「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」(C)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

「テラスハウス」撮影方法にも言及!ハワイを舞台にした理由、メンバーの選考基準、制作で意識していること「台本では絶対に書けない」…番組プロデューサーを直撃

2016.11.01 00:00

11月1日よりFODとNetflixで配信スタートした人気リアリティーショー「テラスハウス」の新シーズン『TERRACE HOUSE ALOHA STATE』(テラスハウス アロハ ステート)。なぜ新しい舞台はハワイなのか? メンバーを選んだ基準は? 制作する上でのこだわりは? 番組のチーフプロデューサーを務める太田大氏、松本彩夏氏が報道陣の取材に応じた。

ハワイを選んだ理由

「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」(C)フジテレビ/イースト・エンタテインメント
― 新しい舞台にハワイを選んだ理由を教えてください。

松本氏:湘南からスタートして、次に東京シーズンと、撮り終えてみて、やはり、東京にはなかったのは、リゾート感と言いますか、ご機嫌な感じと言いますか。海がある生活、そういうのが東京にはなかったというのが一つ。もう一つは住んでる子たちが、いつもの自分たちのホームから離れている感じだったり、やはり都心だと、どうしてもそういう非日常感を薄く感じることがありました。東京はそういったことが転じて、すごく喧嘩が多かったりで、良くも悪くも、別の面白さはありましたけど(笑)。湘南では「今ここにしか私たちの居場所はない」というような、陸の孤島感、アウェイ感みたいな感じがメンバーの結束を生んでいた側面もあったように思っていて、でも東京ではそれがちょっと失われたな、という気持ちが撮影をしているうちに感じました。次はちょっとまたどこか離れたところがいいな、でも湘南にまた戻るのも違う、だったらハワイでも行っちゃう?みたいなノリです!(笑)

― では海外にこだわったわけではないということですか?

松本氏:はい。というよりは、ご機嫌なシュチュエーションと、ちょっと都会から離れていて、少し不自由で、普段の生活をちょっと捨てなければ住めないという環境を、というところから選びました。何かを犠牲にして、そこに住んでいることで、生まれるものがあったんだな、というのを湘南で感じたので。聖南ちゃん(島袋聖南)とか当時、あんな感じで、サングラスをかけて、ハイヒールで、バリバリ六本木とかを歩いていましたが、実際は一時間以上電車に乗って都心に出て、終電を気にしながら帰ってきたりとかしていました。そういう不自由さがあってこその、番組への愛着とか、そういうのが、みんなそれなりに生まれていたんだなと。東京を全然否定するつもりはないですが、その感じはもう一回テラスハウスに必要なのかな、と思っていたところで浮かんだ候補地にハワイがあった。日本人にももちろん馴染みがありますし、あと、ハワイに住むと言ったらテンションが上がるじゃないですか?(笑)テラスハウスの音楽とかそういうものも全部含めて、海の感じが似合うな、と改めて思った次第です。

メンバーの選考基準

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― 今回最初のメンバー6人を選んだ基準があれば教えてください。

松本氏:基本的には、ハワイでも日本でもオーディションをして、感覚的に「いいな」と思った子を選びました。選考基準は本当によく聞かれるのですが、特になくて、ビジュアルが抜群だから選んでいるわけでもなく、仕事が立派だからといって選んでいるわけでもないです。その時々のメンバーのバランスを見る時はありますが。

― どういうものを持っている人を「いいな」と思いますか?

松本氏:入ってきた瞬間にわかります!言葉があれですが“面構え”(顔つき)ですね。美人とかブスとか、カッコ良いとか、とはまた別の「いい顔してるな!」みたいな。会ってイマイチだな、と思っていて、話していくうちに「なかなかいいじゃん」ってなることはそんなにないですね。やっぱり顔にやっていることとか、出るのだと思います。と思って選んだら、とんでもない子もたくさんいましたから、アテにはならないですけど…(笑)。

世界から見た「テラスハウス」

「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」(C)フジテレビ/イースト・エンタテインメント
― 現在も世界で配信されていますが、ハワイでやるということで、よりアメリカ及び全世界に向けて発信、認知することになりますが、日本のリアリティーショーならではと思うことを教えてください。

太田氏:世界中にリアリティーショーがたくさんある中で、テラスハウスは、ある一定の品性のある番組だと我々は認識しています。アメリカのリアリティーショーでよく見るような、スキャンダラスな恋愛や殴り合いの喧嘩や暴言などはなく、派手ではないけれど少しずつ変容していく人間関係とか、住人たちがそれぞれの夢に向かっていく姿とか、そういうところをフィーチャーしています。「日本」という国の特性もベースにありながら、テラスハウスという番組はリアリティーショーでもこういう感じなんだ、というのを世界に知ってほしいです。「激しい」リアリティーショーに慣れた世界の視聴者に、新しい価値観を感じていただきたいというのは、一つ希望としてはあります。

― それは少し大きい話をすると、日本のカルチャーを世界に発信するということですか?

松本氏:そんな大それたことは全然思っていないです!

太田氏:文化の差などではなく、日本のカルチャーということでもないと思っていて、別に日本の文化とか、日本人らしさ、みたいなことを背負う番組ではないです。「日本の若者たちの今を切り取るとこういう番組です」っていう…ことです。

― 実際にNetflixの本社や海外からの声として、どのようなリアクションがありましたか?

松本氏:実際に海外の方に記事を書いていただいて、アメリカだと、会っていいなと思ったら、ハグして、チューして、やっちゃって、付き合うかどうかは、その後だ!みたいな。でも日本はグズグズグズグズして、付き合う?どうする?好き?かもしれない…。気になってる…。というのが、もどかしくて、バカじゃないの?と思うけど、それがちょっと面白いな、と言う風に書いていただいたのは見ました。

「台本では絶対に書けない」制作で意識していること

「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」(C)フジテレビ/イースト・エンタテインメント
― 台本がないということが大前提ですが、台本がないからこそ、番組作りで重要としていることはありますか?

松本氏:例えばカメラをできるだけ動かさないとか、こちらの主観がなるべく入らないようにはしています。やっぱりいいことを言ったら、グゥーっといきたくなるし、泣いていたらギューっとズームしたくなりますが、それをすると、私たちが「今ここを見てください!」ということになるので、見る人にできるだけ委ねてはいます。他にはこちらの作り手の気配を消すこと、そして枯れた花とか、肉の空き箱とか、あとで何があるかわからないので、その時にしか撮れないインサートは丁寧に撮っています。特に気にしてないですが、よくヤラセだとか、台本が本当はあるのでは?とか言われますが、肉事件とか、あんなの台本では絶対に書けない(笑)、というのはいつも思っています。

― 台本があるとか、そういう風に言われるもどかしさは、やはりありますか?

松本氏:たとえそう言われても、見ていただけているうちが華だな、と思っているので、腹が立ったり、「もどかしい!本当はないのにー!」とか(笑)、わざわざ思ったりはしないです。批判も全部含めて、ありがとうございます!という気持ちでいます。

― 海外のリアリティーショーの激しい感じではなく、テラスハウス独特のリアルな世界観を作っていく上での秘訣はありますか?

松本氏:特に海外と違う風に作ろうとか、海外はこうだけど、私たちはこうだわ。とか思ったことはないです。作る方も日本人だし、出ている方も日本人で、日本人が日本人を撮っていたら、ああなりました、という感じです。秘訣とかも特にはなくて、みんなの日常を根気よく撮るのみです。今、皆さんの前に出しているのは彼らの日常のほんの一部で、あの裏には、皆さんにはお聞かせできないような、本当にくだらない話とかが山ほどありますが、日々、現場でコツコツ撮っていかないと、何が起こるかわからないので、現場の日々の努力と、あとはそれを演出が上手くまとめてくれている、という感じです。

太田氏:一つあるのは、海外のリアリティーショーは、いわゆるテレビドラマの作り方とまったく同じで、SE(効果音)やシーンに合ったBGM(劇伴)で音付けをしていて、それがドラマっぽくさせているところがあると思うのですが、テラスハウスは基本的には、実存する曲を使っていて「ズドーン」とか「ワー」とか、SEは絶対やらないので、そのあたりが、見た感じの雰囲気では大きく違うことかな、とは思います。

「テラスハウス」の撮影方法

「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」(C)フジテレビ/イースト・エンタテインメント
― テラスハウスの中でカメラは隠されていますか? それとも見えた状態で撮影を行っていますか?

松本氏:カメラはみんなに見えるところにあるので「気づいてたら撮られていた!」ということは基本的にはないです。隠し録りをしているわけではないので。出ている子たちも、カメラに映っている自分というのを、どこか意識はしているんだと思いますが、ただ、毎日のことなので、住んで2~3時間すると、カメラが家具のように思えて気にならなくなるという声は、住んでいる子たちからよく聞きます。

― カメラは人が撮っていますか? それとも置いてありますか?

松本氏:秘密です!

― 出演者の個人的なプライバシーと、番組を面白くする上でのバランスなどは考えていますか?

松本氏:24時間というわけにはいきませんが、出演者の身の上に起こる全ての出来事を記録することが、テラスハウスの企画の根幹にあるので、この番組に出る以上、そのあたりの覚悟は必要だと思いますし、出演者の皆さんにもそのように説明しています。プライバシーがゼロ!とは言いませんが、いろいろ取り繕うよりも、良いところも悪いところも含め、自分自身の全てを見せた子たちほど、見ている方々から愛されてきたところはあると思います。みんなから愛されることが決してゴールではないかもしれませんが、この家に住んだ子たちは、多くの人に愛される人であってほしいという願いはあるので、出演者には100%見せるつもりでいてほしいと常々思っています。

「テラスハウス」とは

「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」(C)フジテレビ/イースト・エンタテインメント
「テラスハウス」は、シェアハウスに同居する男女6人の青春模様を記録したリアリティーショー。縁もゆかりもない6人が共同生活する様子を四六時中カメラで追いかけ、彼らの生活にあふれる、誰もが憧れるようなキラキラした青春・友情・恋愛・夢、そして、嫉妬・挫折といった様々な“ドラマ”を記録し、人気を得てきた。

12年9月12日から14年9月29日にフジテレビ系列で放送され、地上波終了後も『テラスハウス クロージング・ドア』と題した劇場版(15年2月14日公開)が大ヒット。その後、15年9月2日から『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』としてFODとNetflixで新シーズンが配信、地上波でも毎話放送されている。

9月27日に現シリーズ『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』(テラスハウス ボーイズ&ガールズ イン・ザ・シティ)の最終回(46th WEEK)が配信開始。その番組最後の部分で、新シーズンの制作決定、舞台がハワイであること、タイトルが『TERRACE HOUSE ALOHA STATE』になることが発表された。地上波ではフジテレビにて11月28日(月)深夜24時55分に放送。(modelpress編集部)

「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」(テラスハウス アロハ ステート)概要

話数:全24話

「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」(C)フジテレビ/イースト・エンタテインメント
<スケジュール>
放送:11月28日(月)深夜24時55分よりフジテレビにて放送
配信:11月1日(火)深夜0時(10月31日(月)深夜24時)よりFOD/Netflix にて配信
地上波見逃し配信:FODのプラスセブンにて放送終了後から7日間見逃し配信

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