒し要素を担っていましたが、実は“裏の顔”があって…という展開。二面性を秘めた和樹という人物をどう解釈していますか?
佐野:和樹の妹思いな部分は、僕自身すごく演じやすいというか、あまり演じているつもりはなくて。実際に小学1年生の弟がいて、昔からよくおむつを替えたり、抱っこしたりしていたので、自然にできているんじゃないかと思います。難しかったのは和樹が思い悩んでしまうところ。僕は相談事があったらいろんな人にめちゃくちゃ相談するタイプで、和樹みたいに1人で悩むことがなかなかないので、その面はすごく難しかったです。ドラマなどを観て、参考になるような役を勉強しました。同じ塚原あゆ子監督の『夜行観覧車』では、杉咲花さんや、中川大志くんのお芝居を見て勉強して。なんとか和樹を作り上げようと努力しました。
― ご自身に和樹のような二面性はないと思いますか?
佐野:二面性はないですね。お母さんにも「裏表ないね」って言われます(笑)。和樹と僕は、真逆とまでは言わないですけど、結構かけ離れていると思います。和樹は学校でもあまり友達としゃべったりしないじゃないですか。僕は学校でもみんなとワーッとおしゃべりして、常に騒いでいるタイプだから。
― 難役を演じるにあたり、現場でアドバイスを受けることも?
佐野:本当に初めてのことばかりなので、菅野さんをはじめ監督やカメラマンさん、音響さんからもいろいろなアドバイスをいただいて、一から十までたくさん吸収させていただいています。
― 特に印象的だったアドバイスは?
佐野:「もっと落ち着いていいよ」って(笑)。それは音響さんが言ってくれたことなんですけど、「先輩に囲まれてセリフを言うのに焦るのもわかるけど、物語の中では和樹で、菅野さんはお母さんなんだから、普通にリラックスしてやればいいよ」って。それを聞いてから、少し落ち着いてお芝居が出来るようになったかもしれないです。監督も「演じようとしないで、普通に自然なままの和樹でいいよ」と言ってくださって。初めはガッチガチだったんですけど、「僕のままでいいんだ」と思ってからはだいぶ緊張もほぐれて、楽しくやらせていただいています。
― やっぱり最初は緊張されたんですね。
佐野:緊張してるなんてもんじゃないくらい緊張して、本当にガッチガチでした!体が全然動かなくて、セリフだけなんとか言っているような感じだったんですけど、そこで緊張をほぐしてくれたのが妹役のそらちゃん(稲垣来泉)。そらちゃんは人見知りもせず僕に絡んできてくれるので、本当の兄妹みたいにリラックスできます。そらちゃんがいてくれてるからこそ、僕は和樹としてお芝居ができています。
― 現場でモニターチェックもされると思いますが、ご自身の演技を客観的にご覧になるといかがですか?
佐野:まだまだだなって思います。「ダメだな」って思うことのほうが多いんですけど、その中でも「これは自然な芝居だったな」って思える部分があるとやっぱりちょっと嬉しいです。監督も「今の和樹よかったよ」と言ってくれるので。
― ご自身でもこれまでに見たことがない一面が出てきたりして?
佐野:そうですね。最初は台本を読んで、頭で想像するだけだったんですけど、それだけでは自然な表情が出てこないので、家で動画を撮ったり、鏡を見て練習するようになりました。最近はちょっと悲しい表情とかも「意外といいな」って思えることがたまにあるので、ちょっと成長できているんじゃないかなって思います。
― 今まさに演技の楽しさを感じていらっしゃいますね。
佐野:正直、この作品をやる前までは「難しい」という気持ちのほうが強かったんです。台本やセリフにとらわれて硬くなって、自分の中でもがいていた時期もあったんですけど、いろんな俳優さんにどういう風に役作りしているのか聞いてみて、「和樹を演じるのは僕だから、自由にやっていいんだ」ということに気づいたんです。自由にやらせていただいて、それに対して「いいね」と言ってもらえると、いろいろ考えながらやってみてよかったなと思います。それに和樹っていう、僕じゃないもう1つの人生を歩めるっていうのは、役者じゃないと出来ないことじゃないですか。そういう面も楽しいなって。
― 日々吸収ですね。
佐野:本当に!毎日すごい吸収しています!
菅野美穂は「完璧な人」クランクアップは涙の予感…
― 母親役の菅野さんとのご共演はいかがですか?佐野:菅野さんは「こんなに優しい方がこの世に存在するのか!?」って思うくらい、いつも優しいです。女優さんって美人だし、ちょっと近づきにくいのかな?なんて先入観があったんですけど、菅野さんは本当にほんわかした雰囲気で、お母さんそのもの。とにかく元気で、現場ではいつも走り回っているんですよ。自分で衣装を持ってきて「着替えてきまーす!」と言ったりして(笑)。朝早くても、夜遅くても笑顔を絶やさず、みんなに話しかけてくれて、でもお芝居になるとしっかり集中するギャップもすごい。家庭の話もよくしてくださるんですが、朝忙しくてもご飯を作って出かけるとか、本当にお母さんの鏡だと思うし、一言で言うなら「完璧な人」ですね!
― 撮影の合間にもたくさんお話をされるんですね。
佐野:本当にお母さんとしゃべっているような感覚です(笑)。「今日ご飯何食べたの?」「昨日何してたの?」とか、そんな他愛もない話を。M!LKの活動もチェックしてくれているみたいで、「昨日ライブお疲れ様!」と言ってくれます。
― では現場は菅野さんを中心に明るく。
佐野:そうですね。本当に菅野さんが太陽みたいで、周りにいるみんなが笑顔になれるんです。
― ママ友を演じる横山めぐみさんは佐野さんのことを、「ママ友のアイドル」とおっしゃっていました。
佐野:本当ですかね?!いじられているだけだと思うんですけど(笑)。
― 佐野さんも現場のみなさんを笑顔にする、太陽のような存在になっているのかも。
佐野:いえいえ、そんな。ママ友のみなさんも、映像の中では怖い役ですけど、実際は全然そんなことなくて、控室では「一緒にご飯食べようよ」と誘ってくださって。お弁当を食べながらM!LKの話をさせてもらったり、本当に僕は素晴らしい方々に囲まれています。
― クランクアップの日をイメージしていますか?
佐野:やっぱり自分で後悔しないクランクアップを迎えられたらなと思います。やり切れずに後悔してクランクアップするっていうのは嫌なので。もっともっと和樹になりきって、良い芝居をしたいです。…多分、泣くと思うんですよね。映画『くちびるに歌を』の時も、馬鹿じゃないのってくらい1人で泣いてて(笑)。だからちょっと今回も…。
― 1つ1つの現場に気持ちが入るんですね。
佐野:入っちゃいますね。最後はやっぱり泣いちゃいます。
上京して一人暮らし…「有名になって帰ってくるぞ!」
― “真の家族愛”を問う作品でもありますが、佐野さんにとってご家族はどんな存在ですか?佐野:家族はみんな仲が良くて、特にお母さんは姉弟みたいな感じ。口を開けば喧嘩ばっかりですけど(笑)、喧嘩をしながらもつい連絡をとってしまうような関係です。去年までは愛知県で家族と過ごしていて、つい「鬱陶しいわ~!」なんて思ったこともありましたけど、こっちに上京してきて、一人暮らしをしてみると「楽しかったんだな~」と思ったり。家族のありがたみを今すごく実感しています。
― 上京される時は不安もありましたか?
佐野:高校時代から東京にはよく通っていましたけど、洗濯から食事から、生活の全てを1人でやらなきゃいけないというのは不安も大きかったです。でもスタッフさん含め、すごく親切な方が多いので。お母さんも「みんなに頼りなよ。いつでも帰ってきていいよ」と言ってくれたので、不安というよりは「頑張って有名になって帰ってくるぞ!」っていう気持ちのほうが大きかったですね。
― お母さんと頻繁に連絡をとるなんて微笑ましいです。
佐野:毎日ですよ!昨日も電話が来て「もういいわ!おやすみ!」って切っちゃいました(笑)。「ライブ終わったの?」「家ついた?」「ご飯何食べたの?」とか、30分に1回くらいLINEが来ることもあって。「もういいわ!一応俺もう大学生だよ?」って(笑)。
― 離れて暮らす息子への愛ですよ!
佐野:そうですよね。最近は心配してくれるだけありがたいなって思うようになりましたけど、それにしても心配性すぎる(笑)。ありがたいけど、ちょっとだけ控えて欲しいですね。これ、お母さんに伝わるように書いておいてくださいね!(笑)
人生で一番濃い「成長の1年」 来年の目標は?
― 今年も終盤ですが、振り返ってみていかがですか?佐野:今年は本当に濃かったですね。大学受験があって、それもなんとか頑張りきれたし、上京して舞台に初ドラマに…いろいろやらせてもらって。M!LKもワンマンライブをやらせてもらったし…なんかもう、僕…今何歳だっけ…18歳だ(笑)。
― 歳を忘れるくらいの完全燃焼(笑)。
佐野:この18年間の中で、一番濃かったと言い切れます!自分の意識も変わったし、将来のことも考えるようになって、一番成長できた1年だったんじゃないかなと思います。周りからも「ちょっと変わったね」って言ってもらえるようになったので。
― 少し早いですが、来年に向けての目標は?
佐野:来年はもっとお芝居に触れる機会を増やせたらなと思います。映画やドラマに出て、もっともっとたくさん役の人生を歩んでみたい。M!LKとしては、来年初めての5大都市ツアーもあるので、それを成功させたい。来年は僕自身もM!LKも、日本中の方に知ってもらいたいなと思います。
― 俳優として、今後演じてみたい役柄は?
佐野:普段もおちゃらけてるんですけど、そのさらに上をいくくらいおちゃらけた面白い役!どんな役でも演じられる、カメレオン役者になりたいです。
佐野勇斗の決断「明太子vsシーチキン」
― これからの人生も、様々な分岐点があると思います。どう決断していきますか?
佐野:悩まずに直感です!例えばお昼ご飯のおにぎり。明太子にするか、シーチキンにするか…っていうのはすごい決断なんですけど、僕にとっては(笑)。「どっちにしようかな~」って悩んだ時は、もう目をつむってシャッフルして、パッと選ぶ。その結果がシーチキンで、「やっぱり明太子がいいな~」って思っても、そういう運命なんだな!って納得するようにしています(笑)。
― 素敵な例えです(笑)。
佐野:直感を信じて、後悔しないこと!
◎モデルプレスではプライベートに迫る一問一答も配信予定。お楽しみに!(modelpress編集部)
佐野勇斗(さのはやと)プロフィール
生年月日:1998年3月23日出身地:愛知県
趣味:漫画収集
特技:サッカー、空手(1級)、書道(6段)
第25回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」出身。5人組ボーカルダンスユニット・M!LK(ミルク)のメンバー。2015年に映画『くちびるに歌を』で俳優デビュー。2016年は舞台『ポセイドンの牙』、ドラマ『ドクターカー』(日本テレビ系)、『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)に出演。M!LKとしては2017年1月11日に5thシングル「疾走ペンデュラム」をリリース、3月から5大都市春ツアーの開催を控えている。
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