玉木宏の意外な一面 石原さとみが明かす モデルプレスインタビュー
2014.08.02 07:00
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現在公開中の映画「幕末高校生」で初共演を飾った俳優・玉木宏と女優・石原さとみ。2人のテンポよい掛け合いも見どころの同作だが、その舞台裏はどうだったのか?モデルプレスは2人を直撃し、お互いの印象から撮影エピソードまでたっぷりと語ってもらった。
同作は、1994年1月に放送された同名ドラマに着想を得て製作されたエンタテインメント新時代劇。高校の歴史教師・未香子(石原)とそれぞれ問題を抱える高校生が、突然幕末の江戸の街にタイムスリップし、運命的に出会った幕末の偉人・勝海舟(玉木)と歴史を揺るがす事態に巻き込まれる。
玉木:作品全体を通して、歴史が苦手な方でもすごく入りやすい作品になったかなと。幕末時代が好きな方なら、いつもと違った角度から幕末時代を見ることができると思います。
石原:わかりやすくてテーマ性もあるけど、おしつけがましくない。テンポも展開も早く、ボケとツッコミがあるのに、それがコントみたくなっていない。とても明るい作品になっていると思います。
― 玉木さんは“勝海舟”を演じました。
玉木:最初、勝海舟の役と聞いたときは、これまで諸先輩が演じてきた役柄だけに、自分だと少し若いのではないか?という思いもありました。でも台本を読んでみて、今まで見たことのない頼りない姿も多く、偉人ではあっても人間味あふれる勝海舟だなということで、挑む決心がつきました。
玉木:(李闘士男)監督は言葉のリズムを大切にされる方。テンポをもっと早くという指示をよくされる方なんですけど、さとみちゃんに関しては「テンポを落としてって言った女優さんは初めて」とおっしゃっていました。「こんなに早口でも何を言っているのかわかるなんて本当にすごい」とも。僕は現場で見ていて、何にでもちゃんと染まれる人なんだなと思いました。現場、対人…すごく順応性が高い。お芝居もキャッチボールなので、さとみちゃんはきっちり受け止めて吐き出してくれる方ですね。
石原:玉木さんは本当にコメディタッチの演技がすごく上手。イラッとするタイミングとか、ついついこっちがそれに対してツッコミたくなるんですよね。あと意外だったのはかなりイタズラ好きなところ。現場のムードメーカーが(柄本)時生くんだったんですけど、時生くんの携帯を隠したりとか、タバコの中にクギを入れたりとか…(笑)。でもそれがなぜか全部、現場の雰囲気をパッと明るくするんですよ。相手と場と空気を察知してイジるのが上手いんだと思います。
玉木:口下手なので行動で表すしかないんですよ(笑)。みんな個性豊かでキャラが誰一人かぶることもなく、壁を作る人もいなかったので、年齢はバラバラでしたけど、すごく楽しい現場でした。
玉木:台本上はすごく少ないト書きだったんですが、監督の中で作品の芯になる部分を作りたいということで長くなりました。手数が100手を超えていて覚えるのはかなり苦労しましたが、それにも増して大変だったのが、ワンカットで撮影したこと。僕はワンカットでやらなくてもという気持ちだったんですけど(笑)、監督はドキュメントタッチを狙っていて。あのシーンは人を殺めるような派手なアクションではない。相手が向かってきても殺さず、前へ進みにくい中を、それでも進んでいく心情を表している。僕自身リアルに追い込まれていったので、あのシーンをやり終えたときに僕が見せた疲労感みたいなものは、ワンカットでないと撮れないものになっていると思います。実際、何度も心が折れそうになりましたが(笑)、あのシーンは“勝海舟”とリンクしているのかなと。
― 石原さんは走るシーンがかなり多かったように感じました。
石原:京都の町を現代のヒールでこんなに走ることは今までなかったのでとても新鮮でした…が、楽しかったのは最初の1、2回です(笑)。何回も走ったので足を痛めるなんてこともあったんですが、結果的に息が荒くなったり、汗だったり、叫び声だったり、そういうものはこの作品のリズムを作る上でも必要だったのかなって思います。でも思い出すとけっこう辛かったな(笑)。玉木さんの最後の顔を撮りたかったように、私も「ここは映っていないだろうな」ってところから走ることが何回もありました(笑)。
玉木:普段から走ったり、ジムに行ったりしています。それは途絶えさせちゃいけないなと思って、京都での撮影中も、鴨川の周辺を走っていました。
石原:いつも何かの作品を撮影している状況なので、その役によってという感じです。舞台中はその期間ずっと筋トレしていることもあります。
玉木:美談で終わらせるなら勝海舟に会いたい、なんですけど(笑)、本心は恐竜が見たいですね。化石は発見されてはいますが、実際にあんな大きなものが動いて空を飛んだりしていたのか、確かめたいというか目の当たりにしたい。危険は承知で、それをカメラに収められたら最高ですね。
石原:私は人間になる一つ手前、ギリギリ人間ではない人間に興味があります(笑)。ここで指が5本になったんだとか、ちょっと違うかもしれないけど「ママ」って言葉ができた瞬間とかに立ち会いたいです(笑)。
玉木:忍耐力。生きていれば日々いろんなことが起こる、いろんな誘惑があるかもしれない。それでも自分が最初に描いた夢に向かっていくには、忍耐力が一番大切だと思います。
石原:情報収集と、自分が何がしたいのかを毎日思うこと。毎日思っていれば自然と口にしたり、紙に書いたりすると思うんですよね。そうすると情報が舞い込んできやすくなる。叶えたい夢がはっきりしていれば、その情報のとらえ方もいい方向に転じて、一番の近道になると思います。
― ありがとうございました。
インタビュー中は和やかな雰囲気ながらも、言葉の端々に2人の演技への飽くなきこだわりが垣間見えた。2人が初共演した「幕末高校生」は見ごたえ十分だ。(モデルプレス)
■映画「幕末高校生」(公開中)
出演:玉木宏、石原さとみ、柄本時生、川口春奈、千葉雄大、谷村美月、吉田羊、渡辺邦斗、柄本明、隆大介、山崎銀之丞、伊武雅刀、石橋蓮司、佐藤浩市
監督:李闘士男/脚本:橋部敦子/音楽:服部隆之
■玉木宏(たまき・ひろし)プロフィール
1980年1月14日、愛知県出身。高校卒業と同時に上京、俳優デビューし、映画「ウォーターボーイズ」(01)で注目を集める。NHK連続ドラマ小説「こころ」(03)で全国的にその名前を知られるようになり、続く「雨鱒の川-初恋のある場所-」(04)で初の映画主演を務める。その後、人気ドラマ「のだめカンタービレ」(06/CX)に出演、映画版も大ヒットし、不動の人気を獲得する。主な出演作は「MW-ムウ-」「真夏のオリオン」(09)「すべては君に逢えたから」(13)など。「神様はバリにいる」(15)の公開を控える。
■石原さとみ(いしはら・さとみ)プロフィール
1986年12月24日、東京都出身。2002年ホリプロタレントスカウトキャラバン、グランプリを受賞し、「わたしのグランパ」(03)で映画デビュー。NHK朝の連続テレビ小説「てるてる家族」のヒロインを演じて人気は全国区に。同年、ブルーリボン賞、ヨコハマ映画祭など新人賞を総なめにした。その後、映画「北の零年」(05)では、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞する。主な出演作はNHK大河ドラマ「義経」(05)、映画「フライング☆ラビッツ」(08)、映画「貞子3D」(12)、ドラマ「失恋ショコラティエ」(14/CX)など。
人間味あふれる“勝海舟”
― 今回のストーリーに対して、どのような印象を抱きましたか?玉木:作品全体を通して、歴史が苦手な方でもすごく入りやすい作品になったかなと。幕末時代が好きな方なら、いつもと違った角度から幕末時代を見ることができると思います。
石原:わかりやすくてテーマ性もあるけど、おしつけがましくない。テンポも展開も早く、ボケとツッコミがあるのに、それがコントみたくなっていない。とても明るい作品になっていると思います。
― 玉木さんは“勝海舟”を演じました。
玉木:最初、勝海舟の役と聞いたときは、これまで諸先輩が演じてきた役柄だけに、自分だと少し若いのではないか?という思いもありました。でも台本を読んでみて、今まで見たことのない頼りない姿も多く、偉人ではあっても人間味あふれる勝海舟だなということで、挑む決心がつきました。
玉木宏には“Sっ気”がある?石原さとみ「イジるのが上手い」
― 意外にもお二人は初共演となりました。玉木:(李闘士男)監督は言葉のリズムを大切にされる方。テンポをもっと早くという指示をよくされる方なんですけど、さとみちゃんに関しては「テンポを落としてって言った女優さんは初めて」とおっしゃっていました。「こんなに早口でも何を言っているのかわかるなんて本当にすごい」とも。僕は現場で見ていて、何にでもちゃんと染まれる人なんだなと思いました。現場、対人…すごく順応性が高い。お芝居もキャッチボールなので、さとみちゃんはきっちり受け止めて吐き出してくれる方ですね。
石原:玉木さんは本当にコメディタッチの演技がすごく上手。イラッとするタイミングとか、ついついこっちがそれに対してツッコミたくなるんですよね。あと意外だったのはかなりイタズラ好きなところ。現場のムードメーカーが(柄本)時生くんだったんですけど、時生くんの携帯を隠したりとか、タバコの中にクギを入れたりとか…(笑)。でもそれがなぜか全部、現場の雰囲気をパッと明るくするんですよ。相手と場と空気を察知してイジるのが上手いんだと思います。
玉木:口下手なので行動で表すしかないんですよ(笑)。みんな個性豊かでキャラが誰一人かぶることもなく、壁を作る人もいなかったので、年齢はバラバラでしたけど、すごく楽しい現場でした。
リアルな表情をとことん追求
― クライマックスに玉木さんが披露する殺陣のシーンは迫力がありました。6~7分ほどあり、玉木さんの俳優史上最も長い殺陣だったとか。玉木:台本上はすごく少ないト書きだったんですが、監督の中で作品の芯になる部分を作りたいということで長くなりました。手数が100手を超えていて覚えるのはかなり苦労しましたが、それにも増して大変だったのが、ワンカットで撮影したこと。僕はワンカットでやらなくてもという気持ちだったんですけど(笑)、監督はドキュメントタッチを狙っていて。あのシーンは人を殺めるような派手なアクションではない。相手が向かってきても殺さず、前へ進みにくい中を、それでも進んでいく心情を表している。僕自身リアルに追い込まれていったので、あのシーンをやり終えたときに僕が見せた疲労感みたいなものは、ワンカットでないと撮れないものになっていると思います。実際、何度も心が折れそうになりましたが(笑)、あのシーンは“勝海舟”とリンクしているのかなと。
― 石原さんは走るシーンがかなり多かったように感じました。
石原:京都の町を現代のヒールでこんなに走ることは今までなかったのでとても新鮮でした…が、楽しかったのは最初の1、2回です(笑)。何回も走ったので足を痛めるなんてこともあったんですが、結果的に息が荒くなったり、汗だったり、叫び声だったり、そういうものはこの作品のリズムを作る上でも必要だったのかなって思います。でも思い出すとけっこう辛かったな(笑)。玉木さんの最後の顔を撮りたかったように、私も「ここは映っていないだろうな」ってところから走ることが何回もありました(笑)。
撮影外でもプロ意識は忘れない
― お二人とも過酷な撮影だったようですね。日頃からそういった現場に備えて体力作りなどはされていますか?玉木:普段から走ったり、ジムに行ったりしています。それは途絶えさせちゃいけないなと思って、京都での撮影中も、鴨川の周辺を走っていました。
石原:いつも何かの作品を撮影している状況なので、その役によってという感じです。舞台中はその期間ずっと筋トレしていることもあります。
“タイムスリップ”するなら…
― 作品では幕末に“タイムスリップ”しますが、可能ならどの時代にタイムスリップしたいですか?玉木:美談で終わらせるなら勝海舟に会いたい、なんですけど(笑)、本心は恐竜が見たいですね。化石は発見されてはいますが、実際にあんな大きなものが動いて空を飛んだりしていたのか、確かめたいというか目の当たりにしたい。危険は承知で、それをカメラに収められたら最高ですね。
石原:私は人間になる一つ手前、ギリギリ人間ではない人間に興味があります(笑)。ここで指が5本になったんだとか、ちょっと違うかもしれないけど「ママ」って言葉ができた瞬間とかに立ち会いたいです(笑)。
第一線で活躍する2人が大切にしていること
― では最後になりますが、ストーリーで勝海舟たちは歴史を変えないために(=目的)奔走しますが、お二人が目的(=夢)を叶えるために大切だと思うことを教えてください。玉木:忍耐力。生きていれば日々いろんなことが起こる、いろんな誘惑があるかもしれない。それでも自分が最初に描いた夢に向かっていくには、忍耐力が一番大切だと思います。
石原:情報収集と、自分が何がしたいのかを毎日思うこと。毎日思っていれば自然と口にしたり、紙に書いたりすると思うんですよね。そうすると情報が舞い込んできやすくなる。叶えたい夢がはっきりしていれば、その情報のとらえ方もいい方向に転じて、一番の近道になると思います。
― ありがとうございました。
インタビュー中は和やかな雰囲気ながらも、言葉の端々に2人の演技への飽くなきこだわりが垣間見えた。2人が初共演した「幕末高校生」は見ごたえ十分だ。(モデルプレス)
■映画「幕末高校生」(公開中)
出演:玉木宏、石原さとみ、柄本時生、川口春奈、千葉雄大、谷村美月、吉田羊、渡辺邦斗、柄本明、隆大介、山崎銀之丞、伊武雅刀、石橋蓮司、佐藤浩市
監督:李闘士男/脚本:橋部敦子/音楽:服部隆之
■玉木宏(たまき・ひろし)プロフィール
1980年1月14日、愛知県出身。高校卒業と同時に上京、俳優デビューし、映画「ウォーターボーイズ」(01)で注目を集める。NHK連続ドラマ小説「こころ」(03)で全国的にその名前を知られるようになり、続く「雨鱒の川-初恋のある場所-」(04)で初の映画主演を務める。その後、人気ドラマ「のだめカンタービレ」(06/CX)に出演、映画版も大ヒットし、不動の人気を獲得する。主な出演作は「MW-ムウ-」「真夏のオリオン」(09)「すべては君に逢えたから」(13)など。「神様はバリにいる」(15)の公開を控える。
■石原さとみ(いしはら・さとみ)プロフィール
1986年12月24日、東京都出身。2002年ホリプロタレントスカウトキャラバン、グランプリを受賞し、「わたしのグランパ」(03)で映画デビュー。NHK朝の連続テレビ小説「てるてる家族」のヒロインを演じて人気は全国区に。同年、ブルーリボン賞、ヨコハマ映画祭など新人賞を総なめにした。その後、映画「北の零年」(05)では、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞する。主な出演作はNHK大河ドラマ「義経」(05)、映画「フライング☆ラビッツ」(08)、映画「貞子3D」(12)、ドラマ「失恋ショコラティエ」(14/CX)など。
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