3ヶ月で8キロ減の役作り!中島歩の役者魂「ガリガリと思われたい」「自分を捨てる」 モデルプレスインタビュー
2016.04.08 08:00
views
俳優の中島歩(27)がモデルプレスのインタビューに応じた。2013年4月、美輪明宏主演の舞台『黒蜥蜴』のオーディションに合格したことがきっかけで俳優デビューを果たし、その後2014年上半期に放送された連続テレビ小説『花子とアン』で仲間由紀恵演じる蓮子の駆け落ち相手・宮本龍一役を演じ、一躍注目を集めた中島。今回、4月13日スタートの舞台『愛の眼鏡は色ガラス』でついに舞台初主演に抜てきされた。舞台で俳優デビューした彼にとっては、想い入れの強い作品になったという。
舞台『愛の眼鏡は色ガラス』とは
『愛の眼鏡は色ガラス』は、1973年に発表され安部公房スタジオの記念すべき第1回公演として安部公房氏自身の演出で初上演されたもの。その巧みな演出と社会風刺は高い評価を呼び、当時の演劇界に新風を巻き起こした。そして、43年の時を経た2016年、巨匠の名作が蘇る。主演の中島のほか、山森大輔(文学座)、奥村飛鳥、笠原紳司といった実力派俳優陣たちが多数出演。演出は文学座の望月純吉がつとめる。ストーリーは正気と狂気が交差する精神病院が舞台。患者はそれぞれの問題と医者は患者と向き合っている普通の精神病院だが、実は彼らには“あるべき境”がなかった。医者のような患者、患者のような医者、正気を演じる者、狂気を演じる者…。まるで社会のブラックホールのような空間へ、突然全共闘の学生が入り込んできたことで彼らの常識は形を変え始めていく。
“白医者”という役作りのため8キロ減
― 精神病院が舞台ということで、深刻なストーリーなのかなと思ったのですが、どのようなお話なのでしょうか?中島:今回の作品はコミカルな演出になっています。誰が医者で誰が患者なのか曖昧になっていて、誰が正気で誰が狂気なのかも曖昧になっている。それを観客のみなさんに観てもらうことで、観る観られるという関係を反転できればと思っています。難しく捉えられがちですが、観客のみなさんと通じ合えることを意識して作り上げているので、演じている僕たちと一緒に楽しめると思います。
― 難しそうに聞こえてしまいますが、楽しいストーリーなんですね!
中島:楽しんでもらえると思います。笑えるシーンや、何これ?って突っ込みたくなるシーンもたくさんあります。あとは、小道具にもこだわっているので、ただ観るだけでも楽しんでいただけると思います。
― 中島さんはどのような役ですか?
中島:僕は“白医者”という役で、僕自身も患者だった過去があるという役です。
― 狂気を演じるシーンもあるんですか?
中島:ありますね。狂気を演じるというつもりはありません。狂うつもりで演じなくても台詞がすでに狂っているので、それを本気で言えるようになれば、結果的にそう見えると思います。
― 役作りも大変だったのでは?
中島:病院にずっといるとどうなるのか想像しましたね。普通に生活していてもあり得ることかもしれないし。あとは痩せました!前回の作品でムキムキの筋肉質の役柄だったので、そこから3ヶ月間で8キロほど痩せました。見た目的にガリガリだなと思われたくて。
― 8キロも痩せたんですか!?びっくりです。
中島:痩せやすい体質なのかもしれませんが、忙しくしていたらどんどん痩せていきました。食事制限は糖質を摂らないようにしたくらいです。
― 稽古も大変ですか?
中島:そうですね。こういうストーリーなので普通の作品より大変です。どうすれば観に来てくださる方に伝わるのか、すごく考えています。先日、1973年に舞台化されたときの演出に携わっていた方にお会いする機会があり、一回解体する作業も必要なのかもしれないというお話を聞きました。安部公房の作品がはすごくシュールなお話なのに、俳優はリアリティを求めている部分があって。安部公房の戯曲には台詞が無かったりするんですよね。動作で表現することも多いんです。
舞台初主演で想い入れ強い作品に…
― 今回が舞台初主演ということで、おめでとうございます!心境はいかがですか?中島:前回『ETERNAL CHIKAMATSU』という舞台で中村七之助さんや深津絵里さんといった大先輩と共演していたのですが、できるはずなのに、納得のいく演技ができない時期がありました。そう思ったら、どんどんできなくなってしまいました。そんなときに演出家の方に「主演だと思ってのびのびやりなさい」って言われたんです。その言葉のおかげで吹っ切れて、今の現場でも主演だからこその怖さを感じつつも、自分が表現できるものをいろいろ試せています。
― プレッシャーとかは感じなかったんですか?
中島:みんなが活躍する作品なので、主演っぽくしていないので(笑)。稽古場の空気は意識していて、稽古が終わったらみんなでご飯を食べに行くとか、コミュニケーションを率先してとっています。今までの現場で学んできたことなのですが、「ここはこうした方がもっと良くなるんじゃないかな?」ということをみんなが言いやすい環境にすることが大事だなと思っていて。些細なことから実践しています。
― 中島さんは舞台で俳優デビューされているので、今回の舞台初主演は想い入れが強くなりそうですね。
中島:そうだと思います。今まで通りの役の作り方とも違うので、新しい挑戦という意味でも、初めて主演するという意味でも、自分の中に残っていく作品だと思っています。
― 役者人生の中でもターニングポイントとなりそうですね。
中島:1つの作品が終わって毎回感じることは、視野が広がっているという感覚があること。今回も絶対にそうだなと思いますし、もちろん自分のダメなところも見つかっていくと思います。
― 今まで出演してきた作品を振り返るとしたら?
中島:やはり、デビュー作となった『黒蜥蜴』ですかね。そこからいろいろな作品に繋がるようになったので。当時、僕が面白いと思っていた演技と美輪さんに求められていた演技が違っていたんです。それを変えることが難しくて、自分の中にあったものを壊すということは作品に取り掛かる上で大事なことと教えていただきました。
― 俳優として演じる上で大切にしていることはありますか?
中島:自分を捨てること。お芝居の質って作品によって変わっていくものなので、作品によってどういう役なのか、まずは今自分の中にあるやり方を一度捨てます。先日デヴィッド・ルヴォーさんという海外の演出家の方に会ったのですが、俳優は初めて相手とやって成り立つ職業とおっしゃっていて。俳優は片翼の天使だから相手がいて、初めて飛べるとお話してくださいました。こう演技しようと思うより、相手をどうしたいのか、どうすれば伝わるかを考えた方が大事だと思っています。
“今後の目標”と“夢を叶える秘訣”を語る
― デビュー4年目ですが、今後の目標を教えてください。中島:お芝居1つでいろんな表現に出会いたいなと思っていて。この前、着物で時代劇をやっていたのですが、そこでできないことも見つかりましたし、技術的にもうまくなりたいって思うようになりました。こだわりを持ちつつ、今まで表現したことのない役に挑戦していける俳優になりたいです。
― 最後に夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて夢を叶える秘訣を教えてください。
中島:夢に対する情熱と愛情を強くしていくこと。結局はそれがモチベーションにも繋がっていくので。僕は始めたときよりも、演技がどんどん好きになっています。こうしたいという思いも増えている実感があります。夢を愛しているからかもしれませんね。叶うかどうかはわかりませんが、やっていくうちに違う目標もできたりすると思います。叶うという実感があったらそこで終了しちゃう気がするので、叶えるというより追い続けるという感覚を大切にしていってほしいです。
― ありがとうございました。
俳優デビューしてまだ4年。真っ直ぐな視線で話してくれる姿からは、言葉の1つひとつに重みを感じることができた。熱い役者魂を持っているからこそ、着実にステップアップしている。
そんな彼は「今のところ演技しかできないから」と謙虚な一面を見せながらも、今後も役者一本でいくと宣言してくれた。今回の舞台初主演を経て、一回りも二回りも成長してくれることを確信するとともに、次回作では成長した新たな“中島歩”に出会えそうな予感がした。
インタビューこぼれ話!中島歩の素顔は?
中島さんってどんな方ですか?と本人に率直に聞くと、「ヘボい人間です(笑)」と控え気味。マネージャーさんがすかさず「その中でも良いところはあるでしょ?」と突っ込むと、「抜群の容姿(笑)。って、自分でこんなこと言って超ダサイ奴みたいじゃーん」と茶目っ気を見せてくれました。キリッとしたクールな顔立ちと身長183cmという抜群スタイルの中島さんですが、そうやってフランクにお話してくれた姿が印象的。お部屋が一気に笑いに包まれた瞬間でした。
熱い役者魂を持っている中島さんですが、「ヘボさは誰にも負けません(笑)」と最後の最後まで空気を和ませてくれました!(modelpress編集部)
舞台『愛の眼鏡は色ガラス』
日時2016年4月13日~15日場所:劇場「座・高円寺2」
原作:安部公房
演出:望月純吉(文学座)
出演:中島歩、山森大輔(文学座)、ナカムラユーキ、鈴木太一、端本宇良(演劇企画円端)、海老名翔太(俳優座)、中島晃紀、本山由乃(劇団ロオル)、大塚尚吾、立花諒、後藤祥子、奥村飛鳥、笠原紳司
中島歩(なかじまあゆむ)プロフィール
生年月日:1988年10月7日出身地:宮城県
身長:183cm
血液型:A型
趣味・特技:落語、釣り、写真、ギター
資格:空手初段、書道準二段、英検3級
免許:普通自動車免許(AT限定)、教員免許・国語科(中学校、高等学校)
【Not Sponsored 記事】
関連記事
「インタビュー」カテゴリーの最新記事
-
MADEINマシロ・ミユ・イェソ「顔が似ている」3人を直撃 日本で挑戦したいことはバラエティー出演【インタビュー】モデルプレス
-
TWICEナヨンの夢を叶える秘訣 “自分を信じる大切さ”語る【モデルプレスインタビュー】モデルプレス
-
櫻井海音&齊藤なぎさ【推しの子】実写化への“プレッシャーを上回った感情” 互いの呼び方&信頼も明かす【モデルプレスインタビュー】モデルプレス
-
【TWICEサナ インタビュー】夢を叶えるためには「勢い」が大事 中学時代のデビュー前から繋がる考えモデルプレス
-
BUDDiiS小川史記、“暗黒時代”支えとなった友の存在 後悔なしの20代振り返る【インタビュー後編】モデルプレス
-
「今日好き」こおめいカップルインタビュー、交際後は毎日寝落ち電話 意外だったスキンシップ事情「もっとしようかなと」モデルプレス
-
“奇跡の29歳”BUDDiiS小川史記、代名詞が思わぬ広がり 1st写真集で新たな自分も発見【インタビュー前編】モデルプレス
-
“怪演”話題の片岡凜、ブレイク中の心境語る デビューから2年――女優の夢叶えるために起こした行動「突っ走ることが大切」【「海に眠るダイヤモンド」インタビューVol.3】モデルプレス
-
「海に眠るダイヤモンド」いづみの正体・今後の展開は?千景役・片岡凜が気になる伏線ポイント明かす【インタビューVol.2】モデルプレス